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第1章 最底辺
第8話 試合開始
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その場で動けなくなったザンガスさんをスミトフさんと部屋まで運んだあと、部屋の外でスミトフさんが口を開く。
「10年前に準決勝に行った時のの中心選手は、ザンガスだよ、セルゲイに毒まで飲まされて、あいつは完全に心が折れた、まあ剣士として剣の練習は欠かさなかったようだが、俺からあいつの代わりに礼をいうよ」
「はい、なんとなくはきづいてました」
「やっぱり?俺嘘下手だからな」
スミトフさんは笑いながら髪ない頭を掻きながら部屋に戻り、私はそれを見届け、部屋に戻り、ベッドに横なる。
「いよ、いよ明日だ、すべてがうまくいきますように」
「うるせーねむれねーだろうが」
「すいません」
私はそのまま眠りについた。
ーー大会当日の朝
「おはようございます、長い一日の始まりですねぇ今日で勝負がきまりますね」
自室で朝の挨拶をしいたあと、驚きの表情をみせた、ミルゲイさん
「おまえ、なんにも知らないの?」
「なにがですか?」
「この大会は3日間かけて、行われるの」
「えっ!」
ミゲイルさんは、私が大会の概要をほとんどしらないのを知ってか呆れたそぶりをする
「だれも言ってくれませんでしたので」
「そりゃ、優勝狙ってるやつが知らないなんてだれも思わねーよ」
「それもそうですね」
どうやら、参加ギルドが多いため、1日では終わらない、そのため3日間に分けておこなわれているらしい決勝は3日目正午に行われ、凄い人気があるという
食堂に向かう。
ミルゲイさんとクソ硬いパンとクソまずいスープを口に入れる。
「こんな時ぐらい、もっとましなもくわせろっつーの」
「セルゲイさん、いわくどうせ1回戦で負けるから、いつもと一緒でいいってことらしいですよ」
「あいつらしいわ、しかもどうせ負けたらすぐに仕事場につれていかれるんだろうな」
「そうでしょうね、まあでも仕事は昨日が最後になりますよ」
「そうなったらいいけどな」
食堂のドアが開き、目をやると、ザンガスさんが普通に歩いて食堂に入ってきた、見た限り昨日のダメージはないように見える。
「ザンガスさん体は大丈夫ですか」
「そんなやわな鍛え方してないから心配無用だ」
「よかった、じゃあ今日の試合でてもらえますね」
「もちろんだ、あとスミトフの奴が余計なこといってただろ」
ちらっとスミトフさんの方を見ると、顔を横に背けそしらぬ顔をしている。
「いえ、言ってないと思います」
「おもいますだ?そりゃ言ってるってことだな」
「はい」
「まあ、気にしないでくれ」
「はい」
そういうとザンガスさんはクソ硬いパンとまずいスープを手に取り席に着く
食堂に全員集まっている、するとミルゲイさんが手を叩き立ち上がる
「注目、今からレクシアが話します」
「え?なにもきいてないけれど?」
「こういう時は、発起人が一言言うもんなの」
強引に立たされ
「今日から大会が始まります、2日後にまたここで祝杯をあげましょう」
食堂にいる全員が立ち上がり右手を上げ
「おーーー」
全員で勝どきをあげた。
大会の会場である、闘技場に向かう。
セルゲイさんは当然馬車などは出してくれるはずもなく、徒歩で闘技場に向かう。
昼間に街にいくことは、今までなかったため、街並みが新鮮にうつる。
ガレオンの街並みとは違い、緑が多く建物も木をふんだんにつかっているものが多く、そのせいだろうか、ガレオンより暖かく見える。
石畳を真っすぐに歩いていくと10分ほどで闘技場の外壁が見えてくる、ガレオンのように円形で岩を切り出されて作られており、すり鉢状で観客席が周囲を囲むようになっており、構造的にはガレオンのそれと大差ない。
ただ国力の力を反映してか、大きさはガレオンの半分程度であった。
ザナビルの闘技場を初めて見る私にミルゲイさんが声をかけてくる。
「ここがザナビルの闘技場だ、でかいだろ?」
「あ、はい、でかいですね」
「あれ?あんまり驚いてないなー」
それをみてザンガスさんが口を挟む
「レクシアの剣はガレオンの流派だ、ガレオンの闘技場を知っていればなぁ、ザナビルの闘技場など」
「へぇぇガレオンの闘技場はこれよりもでかいのか?」
「ええ、まあ、倍ぐらいに」
「ほえええ、そりゃでかいな」
闘技場の外にトーナメント表が張られており、皆で確認する
レギオンの位置を確認し
「レギオンとは決勝までなしか」
私がつぶやく
するとスミトフさんが口を開く
「そりゃよかった、セルゲイの妨害が最後までねーわ」
「おい、おい、最初の相手はどこだ?」
ミルゲイさんが釘を刺した。
「あーそうですね初戦は大事ですね、えっとボレリアンズと書かれていますね知ってます?」
「まあ中堅どころギルドだな」
「へえ、底辺ギルドは私たちぐらいのものですか」
