デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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スキルを使って生き残れバトロワ編

第10話 花粉症

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「やっべぇぇHPやべぇぇ」
 範囲外のダメージとジャイアントスイングのダメージで俺のHPはあと20程。赤い表記になり、この状態で攻撃をうけると盾受けでもきつい。

 そして目の前に広がるのはだだっ広い平原。しかし平原の向こうに街が見えている。

 ちょうど鈍足も終了。

 街の中にはアイテムがあるかも……平原なだけあって障害物もない。周囲を見渡すがプレイヤーの姿は見えない。

 さあ行こう……

 街の方向に歩いていくと……可愛らしい妖精達がポップしててくる。気がつけば平原は花が沢山咲いている。
 その妖精のうちの1匹が俺の鼻に口づけをする。

 妖精さんの祝福?なんかバフでもついたりして……と思っていたら……花粉症! という表示がされる。

 は? デバフかよ!! 花粉症ってどんなデバフだよ!

 右上に人がくしゃみをしているアイコンが表示され、300という表示……

 は! 5分も!花粉症デバフ5分も掛かったままなのかよ!!


 いやちょっとまて俺のHPは残り20この花粉症デバフが毒のようにダメージが入るものだったら……俺は死ぬ……

 恐る恐るくしゃみをしている人をタップしてみる……
 デバフの説明書きが表示される。

『かわいい妖精さんにもらった口づけ。その効能は花粉症。ランダムでくしゃみがでるぞ」

 は? ただそれだけ? くしゃみがでるだけ? まあ……毒よりはましだよな……

 妖精さんはもう無視して街まで歩こう……

「ハ、ハックション!!」

 盛大なくしゃみがでた……これが花粉症デバフのくしゃみか……

 街に入るまで3発ほどのくしゃみをして街に入る。普段の街はNPCやプレイヤー達がいることが普通で、誰もいない街なんて見たことがない。この街はイース地方でもまあまあ大きな街で、家の数なんかも多い。

 ゴーストタウンと化して静まり返った街の中をくしゃみをしながら歩く。

 とにかく回復アイテムを探さないと……そう思って近くにある家の扉を開けようとする……

 はっはっはっはくしょん!!

 と今日一番の大きなくしゃみが出る……ってこのくしゃみマズイような気がする……他の人に俺がここにいるって知らせているようなものような気がする……

 シゲゾーもバトロワの勝ち方は隠れることつってたし……

 そして俺はこの花粉症デバフの危険性について思い知る。

 俺がくしゃみをして数秒後、周囲を伺うようにゆっくりと隣の家の扉開く。

 そこには燃えるような赤い髪をポニーテールにした美人……ユーリさんが隣の家の扉を開いて外にでようとしていた……

 俺と目があってユーリさんから話しかけてくる。
「こ、こんにちわ」

 いきなり挨拶をされそのまま挨拶で返す。
「こ、こんにちわ……」

 チンんと鞘から剣を抜きこちらに剣先を向けるユーリさん、俺もユーリさんの方をむいて盾を構え剣を抜く。

「くしゃみがきこえたから出てみたらまさかエイジくんとは……」
「俺もまさかユーリさんと当たるとは思ってなかったです」

 あの百戦錬磨の攻略プレイヤーユーリさんの剣先は微妙に震えている。

「私の初めてがエイジくんになるとはね……」
「なんか意味深ですね」

「あははは、そうね。やさしくしてね」
 そう言って俺にウィンクをしてみせる。

「やさしくはできないかも知れません」
 ……そうは言ったけど、初めてとはいえ……バハムートで彼女のすさまじい動きは知っている。俺のHPは20そして……罹ってるデバフは花粉症のみ……

 勝てる要素皆無なんだけど……

「それじゃ行くよエイジくん……」
 ユーリさんがグッと足に力を入れるのがみえる。

 来る、本当に来る。どうしよう……俺にできることは……
「ターゲットインフェクション」

 そうこれしか無い!!

 デバフを喰らったユーリさんが面を喰らったような表情で呟く。
「ああ、そうだったわね。あなたのスキル。花粉症?聞いたこと無いデバフね……まあいいわ。仕切り直して行くわよ……」

 再びグッと足に力を入れバネを縮ませるようにグッと上体を低くする。

 俺の盾を持つ手に力が入る。

 グッと地面を踏みした瞬間、縮んだバネが一気に伸びるように凄まじいスピードで一気に俺との間合いを詰めてくる。

 ガキーン! 一発目はなんとか盾で受けることに成功する。そのダメージは盾受けしても体から10という数字が飛び出す。ユーリさんが2発目を繰り出そうと上体をひねったユーリさん。

しかし、
「ハッハッハッハ」
 とくしゃみがでる予備動作で動きが止まる。

 たぶんこの時、第三者が俺の眼をみていたらキラリンと輝いたと言っていただろう。

 俺はユーリさんにできた隙きを見逃さない。このまま動きが止まったユーリさんに斬りつけWSを発動させ斬りつける。大ダメージを受けたユーリさんだがこのデバフ、くしゃみが完了するまで他の動きをとることができない。つまりユーリさんはハクションというまで動くことができないのだ。

「ハクショーーン」

 と大きなくしゃみが終わる前にそのまま斬りつけくしゃみのハクションのショという顔のまま消えて行くユーリさんそしてそのまま木箱になる。

「ハックショーーン」
 とくしゃみをして木箱になったユーリさんのアイテムを漁る。するとHP全快アイテム、救急箱をみつけた。

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