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第11話 クレアちゃんのtsランキング
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「買い出しイベントってなんですか?」
「修道院の外に買い出しに行くイベントね。リヤカーを突いて近くの街に買い物にいくのよ」
「あーなるほど……」
クレアさんと一緒に歩きながら話しかける。
「クレアさんは始めて長いんですか?」
「うん。僕は丁度2ヶ月ってところかな」
「メアリーさんのなりきりっぷりも凄いですけどクレアさんのなりきりっぷりも凄いですね……」
私がそう言うと照れ笑いのようにハニカミながら話しをするクレアさん。それを見て可愛いと思った私はまだ正常なんだろうと思い込む。
「そう? そう言われると嬉しいなぁ。まあ僕はリアルでも女装したみたり、化粧してみたりしてるんだよね。その成果がでてきたのかなぁ……」
クレアさんは完全にあっち側の人間になっちゃってますね……
「そ、そうですか……」
私が戸惑いながら返答をするも気にする素振りも見せずクレアさんは話を続ける。
「僕の憧れはアンドレア様。クレアちゃんのtsランキング不動の1位だしね」
「なんですかそのtsランキングってのは」
「僕が勝手に付けてるランキングだよ。このベルファルガー修道院の中のランキングね。徳の高さだけじゃなくて、如何に女性になりきってるかのランキングだよ」
「そ、そうですか……」
「え? 気になっちゃう? しょうがないなーじゃあ5位から発表しちゃうよ」
「は、はい……」
クレアさんは1人盛り上がって話を続ける。
「じゃあ5位から発表ね……ドロドロドロジャカジャーン! 第5位は我らがシスターメアリー!」
「は……はい……」
なんか低いのか高いのかよく解んないんけど……
「シスターメアリーはその見た目のロリっ子キャラと相反するリアリストが同居した女性になりきってる凄い人だった……それなのに居なくなるのは惜しい……」
私はただ頷くことしか出来ない。だってメアリーさんも出会ってまだ4時間しか経ってないし……
メアリーさんの話をしたせいか、少しだけ元気がなくなったクレアさんだったが、親指を折り曲げて指を4本にして私に見せる。
「それじゃ気を取り直して第4位 シスターカスリーン!」
あーメアリーさんに負けた人第4位なんだ……ちょっと講評が気になる……
「彼女の女性のダークサイドの再現力の高さ、これは本当に女性そのものといっていいよね。あのメアリーさんに対する当たりの強さ、そして自分のイエスマンを取り巻きにするところなんて、女性のダークサイドそのものじゃない?」
「た、確かに……」
このクレアちゃんランキング侮れないかもしれない。
「第3位はシスターリューネ!」
聞いたことないけど強烈な人なんだろうな……
「私はまだあったことありませんけど……」
「ひと目みたら分かるわ、彼女はこのベルファルガー修道院の太陽と言っても差し支えないほどの美貌の持ち主。そしてそれにも負けないほどの女性として磨きを掛けているの。まさに太陽」
「は、はい……」
「そして第2位はドコドコドコ」
クレアさんは口でドラムロールの真似をする。
「シスターフレイヤ!!」
また知らない人だ……って私が知ってるのは4人ぐらいしかいないけど……
「シスターフレイヤはまさに女性を体現したと言ってもいいって人……この人に泣かされたことのない聖女はアンドレア様だけとのもっぱらの評判。まさにダークサイドの権化! アンドレア様が本当の聖女だとしたらシスターフレイヤはまさに本当の悪女!」
「私も泣かされちゃうんですか?」
「ええ、若い子には特に厳しく当たるから絶対に泣かされるよ」
「そ、そうなんですね……」
1位は言わなくてもわかるんだけど……クレアさんは話をとめるつもりはなさそう。
「1位はシスターアンドレア! ベルファルガー修道院が生んだ奇跡! まさに聖女になるために生まれた男!」
なんか凄い名言が今。生まれた気がする……聖女になるために生まれてきた男……
「ちなみにクレアさんは何位なんですか?」
「僕? 僕は13位かな。メアリーさんが居なくなるから、12位に上がる予定だけど」
もっと高くてもいいような気がするけど……ボクっ娘つかいこなしてるし……
ひとしきりランキングの説明が終わって落ち着いたクレアさんが話しかけてくる。
「アレクシアちゃんは確か始めて4時間っていってたよね」
私が「はい」と返事をするとクレアさんは再び興奮気味に話し始める
「たった4時間でその言葉遣いと態度って凄いよ! アレクシアちゃん! メアリーさんが教育係だったとはいえ、僕が始めて4時間の頃なんて言葉遣いで徳が下がりまくりだったよ」
「そ、そうなんですね……」
「アレクシアちゃんは才能がある! 僕がそう断言するね。アンドレア様を目指そうよ。アレクシアちゃんだったらアンドレア様に迫れると思うの」
才能があると言われても……そんな才能いらないような……
「い、いえ……彼女がほし……いや、騎士選定して参加したいので……」
「えーー彼女なら僕がなってあげるのに!」
ちょっと不満げなクレアさん……この人リアルでも女装とか化粧とかしてるっていってたよな……丁重にお断りしておいたほうがいいよな……
