デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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スキルを使って生き残れバトロワ編

第11話 恥じらい

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「エイジ2525選手とユーリ選手が鉢合わせだ!!!」
 叫ぶフルスイング大田の声が響く人でごった返す集会場。

「おお! どっちが勝つ? デバフの王か? 攻略の女王か?」
 集会場が沸き立つ。

「……はいはい私の負けですよ」
 ユーリはそれを見ながら毒づく。

 そんなユーリの背後から話しかける白い鎧をきた男。
「お前がここいるってことは負けたんだな」

「タヌキチくんだって負けたらここにいるんでしょ?」

 ユーリに話しかけたのは攻略クランレッドデビルの団長タヌキチ。

「まあな」
 そう言ってタヌキチはニコッと笑う。

 フルスイングの声が集会場響く。それを固唾を呑んで見守る人々
「早い! 一瞬で間合いを詰めたーーーー!!」
 ユーリがエイジを斬りつけた瞬間が映し出される。

 その直後ユーリの体が硬直し前後に揺れる姿がアップで映し出され、そのあと大きく口を開いてくしゃみをするような素振りをする姿に変わる。

 そしてエイジに斬られ木箱に変わるユーリ。

 その映像が映し出されると集会場と実況と解説の二人が微妙な雰囲気に包まれる。
「……ユーリ選手の体が固まったようにみえるのですが……あれはなんでしょうか?バッコスさん」
 沈黙を破るようにフルスイング大田がバッコスに話しかける。

「え、ええっと……くしゃみ……ですかね?」
 解説に困るバッコス。

「く、くしゃみですか……もう一度見てみましょう……」

 映像が巻き戻り始める。

 それを見たユーリは
「あ……」
 と漏らし、赤面し俯く。

「あれはくしゃみなのか?」
 腕を組んで真剣な表情で眺めるタヌキチはその俯くユーリに確認をする。
「……」

 何も言わないユーリにもう一度タヌキチが話しかける。

「なぁユーリあれはくしゃみなのか?」

 赤い顔をしたままキッと顔を上げたユーリは
「そうよ! くしゃみよ!! くしゃみがでたのよ!! 」
 と半ギレでタヌキチに食って掛かる。
「そ、そうか」
 その迫力にあっけにとられるそして

「くしゃみなんてしたっけ? このゲーム?」
 と考え込むタヌキチ。

 カメラに向かって大口を開いてくしゃみをするユーリの姿がもう一度映されるとザワザワとしていた集会場が笑いの渦に包まれる。
「なんだよあの顔」
「やっべぇぇぇ」

 フルスイング大田もいかにも笑いを堪えているといった口調で実況をする。
「ど、どうやらくしゃみのようですね」

 しかしバッコスは真剣な口調で
「あれはエイジ2525選手のスキルだと思います……彼のスキルはデバフを他人にうつせるというものです……くしゃみをさせるデバフ聞いたことがあります。さすがエイジ2525選手、デバフの王と言われるだけのことはあります。そんなマイナーなデバフにも精通しているとは! 」
 と言い放った。

 ずっと考え込んでいたタヌキチはバッコスの解説も耳に入っていない様子。そしてポンと手を叩いてユーリに話しかける。

「そっか! 妖精さんか! あの付近の妖精さんが確か花粉症ってデバフ使うよなユーリ。そっかエイジ2525のスキルって確か」
「そうよ。エイジくんのスキルは自分のデバフをうつせるの。迂闊だったわ。エイジくんがくしゃみしてるの知ってたのに」
「そりゃユーリの判断ミスだな。あの恥ずかしい顔も仕方ない」
「もう! うっさい!」

 ぷいっと顔をタヌキチから顔をそむける、ユーリ、そして集会場のモニターに視線を向ける。そこには元自分の木箱を漁るエイジの姿があった。

 ◇◆◇

「ハックショーーイ」
 くしゃみとともに花粉症のデバフが終了する。

 ユーリさんが持っていたアイテムのおかげでHPは全回復。家の中に隠れて地図を広げ現在位置と安全地帯を確認する。

 あ……やった! 安全地帯すぐ近くじゃん! ここからだと5分ぐらい? それじゃ……お宝探しをしましょうかね。

 バトロワマスターのシゲゾーが言ってた。とにかく家の中に入ってアイテムを探せと……俺はバトロワ開始以降、ずっと移動ばっかでアイテムなんも持ってない! これはマズイ!

 よっしお宝探しだ!!

 取り敢えずこの家からと周囲を伺ってみると……タンスは全て開けられ、陶器の破片が散らばっている。

 ……もう誰かが入った後でしたか……そういやこの家からユーリさんでてきたよな……次だ次! 隣の家に入ってみるとここも既にタンスは全て開けられ、陶器の破片が散らばっている。

 まあ入る家入る家全部同じ様な状態……そして時間はもう範囲縮小5分前……

 あっ! 時間やっば!! 結局アイテム持ってないし……時間を無駄にしただかよー…… 

 結局アイテムは持たずに次の安全地帯へと向かう事となった。





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