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スキルを使って生き残れバトロワ編
第5話 最強キング
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「それでは注目選手はどこに転送されたのでしょうか!」
フルスイング大田の声がソフィアの街の集会場に響く。
画面には大きな地図が表示され、ちいさな○に名前が書かれたものが無数に表示されている。
「バッコスさん注目のエイジ2525選手ですが……おおっと!!」
フルスイング大田の実況に合わせる様にバッコスが解説を挟む。
「これは運が悪かったとしか言いようがありませんねぇ。安置まで距離が遠いです。真っ直ぐに走っても30分は掛かりそうです」
「対照的にバッコスさんがダークホースに押していたトゥエルブサーティーン選手は安置ど真ん中です」
「ええ、これは非常に運がいいと言えます。しかもエルトンの街です。このまま建物の中でアイテムを漁って隠れていれば最終決戦まで残れる可能性がありますからね」
「あ! えっとしかしトゥエルブサーティーン選手に動きが見られます! カメラを切り替えて見ましょう」
フルスイング大田がそう言うとトゥエルブサーティーンことキングを俯瞰で見れる位置に画面が切り替わる。
キングはヒュンヒュンと剣を振り回しながら、隠れるどころか大通りを闊歩し、目についたプレイヤーに襲いかかる。
「こ、これはバッコスさんどういうことでしょうか」
「彼ならこうするかもとは思っていました。闘技場ウォッチャーの私が見たプレイヤーの中で彼の強さはナンバーワンです。ちなみ彼の戦績は59戦57勝2敗なのですが……この2敗は回線落ちによるものなのです」
5名のプレイヤーを瞬時にキングが葬る場面が表示され集会場で見ていた少ないプレイヤー達が「おおおお」っとどよめく。
「これは信じられません! たった数分で5名のプレイヤーをキルしたトゥエルブサーティーン選手!!すごいですねバッコスさん!」
フルスイング大田が興奮しながら叫ぶも冷静に解説をするバッコス。
「ええ彼はPKクランのムカデ団でキングと呼ばれている存在でこの程度のことは朝飯前でしょう……ですが、これはバトロワです。戦うというリスクそして、回復アイテムも限られているというなか、こういった行動は中々厳しいと思いますが……」
近くで隠れようとしていたハイエルフのブラックメイジを見つけキングが駆け寄る!
バッコスの言葉を遮るようにフルスイング大田が叫ぶ!
「おおっと!! トゥエルブサーティーン選手! 次の獲物を見つけたようです! 」
それを集会場で目を細めながら見つめるタケシ。
キングに凍結魔法を繰り出し足止めしようとするハイエルフのブラックメイジ。それを一瞬で飛び上がってかわすキング。
近づくキングに無詠唱で火球を放とうとするが、それすらキングに読まれかわされる。そしてそのままグラディエーターのWS牙剣突からのスラッシュコンボ喰らい倒れ消滅をしたブラックメイジ。
「ブラックメイジは連続魔法のスキルでしょうか? それすらも読まれていたハリー・ボルダー選手ここで敗退です」
フルスイング大田の実況を聞いて、ポリポリと頭をかきながら自分が負けたシーンを俯瞰画面でみたタケシはポツリと漏らす。
「なんだよあれ……バケモンかよ……」
◇◆◇
――その頃、エイジは……
えっとここはイースの東の端のトワールの海岸ってことか……ここのモンスターは確かビッグクラブっていう蟹が現れる。
そしてビッグクラブが付与してくれるデバフはバブル攻撃時に酸欠のデバフを付与する……酸欠の効果は……
そんなことを考えていると周囲にビッグクラブが数十匹ポップしてくる! 1匹が人間程の大きさがある蟹だ!囲まれたらレベル30にシンクされているため、殺されかねない!
慌てて逃げようとすると、1匹が右手の大きなハサミを振り上げて俺に攻撃を仕掛けようとしている!
ガキーンと盾でその攻撃を受け止めると一目散に走り出し逃げる。しかし目の前に立ちふさがるビッグクラブが口から泡を吹きそれを俺にぶつける。
バブル攻撃だ!!
