デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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スキルを使って生き残れバトロワ編

第12話 ドクロマスクの正体

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 ブーンというモスキート音が聞こえる。

 ユーリさんを倒して1時間が経つ。そう3回目までの範囲縮小までが終わったということだ。俺が今いるところはくるぶしぐらいまで水が溜まった湿地帯でこういう場所には蚊いる。さっきのモスキート音はここに蚊がいるという合図なのだ。

 腕を見ると小さな蚊がまとわりついていて、俺の体から1という数字が飛びでてくる。蚊に刺されてHPが減るのはどうなんだろう?と思う。この蚊はモンスター扱いではなく、ただの邪魔者オブジェクト扱い。

 しかもこの蚊、運が悪いと発熱というデバフを喰らうことがある。その効果は意識朦朧というもので視界が歪み視界が悪くなる。まさ運営の嫌がらせ。

 それが俺にとっては逆に好都合。デバフは俺の武器にもなる。

 この湿地帯は幸いにも安全地帯にはいっているので次の縮小までここで時間を潰せばいい。そしてここに来るまでの間に無いだろうと思って木箱を漁ってみたら発煙筒いう煙をだせるアイテムが手に入ったのはラッキーだった。

 ふっと気を緩めたその時……

 鈍足! という表示が視界の真ん中に出る。

 は?と思って振り返るとそこにはドクロのマスクを被った忍者の姿がある。

 もはや反射的に
「ターゲットインフェクション」
 と呟き俺はバックステップをする。その動作は遅いがそれは相手も同じ!

 するとドクロマスクは俺を追い打ちするでもなくその場で
「ターンオーバー」
 と呟く。そして瞬時に俺との間合いを詰めてくる。

 ???俺の頭の中で???が支配をする。

 なんで? 感染が効かない? そんな……今までそんなこと1回もなかったのに……

 混乱をする俺を尻目にそのドクロマスクは一気に俺に畳み掛けてくる。

 その勢いに圧倒され俺は尻餅をつきながら、なんとか盾を構える。何発かクリーヒットを貰ったけど確か忍者は攻撃力が普通のDPSより低めって聞いたことがある。そのおかげか生き残ることができた……とは言ってもHPは残り50ぐらいで……もう一度クリーンヒット喰らった終わり……

 俺のスキルが効かなかったこととか色々と聞きたいことはあるけど……どうせここで殺されるんだろう……

 俺が覚悟を決めるとドクロマスクの男は笑い出す。
「あははははははは……俺はこんなクソ弱い奴に負けて全てを失ったのか!!あはははははは!! デバフを反転させてやったらこのザマだ!!」
 とどこかで聞いたことのある声。

「お、おまえはまさか……ショーグン……永久BANのハズじゃ……」
「やっと気がついたか! このボンクラ! 俺はお前に復讐するためにプロバイダーを変え、新規のアカウント作ってお前を殺すためのスキルが出るまでリセマラをしてここまで来たんだ!! 何がデバフの王だ!!調子に乗りやがって!! 絶対にお前は殺す!! お前は注目のプレイヤーだ必ず配信されているはず、その配信の中でお前をぶっ殺す!!」

 そう言ってショーグンは尻餅をついた俺に刀を向ける。
「さあ、その情けない姿で散っていけ!!」

 バシャバシャという水辺の上を走る音が聞こえる。

「やっと見つけた!! ガイコツマン!!」
 聞き覚えのある中学生ぐらいの声が聞こえる。

 そして一気にドクロマスクに斬りかかる。ガキーンという音が響くドクロマスクは右手に持った剣でそのグラディエーターの剣を受ける。

 ショーグンから15という数字が飛び出る。

 そのままグラディエーターは俺に背を向ける形で間に俺とショーグンの間に入る。
「くそ! 邪魔するな!!」
 ショーグンがそのグラディエーターに叫ぶ。

「は?あんたも俺の獲物邪魔したじゃん!」
 やっぱり聞き覚えのある声で言う。

「キング!!」
「あ! エイジくんじゃん! こいつにやられそうになってたの?」
「そ、そいつはショーグンだ!」

 俺がそう言うとキングは声色が変わる。
「ふーん……じゃあ僕のリベンジマッチだね……」
「今はお前の相手をしてる場合じゃない」

 そう言うとショーグンは早送りしている人間のようにバシャバシャと水の上を走って行った。

「なんだあれ……くっそはええ追いつけぇねぇ……」
そう言うとキングはこちらを向いて剣を俺の方に向ける。

「じゃあエイジくん。決着をつけようか」
キングはそう言うとニコッと俺に笑いかけた。






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