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第1章 最底辺
第6話 練習開始
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「そのアイデアってのは今は言えません、私を信用してくださいとしか」
「まあ、うまくいかなくても今より悪くなることはないか…」
「はい、それは大丈夫ですよ、最底辺ギルドですし」
「そうだな、そこまで自信があるなら、おまえにかけてみるよ」
「とりあえずは、やる気のある人3人みつけないとですね」
「それが、一番難易度が高い気がするんだが」
「確かに…みんな疲れていますからね」
翌日からミルゲイさんと私はギルドメンバーに積極的に話しかけ、剣術大会に出るメンバーを探した。
ーーその夜、仕事が終わり部屋に戻る
「ダメだったろ?」
「…ええ、みなさん途中から話もきいてくれなくなりました」
「で、どうするんだ?今から練習するのか?」
「ミルゲイさん…」
「おい、おい泣くやつがあるか」
私が泣いているのを見て、ミルゲイさんが笑う。
練習をするという言葉が、ミルゲイさんから出たことが嬉しかった。
ミルゲイさんには未来を、変えようとする意思があるということが嬉しかった。
「やりましょう、今から表にでてやりましょう」
長屋の外はすっかり真っ暗になっているが、月明かりが明るく自分たちを照らしている。
「ほら、これ」
ミルゲイさんが倉庫から木剣を取ってきて渡してくれた。
1年ぶりに剣を握る、木剣ではあるが、懐かしくすら感じる。
静かに瞼をとじ、瞑想する。
「おい、レクシアどうしたんだ」
ミルゲイさんの声もやがて届かなくなる。
剣と体が一体になり、剣先にのみ意識が集中する。
そうして振りかぶり、下ろす
スンという空気を切る音が響く。
「すげぇぇ…」
「ふー1年ぶりだとこんなもんですね…」
「剣がみえなかったぞ…」
「まだ、まだです、1年はやっぱり腕が鈍りますね…」
「お前、なにもんだ?」
「それは秘密です、さあ練習しましょう、私に打ち込んできてください」
「それじゃ、遠慮なく」
カン、カン、カン
ミルゲイさんが剣を振るう、私はそれをすべて剣んで受け止める
「ぜーぜーはぁはぁ」
5分ほど打ち込むとミルゲイさんの息が上がる。
「ちょっと休みましょう」
「あ、ああ」
ミルゲイさんはその場に座り込み真っ赤な顔をしている。
「俺の剣はどうだ?」
「うーん」
「はっきりいってくれ」
「じゃあ、はっきりいいますね」
「おう」
「思ったより、打ててます。ただ無駄うちが多いので疲れるんだと思います」
「無駄打ちかぁ」
「必ず、仕留めるという一発をどこかで撃つんです。それができるようになるとミルゲイさんは強くなると思いますよ」
「必ず仕留めるねぇ…」
「それは、練習してつかむしかないですね」
「よっしゃじゃあもういっちょ頼むわ」
ーー2時間後
「今日はもうおそいのでやめましょう」
「ああ、仕事に障るな」
そうして部屋に戻り、いつものベッドに横になる。
「今日はありがとうございました」
「いや、俺の方こそ、レクシアは練習にならないんだろ?」
「いえ、人に教えるのはとても練習になるんですよ」
「それならいいけど、じゃあ、そろそろ寝るか」
「ええ寝ましょう」
ーー翌朝
食堂に向かうと
「お前ら、昨日の夜騒いでたろ?うるさくて眠れねーわ」
立派な黒いひげをたくわえ、うちのギルドには珍しく筋肉質な体をした、ザンガスさんが眠そうな顔をしながら、抗議にきた。
すかさず、ミルゲイさんが口を開く
「すまん、剣術大会の練習してるんだわ、昨日誘ったろ?」
「んなことは知るか、どうせ1回戦で負けるんだ、練習なんてする必要ない」
「いや、俺たちは優勝するな?レクシア」
「はい、優勝をしてセルゲイさんを見返します」
食堂にいた全員が笑いだした
「優勝だって?寝言は寝ていえ」
「俺たちは本気だ、優勝をしてこのクソみたいなところから抜け出すんだ」
「今が未来を変えるチャンスなんです、今変えなきゃずーっとこのままですよ」
「ふざけんな!」
ザンガスさんはミルゲイさんの左手で胸元をつかみ、右手で拳を作り殴りかかる。
さっと私がザンガスさんの右手の手首を右手でつかむ。
「剣士の握力をなめないほうがいいですよ」
「ぐっ…」
ザンガスさんはつかまれた手をどうにもすることができず、顔を真っ赤にさせている。
私が手首を離すと
「くそがおぼえてろよ」
捨て台詞を吐いて食堂から去っていった。
他の連中はそそくさとテーブルに着き、なにもなかったかのように食事を始めた。
