デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

スキルを使って生き残れバトロワ編

第9話 その名はジェネラルイレブン

　集会場に映されている映像の地図に円がありその内側が安全地帯ということになる。プレイヤーを表す○がその円の内側で動いている。
　フルスイング大田の声が響く。
「さあ、範囲縮小がされましたが……ここで残ったプレイヤーは1600名程ですねぇバッコスさん！」

「半数以上がふるいにかけられたということになりますね」
「バッコスさん注目のプレイヤー達はみんな生き残っているようですね」
「ええ、やはり名のあるプレイヤー達ですからね。生き残る実力はあるということでしょう」

　それを聞いたシゲゾーは嫌味っぽく
「へいへい、俺は実力はありませんよー」
　と呟く。
「まっ俺と同じだもんな！」
　シゲゾーにタケシが嬉しそうに話しかけた。

　バッコスが興奮したような声を上げる。
「おっと！　フルスイングさん　これは見どころですよ！　闘技場1位のエジタン33選手とトゥエルブサーティーン選手が近づいています！」
「それじゃエジタン33選手にカメラを寄せてみましょう」

　地図に表示されている安全地帯の円の真ん中にいるエジタン33と書かれた○にぐいーんとカメラが寄る。そして槍を持ったライオネル族の男が周囲を伺いながら歩いているところが映し出される。

「おおおお」
　と集会場が沸きバッコスの声が響く。
「このエジタン33選手、元エウロペア防衛軍なんですが力のショーグン、技のエジタンと呼ばれているような華麗な槍さばきが魅力の選手です」

「そうなんですね。トゥエルブサーティーン選手と戦ったことはあるんでしょうか」
「それがトゥエルブサーティーン選手はログイン時間が短いということもあって、闘技場上位のプレイヤーとあまり当たってないんですよね」
「なるほどー」
「こんなに早く二人の戦いが見られるなんて、これがバトロワの醍醐味ですねぇ」

　槍を構えて身長に歩くエジタン。その数メートル先に角に剣を振り回しながら悠然と歩くキングの姿がある。

　タンっと高く跳び上がり槍で落下しながら槍でキングに狙いを定める。キングにはエジタンが跳び上がったのは見えるはずがない位置。

「おっとエジタン33選手高く跳び上がった！！」
「ええこれはランサーのジャンプというWSですね。これで串刺しにされるとタンク以外は一撃でやられかねません！！しかも上手いです！　この位置からはトゥエルブサーティーン選手はエジタン選手がいたこともしらない！！　これはトゥエルブサーティーン選手大ピンチです！」

「ふん。キングが気づいてないとでも思ってんのか？」
　シゲゾーがバッコスの解説にケチをつける。

「でもあれは見えてないでしょ？」
　タケシが首を傾げながらシゲゾーに話しかける。

「まあみてなって」

　柄の先端を踏んだ状態でエジタンが空中からキングに向けて降りてくる。すっと何事も無かったかのようにバックステップをするキング。

　バッコスは解説を忘すれて叫ぶ！
「すげぇぇぇぇ！！」
「バッコスさんこれは……」

「さすがです！！　さすがトゥエルブサーティーン選手です！！　見えるはずのない場所にいたエジタン選手の攻撃を見切っていた。だからこそのあのバックステップ！　彼の目は一体どこについているんでしょうか！！」

　集会場もドヨドヨとどよめく。

　地面から槍を引き抜き、キングに向けるエジタン。そして連続突きをキングに浴びせる。その突きを上体のみの移動でかわす。

「これがキングだ！　エジタン如き相手にならねーよ！　」
　シゲゾー自分のことのように嬉しそうに話す。

　攻撃に転じたキングの攻撃を槍で受け止めることだけで精一杯のエジタン。そして徐々にキングのスピードが上がって行き、エジタンは槍で受け止めるのも苦しそうにみえる。

　このままキングに斬られる誰もがそう思った瞬間、エジタンの背後に抱きつくようにドクロマスクの忍者がエジタンの背中に取り付きそのまま刀で首を掻っ斬った！

　エジタンはその場で倒れると木箱に変わる。

「おおっと！　エジタン選手！　後ろから現れた……これはジェネラルイレブン選手ですね。ジェネラルイレブン選手にやられてしましました！！」
　フルスイング大田の声がシーンと静まり返った集会場に響く。

「あいつだ。俺を殺した奴。あのドクロマスクが俺を殺した」
　シゲゾーが呟く。
「あいつが……エイジが勝てないっていうやつ？」
「ああ……」

　バッコスは興奮した様子で話し始める。
「ええ、これがバトロワなんです。正面にいる敵だけに注意をするだけはダメなんです！　漁夫られてしまったわけですねエジタン選手は！　しかし目の前にはトゥエルブサーティーン選手がいます！　ジェネラルイレブン選手にはこのトゥエルブサーティーン選手に正面から勝てるのでしょうか！！」

　するとジェネラルイレブンは地面に何かを投げつけるとモクモクと煙をだし、ジェネラルイレブンの体が見えなくなる。

　キングが煙を斬るように攻撃をしたが、もうそこにジェネラルイレブンの姿はなかった。