俺が聖女で彼女が騎士〜話題の強制tsゲーで遊んでみたら何かに目覚めそうになっている件について~

ぽいづん

文字の大きさ
17 / 19

第17話 ちゃんとついてる

しおりを挟む
 修道院の敷地に入るとMission失敗と表示される。

 あ! リヤカー置いてきちゃった……

 クレアさんもすぐに気がついたのか、失敗したーというような表情。
「リヤカー置いてきちゃったね……」
「ですねーあの状況だったら仕方ないですよ……」

「まあ、結果的にはお互い大成功の買い出しだったし、良かったんじゃない?」
 クレアさんはニコッと笑って私にウインクをする。

 私はその顔を見てユージンへの告白を思い出してしまい、顔がカーっと熱くなり慌てて顔を隠す。

「アレクシアちゃんってからかいがいあるわぁ」
 クレアさんはそういって私の背中を軽く叩いた。

 脳内に突然、声が響く。
「タケシ! 風呂!! 」
 あ! お母様……もうそんな時間なんだわ……あの人を怒らせたら色々とめんどくさいから落ちなくちゃ。

「あ! 私、落ちますね。」
「もう10時半かぁ私も落ちるよ。明日仕事で朝早いんだよねぇ」
 そういうと先にクレアさんの体がスーッと消えいていく。私もそのままログアウトをする。目を開くと部屋の天井が目に飛び込んでくる。

「タケシ!!! 」
 お母様の声が怒ったような口調になっている。

 やべ! お母さま……じゃねぇぇ母ちゃんが怒ってるわ……
「お風呂でしょ!! 今から行くわ!!! 」

 あ……

 まあ……聞こえてないだろう……とりあえず風呂に行こう……Tシャツとパンツとジャージをバスタオルを用意して風呂に行く。

 リビングでは風呂上がりの大学生の姉ちゃんが親父と一緒にビールを飲みながらテレビを見てギャハハハと笑っている。

 その姿をみて、今まで何にも思ったことなかったのに、今はまあなんとはしたないと思う自分がいる。

 風呂で服を脱いで自分の体を見ると少し気恥ずかしい気分になりかけ……ブンブンと首を横に振り、改めて自分に付いてるものを確認する。

 うん。ついてる!! 俺は男だ!!!

 そう認識をして風呂に入る。

 一通り体を洗って湯船にダイブをして、今日あったことを振り返る。

 メアリーさんにあってメアリーさんが居なく騎士選定に選ばれて居なくなって、クレアさんと出会って、……ユージンと……

 あああああああああああなんでリアルで思い出してもドキドキしちゃってるの私……いやいや脳内の言葉遣いが駄目……

 と、とにかく頭を冷やさないと……わた……俺はそのまま湯船に頭まで浸かる。

 なにも考えずに息が苦しくなるまでそのままでいる。

 一分ほどで息が苦しくなって湯船から頭を出す。

「よし! 」

 こうすることによって気持ちがなんかリセットされたような気がする。そして風呂を上がる。リビングに行くと姉ちゃんが話しかけてくる。
「タケシ、母さんが様子がおかしいって心配してたわよ」
「なんにもねぇぇよ! 」

「おー怖! まだ反抗期?」
 人を茶化すように笑う姉。

 俺はコップに水を入れながら姉に話しかける。
「姉貴は彼氏とは上手くいってんの? 」
 それを聞いて親父の顔の顔がしかめる。

 慌てたような感じで姉が俺に言う。
「は? あんた何言ってんのよ!」

 コップの水を飲み干した俺は姉の言葉を無視して部屋に戻る。

 ベッドの上に転がってるヘルメット見る。

 いつもだったらここから明け方までゲームするんだけど、今日はなんか疲れちゃったからもう寝よ……ヘルメットを机の上に置いて俺は布団の上で横になる……

 っとその前にトイレ行ってこよ……

 トイレは立って用を足す……まあ意識しなくてもそんなことはできるはず……便座を上げて、用を足して部屋に戻る俺……

 うん。普通にできた。ごく自然にできた……もう今日はそのまま寝よ……布団に横になった俺はスマホ取り出す。適当にアニメを見ているとユージンに似た人が現れる。

 ドキン……

 え……なんでよ……わた……俺は男だしスイッチも切り替えたはず!

 フーフーと深呼吸をする。

 そうだ! 俺はとある事を思いついて、スマホのブックマークからPopHubというムフフなサイトを開く。

 適当に動画を開いてみるとたちまち息子さんは元気になる。

 良かった……元気一杯だ……

 なんか安心した俺はそのまま眠りに寝落ちしてしまった……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...