ーーその夜
「今日の練習はどうしましょうか?」
「ザンガスの野郎に気を使ってんのか?それなら無視でいいよ」
コン、コン
ドアをノックする音がした。
基本このギルドの人達は、部屋は寝るための空間でしかないので、他人の部屋に行くということがない、私がきて1年、ミルゲイさん以外の人がはじめて部屋に来た。
「いれてもいいよな」
「もちろん」
「どうぞ」
ガチャリとドアが開くと、気の弱そうな、眼鏡をかけ、ぼさぼさ頭のひょろっとした青年が立っていた。
ミルゲイさんがその人の名前を口にした
「エビリ?」
その青年はか細い声で答えた
「はい」
「どうしたんだ、なんのようだ?」
「僕もこのクソみたいなギルドから抜け出したくて…朝食堂でみて、あなた達なら本当に優勝してぬけだせるかもしれないって思ったんです。」
「わかった、でもエビリには厳しんじゃないかな?なレクシア」
「いや、大歓迎だよ、エビリ君にはエビリ君なりの戦い方が必ずあるから!」
ミルゲイさんは困ったような顔をして、私に耳打ちをする。
「エビリとは同期ではいったんだけど、こいつほんとに何もできなくて大変だったんだ、こいつだけは入れちゃだめだと思う、そう思って声かけなかったんだ」
「大丈夫です、とりあえず3人はいないと試合もできません」
ミルゲイさんは少し間を置いて答えた。
「俺は反対だけど、お前ならなんとかなるかもな」
「はい、ありがとうございます」
ミルゲイさんは開きなったような表情で、エビリさんに話かける。
「エビリまあ、とりあえず、一緒にやるか」
「はい、やります!」
3人で外に向かう。
「それじゃ、エビリ君、剣を握って私に打ち込んでみて」
「は、はい、それじゃいきます…」
「ちょっとまって、エビリ君って利き手は?」
「右手です」
「あーそれじゃ、剣の持ち方逆だよ」
それをみてミルゲイさんは頭を抱えている。
「柄の部分は、左手を下に、右手を上にこれで力が入りやすくなる」
「あ、ほんとだ」
「じゃあそれで振ってみて」
ブッブッ
「それじゃ剣に振られてるから、胸を張って、思い切りふりかぶって下ろしてみて」
ブン!
「いい感じ、それを忘れないでね」
「ありがとうございます!」
「おい、おい、大丈夫なのかよ」
「大丈夫ですよ、あの短時間でこの進歩です、1か月後にはミルゲイさんよりつよくなってるかもしれませよ」
「それはない、ない」
3人で練習を行い、夜も更けていった。
「まあ、うまくいかなくても今より悪くなることはないか…」
「はい、それは大丈夫ですよ、最底辺ギルドですし」
「そうだな、そこまで自信があるなら、おまえにかけてみるよ」
「とりあえずは、やる気のある人3人みつけないとですね」
「それが、一番難易度が高い気がするんだが」
「確かに…みんな疲れていますからね」
翌日からミルゲイさんと私はギルドメンバーに積極的に話しかけ、剣術大会に出るメンバーを探した。
ーーその夜、仕事が終わり部屋に戻る
「ダメだったろ?」
「…ええ、みなさん途中から話もきいてくれなくなりました」
「で、どうするんだ?今から練習するのか?」
「ミルゲイさん…」
「おい、おい泣くやつがあるか」
私が泣いているのを見て、ミルゲイさんが笑う。
練習をするという言葉が、ミルゲイさんから出たことが嬉しかった。
ミルゲイさんには未来を、変えようとする意思があるということが嬉しかった。
「やりましょう、今から表にでてやりましょう」
長屋の外はすっかり真っ暗になっているが、月明かりが明るく自分たちを照らしている。
「ほら、これ」
ミルゲイさんが倉庫から木剣を取ってきて渡してくれた。
1年ぶりに剣を握る、木剣ではあるが、懐かしくすら感じる。
静かに瞼をとじ、瞑想する。
「おい、レクシアどうしたんだ」
ミルゲイさんの声もやがて届かなくなる。
剣と体が一体になり、剣先にのみ意識が集中する。
そうして振りかぶり、下ろす
スンという空気を切る音が響く。
「すげぇぇ…」
「ふー1年ぶりだとこんなもんですね…」
「剣がみえなかったぞ…」
「まだ、まだです、1年はやっぱり腕が鈍りますね…」
「お前、なにもんだ?」
「それは秘密です、さあ練習しましょう、私に打ち込んできてください」
「それじゃ、遠慮なく」
カン、カン、カン
ミルゲイさんが剣を振るう、私はそれをすべて剣んで受け止める
「ぜーぜーはぁはぁ」
5分ほど打ち込むとミルゲイさんの息が上がる。
「ちょっと休みましょう」
「あ、ああ」
ミルゲイさんはその場に座り込み真っ赤な顔をしている。
「俺の剣はどうだ?」
「うーん」
「はっきりいってくれ」
「じゃあ、はっきりいいますね」