酸欠と表示され体の動きが遅くなる。
そう酸欠は移動速度の低下! 2分間の移動速度75%低下。これが酸欠の効果。
「ターゲットインフェクション!」
取り敢えず蟹を酸欠状態にすれば、俺と同じ条件になる。ということは逃げることができるということビッグクラブは砂浜の上でしか行動しないだから砂浜さえぬけることができれば……流石にフィールドモンスターにやられて退場という事態は避けたい。
呪文のように感染マクロを発動させ、俺は必死に逃げる。しかし体の動きと気持ちが合わずにイライラする。まあ蟹も同じ速度なのだから追いつかれることはないのだが……
そしてなんとか砂浜を抜け、森に飛び込んだ。
森から砂浜の方をみるとノロノロとした動きの蟹どもが俺を追うの諦めてポップした位置まで戻っていく。
「ふーなんとか逃げ切れた……」
一息をつきデバフの表示を確認する酸欠の効果時間は残り30秒ほど。
「安置に向かわなきゃな……」
そう思い地図をみながら安置である西に向かおうとした時、プレイヤーがWSを使用するときに表示される赤い点が胸に表示されたことに気がついた。
フルスイング大田の声がソフィアの街の集会場に響く。
画面には大きな地図が表示され、ちいさな○に名前が書かれたものが無数に表示されている。
「バッコスさん注目のエイジ2525選手ですが……おおっと!!」
フルスイング大田の実況に合わせる様にバッコスが解説を挟む。
「これは運が悪かったとしか言いようがありませんねぇ。安置まで距離が遠いです。真っ直ぐに走っても30分は掛かりそうです」
「対照的にバッコスさんがダークホースに押していたトゥエルブサーティーン選手は安置ど真ん中です」
「ええ、これは非常に運がいいと言えます。しかもエルトンの街です。このまま建物の中でアイテムを漁って隠れていれば最終決戦まで残れる可能性がありますからね」
「あ! えっとしかしトゥエルブサーティーン選手に動きが見られます! カメラを切り替えて見ましょう」
フルスイング大田がそう言うとトゥエルブサーティーンことキングを俯瞰で見れる位置に画面が切り替わる。
キングはヒュンヒュンと剣を振り回しながら、隠れるどころか大通りを闊歩し、目についたプレイヤーに襲いかかる。
「こ、これはバッコスさんどういうことでしょうか」
「彼ならこうするかもとは思っていました。闘技場ウォッチャーの私が見たプレイヤーの中で彼の強さはナンバーワンです。ちなみ彼の戦績は59戦57勝2敗なのですが……この2敗は回線落ちによるものなのです」
5名のプレイヤーを瞬時にキングが葬る場面が表示され集会場で見ていた少ないプレイヤー達が「おおおお」っとどよめく。
「これは信じられません! たった数分で5名のプレイヤーをキルしたトゥエルブサーティーン選手!!すごいですねバッコスさん!」
フルスイング大田が興奮しながら叫ぶも冷静に解説をするバッコス。
「ええ彼はPKクランのムカデ団でキングと呼ばれている存在でこの程度のことは朝飯前でしょう……ですが、これはバトロワです。戦うというリスクそして、回復アイテムも限られているというなか、こういった行動は中々厳しいと思いますが……」
近くで隠れようとしていたハイエルフのブラックメイジを見つけキングが駆け寄る!
バッコスの言葉を遮るようにフルスイング大田が叫ぶ!
「おおっと!! トゥエルブサーティーン選手! 次の獲物を見つけたようです! 」
それを集会場で目を細めながら見つめるタケシ。
キングに凍結魔法を繰り出し足止めしようとするハイエルフのブラックメイジ。それを一瞬で飛び上がってかわすキング。
近づくキングに無詠唱で火球を放とうとするが、それすらキングに読まれかわされる。そしてそのままグラディエーターのWS牙剣突からのスラッシュコンボ喰らい倒れ消滅をしたブラックメイジ。
「ブラックメイジは連続魔法のスキルでしょうか? それすらも読まれていたハリー・ボルダー選手ここで敗退です」
フルスイング大田の実況を聞いて、ポリポリと頭をかきながら自分が負けたシーンを俯瞰画面でみたタケシはポツリと漏らす。
「なんだよあれ……バケモンかよ……」
◇◆◇
――その頃、エイジは……
えっとここはイースの東の端のトワールの海岸ってことか……ここのモンスターは確かビッグクラブっていう蟹が現れる。
そしてビッグクラブが付与してくれるデバフはバブル攻撃時に酸欠のデバフを付与する……酸欠の効果は……
そんなことを考えていると周囲にビッグクラブが数十匹ポップしてくる! 1匹が人間程の大きさがある蟹だ!囲まれたらレベル30にシンクされているため、殺されかねない!
慌てて逃げようとすると、1匹が右手の大きなハサミを振り上げて俺に攻撃を仕掛けようとしている!
ガキーンと盾でその攻撃を受け止めると一目散に走り出し逃げる。しかし目の前に立ちふさがるビッグクラブが口から泡を吹きそれを俺にぶつける。
バブル攻撃だ!!
酸欠と表示され体の動きが遅くなる。
そう酸欠は移動速度の低下! 2分間の移動速度75%低下。これが酸欠の効果。
「ターゲットインフェクション!」
取り敢えず蟹を酸欠状態にすれば、俺と同じ条件になる。ということは逃げることができるということビッグクラブは砂浜の上でしか行動しないだから砂浜さえぬけることができれば……流石にフィールドモンスターにやられて退場という事態は避けたい。
呪文のように感染マクロを発動させ、俺は必死に逃げる。しかし体の動きと気持ちが合わずにイライラする。まあ蟹も同じ速度なのだから追いつかれることはないのだが……
そしてなんとか砂浜を抜け、森に飛び込んだ。
森から砂浜の方をみるとノロノロとした動きの蟹どもが俺を追うの諦めてポップした位置まで戻っていく。
「ふーなんとか逃げ切れた……」
一息をつきデバフの表示を確認する酸欠の効果時間は残り30秒ほど。
「安置に向かわなきゃな……」
そう思い地図をみながら安置である西に向かおうとした時、プレイヤーがWSを使用するときに表示される赤い点が胸に表示されたことに気がついた。
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