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第5章 魔法の国のスピカ
第94話 火の魔法
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魔術学校のグラウンドに1年生30人が集められる。
「はい、それじゃみんな魔法を使ってみましょう」
「はい!」
中年のベテラン女教師の言葉に30人の生徒は一斉に返事をする。
私もその中の一人だ。
「それじゃさっき授業でやった火の魔法を早速使ってみましょう。まずは先生がお手本をみせますね」
先生はそういうとブツブツと魔法の詠唱を開始する。胸の前にスイカ大の火の玉が現れる。そしてグラウンドに置かれた木の的に向かって飛んでいく。
ドーンという音ともに火の玉が的にあたり、的が粉々になる。
「先生すごーーい」
同級生はそれをみて拍手喝采を教師に浴びせる。
「まあ、あなた達はここまでできなくて当たり前だから」
先生が的に向かって手で宙に何かを書くと的が元通りになる。
「それじゃアンドリューくんやってみて」
「はい!」
金髪でそばかす顔のアンドリューが的の正面に立つ。
「習ったとおりにね」
先生に言われたとおりにアンドリューは詠唱を開始する。
「火の精霊、サラマンよ。僕に力を……」
アンドリューの胸の辺りに鶏卵大の火の玉が現れ、的に飛んでいく。
ポンという音ともに的に当たる火の玉。
「うん、うん。上出来よ。さすがね」
それを聞いてアンドリューはニコッと笑い自身満々の素振りを見せる。
他の同級生たちも次々と火の玉を作ろうとするがなかなか上手くいかない。
それを見ていたアンドリューは調子に乗ってできない同級生の一人に対して勝手に教えだす。
「違うよ。違う。ぐーーっとお腹に力を入れるんだぐーーっと」
「え? こう?」
「違うって!! こうだよこう!!」
「うーん。よくわかんないや」
「ったくとろいなぁぁ。お手本みせてやるからまってろ」
次、私の番か……でも火の魔法ならお父さんと一緒に何回も練習したから大丈夫だよね。
「おい! 次また俺にやらせろ」
「え?私の番なんだけど」
「あいつがトロいからさぁ。俺がお手本みせてやんないと」
まっいっか……
「お前もどうせできないんだから俺のお手本ちゃんとみとけよ!」
「うん」
私の前に割り込んだアンドリューは先生に説明をして、もう一度やることになった。
「それじゃみんなアンドリューくんの火の魔法をもう一度見てみましょう」
さっきと同じように鶏卵大の火の玉が胸の前にでき、的にあたってボシュっという音がする。
「うん。うん。上手上手」
先生はそういってアンドリューのことを褒める。
「こうやってやるんだよ! こうやって!」
とアンドリューは鼻高々な感じで私や同級生に偉そうにする。
「じゃ次スピカさん」
「はい!……」
うーんどうしよう……私は少し戸惑いをみせる。
「ん? どうしたのスピカさん?」
「授業では全力でやっていいって言ってたので、全力でやってもいいのかなって……」
「あなた達は全力でやらないと火なんて出せないわよ。全力でやりなさい」
「はい!」
私は目を閉じて火のイメージを作る。私の全力で。
アンドリューの声が聞こえてくる
「あちゃーありゃだめだわ。火の呪文忘れてんじゃないの?」
先生も呆れたような感じの声で話しかけてくる。
「スピカさん詠唱は?」
「……そんなもの必要ありません……」
私がそう言った瞬間。
「え?」
先生が素っ頓狂な声を上げた。私が目を開と私の頭上に巨大な火のドラゴンのようなものが現れている。
「な、なんだあれ……」
「こわい!」
同級生たちも何が起こったか分からずおびえ始める。
原因が分かったのかハッとした顔をした先生が慌てた様子で
「スピカさん! 今すぐ魔法使用を止めて下さい学校が消し飛びます!!」
「はい」
私が魔法の使用を止めるとそのドラゴンは姿を消す。
天を仰ぎほっとした様子の先生。アンドリューも他の同級生と同じように怯えている。
「ス、スピカさんはもういいわ……」
「はい」
私がそこから離れると
「今のってスピカがやったの?」
アンドリューに教えてもらってた男の子が話し掛けてくる。
「うん。そうだよ」
「すっげーーー!!どうやったの?教えて教えて」
