15 / 85
死者の迷宮編
第3話 デバフ蜘蛛の糸
しおりを挟む
その瞬間、俺達は吸い込まれ円形の部屋の中央で蜘蛛女と対峙する。ギーっという音とともに、後ろの扉が閉まる。
勝つか負けるまでこの扉は開かない。ただダンジョンで死んでもデスペナないので死ぬことをそれほど気にする必要はない。
俺はそのまま蜘蛛女に斬りかかる。蜘蛛女の胴体に当たりカーンという音が響き5という数字が飛び出てくる。
ぴょんぴょんとハエトリグモのように飛び回り、リューネくんの攻撃は当たらない。
俺の攻撃でも中々当てるのは難しい。当たったとしてもタンクスタンスだしダメージが低い。
ここは悔しいがアランの出番だ。
アランが弓を引き狙いを付けている。
奴は急に身体を反転させ、お尻をこちらに向ける。するとケツから白い物を吐き出す!
そのケツから出た白い物はホムホムさん目掛けて飛んでいく。
ホムホムさんはあっけに取られ動けない!
「危ない!」
アランは構えていた弓から手を離し、ホムホムさんをドン!っと突き飛ばし、白い物はアランに命中する。
「ホムちゃんに卑猥な攻撃はさせないぜ!」
何が卑猥なのかわからんがとにかくアランは蜘蛛女の特殊な攻撃を喰らってしまった。
アランの動きは極端に遅くなる。
「あれが蜘蛛の糸……」
俺はそう呟く。
デバフ蜘蛛の糸、死者の迷宮1層蜘蛛女ことグラーフが使用するデバフ。プレイヤーの移動速度の90%ダウン。
そして蜘蛛の糸を喰らうと……
蜘蛛女はほとんど動けなくなったアランに近寄り、蜘蛛の糸でグルグル巻きにして繭玉のような物を作り上げる。
そうあの蜘蛛女の餌になってしまうのだ。つまりあのデバフを喰らうと死を意味する。
確かあいつの攻略法は……脚の破壊だったはず。しかし俺の攻撃じゃ無理だし、リューネくんの攻撃は当たらない。
もしや……アランがやられた時点で詰み?
あの素早い動きの中で脚を狙えるのは弓士や魔術士ぐらいなもんだ……
…….いや待て奴の蜘蛛の糸は移動速度の低下だ。
ということは! そう! 奴に蜘蛛の糸を喰らわせれば脚破壊と同じ効果!!
蜘蛛女の攻撃は3パターンある。大ダメージを喰らう体当たりと蜘蛛女が持つ剣での攻撃。そして蜘蛛の糸だ。
これをちゃんと見極めないと通常攻撃を喰らって死にかねない。俺が欲しいの蜘蛛の糸攻撃のみ!
奴は再びケツをこちらに向ける。この攻撃はヘイトに関係無くランダムターゲット。
今度は誰だ? 見極めろ!
キタ!自分に向かって蜘蛛の糸を吐き出す。
ホムホムさんが叫ぶ。
「危ない!」
ほんとは余裕でかわせるのだが、わざと蜘蛛の糸に当たりにいく。
しかし蜘蛛の糸に当たったが、デバフが付かない!
クソっ!この装備一式のせいだ。デバフが付くまで当たり続けるしかない!
ホムホムさんはほっとしたような表情で
「良かった。その装備のおかげね!」
と俺に話し掛ける。
良くないんだけど……このままじゃどん詰まりだし……
装備を脱げたらもうそれで勝ち確なんだが、戦闘中は装備の変更が出来ない!
すると又ケツをこちらに向ける。
今度はホムホムさんだ!
「危ない!」
俺は叫んでホムホムさんの前に立つ、そこに飛んでくる蜘蛛の糸。
くそっ! またデバフを弾いた!
ホムホムさんが少し不機嫌になる。
「エイジくん! 私だって避けられるわよ!」
別にあなたを守りたかったわけじゃないんですがね……
ホムホムさんの目を盗んで蜘蛛の糸に当たりに行くの難しいな……
やるか……これだけはやりたくないが、致し方ない!
体当たり攻撃、剣攻撃、剣攻撃と続き、それらを避けたり盾で受けたりを繰り返す。
そしてケツをこちらに向けた。
今度は誰だ?