「す、すいません。私ノーマルなので……」
「ほんとかな?」
クレアさんそう言って私に疑うような目で見た。
「修道院の外に買い出しに行くイベントね。リヤカーを突いて近くの街に買い物にいくのよ」
「あーなるほど……」
クレアさんと一緒に歩きながら話しかける。
「クレアさんは始めて長いんですか?」
「うん。僕は丁度2ヶ月ってところかな」
「メアリーさんのなりきりっぷりも凄いですけどクレアさんのなりきりっぷりも凄いですね……」
私がそう言うと照れ笑いのようにハニカミながら話しをするクレアさん。それを見て可愛いと思った私はまだ正常なんだろうと思い込む。
「そう? そう言われると嬉しいなぁ。まあ僕はリアルでも女装したみたり、化粧してみたりしてるんだよね。その成果がでてきたのかなぁ……」
クレアさんは完全にあっち側の人間になっちゃってますね……
「そ、そうですか……」
私が戸惑いながら返答をするも気にする素振りも見せずクレアさんは話を続ける。
「僕の憧れはアンドレア様。クレアちゃんのtsランキング不動の1位だしね」
「なんですかそのtsランキングってのは」
「僕が勝手に付けてるランキングだよ。このベルファルガー修道院の中のランキングね。徳の高さだけじゃなくて、如何に女性になりきってるかのランキングだよ」
「そ、そうですか……」
「え? 気になっちゃう? しょうがないなーじゃあ5位から発表しちゃうよ」
「は、はい……」
クレアさんは1人盛り上がって話を続ける。
「じゃあ5位から発表ね……ドロドロドロジャカジャーン! 第5位は我らがシスターメアリー!」
「は……はい……」
なんか低いのか高いのかよく解んないんけど……
「シスターメアリーはその見た目のロリっ子キャラと相反するリアリストが同居した女性になりきってる凄い人だった……それなのに居なくなるのは惜しい……」
私はただ頷くことしか出来ない。だってメアリーさんも出会ってまだ4時間しか経ってないし……
メアリーさんの話をしたせいか、少しだけ元気がなくなったクレアさんだったが、親指を折り曲げて指を4本にして私に見せる。
「それじゃ気を取り直して第4位 シスターカスリーン!」
あーメアリーさんに負けた人第4位なんだ……ちょっと講評が気になる……
「彼女の女性のダークサイドの再現力の高さ、これは本当に女性そのものといっていいよね。あのメアリーさんに対する当たりの強さ、そして自分のイエスマンを取り巻きにするところなんて、女性のダークサイドそのものじゃない?」
「た、確かに……」
このクレアちゃんランキング侮れないかもしれない。
「第3位はシスターリューネ!」
聞いたことないけど強烈な人なんだろうな……
「私はまだあったことありませんけど……」
「ひと目みたら分かるわ、彼女はこのベルファルガー修道院の太陽と言っても差し支えないほどの美貌の持ち主。そしてそれにも負けないほどの女性として磨きを掛けているの。まさに太陽」
「は、はい……」
「そして第2位はドコドコドコ」
クレアさんは口でドラムロールの真似をする。
「シスターフレイヤ!!」
また知らない人だ……って私が知ってるのは4人ぐらいしかいないけど……
「シスターフレイヤはまさに女性を体現したと言ってもいいって人……この人に泣かされたことのない聖女はアンドレア様だけとのもっぱらの評判。まさにダークサイドの権化! アンドレア様が本当の聖女だとしたらシスターフレイヤはまさに本当の悪女!」
「私も泣かされちゃうんですか?」
「ええ、若い子には特に厳しく当たるから絶対に泣かされるよ」
「そ、そうなんですね……」
1位は言わなくてもわかるんだけど……クレアさんは話をとめるつもりはなさそう。
「1位はシスターアンドレア! ベルファルガー修道院が生んだ奇跡! まさに聖女になるために生まれた男!」
なんか凄い名言が今。生まれた気がする……聖女になるために生まれてきた男……
「ちなみにクレアさんは何位なんですか?」
「僕? 僕は13位かな。メアリーさんが居なくなるから、12位に上がる予定だけど」
もっと高くてもいいような気がするけど……ボクっ娘つかいこなしてるし……
ひとしきりランキングの説明が終わって落ち着いたクレアさんが話しかけてくる。
「アレクシアちゃんは確か始めて4時間っていってたよね」
私が「はい」と返事をするとクレアさんは再び興奮気味に話し始める
「たった4時間でその言葉遣いと態度って凄いよ! アレクシアちゃん! メアリーさんが教育係だったとはいえ、僕が始めて4時間の頃なんて言葉遣いで徳が下がりまくりだったよ」
「そ、そうなんですね……」
「アレクシアちゃんは才能がある! 僕がそう断言するね。アンドレア様を目指そうよ。アレクシアちゃんだったらアンドレア様に迫れると思うの」
才能があると言われても……そんな才能いらないような……
「い、いえ……彼女がほし……いや、騎士選定して参加したいので……」
「えーー彼女なら僕がなってあげるのに!」
ちょっと不満げなクレアさん……この人リアルでも女装とか化粧とかしてるっていってたよな……丁重にお断りしておいたほうがいいよな……
「す、すいません。私ノーマルなので……」
「ほんとかな?」
クレアさんそう言って私に疑うような目で見た。
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