「おう」
「思ったより、打ててます。ただ無駄うちが多いので疲れるんだと思います」
「無駄打ちかぁ」
「必ず、仕留めるという一発をどこかで撃つんです。それができるようになるとミルゲイさんは強くなると思いますよ」
「必ず仕留めるねぇ…」
「それは、練習してつかむしかないですね」
「よっしゃじゃあもういっちょ頼むわ」
ーー2時間後
「今日はもうおそいのでやめましょう」
「ああ、仕事に障るな」
そうして部屋に戻り、いつものベッドに横になる。
「今日はありがとうございました」
「いや、俺の方こそ、レクシアは練習にならないんだろ?」
「いえ、人に教えるのはとても練習になるんですよ」
「それならいいけど、じゃあ、そろそろ寝るか」
「ええ寝ましょう」
ーー翌朝
食堂に向かうと
「お前ら、昨日の夜騒いでたろ?うるさくて眠れねーわ」
立派な黒いひげをたくわえ、うちのギルドには珍しく筋肉質な体をした、ザンガスさんが眠そうな顔をしながら、抗議にきた。
すかさず、ミルゲイさんが口を開く
「すまん、剣術大会の練習してるんだわ、昨日誘ったろ?」
「んなことは知るか、どうせ1回戦で負けるんだ、練習なんてする必要ない」
「いや、俺たちは優勝するな?レクシア」
「はい、優勝をしてセルゲイさんを見返します」
食堂にいた全員が笑いだした
「優勝だって?寝言は寝ていえ」
「俺たちは本気だ、優勝をしてこのクソみたいなところから抜け出すんだ」
「今が未来を変えるチャンスなんです、今変えなきゃずーっとこのままですよ」
「ふざけんな!」
ザンガスさんはミルゲイさんの左手で胸元をつかみ、右手で拳を作り殴りかかる。
さっと私がザンガスさんの右手の手首を右手でつかむ。
「剣士の握力をなめないほうがいいですよ」
「ぐっ…」
ザンガスさんはつかまれた手をどうにもすることができず、顔を真っ赤にさせている。
私が手首を離すと
「くそがおぼえてろよ」
捨て台詞を吐いて食堂から去っていった。
他の連中はそそくさとテーブルに着き、なにもなかったかのように食事を始めた。
ーーその夜
「今日の練習はどうしましょうか?」
「ザンガスの野郎に気を使ってんのか?それなら無視でいいよ」
コン、コン
ドアをノックする音がした。
基本このギルドの人達は、部屋は寝るための空間でしかないので、他人の部屋に行くということがない、私がきて1年、ミルゲイさん以外の人がはじめて部屋に来た。
「いれてもいいよな」
「もちろん」
「どうぞ」
ガチャリとドアが開くと、気の弱そうな、眼鏡をかけ、ぼさぼさ頭のひょろっとした青年が立っていた。
ミルゲイさんがその人の名前を口にした
「エビリ?」
その青年はか細い声で答えた
「はい」
「どうしたんだ、なんのようだ?」
「僕もこのクソみたいなギルドから抜け出したくて…朝食堂でみて、あなた達なら本当に優勝してぬけだせるかもしれないって思ったんです。」
「わかった、でもエビリには厳しんじゃないかな?なレクシア」
「いや、大歓迎だよ、エビリ君にはエビリ君なりの戦い方が必ずあるから!」
ミルゲイさんは困ったような顔をして、私に耳打ちをする。
「エビリとは同期ではいったんだけど、こいつほんとに何もできなくて大変だったんだ、こいつだけは入れちゃだめだと思う、そう思って声かけなかったんだ」
「大丈夫です、とりあえず3人はいないと試合もできません」
ミルゲイさんは少し間を置いて答えた。
「俺は反対だけど、お前ならなんとかなるかもな」
「はい、ありがとうございます」
ミルゲイさんは開きなったような表情で、エビリさんに話かける。
「エビリまあ、とりあえず、一緒にやるか」
「はい、やります!」
3人で外に向かう。
「それじゃ、エビリ君、剣を握って私に打ち込んでみて」
「は、はい、それじゃいきます…」
「ちょっとまって、エビリ君って利き手は?」
「右手です」
「あーそれじゃ、剣の持ち方逆だよ」
それをみてミルゲイさんは頭を抱えている。
「柄の部分は、左手を下に、右手を上にこれで力が入りやすくなる」
「あ、ほんとだ」
「じゃあそれで振ってみて」
ブッブッ
「それじゃ剣に振られてるから、胸を張って、思い切りふりかぶって下ろしてみて」
ブン!
「いい感じ、それを忘れないでね」
「ありがとうございます!」
「おい、おい、大丈夫なのかよ」
「大丈夫ですよ、あの短時間でこの進歩です、1か月後にはミルゲイさんよりつよくなってるかもしれませよ」
「それはない、ない」
3人で練習を行い、夜も更けていった。
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