私の周りを同級生が囲みアンドリューは一人ぼっちになった。
「はい、それじゃみんな魔法を使ってみましょう」
「はい!」
中年のベテラン女教師の言葉に30人の生徒は一斉に返事をする。
私もその中の一人だ。
「それじゃさっき授業でやった火の魔法を早速使ってみましょう。まずは先生がお手本をみせますね」
先生はそういうとブツブツと魔法の詠唱を開始する。胸の前にスイカ大の火の玉が現れる。そしてグラウンドに置かれた木の的に向かって飛んでいく。
ドーンという音ともに火の玉が的にあたり、的が粉々になる。
「先生すごーーい」
同級生はそれをみて拍手喝采を教師に浴びせる。
「まあ、あなた達はここまでできなくて当たり前だから」
先生が的に向かって手で宙に何かを書くと的が元通りになる。
「それじゃアンドリューくんやってみて」
「はい!」
金髪でそばかす顔のアンドリューが的の正面に立つ。
「習ったとおりにね」
先生に言われたとおりにアンドリューは詠唱を開始する。
「火の精霊、サラマンよ。僕に力を……」
アンドリューの胸の辺りに鶏卵大の火の玉が現れ、的に飛んでいく。
ポンという音ともに的に当たる火の玉。
「うん、うん。上出来よ。さすがね」
それを聞いてアンドリューはニコッと笑い自身満々の素振りを見せる。
他の同級生たちも次々と火の玉を作ろうとするがなかなか上手くいかない。
それを見ていたアンドリューは調子に乗ってできない同級生の一人に対して勝手に教えだす。
「違うよ。違う。ぐーーっとお腹に力を入れるんだぐーーっと」
「え? こう?」
「違うって!! こうだよこう!!」
「うーん。よくわかんないや」
「ったくとろいなぁぁ。お手本みせてやるからまってろ」
次、私の番か……でも火の魔法ならお父さんと一緒に何回も練習したから大丈夫だよね。
「おい! 次また俺にやらせろ」
「え?私の番なんだけど」
「あいつがトロいからさぁ。俺がお手本みせてやんないと」
まっいっか……
「お前もどうせできないんだから俺のお手本ちゃんとみとけよ!」
「うん」
私の前に割り込んだアンドリューは先生に説明をして、もう一度やることになった。
「それじゃみんなアンドリューくんの火の魔法をもう一度見てみましょう」
さっきと同じように鶏卵大の火の玉が胸の前にでき、的にあたってボシュっという音がする。
「うん。うん。上手上手」
先生はそういってアンドリューのことを褒める。
「こうやってやるんだよ! こうやって!」
とアンドリューは鼻高々な感じで私や同級生に偉そうにする。
「じゃ次スピカさん」
「はい!……」
うーんどうしよう……私は少し戸惑いをみせる。
「ん? どうしたのスピカさん?」
「授業では全力でやっていいって言ってたので、全力でやってもいいのかなって……」
「あなた達は全力でやらないと火なんて出せないわよ。全力でやりなさい」
「はい!」
私は目を閉じて火のイメージを作る。私の全力で。
アンドリューの声が聞こえてくる
「あちゃーありゃだめだわ。火の呪文忘れてんじゃないの?」
先生も呆れたような感じの声で話しかけてくる。
「スピカさん詠唱は?」
「……そんなもの必要ありません……」
私がそう言った瞬間。
「え?」
先生が素っ頓狂な声を上げた。私が目を開と私の頭上に巨大な火のドラゴンのようなものが現れている。
「な、なんだあれ……」
「こわい!」
同級生たちも何が起こったか分からずおびえ始める。
原因が分かったのかハッとした顔をした先生が慌てた様子で
「スピカさん! 今すぐ魔法使用を止めて下さい学校が消し飛びます!!」
「はい」
私が魔法の使用を止めるとそのドラゴンは姿を消す。
天を仰ぎほっとした様子の先生。アンドリューも他の同級生と同じように怯えている。
「ス、スピカさんはもういいわ……」
「はい」
私がそこから離れると
「今のってスピカがやったの?」
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「うん。そうだよ」
「すっげーーー!!どうやったの?教えて教えて」
私の周りを同級生が囲みアンドリューは一人ぼっちになった。
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