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スキルを使って生き残れバトロワ編
第6話 狩人
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ヒュンという風を切る音がする。さっと構えた盾にカーンと金属が当たったような音が薄暗い森の中に響く。
そして俺の体から3という数字が飛び出てきたのと同時に視界の真ん中に毒! と表示される。
足元に落ちた盾に当たったものを見るとそれが矢ということが分かる。
矢が飛んできた方向を見ると、弓を構えたロロリタ族の男の姿がある。その距離は恐らく20メートルはありそう。
狩人というジョブは遠隔物理DPSで矢に毒を火を付けて打ち込んでデバフを付与したり、シビレ罠などの罠も設置してデバフやスリップダメージを与えることができるジョブだ。
バハムートと戦ったときに狩人にもデバフを付与してもらった。
20メートルの距離ということはあと10メートルは近づかないとスキルが発動できない。相手に俺が酸欠のデバフに罹っていることを悟られないようにゆっくりと盾を狩人に向けて近づく。
戦闘を避けて逃げるという方法もあるだろうが、酸欠デバフで移動速度が遅いから多分逃げ切れない。ここは戦うしか無い。
狩人はゆっくりと弓を構え二射目に入ろうとしている。そして矢を放そうとしているように見える。
あと数メートルだ……ダメ元で時間稼ぎに話しかけてみる。
「なあ、提案だけど安全地帯までは遠い。ここは矛を納めて一緒に安全地帯まで向かいませんか?」
思ったよりも若い小学生のような声でその狩人が口を開く。
「だからだよ。安全地帯には間に合わない。だったらキルとって楽しんだほうがいいだろ? 」
狩人の話が終わるやいなや、俺はニヤッと笑って呟く。
「君の負け! ターゲットインフェクション!」
「え? 酸欠に毒!?」
その小学生は驚きの声を上げる。
そして俺の酸欠デバフの時間は終了している。走って一気に小学生との間合いを詰める。小学生は狼狽したかのように弓を放つが狙いが絞れていないため、俺の頭をかすめて飛んでいく。
そして小学生が二射目を放とうとしたときには既に俺の剣の間合いに入っている。
「エンドオブハート」
そう呟きWSマクロを発動させ、小学生狩人にダメージを与える。
「ヒィィィィ」
と言って逃げようとする小学生。だが酸欠デバフに罹っているためその足は遅く、そのまま背後から斬りつけると小学生はそのまま倒れて動かなくなる。
勝った!……勝ったはいいんだけど……毒をなんとかしないと……2秒に1回5ダメージは流石に痛い……すると倒れた小学生はポンっと宝箱のような木箱に変わる。
まさか! そう思って木箱を開けてみると、深緑の草が入っている。手にとって見ると毒消し草というポップアップが草から生えてくる。
アイテムの持ち込みはできなけど、プレイヤーが拾ったアイテムは、倒したらそのアイテムを手に入れることが可能! つまり、こいつは毒消し草を拾ってたんだ。運が良かった……
早速毒消し草を使い、安全地帯を目指し歩き始めて数歩。何かを踏んだような感触とともに、カチッという音が聞こえ、目の前に電気が走り、痺れ! という表示とともに体が動かなくなる。
やられた……あの小学生、シビレ罠仕掛けてたのかよ!!
電気のようなマークに120という表示……範囲縮小まであと25分。
◇◆◇
タケシを含めた数十人のプレイヤー達が集会場に集まり配信を眺めている。開始時には数人のプレイヤーしかいなかったが、タケシがやってきてから続々とプレイヤーが増え始め百人規模になる。
集会場にフルスイング大田の声が響く。
「開始5分ですがもう五十人ほどやられてますね、バッコスさん」
「ええ、3700名もの参加者がいますからね。いくらフィールドが広いとはいえ、近く場所に転送される人も多いですからね。この展開は仕方ありませんね」
画面に地図が表示され、ユーリと書かれた移動する○が表示される。
「さあ、ここでもう一人の有力選手ユーリ選手にカメラを向けてみましょう。ユーリ選手のこの位置はどうでしょうバッコスさん」
「エボット砂漠ですね。安全地帯には入っていませんが、近くでいい場所と言えます。このユーリ選手は攻略クラン、レッド・デビルの副団長です。その彼女がこのバトロワでどこまでやれるのか?攻略組でもPvPはやれるのか?興味深いところです」
バッコスの喋りが終わると俯瞰で赤髪をポニーテールにまとめたユーリの姿が表示される。
彼女は砂漠の真ん中で大きなサソリ型のモンスターに3体に囲まれていた。
フルスイング大田が叫ぶ。
「おおっと! これはユーリ選手ピンチですね!」
「ええ。これがあるんです。プレイヤー以外にもフィールドモンスターにも注意しなければいけない! ここは逃げたいところなのですが、地面が砂地なので移動速度が10%低下している状態です。ユーリ選手がどうやって切り抜けるが楽しみです」
「さあ! ユーリ選手このピンチをどう切り抜けるか! 」
ユーリを囲むサソリは全部で3体。その一匹の体が光り、尾の毒針でユーリを突き刺そうとする!