リューネくんだ! ホムホムさんの位置はリューネくんの横だ! 絶好のチャンス!
俺は叫ぶ。
「危ない!」
ドンとホムホムさんの小さな身体に体当たりをする。
すでにかわしたリューネくんの位置にホムホムさんが……そしてホムホムさんに蜘蛛の糸が命中。
「え?」
何が起こったのか分からないというような表情を見せる。
すまねー……これも全て勝つ為なんだ……
しかしヒーラーの退場は痛い。回復がないということだからな…….
早く!早く!蜘蛛の糸!!
ホムホムさん抹殺後、4回目の蜘蛛の糸。3回は空振り、もう俺のHPもギリギリだ。
ケツから放たれた蜘蛛の糸が俺の身体に当たった瞬間……
『蜘蛛の糸!』という字が視界の真ん中に表示され、身体の動きが重くなる。
右上に蜘蛛の巣のマークのアイコンに120と表示される。
キタ! キタ! キタ! やっとキタ!
「リューネくん! 今から蜘蛛女の動きを止める! 有りったけの力で叩いてくれ!」
リューネくんは何も言わずに頷く。
感染をグラーフに使用しますか?
YES! YES! YES!!
YESをとにかくタップする。
するとそれまでぴょんぴょんと飛び回っていた蜘蛛女は地面にピタリと吸い付つかれたように動きが遅くなる。
それを見たリューネくんは
「おおおおおおお!!!」
と雄叫びを上げ、手に持った斧で連続で殴りつける。まさにその姿は狂戦士。
蜘蛛女から100や120という数字が連続で身体から飛び出す。
そしてその時を迎える。リューネくんはひたすら蜘蛛女を殴り続け
「あぎゃあああああ」
と蜘蛛女が断末魔を上げ、蜘蛛女はその身体が消え始める。
そしてグラーフを倒した! という表示と蜘蛛の糸を手に入れたという表示が現れた。
そして繭玉が消えて二人が戻ってくる。
「やったよ!」
ホムホムさんは少し涙ぐんで
「ごめんね。私ヒーラーなのに途中で退場して…….次は必ず立ってクリアしてみせるね……」
俺はその言葉を聞いて胸がチクりと痛んだ。
勝つか負けるまでこの扉は開かない。ただダンジョンで死んでもデスペナないので死ぬことをそれほど気にする必要はない。
俺はそのまま蜘蛛女に斬りかかる。蜘蛛女の胴体に当たりカーンという音が響き5という数字が飛び出てくる。
ぴょんぴょんとハエトリグモのように飛び回り、リューネくんの攻撃は当たらない。
俺の攻撃でも中々当てるのは難しい。当たったとしてもタンクスタンスだしダメージが低い。
ここは悔しいがアランの出番だ。
アランが弓を引き狙いを付けている。
奴は急に身体を反転させ、お尻をこちらに向ける。するとケツから白い物を吐き出す!
そのケツから出た白い物はホムホムさん目掛けて飛んでいく。
ホムホムさんはあっけに取られ動けない!
「危ない!」
アランは構えていた弓から手を離し、ホムホムさんをドン!っと突き飛ばし、白い物はアランに命中する。
「ホムちゃんに卑猥な攻撃はさせないぜ!」
何が卑猥なのかわからんがとにかくアランは蜘蛛女の特殊な攻撃を喰らってしまった。
アランの動きは極端に遅くなる。
「あれが蜘蛛の糸……」
俺はそう呟く。
デバフ蜘蛛の糸、死者の迷宮1層蜘蛛女ことグラーフが使用するデバフ。プレイヤーの移動速度の90%ダウン。
そして蜘蛛の糸を喰らうと……
蜘蛛女はほとんど動けなくなったアランに近寄り、蜘蛛の糸でグルグル巻きにして繭玉のような物を作り上げる。
そうあの蜘蛛女の餌になってしまうのだ。つまりあのデバフを喰らうと死を意味する。
確かあいつの攻略法は……脚の破壊だったはず。しかし俺の攻撃じゃ無理だし、リューネくんの攻撃は当たらない。
もしや……アランがやられた時点で詰み?
