ことわざ人生

くさなぎ秋良

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光陰、矢の如し

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 『光陰、矢の如し』とは、月日のたつのがきわめて早いこと、時がまたたく間に過ぎ去ることのたとえ。

 他にも『月日に関守なし』や『歳月、人を待たず』『光陰流水の如し』といった類句があります。多くの類句があるということは、多くの人がしみじみ同じことを思うということでしょうか。

 つい先日、夫が運転していた車のラジオから、青春時代に耳にしていた洋楽がかかりました。それは背伸びして洋楽を聴き始めた頃にビルボードのランキングに長期間入っていたレゲエの曲でした。
 特別好きだったわけじゃなく、当時「これいつまでランキング入ってるんだろう、飽きたな」なんて思っていた程度の思い出でしたが、それでも一気にあの頃の気持ちがよみがえって嬉しくなりました。

 で、ラジオのDJが曲の年数を言った途端、ふと「へ?」と真顔になる。
 13年……いや、23年前? へ? そんなに前? 私って、そんなにもう生きてきたの? とたじろく。

 思えば三十路に突入したら自分の年齢を忘れるようになりました。
 もともと人づきあいの上でも年齢を一切気にしないし、なにせ数字にからきし弱い。なので、書類に自分の年齢を書くとき、よく間違えます。多く書くのはいいけど(本当はよくない)少なく書くとさばを読んだみたいで恥ずかしいときもありますが。

 子どもを産んでからは年単位ではなく、一日単位であっという間ですね。
 曜日を確認して「もう一週間たってるの?」と毎週のように浦島太郎気分を味わっています。
 部屋に時計がないから尚更、時間に無頓着になるんでしょうか。リビングにあるカレンダーも、ひどいときには半月以上たってからめくるときがあります。

 毎日を大切に過ごしているつもりではあるんですが、まだまだ大切にしきれてないのかな。
 いつかもう少ししたら、息子の成長で月日の経過の早さを感じ、そして自分の皮膚に浮き出たシミや皺でまたしみじみと感じ入るのでしょう。

 ……シミは最小限でお願いしたいなぁ。
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