「おおっと! ユーリ選手。足元の悪い砂地でありながらかわした!!」
「流石です! 素晴らしい反応速度です!」
サソリの攻撃をかわしたユーリは剣で攻撃をしてきたサソリを一突きする。そのままサソリは動かなくなり、もう一体のサソリがハサミでユーリを挟もうとする。それを紙一重でかわすとそのまま剣で真っ二つにする。
一体になったデザートスコルピオはくるりとユーリに背を向けて砂の中に潜っていった。
「このピンチをノーダメージで切り抜けたユーリ選手! この先が楽しみです!」
そして俺の体から3という数字が飛び出てきたのと同時に視界の真ん中に毒! と表示される。
足元に落ちた盾に当たったものを見るとそれが矢ということが分かる。
矢が飛んできた方向を見ると、弓を構えたロロリタ族の男の姿がある。その距離は恐らく20メートルはありそう。
狩人というジョブは遠隔物理DPSで矢に毒を火を付けて打ち込んでデバフを付与したり、シビレ罠などの罠も設置してデバフやスリップダメージを与えることができるジョブだ。
バハムートと戦ったときに狩人にもデバフを付与してもらった。
20メートルの距離ということはあと10メートルは近づかないとスキルが発動できない。相手に俺が酸欠のデバフに罹っていることを悟られないようにゆっくりと盾を狩人に向けて近づく。
戦闘を避けて逃げるという方法もあるだろうが、酸欠デバフで移動速度が遅いから多分逃げ切れない。ここは戦うしか無い。
狩人はゆっくりと弓を構え二射目に入ろうとしている。そして矢を放そうとしているように見える。
あと数メートルだ……ダメ元で時間稼ぎに話しかけてみる。
「なあ、提案だけど安全地帯までは遠い。ここは矛を納めて一緒に安全地帯まで向かいませんか?」
思ったよりも若い小学生のような声でその狩人が口を開く。
「だからだよ。安全地帯には間に合わない。だったらキルとって楽しんだほうがいいだろ? 」
狩人の話が終わるやいなや、俺はニヤッと笑って呟く。
「君の負け! ターゲットインフェクション!」
「え? 酸欠に毒!?」
その小学生は驚きの声を上げる。
そして俺の酸欠デバフの時間は終了している。走って一気に小学生との間合いを詰める。小学生は狼狽したかのように弓を放つが狙いが絞れていないため、俺の頭をかすめて飛んでいく。
そして小学生が二射目を放とうとしたときには既に俺の剣の間合いに入っている。
「エンドオブハート」
そう呟きWSマクロを発動させ、小学生狩人にダメージを与える。
「ヒィィィィ」
と言って逃げようとする小学生。だが酸欠デバフに罹っているためその足は遅く、そのまま背後から斬りつけると小学生はそのまま倒れて動かなくなる。
勝った!……勝ったはいいんだけど……毒をなんとかしないと……2秒に1回5ダメージは流石に痛い……すると倒れた小学生はポンっと宝箱のような木箱に変わる。
まさか! そう思って木箱を開けてみると、深緑の草が入っている。手にとって見ると毒消し草というポップアップが草から生えてくる。
アイテムの持ち込みはできなけど、プレイヤーが拾ったアイテムは、倒したらそのアイテムを手に入れることが可能! つまり、こいつは毒消し草を拾ってたんだ。運が良かった……
早速毒消し草を使い、安全地帯を目指し歩き始めて数歩。何かを踏んだような感触とともに、カチッという音が聞こえ、目の前に電気が走り、痺れ! という表示とともに体が動かなくなる。
やられた……あの小学生、シビレ罠仕掛けてたのかよ!!
電気のようなマークに120という表示……範囲縮小まであと25分。
◇◆◇
タケシを含めた数十人のプレイヤー達が集会場に集まり配信を眺めている。開始時には数人のプレイヤーしかいなかったが、タケシがやってきてから続々とプレイヤーが増え始め百人規模になる。
集会場にフルスイング大田の声が響く。
「開始5分ですがもう五十人ほどやられてますね、バッコスさん」
「ええ、3700名もの参加者がいますからね。いくらフィールドが広いとはいえ、近く場所に転送される人も多いですからね。この展開は仕方ありませんね」
画面に地図が表示され、ユーリと書かれた移動する○が表示される。
「さあ、ここでもう一人の有力選手ユーリ選手にカメラを向けてみましょう。ユーリ選手のこの位置はどうでしょうバッコスさん」
「エボット砂漠ですね。安全地帯には入っていませんが、近くでいい場所と言えます。このユーリ選手は攻略クラン、レッド・デビルの副団長です。その彼女がこのバトロワでどこまでやれるのか?攻略組でもPvPはやれるのか?興味深いところです」
バッコスの喋りが終わると俯瞰で赤髪をポニーテールにまとめたユーリの姿が表示される。
彼女は砂漠の真ん中で大きなサソリ型のモンスターに3体に囲まれていた。
フルスイング大田が叫ぶ。
「おおっと! これはユーリ選手ピンチですね!」
「ええ。これがあるんです。プレイヤー以外にもフィールドモンスターにも注意しなければいけない! ここは逃げたいところなのですが、地面が砂地なので移動速度が10%低下している状態です。ユーリ選手がどうやって切り抜けるが楽しみです」
「さあ! ユーリ選手このピンチをどう切り抜けるか! 」
ユーリを囲むサソリは全部で3体。その一匹の体が光り、尾の毒針でユーリを突き刺そうとする!
「おおっと! ユーリ選手。足元の悪い砂地でありながらかわした!!」
「流石です! 素晴らしい反応速度です!」
サソリの攻撃をかわしたユーリは剣で攻撃をしてきたサソリを一突きする。そのままサソリは動かなくなり、もう一体のサソリがハサミでユーリを挟もうとする。それを紙一重でかわすとそのまま剣で真っ二つにする。
一体になったデザートスコルピオはくるりとユーリに背を向けて砂の中に潜っていった。
「このピンチをノーダメージで切り抜けたユーリ選手! この先が楽しみです!」
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