デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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第2部 美少女天才ゲーマー編

第4話 サブ垢

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「死んじゃった」
 死んですぐに戻ってきた神崎が口を開く。

「まあ初心者が蜂にやられるのはあるあるだから」

 あるあるだよねー俺とか俺とか……

「そっかー毒にはどうやって対応したらいいの?」
「魔法の毒消しか、アイテムの毒消し……あーでも神崎の場合はスキルを使えば消せるんじゃないかな?」
「あーあの蠱毒ってやつね?でに毒を取り込むとかって書いてないよ?」
「デバフってのは毒とか状態異常のことなんだよ。だからそれを取り込んで強くなるんだ神崎のスキルは」
「なるほどねぇぇ……」

 この後も2人でレベル上げを行うこととなった。

「ターゲットインフェクション」
 俺のデバフのターゲットは神崎。デバフを貰った神崎は

「スキル発動! パワーアップ!」
 と叫ぶすると、スキルと使った神崎の体が輝く。

 このスキルの倍率はぶっ壊れで、デバフ1個でステータスは1.5倍に上がる。SPDなどやDEXなども1.5倍にあがるようでデバフ1個だけでも相当強くなってしまう。

 このスキル自体が俺への当てつけで作られたんじゃないかと思うほど強力……最近は運営に目をつけられるほど大暴れはしてないつもりだったけど。

 まあ弱体化されないだけましか……

「二宮くん次!」
「はいはい」
 そう言って俺は神崎にデバフを掛ける。

 神崎のゲーム適正というのか才能というのか、あっという間にゲームのシステムに馴染みスキルを使いこなし、神崎のレベルはみるみると上がっていく。

 今、サービス開始半年記念で経験値倍、ギルド貢献値倍ってのをやってる。そのおかげと神崎のゲームスキルの高さも兼ねあってかレベリングが異常に早かった。

 そして神崎はアバターレベル15、ジョブレベル10になり
「あーもう12時かぁ……ぼちぼち寝るかー」
「そうだね。レベル15だしいい頃合いだね。明日から一人でレベリングできるしょ?」
「うん。もう大丈夫よ。ありがとうね二宮くん」
 そう言って神崎は落ちた。

 ……さてと俺は例装備のレアアイテム集めして寝るかな……

 ――翌日

 結局学校では神崎と会うこともなくタケシと適当に話をしてアルターにINをしようとすると神崎からSNSが来る。

『ソフィアの広場の泉前に集合!』
『了解』
 と返しておく。まあ今日もべつに用事があるわけでもないからいっか……

 アルターにINしてソフィアの街の中心部の広場の泉前に着くと
「二宮くん!」
 背後から神崎の声で話しかけられる。

 振り返るとそこにいるのは、神崎にどことなく似たヒューマン族の美女が立っている。
 アカウント名は『マナchan2nd』と書かれている。

「え……神崎さん?」

「サブアカウント作っちゃった。これは生産職用のアカウントにするつもり。スキルも生産職用のスキルにしたんだからね」

 サブ垢か……月額3500円のサブスクだから俺の小遣いだとサブ垢つくれないんだよな……神崎正直羨ましい……
「いいでしょう? 可愛いでしょーーー」
「はい、はい」
「え? 二宮くんはあっちのマッチョな方がお・こ・の・み?」

「んなわけあるか!」
「まぁまぁ、でも今日は生産職するから付き合ってくれない? 今日学校休んでちょっと針師のレベル上げてるんだけど、色々と素材が必要でね。メインアカウントで集めてもいいんだけど職人しながら集めたほうが効率がいいらしいからさー」

「学校休んでずっとやってたの?」
「いや、午前中はずっとアルターのこと勉強してた。どう遊べばいいかとか、効率よくするにはどうしたらいいかとかね」
「……凄いね……」
「でもハマったらこれぐらい調べたりするでしょ?」

 ……限度はあるけどな……神崎恐るべし……しかし俺の方がゲームの中では先輩のはずなのに、なんかたった1日で並ばれたというか抜かれたというか……

 困惑している俺をよそに神崎はマシンガンのように話し続ける。

「えっとジャイアントシルクワームってのからシルクが落ちるんだけど、稀にゴールドシルクってのが落ちるの。それを使ってシルクドレスを作ったら経験値が多くもらえるんだよねぇ」
「う、うん」

「キラーシープから稀に取れるディープウールでもいいんだけど……二宮くんはどっちがいい? ちなみに私のスキルは精密動作っていうスキルで、装備の付加能力を高めることができるわ」
「そ、そうだね……」

 神崎の勢いに圧倒される……

「とりあえず、今日は針師のレベル15を目指す!がんばろー」
「おー……」

 そして俺は神崎に有無を言わさず連れて行かれた……
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