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大規模襲撃イベント バハムート編
第10話 デバフの王
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麻痺のデバフを喰らい、暗闇の状態でその他諸々のデバフに罹った状態でシゲゾーに背負われ、バハムートに向かう。
当然、暗闇の状態であるためなんにも見えない。故に射程に入ったらシゲゾーから合図を貰うようになっている。そしてこの感染のスキル射程が10メートルであるため、バハムートを引きつける役割が必要。それをレッドデビルが行う。
バハムートの火球の直撃を喰らえば一瞬で消滅し近距離でも熾烈な攻撃、だからこそ攻略最強クランであるレッドデビルが引きつける役割を担うこととなった。
1分ほどシゲゾーの背で揺られただろうか? オオオオオオという地鳴りのようなバハムートの咆哮が聞こえてくる。
「着いたぞ! 正面10メートルだ! 」
シゲゾーの声が聞こえた。
コクリっと頷き、この時の為に変更していた音声マクロを作動させるために思いっきり叫ぶ。
「バハァァァムゥゥゥートォォォォォ!! インフェクション!!」
シゲゾーの声が聞こえる。
「よし! 止まった!」
そしてそのまま背負わされてデバフ部隊のところまで戻る。
「うおおおおおおおおお!! 行けぇぇぇぇぇ」
という雄叫びが聞こえ始める。
討伐隊全体がバハムート攻撃の為に一斉に突撃を開始したのだ。
デバフ部隊のところに戻る頃には俺のデバフも終了する。遠くに見えるバハムートをチラリとみると、棒立ちで何もできず、数百名のプレイヤーから攻撃を受け、生まれたての子鹿のようにガクガクと震えている。
そしてまだ多量のデバフを受けてシゲゾーに背負われて再びバハムートのもとに向かう。
そして5回めの感染をバハムートに使用しようとした時、オオオオオオオオオオオンンン!!!という地鳴りのような叫び声が聞ことともにズーーンっと何か大きな物が地面にぶつかったような音がする。
今までに無かった反応だ。一体何が起きた?
「シゲゾー何があった?」
「あ、ああ……バハムートが倒れた……」
「まじか!! やったのか!!」
俺はシゲゾーの背中でガッツポーズをしようとした時。
「ダメだ……エイジ早く感染を使え!!」
「どうしたシゲゾー? 何があった? 勝ったんじゃないのか?」
「いいから早く!!! 」
シゲゾーに言われるがままに
「バハムートインフェクション!」
とバハムートに感染を使用する。
「一体何があったんだ? 倒したんじゃないのか?」
「いや……倒したはずなのに。復活しやがった……」
「え? どういうこと?」
「そのままだ。倒したはずのバハムートが復活した」
「倒せないってこと?」
「それは分からん……けどもう一度やるしか無い」
「分かった」
そして又デバフ隊との往復をし、再び同じ時が訪れる。
「まただ……また復活しやがった」
シゲゾーが力なく呟く。
「みんな退いて! 作戦を練り直すわ!」
ユーリさんの声が響く。
右上の防衛度はあと半分ほど。作戦を練り直すにしても時間も少ない。そしてバハムートを倒せてもあと1回ぐらいか……
動けないバハムートを尻目にみんな退いていく、そしてレッドデビルをユーリさんを中心に円になる。
「このままじゃバハムートは倒せない。なにか倒すためのギミックがあるはず」
ユーリさんがそういうとザワザワとし始める。
「うちのリーダーが今、動画を解析してギミックを探してるわ」
「もしかして倒せないんじゃね? 運営はアプデまで倒させないつもりなんだ!」
と一人の男が言うと「そうだ! そうだ! 倒すだけ無駄だ」というような空気に包まれる。
「……」
ユーリさんもその空気を感じとり押し黙る。
すると……白い鎧を身に纏ったヒューマン族のダンディーな無精髭の男、タヌキチがボソッと口を開いた。
「見つけた」
それを聞いたユーリさんの表情は一気に明るくなる。
「ほんとに!?」
「ああ、見つけた。倒した瞬間に口の奥が光ってる。ここが突破口だと思う。今、動画を回す」
「本当だ……ここを攻撃したらいいのかしら?」
「いや、口の中に飛び込めってことだとおもう」
