「史上まれにみる美少女の日常」

第18話 莉菜子 日高屋のラーメンを食べて安さと味に感動の巻

ある日の放課後、莉菜子は学校の帰り道にある「日高屋」の前で足を止めた。以前からその存在は知っていたが、入ったことはなかった。「中華そば390円」の看板が目に留まり、財布の中身を確認すると、今日は少しだけ余裕がある。「たまには外で食べてもいいかも」と思い、店内に入ることにした。

店内は明るく清潔で、カウンター席とテーブル席が並んでいる。一人だった莉菜子はカウンター席に座り、メニューを手に取った。「中華そば390円、味噌ラーメン590円、野菜たっぷりタンメン590円…」どれも手頃な価格だ。しかし、初めての訪問ということもあり、看板メニューの「中華そば」を注文することにした。

注文を済ませて待っていると、周りのお客さんたちが楽しそうに食事をしている様子が目に入る。学生やサラリーマン、年配の方まで、幅広い層が訪れているようだ。「こんなに安くて美味しいなら、もっと早く来ればよかった」と思いながら待っていると、ほどなくして中華そばが運ばれてきた。

湯気を立てる中華そばは、シンプルながらも食欲をそそる見た目だ。スープは透き通った醤油ベースで、魚介の香りがふわりと漂う。麺は中細のストレートで、トッピングにはチャーシュー、メンマ、ネギ、海苔が乗っている。さっそくスープを一口すすると、魚介の旨味が口いっぱいに広がり、あっさりとした中にもコクがある。「これが390円なんて、信じられない…」思わず心の中でつぶやいた。

続いて麺をすすってみると、程よいコシがあり、スープとの相性も抜群だ。チャーシューは薄めながらも味がしっかり染みており、メンマの食感も心地よい。全体的にバランスが良く、飽きのこない味わいだ。「これなら毎日でも食べられそう」そんなことを考えながら、箸が止まらない。

食べ進めるうちに、テーブルに置かれた調味料が目に入った。酢、コショウ、ラー油、醤油…。「味変してみようかな」まずは酢を少し加えてみると、さっぱりとした風味が加わり、新たな美味しさが生まれる。次にコショウを振りかけると、ピリッとした刺激がアクセントになり、また違った味わいを楽しめる。「こんなに安くて美味しいなんて、日高屋ってすごい」心の中で感動しながら、最後の一口まで堪能した。

食事を終え、会計を済ませて店を出ると、外はすっかり夕暮れ時。「また来よう」そう心に決め、莉菜子は家路についた。日高屋の中華そばは、彼女の日常に小さな幸せをもたらしてくれたのだった。