デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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死者の迷宮編

第1話 パーティ結成

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 俺がこれから挑むダンジョンは『死者の迷宮』と言われている。
 その名の通りアンデッド系のエネミーがワサワサ出るらしい。腐った死体とかリアルでキツそう……

 見方を変えればアンデッド系の敵は毒などのデバフ系の攻撃を多様してくる。感染スキルを持つ俺にとっては案外クリアしやすいダンジョンだとも言える。

 この死者の迷宮10層構成のダンジョンになっており、最下層のエレシュキガルを倒すとレアなアイテムを手に入れることができるとサルザエアの歩き方に書いてあった。

 各層に下限レベルが設定されていて、1層はアバターレベル15ジョブレベル10から挑める。最終層の10層はアバターレベル30、ジョブレベル30にならないと挑めないが9層をクリアするとそれだけの経験値は貰えるらしい。

「うーん」
 パーティ募集の文面悩むなぁ……

 変に受けを狙うと滑って恥ずかしい思いをするだけだしなぁ。
 ちなみに、俺が募集するパーティは固定パーティと呼ばれる物。

 固定パーティというのは1層から10層まで同じメンバーでクリアしよう! というものである。

 行きずりの仲間を見つけて攻略する方法もあるのだが、同じメンバーで頑張ってクリアした方が楽しいよとタケシから言われ、まあ確かに苦楽を共にした仲間でクリアしたら楽しいだろうなぁということで固定パーティ募集をしようと思っている。

『当方剣士でタンクやります。スキルはデバフ系のスキルです。死者の迷宮の初見固定パーティを組みたいなと思って募集掲示板に書いてます。DPS2名、ヒーラー1名募集です』

 空中に現れたキーボードから文字を打ち込み何度か見直す……

 他の人の募集文をみると自分のスキルを書いてる人が多い。ただ自分の場合は感染スキルなんて書くとネ実で晒されかねないからな。タケシがいらんことをしたせいで……

 うんもうこれでいっか。

 パーティ募集を開始しますか? と表示される。

 YESをタップする。

 ――15分後

 ……全然こねぇもんだな……

 ピロピロと電子音が鳴り、ホムホム1212からTELと表示される。

 心臓が一瞬ドキンとする……来た。俺の募集文を読んで攻略を一緒に楽しむ仲間第一号が来た!!

 逸る気持ちを抑えながら俺は通話をタップする。

 可愛らしい女の子の声で
「あのぉパーティ募集見たんですけど……DPSとヒーラーの二人、空いてますか?」
「はい!! 空いてます!! 空いてますとも!!」
「じゃあ、固定パーティに入れてもらってもいいですか?」
「あ! 取り敢えず参加できる日とか大丈夫ですか?」
「この時間なら毎日参加できます」
「それじゃもう一人の人とソフィアの噴水広場にやってこれますか?」
「はい、それじゃ今から行きますね」

 数分後。銀髪を三編みにしたロロリタ族の神官の格好をした可愛らしい女の子と、弓を持った茶髪のイケメン、エルフが男が俺の目の前に現れる。

「ホムホムです。エイジさんですか?」
「そうです! そちらの人がもう一人の?」
「ホムの彼氏アランだ。よろしく! ちなみに弓士。ホムのハートを狙い撃つぜ!」

 ……別に聞いてねぇぇし……

「じゃあホムホムさんが神官をされていると」
「そうだ!!」
 なぜアランが答える……

 ホムホムさんが苦笑いをしながら口を開く。
「そういえばエイジさんのスキルってデバフ系って書いてましたけどどんな奴なんですか?」

 正直に言ったら敵からワザとデバフ食らうんですか? ヒーラー大変なんですよ? 分かってますかとか言われるかもとタケシが言ってたな……ここは誤魔化しとくか……

「……んとデバフの成功確率が上がるやつ」

 ホムホムさんの表情が一瞬曇った。

「へぇぇ、でもそれでタンクやってるの珍しいですね」
「う、うん。敵に付与するやつだからタンクでも問題ないんだよね」
「……でもタンクさんやられるんならHPアップのスキルとかぁ防御力アップのスキルとかが良かったな……」

 アランの目が光ったように見える。

「おい、おいうちのホムちゃんの希望通りのスキルとってこい。今すぐに!」
「そんなの無理って知ってるでしょ? それに俺はこのスキルが気に入ってるんです!」
「アランくんありがとう! でも私が頑張ったら良いんだから、エイジさんを攻めないで」

 アランは顔を赤くさせ、頭を掻きながら
「おまえがそこまでいうなら……許してやるよ……」
 とボソッと言った。

 ……どうしよう……この二人かなりの問題児じゃ……

 そんなときピロピロとTELが鳴る。

 リューネ・サルバトーレからTELと表示される。

「す、すいませんTEL入ったので」
 二人にそう断りをいれ、通話を開始する。

「すいません! パーティ募集みましたっす! DPS斧士で参加できませんか?」
「空いてます!! 条件はできるだけ毎日この時間に攻略参加するって条件でいいですか?」
「大丈夫っす!!」

「それなら噴水広場に来れますか? 一応2人もこちらにいるので」
「おお! もう2人も集まっているのですね。さすっがす! すぐに行きます!!」

 TELを切り2人にもう一人が決まったこと説明する。
「おお。早いですね!」
「ホムちゃんの力だよ」
「アランくん……」

 はいはい……茶番はもう良いから。

 数分まっているとトラのような顔の種族ライオネ族の皮の鎧で斧を持った人が現れる。
「見ての通り斧士のリューネっす。よろしく!!」
「剣士でタンクのエイジです。よろしくです」
「神官のホムホムです。よろしく」
「ホムホムの彼氏アランだ。よろしく」

 アランお前のジョブは彼氏なのか……

 ……気を取り直してっと……

「それじゃパーティ申請するから、今からダンジョンに行きましょう!」
「おう!」
「はい!」
「うむ!」

 こうして俺達のダンジョン攻略が始まったのだった。
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