「なるほど……でも数が限られるし……どんなギミックがあるかもわからない……」
動画のURLが送られてきて、それを開くと確かに倒した瞬間口の奥が光っている。
しかし時間にして数秒、本当にこれでいけるのか?……でもやるしか無いか……
ユーリさんが難しい顔をして続ける。
「数秒しかないけど、やるしか無いわね……それとエイジくんあなたは必ず飛び込んでほしい」
「え?」
俺が驚きの表情をすると
「あなたのスキルは相手がどんなデバフギミックが来ても対応が可能だから」
そう言われてハッとする。確かに初見の場所だし、恐らくどんな敵がでるのかもわからない。そしてどんなデバフを使ってくるかわからない。
そして行動を再開する。
レッドデビルがバハムートの注意を引きつけ、俺がデバフを掛ける。そして攻撃を開始する。そして俺はデバフのピストン輸送をする。
ユーリさんからTELを受信する。
「そろそろ倒しそうだから正面に!」
シゲゾーにそれを伝え、バハムートの正面に向かってもらう。
そしてその時がやってくる。オオオオオオオオオオンという咆哮とともに倒れたはずのバハムート。
シゲゾーが叫ぶ。
「行くぞーーーーー」
急に視界が開け、俺に罹っていたデバフは全て消えている。周囲はなにもない真っ白な空間。飛び込めたプレイヤーは数十人はおり、みんな一点を見ている。その視線の先には、一軒家ぐらいの大きさのまるで深淵の闇のような真っ黒なバハムートの姿。そしてその白い目をギョロリと動かしてこちらを見る。
「あれが……バハムート本体……あれを倒せば」
俺がそう言いかけると
「騙し討ち! 麻痺!」
とシゲゾー背後から殴られ、バシャっと言う音ともに硫酸と表示がされる。
「おい! ちょっとはやったった感を出せてくれよ」
「「さっさっと感染」」
シゲゾーとニーナは口を揃えて言う。
「はい、はい。バハムートインフェクション!」
そう言うとバハムートの体は動かなくなる。
そしてタコ殴りにされるバハムート。だれもが勝利を確信した瞬間。
バハムートの体から闇が漏れ始め、全プレイヤーを包み込む。
包み込まれた瞬間、視界の真ん中にバハムートの呪いという文字とともにHPが1/3になり、アイコンには竜のマークに∞の文字。
バハムートは相変わらず麻痺に掛かっているため動けないはず、プレイヤー達が攻撃をすれば……
「え……どうして……」
プレイヤー達はどよめく。
ニーナが意気消沈といった感じで呟く。
「これじゃ勝てない……呪いの効果でWSが使えない……」
「え?」
……たしかにWSアイコンにバツ印がついてる……
シゲゾーも諦めたというような表情で
「もう無理だな。WSが使えなきゃエイジにデバフもいれられねぇ」
「WSが使えなくても攻撃をすれば!」
ニーナは首を横に振って
「攻撃力0になってる……」
ステータスをみると確かに攻撃力が0になっている。
「このデバフを解除するギミックがあるはず!!」
ユーリさんが他のプレイヤー達を鼓舞するかのように声を張り上げる。
しかし右上の街の耐久度示すゲージももうすぐ尽きそう……
このデバフをバハムートに使ったところでダメージを与えられなければ倒すことができない……
WSは使えない……攻撃力は0……もはや八方塞がり……
そして数分が経過。
いちおうバハムートにも感染をつかって呪い状態になっているため、バハムートの攻撃でダメージが入ることはないが……攻略方法がみつからない。とにかくダメージを入れる方法がないのだ……
ギミックを見つけると息巻いていていたユーリさんもついには心折れて
「もう無理か……次こそは呪いのギミックを解除方法見つけて挑むしかないわね……」
と諦めの表情を見せる。
前にもこんなことがあったような……そういや前にダンジョンで諦めたかけたことががあったな。あんときはネクロマンサーにダメージが入らなくて、半ばやけくそで『消えない炎』使ったんだっけ。
……あ……
シゲゾーは持ってないとして、ニーナなら……
「ニーナ、消えない炎持ってない?」
「なによ。今更……」
「消えない炎の使用効果は自身に炎上∞状態を付与する」
「あ……そっかそれを使えば……ごめんエイジくん。もうとっくに装備に使っちゃたよ……でもこれだけ人がいる誰か持ってるかも!」
確かにそうだ! 数十人のプレイヤーがいるんだ誰かが持っててもおかしくない!