あの素早い動きの中で脚を狙えるのは弓士や魔術士ぐらいなもんだ……
…….いや待て奴の蜘蛛の糸は移動速度の低下だ。
ということは! そう! 奴に蜘蛛の糸を喰らわせれば脚破壊と同じ効果!!
蜘蛛女の攻撃は3パターンある。大ダメージを喰らう体当たりと蜘蛛女が持つ剣での攻撃。そして蜘蛛の糸だ。
これをちゃんと見極めないと通常攻撃を喰らって死にかねない。俺が欲しいの蜘蛛の糸攻撃のみ!
奴は再びケツをこちらに向ける。この攻撃はヘイトに関係無くランダムターゲット。
今度は誰だ? 見極めろ!
キタ!自分に向かって蜘蛛の糸を吐き出す。
ホムホムさんが叫ぶ。
「危ない!」
ほんとは余裕でかわせるのだが、わざと蜘蛛の糸に当たりにいく。
しかし蜘蛛の糸に当たったが、デバフが付かない!
クソっ!この装備一式のせいだ。デバフが付くまで当たり続けるしかない!
ホムホムさんはほっとしたような表情で
「良かった。その装備のおかげね!」
と俺に話し掛ける。
良くないんだけど……このままじゃどん詰まりだし……
装備を脱げたらもうそれで勝ち確なんだが、戦闘中は装備の変更が出来ない!
すると又ケツをこちらに向ける。
今度はホムホムさんだ!
「危ない!」
俺は叫んでホムホムさんの前に立つ、そこに飛んでくる蜘蛛の糸。
くそっ! またデバフを弾いた!
ホムホムさんが少し不機嫌になる。
「エイジくん! 私だって避けられるわよ!」
別にあなたを守りたかったわけじゃないんですがね……
ホムホムさんの目を盗んで蜘蛛の糸に当たりに行くの難しいな……
やるか……これだけはやりたくないが、致し方ない!
体当たり攻撃、剣攻撃、剣攻撃と続き、それらを避けたり盾で受けたりを繰り返す。
そしてケツをこちらに向けた。
今度は誰だ?
リューネくんだ! ホムホムさんの位置はリューネくんの横だ! 絶好のチャンス!
俺は叫ぶ。
「危ない!」
ドンとホムホムさんの小さな身体に体当たりをする。
すでにかわしたリューネくんの位置にホムホムさんが……そしてホムホムさんに蜘蛛の糸が命中。
「え?」
何が起こったのか分からないというような表情を見せる。
すまねー……これも全て勝つ為なんだ……
しかしヒーラーの退場は痛い。回復がないということだからな…….
早く!早く!蜘蛛の糸!!
ホムホムさん抹殺後、4回目の蜘蛛の糸。3回は空振り、もう俺のHPもギリギリだ。
ケツから放たれた蜘蛛の糸が俺の身体に当たった瞬間……
『蜘蛛の糸!』という字が視界の真ん中に表示され、身体の動きが重くなる。
右上に蜘蛛の巣のマークのアイコンに120と表示される。
キタ! キタ! キタ! やっとキタ!
「リューネくん! 今から蜘蛛女の動きを止める! 有りったけの力で叩いてくれ!」
リューネくんは何も言わずに頷く。
感染をグラーフに使用しますか?
YES! YES! YES!!
YESをとにかくタップする。
するとそれまでぴょんぴょんと飛び回っていた蜘蛛女は地面にピタリと吸い付つかれたように動きが遅くなる。
それを見たリューネくんは
「おおおおおおお!!!」
と雄叫びを上げ、手に持った斧で連続で殴りつける。まさにその姿は狂戦士。
蜘蛛女から100や120という数字が連続で身体から飛び出す。
そしてその時を迎える。リューネくんはひたすら蜘蛛女を殴り続け
「あぎゃあああああ」
と蜘蛛女が断末魔を上げ、蜘蛛女はその身体が消え始める。
そしてグラーフを倒した! という表示と蜘蛛の糸を手に入れたという表示が現れた。
そして繭玉が消えて二人が戻ってくる。
「やったよ!」
ホムホムさんは少し涙ぐんで
「ごめんね。私ヒーラーなのに途中で退場して…….次は必ず立ってクリアしてみせるね……」
俺はその言葉を聞いて胸がチクりと痛んだ。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる