デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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第2部 美少女天才ゲーマー編

第5話 ユニークモンスターVSデバフの王

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 生産職をパーティに入れてモンスターと戦うとアイテムの発見率というものが上がるらしく、生産職をパーティに入れてレアアイテムを狙うのが一番効率がいいとされる。

 神崎はそれを知っているから俺とパーティを組んでレアアイテムを狙おうということだ。

 1時間、ひたすら森の中でジャイアントシルクワームを狩り続けるも全くドロップしない。

「神崎……全く落ちないんだけど……」
「パーティに生産職をいれてもドロップ率2%程度らしいわ。まあ50体倒せば1個は落ちるから頑張ってね」
「げ……2%かよ……」

 もう30分付き合ってジャイアントシルクワームを狩るがそれでも落ちない。

 俺は手を止めずに神崎に話しかける。
「なあ……神崎、そのドレスってそんなに必要なの?」
「そうよ。二宮くんはどうせ戦闘職しかしてないから知らないんでしょ?」

「いやいや、神崎だって昨日から始めたくせに」
「だから勉強したの」
「そりゃそうだけどさ……」
「それに勉強もゲームも効率よくするには知識がないといけないのよ。ようは要点を絞って効率よくやればテストでもいい点取れるしゲームでもトップを取れるってわけ」

 なーに知識がとか偉そうにいってんだろ。……最初にマッチョになって叫んでた人はだれなんだろうな……
 心の声を圧し殺して俺はただただ苦笑いをする。

 まあ神崎の言うことは悔しいけど当たってるんだよな。さすが成績ぶっちぎりでトップの神崎マナ様ってだけのことはある……ゲームも昨日初めたとは思えないほど馴染んでるし。

 まあ今の俺ができることは目の前のジャイアントシルクワームを狩り続けるだけ。

 ルーチンのようにジャイアントシルクワームに斬り掛かかり、ジャイアントシルクワームが消滅するその瞬間。

 ゴールドシルクを入手したという表示が現れる。

「ああああああああ……やっと落ちた」

 神崎にゴールドシルクを渡す。
「ありがとう! これでゴールドシルクドレスが作れる!」
「そんなにレアなの?それ」
「うん。レアだし、製作難易度が高いから初心者が製作してレベル上げるのに好都合なのよ」
「へぇぇぇ……」

 5分ほどして

「でーきた!」
 そういうと神崎の手には綺麗な金色のドレスがある。
「それどうするの?」
「競売にかけるわ。10万Gぐらいにはなるわよ。戦闘職しかしてないどこかの誰かさんはお金あんまりもってないかもしれないから半分あげるね。わざわざ1時間半も付き合ってくれたし」

 確かに……ヘパイス騙して貰ったお金は殆ど使っちゃって残ってないから5万貰えるだけで正直うれしい。ヘパイスに貰った時あんだけ有ったのになぁ……


「なんだろうあれ……」
 神崎が呟いて指をさした先に居たのは……赤や黄、緑や紫の色が混じったカラフルで家1件分はありそうな巨大な球体。

 テラモスの繭だ……

 テラモスと言われるAクラスのユニークモンスターの繭。その繭は中から破れそうに拍動している。

 くっそ全然気が付かなかった……繭で発見できたらソロでも美味しく狩れるユニークモンスターだけど、繭から出てきたら数十名のプレイヤーでないと勝てる相手じゃない……

「神崎、あれはユニークモンスターのテラモスだ」
「寺もす?」
「知らないの?」

 俺が得意げにそう言うと
「昨日から始めた初心者にそんなこと言うんだ二宮くんは」
 と神崎はニコッと笑って答える。

「……ユニークモンスターだからレアなアイテムを落とすんだよ」
「え?レアアイテムを落とすの! それだったら二宮くん倒してよ」
「……繭から孵ったらソロじゃ狩れない。もうあれ繭から孵りそうそうだし」

 コケェェェェ!!と鶏が鳴くような声が背後から聞こえてくる。

 げ……この鳴き声は……

 俺はそーっと後ろを振り返るとあの厄介な石化モンスターコカトリスがクェクェとキョロキョロしている。

 なんでこんなとこにいんだよコカトリス……岩山とかに居るはずだろ……

 まさに前門の虎、後門の狼ってやつだ……

 俺が死んだら神崎も死ぬだろう。そうなったらデスペナでレベルが下がっちまう……そしたらまーた付き合わなきゃならん……

 バリバリィィィという音がして、前門の虎ことテラモスが繭を突き破って、その大きな羽を広げる……もうこうなったらソロで狩ることはできない。

 一旦どこかに逃げて人を集めて来たほうがいい。逃げるにも後ろにコカトリスもいるし転移して逃げるしかないか……

「神崎、一旦逃げて……出直そう」
「う、うん……」
 となりいる神崎もテラモスの孵化の迫力に押されてしおらしく返事をする。

 転移コマンドを出すが、灰色になっておりアクティブではない。

 え……なんで……転移コマンドは敵に見つかってなければ使えるはずなのに……

 その疑問は一瞬で瓦解する。

 コケェェェェ!! コカトリスがすぐ背後に迫っていたのだ! 後ろを振り返ると口が光る。

「きゃっ!」
 驚きの声を上げる神崎。

 俺は神崎を抱くようにしてその口からの光線をかわした。神崎の驚きの声はその所為である。そしてコカトリスから放れたた光線が当たった草木が石に変わった。

「神崎、あいつはコカトリスって言ってあいつの光線に当たると石化する。だから光線に当たるな」
「う、うん」

 神崎と俺は立ち上がる。その時バサーーという羽を羽ばたかせるような音とともに強風が巻き起こる。

 ああああ!! テラモスかよ!! もうどうにもならねぇぇぇぇぇ……

 コケェェェェとコカトリスも鳴き声を上げる。

 あっそっか石化を使えばいいだけだわ……

「神崎、今からコカトリスとテラモスを石化させる。石化したら攻撃しろ。石化して1ダメージでも入ったら倒せるから」
「え……でもどうやって?」
 俺は神崎の顔を見つめ、自信満々に答える。

「それは俺がデバフの王だからな」
「なんかそれ昨日も言ってた気がするけど?」
「まあ、いいから黙って見てろ」

 俺はコカトリスに攻撃しタゲを取り、テラモスの前まで走る。

 鮮やかな羽で羽ばたいてるテラモス、顔をこちらの方に向け体当たりするために、舞い上がり急降下を始める。

 その瞬間、俺の体は光に包まれ、視界の真ん中に石化という表示がでる。

 足元から灰色の石に変わっていく最中、
「ターゲットインフェクション」
 と二度呟いて俺の視界は真っ黒になり右上に石の様なアイコンに360と表示された。
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