俺は叫ぶ
「だれか! 消えない炎持ってますか?」
プレイヤー達の視線が集まる。
ニーナに説明したようにその場で全員に説明をする。しかし皆、一様に首を横に振る。
クソ……やっぱそうか……みんな使ってるよな……
「私、持ってる!」
ユーリさんだった。そして俺の前にユーリさんが立って炎のエフェクトが出ているアイテムを右手にもっている。
「エイジくん。お願いバハムートを倒して!」
うんと頷いて右手を差し出しユーリさんからアイテムを受け取る。
そして俺はバハムートの前に立って、炎のエフェクトが出ているアイテムを握りつぶす。俺の体は一気に炎に包まれる。
そして一人のプレイヤーが叫ぶのが聞こえる。
「いけぇぇぇ!!あんたはデバフの王だ!!」
そしてそれに続くように他のプレイヤー達も一斉に
「「「いけぇぇぇぇ」」」
と叫ぶ。
そして俺はバハムートを指差す。
「バハァァァムゥゥゥゥゥトォォォォォ!!! インフェクション!!」
バハムートの体は一気に燃え上がると同時に俺の視界は真っ黒になる。
そしてあなたは死にました。復活しますか? 復活するとデスペナルティが発生しますと表示される。
そっか……HP減ってたし消えない炎のダメージで死んじゃったか……まだニーナ達が生き残ってる……蘇生を貰えるかも知れない。
数分そのまま待っていると真っ黒な視界の中に白い文字で蘇生をされました復活しますか? という表示がでる。
YESを選択するとファールースの街の郊外のニーナのそばに転移している。
「勝った?」
俺がそう聞くとニーナは目に涙を貯めながら頷く。
「デバフの王が帰ってきた!」
誰かがそう叫ぶと数百人のプレイヤー達が一斉に俺を囲んで胴上げを始めた。
当然、暗闇の状態であるためなんにも見えない。故に射程に入ったらシゲゾーから合図を貰うようになっている。そしてこの感染のスキル射程が10メートルであるため、バハムートを引きつける役割が必要。それをレッドデビルが行う。
バハムートの火球の直撃を喰らえば一瞬で消滅し近距離でも熾烈な攻撃、だからこそ攻略最強クランであるレッドデビルが引きつける役割を担うこととなった。
1分ほどシゲゾーの背で揺られただろうか? オオオオオオという地鳴りのようなバハムートの咆哮が聞こえてくる。
「着いたぞ! 正面10メートルだ! 」
シゲゾーの声が聞こえた。
コクリっと頷き、この時の為に変更していた音声マクロを作動させるために思いっきり叫ぶ。
「バハァァァムゥゥゥートォォォォォ!! インフェクション!!」
シゲゾーの声が聞こえる。
「よし! 止まった!」
そしてそのまま背負わされてデバフ部隊のところまで戻る。
「うおおおおおおおおお!! 行けぇぇぇぇぇ」
という雄叫びが聞こえ始める。
討伐隊全体がバハムート攻撃の為に一斉に突撃を開始したのだ。
デバフ部隊のところに戻る頃には俺のデバフも終了する。遠くに見えるバハムートをチラリとみると、棒立ちで何もできず、数百名のプレイヤーから攻撃を受け、生まれたての子鹿のようにガクガクと震えている。
そしてまだ多量のデバフを受けてシゲゾーに背負われて再びバハムートのもとに向かう。
そして5回めの感染をバハムートに使用しようとした時、オオオオオオオオオオオンンン!!!という地鳴りのような叫び声が聞ことともにズーーンっと何か大きな物が地面にぶつかったような音がする。
今までに無かった反応だ。一体何が起きた?
