デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

文字の大きさ
14 / 85
死者の迷宮編

第2話 ありがた迷惑

しおりを挟む
 そうそう。ダンジョンに行けるようになったからとユーリさんからお祝いにと防具一式を貰ったんだった。

 装備品一覧を見てみると

 黎明の盾
 黎明のバイザー
 黎明のブレストプレート
 黎明のガントレット
 黎明のキュイス
 黎明のグリーブ

 黎明シリーズという防具一式で、ゴーランという銘が刻まれている。

 鍛治師や甲冑師などの腕やスキルによってユーザーメイドの装備品に特殊効果が付与される場合がある。

 その為、いい特殊効果が付与されたものになると、値段が恐ろしく高くなる。

 そしてこの黎明シリーズに付与された特殊効果はっと……っげ……デバフ耐性アップ……

 さらに全身装備すると毒無効のスペシャル効果!!

 全然スペシャルじゃねーし!

 そういやユーリさんに俺のスキル言って無かったわ……死者の迷宮はデバフ攻撃が多いからわざわざデバフ耐性が上がる特殊効果の物を選んでくれたのか……

「どうしたんですか? 早く行きましょう」
 固まっている俺にホムホムさんが話しかけてくる。

「あっエイジさんまさかその装備で行くつもりなんですか?」
「い、いや」
「そうですよねーこれから死者の迷宮に行くのにそんな初期装備で行くわけないですよね?」
「も、もちろん、今から着替えようと思ってたところだよ」

 ダンジョンはパーティプレイだ。感染が使えなくてもなんとかなるだろ。

 黎明シリーズを一気に装備する。

 紺碧のカッコイイ鎧で全身を包まれる。

『デバフ耐性アップ中』が付与されました!

 全身装備によりスペシャル特殊効果『毒無効』が付与されました!
 と表示される。

 じーっとホムホムさんが値踏みするような目で俺のことを見て驚きの声を上げる。
「この装備、凄いですね!デバフ耐性に毒無効なんて相当高いと思いますよ! アランくんもリューネくん見て見て」

「ふーん」
 アランは全く興味無さ気に答え、リューネくんに至っては俺を見ることもなく
「うん。いい鎧っすね!」
 と適当に答えている。

 まあ別のジョブの装備なんて興味ねぇよな。

 ステータス画面を眺めてみる。

 エイジ2525 Lv15 ジョブ 剣士Lv10 タンクスタンス使用中

 HP98
 MP36

 ATK 32(10)
 DEF 54(30)
   
 VIT49
 STR44
 DEX31
 SPD22
 INT24
 MND24
 SPスキル:感染インフェクション
 装備効果:デバフ耐性UP中 毒無効

 まあでもこの鎧のステータスもたけぇぇな。感染の出番なく進められるかもしれん。武器がちょっとあれだけどホムホムさんも気づいて無いみたいだし大丈夫だろ。

 ――ウィンタール、死者の迷宮前

 吹雪の中、目の前に広がる大きな石を積み上げて作られたピラミッド型の遺跡。その入口はまるで生き物のように真っ暗な口を開けているように見える。そして入り口の脇には2メートルぐらいの碑が建てられている。

 俺は碑に触れてみる。

 ウィンドウがポップアップし、ずらーーーっとプレイヤーの名前が現れる。そうこの碑は10層までクリアした者のみが名前を刻まれる名誉の碑なのだ。

「この碑に名前を刻めるように頑張ろうね!」
 ホムホムさんが自分や俺らを鼓舞するように言った。

「「「おう!」」」

 死者の迷宮に足を踏みいれる。

 遺跡の内部は外から見るより明るく中を歩くには全く支障がない。

 キー!キー!と何かが鳴く音がする。

 奥からコウモリ達が飛び出してくる。俺達の頭の上飛び回り攻撃を加えてくる。

 俺はすかさずWSウェポンスキル、サークルフラッシュをタップする。地面に赤い点が現れそこを剣で突く。

 すると俺の周囲10メートルほどが光り、他のメンバーを襲っていたコウモリ達が一斉に俺に襲いかかってくる。
 このWS、サークルフラッシュは自身の周囲10メートルにいる敵のヘイトを獲得するというもの。こういうときに役立つWSだ。

 しかしコウモリはすばしっこく俺の剣の攻撃やリューネくんの斧の攻撃が当たらない。

 そんな中キー!っと断末魔を上げポトリとコウモリが地面に落ちる。1匹また1匹とコウモリが地面に落ちる。地面に落ちたコウモリ見てみると矢が刺さっている。

 アランか……そういえばあいつ弓士だったな……リューネくんのジョブ斧士は一撃は大きいが当てるのが難しい。弓士は一撃のダメージは少ないが攻撃を当てやすい。とサルザエアの歩き方に書いていた。

 コウモリを全部撃ち落とすとアランはホムホムさんに真っ先に駆け寄って話しかける。
「ホムちゃん怪我は無かったかい?」
「うん。さっすがアランくんだね!」
「なんてことはない。これが俺の仕事だからね」
 そういって役立たずといった感じで俺達を見る。

 いやいやリューネくんはともかく俺は少なくともタンクの仕事はしてたぞ……

 こうして敵を倒しつつ、奥へ奥へと進んでいく。

 確かにこの鎧、毒はもちろん全く掛からないし、デバフ耐性もかなりある……麻痺や睡眠といったデバフを仕掛けてくる敵もいた。ホムホムさんの目を盗んで罹りにいってみてたが、全く罹からない。

 そうしてなんかボスが居そうな扉が現れ、俺が口を開く。
「この奥に1層のボスがいそうだね」

 ホムホムさんが頷く。
「うん、そうだね」
「さあ開けるっす!」
 リューネくんがそう言って扉を開けた。

 そこに居たのは女の上半身に大きな車ぐらいありそうな蜘蛛の下半身を持つ化け物が俺達を睨んでいた。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

処理中です...