「シゲゾー何があった?」
「あ、ああ……バハムートが倒れた……」
「まじか!! やったのか!!」
俺はシゲゾーの背中でガッツポーズをしようとした時。
「ダメだ……エイジ早く感染を使え!!」
「どうしたシゲゾー? 何があった? 勝ったんじゃないのか?」
「いいから早く!!! 」
シゲゾーに言われるがままに
「バハムートインフェクション!」
とバハムートに感染を使用する。
「一体何があったんだ? 倒したんじゃないのか?」
「いや……倒したはずなのに。復活しやがった……」
「え? どういうこと?」
「そのままだ。倒したはずのバハムートが復活した」
「倒せないってこと?」
「それは分からん……けどもう一度やるしか無い」
「分かった」
そして又デバフ隊との往復をし、再び同じ時が訪れる。
「まただ……また復活しやがった」
シゲゾーが力なく呟く。
「みんな退いて! 作戦を練り直すわ!」
ユーリさんの声が響く。
右上の防衛度はあと半分ほど。作戦を練り直すにしても時間も少ない。そしてバハムートを倒せてもあと1回ぐらいか……
動けないバハムートを尻目にみんな退いていく、そしてレッドデビルをユーリさんを中心に円になる。
「このままじゃバハムートは倒せない。なにか倒すためのギミックがあるはず」
ユーリさんがそういうとザワザワとし始める。
「うちのリーダーが今、動画を解析してギミックを探してるわ」
「もしかして倒せないんじゃね? 運営はアプデまで倒させないつもりなんだ!」
と一人の男が言うと「そうだ! そうだ! 倒すだけ無駄だ」というような空気に包まれる。
「……」
ユーリさんもその空気を感じとり押し黙る。
すると……白い鎧を身に纏ったヒューマン族のダンディーな無精髭の男、タヌキチがボソッと口を開いた。
「見つけた」
それを聞いたユーリさんの表情は一気に明るくなる。
「ほんとに!?」
「ああ、見つけた。倒した瞬間に口の奥が光ってる。ここが突破口だと思う。今、動画を回す」
「本当だ……ここを攻撃したらいいのかしら?」
「いや、口の中に飛び込めってことだとおもう」
「なるほど……でも数が限られるし……どんなギミックがあるかもわからない……」
動画のURLが送られてきて、それを開くと確かに倒した瞬間口の奥が光っている。
しかし時間にして数秒、本当にこれでいけるのか?……でもやるしか無いか……
ユーリさんが難しい顔をして続ける。
「数秒しかないけど、やるしか無いわね……それとエイジくんあなたは必ず飛び込んでほしい」
「え?」
俺が驚きの表情をすると
「あなたのスキルは相手がどんなデバフギミックが来ても対応が可能だから」
そう言われてハッとする。確かに初見の場所だし、恐らくどんな敵がでるのかもわからない。そしてどんなデバフを使ってくるかわからない。
そして行動を再開する。
レッドデビルがバハムートの注意を引きつけ、俺がデバフを掛ける。そして攻撃を開始する。そして俺はデバフのピストン輸送をする。
ユーリさんからTELを受信する。
「そろそろ倒しそうだから正面に!」
シゲゾーにそれを伝え、バハムートの正面に向かってもらう。
そしてその時がやってくる。オオオオオオオオオオンという咆哮とともに倒れたはずのバハムート。
シゲゾーが叫ぶ。
「行くぞーーーーー」
急に視界が開け、俺に罹っていたデバフは全て消えている。周囲はなにもない真っ白な空間。飛び込めたプレイヤーは数十人はおり、みんな一点を見ている。その視線の先には、一軒家ぐらいの大きさのまるで深淵の闇のような真っ黒なバハムートの姿。そしてその白い目をギョロリと動かしてこちらを見る。
「あれが……バハムート本体……あれを倒せば」
俺がそう言いかけると
「騙し討ち! 麻痺!」
とシゲゾー背後から殴られ、バシャっと言う音ともに硫酸と表示がされる。
「おい! ちょっとはやったった感を出せてくれよ」
「「さっさっと感染」」
シゲゾーとニーナは口を揃えて言う。
「はい、はい。バハムートインフェクション!」
そう言うとバハムートの体は動かなくなる。
そしてタコ殴りにされるバハムート。だれもが勝利を確信した瞬間。
バハムートの体から闇が漏れ始め、全プレイヤーを包み込む。
包み込まれた瞬間、視界の真ん中にバハムートの呪いという文字とともにHPが1/3になり、アイコンには竜のマークに∞の文字。
バハムートは相変わらず麻痺に掛かっているため動けないはず、プレイヤー達が攻撃をすれば……
「え……どうして……」
プレイヤー達はどよめく。
ニーナが意気消沈といった感じで呟く。
「これじゃ勝てない……呪いの効果でWSが使えない……」
「え?」
……たしかにWSアイコンにバツ印がついてる……
シゲゾーも諦めたというような表情で
「もう無理だな。WSが使えなきゃエイジにデバフもいれられねぇ」
「WSが使えなくても攻撃をすれば!」
ニーナは首を横に振って
「攻撃力0になってる……」
ステータスをみると確かに攻撃力が0になっている。
「このデバフを解除するギミックがあるはず!!」
ユーリさんが他のプレイヤー達を鼓舞するかのように声を張り上げる。
しかし右上の街の耐久度示すゲージももうすぐ尽きそう……
このデバフをバハムートに使ったところでダメージを与えられなければ倒すことができない……
WSは使えない……攻撃力は0……もはや八方塞がり……
そして数分が経過。
いちおうバハムートにも感染をつかって呪い状態になっているため、バハムートの攻撃でダメージが入ることはないが……攻略方法がみつからない。とにかくダメージを入れる方法がないのだ……
ギミックを見つけると息巻いていていたユーリさんもついには心折れて
「もう無理か……次こそは呪いのギミックを解除方法見つけて挑むしかないわね……」
と諦めの表情を見せる。
前にもこんなことがあったような……そういや前にダンジョンで諦めたかけたことががあったな。あんときはネクロマンサーにダメージが入らなくて、半ばやけくそで『消えない炎』使ったんだっけ。
……あ……
シゲゾーは持ってないとして、ニーナなら……
「ニーナ、消えない炎持ってない?」
「なによ。今更……」
「消えない炎の使用効果は自身に炎上∞状態を付与する」
「あ……そっかそれを使えば……ごめんエイジくん。もうとっくに装備に使っちゃたよ……でもこれだけ人がいる誰か持ってるかも!」
確かにそうだ! 数十人のプレイヤーがいるんだ誰かが持っててもおかしくない!
俺は叫ぶ
「だれか! 消えない炎持ってますか?」
プレイヤー達の視線が集まる。
ニーナに説明したようにその場で全員に説明をする。しかし皆、一様に首を横に振る。
クソ……やっぱそうか……みんな使ってるよな……
「私、持ってる!」
ユーリさんだった。そして俺の前にユーリさんが立って炎のエフェクトが出ているアイテムを右手にもっている。
「エイジくん。お願いバハムートを倒して!」
うんと頷いて右手を差し出しユーリさんからアイテムを受け取る。
そして俺はバハムートの前に立って、炎のエフェクトが出ているアイテムを握りつぶす。俺の体は一気に炎に包まれる。
そして一人のプレイヤーが叫ぶのが聞こえる。
「いけぇぇぇ!!あんたはデバフの王だ!!」
そしてそれに続くように他のプレイヤー達も一斉に
「「「いけぇぇぇぇ」」」
と叫ぶ。
そして俺はバハムートを指差す。
「バハァァァムゥゥゥゥゥトォォォォォ!!! インフェクション!!」
バハムートの体は一気に燃え上がると同時に俺の視界は真っ黒になる。
そしてあなたは死にました。復活しますか? 復活するとデスペナルティが発生しますと表示される。
そっか……HP減ってたし消えない炎のダメージで死んじゃったか……まだニーナ達が生き残ってる……蘇生を貰えるかも知れない。
数分そのまま待っていると真っ黒な視界の中に白い文字で蘇生をされました復活しますか? という表示がでる。
YESを選択するとファールースの街の郊外のニーナのそばに転移している。
「勝った?」
俺がそう聞くとニーナは目に涙を貯めながら頷く。
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