「まあな」
私達のような最底辺ギルドには控室すら与えられないため、闘技場の外で、試合開始まで待機をする。
時折歓声が上がったり、怒号が上がったりするのを耳にする。
「ヘブンズワークスさん、ヘブンズワークスさんどこですー」
係員が私達を探しているようだ
「はい」
手を挙げてそれにこたえる
「次の試合なので準備をおねがいします」
私達が手を挙げると、別の係員が、私たちの対戦相手を名を呼び、中に誘導をする、私たちも闘技場の中へ通される。
中では3試合が一斉におこなれており、満員の観客席から怒号と歓声が外よりも大きな渦になって聞こえる
「次、ヘブンズワークス対ボレリアンズ」
審判員によばれ、中央の会場にむかう
対戦相手を見ると、私たちとは違い、真新しいシャツに、パリッとしたズボン、鋭気のある目に、手には真新しい木剣をもった5人が並んでいる。
審判から呼ばれ中央に向かう。
互いに正面の選手と握手をし、再び元の位置にもどる。
先鋒のミゲイルさんとその相手だけがその場に残り、審判が試合開始の合図を出す。
ミゲイルさんはゆっくりと間合いを詰めていく
表情が硬い…緊張しているのだろうか、動きも硬くなければいいのだが…
案の定、敵が先に動く、それに反応ができないミゲイルさん、あっという間に、打たれ審判が相手の手を取り勝利を宣言する。
うなだれながら帰ってきたミゲイルさん
「すまねぇ、柄にもなく緊張しちまった」
「まだ大丈夫ですよ、まだ」
続く次鋒のエビリさん
彼もカチコチに緊張していたようで、思い切って振りぬいたはいいが、あまりに大振りでみえみえだったためかわされ、打たれてしまった。
負けが2つ続いた。
「すいません…」
「しょうがない初めての試合だから、キチンと剣は鋭いんだから基本を忘れずに」
「はい!」
そうはいったものの、もう後がない、スミトフさんがつないでくれないことには
ーー中堅戦
スミトフさんは余裕のあるような表情にみえる。
審判が開始の合図をだす。
スミトフさんは開始の合図と同時に、相手の間合いまで踏み込み、乱打を浴びせる、それにけおされ、相手がじりじりと後退をしていく。
相手の足がすこしひるんだ
スミトフさんはその隙を見逃さず、胴に打ち込む
審判がスミトフさんの手をあげ勝利を宣言する。
「おおおおおお」
初勝利に全員で歓声を上げる
「よっしゃ次につないだ」
スミトフさんがガッツポーズをとりながら戻ってくる。
「ザンガスさん、お願いします」
「任せろ」
ザンガスさんは長剣を持ち、指定の位置に着いた
ーー副将戦
昨日ダメージが心配ではあるが、ザンガスさんレベルの猛者でなければ影響はないだろう
審判が開始の合図を出した瞬間
スミトフさんの時よりも圧倒的に早く、一瞬にして間合い詰める、相手にしてみれば、巨大な壁が一瞬でせまってきているようにも思えるであろう。
ザンガスさんの剣は相手の頭の上ですっと止まっている。
審判がザンガスさんの手をとった。
当たり前という表情でザンガスさんは帰ってくきた
「さすがですね」
「当たり前だろ、こんなところで躓いてたまるか」
「そうですね」
「お前も足元をすくわれるなよ」
「もちろん」
指定の位置につき、相手の姿を見る。
眼の奥の光は乏しく、おびえているようにすら見える。
審判が合図を出す。
「はじめ!」
ふーっと一息吐く、相手はさっきと同じように『はじめ』の合図で、斬りかかってくるものとおもっていたのか、間合いを詰めてこない私の姿を見て、拍子抜けしたようで、ホッとしているようにすらみえる。
相手から先に動いた、どうやら私の隙に引っかかったようだ。半身をひいて剣をかわし、相手の首元に自分の剣を当てる。
審判の顔をちらりとみると、よってきて私の手をあげた。
みんながいる方をみると、両手を挙げて喜んでいる。
ミルゲイさんが走ってきて私に抱き上げ
「よっしゃーーまずは一勝」
と雄たけびをあげる
スミトフさんがミルゲイさんに一言いった。
「おいおい、お前は負けただろ、次はもっと楽させてくれや」
「へいへい」
中央に集合しお互いに握手を交わし、健闘をたたえた後、闘技場をあとにする
闘技場の外は、負けたギルドの人間や観戦客などでごった返してきている。
そのなかに、1人、やせ型であるが身につけているものは高価で、シワひとつ無い、貴族調の洋服に、その装飾品は、とても一般庶民のそれとは、到底思えない身なりの初老の男性が立っている。
「レクシア!」
その男性に声を掛けられ私はその男性のもとに近寄る
「リディムさん!来てくれたんですね」
「ああ、君たちの1試合目を見たよ、私は君に賭けてみようと思う」
「そうですか!ありがとうございます」
「それじゃ、約束通りに」
「はい、ありがとうございます」
リディムさんと別れ、皆の方をみると、みんなはきょとんしたような顔をしている。
ミルゲイさんが開口一番
「あれ誰?」
「リディムさん」
「おまえ、あんな貴族みたいなやつと知り合いなわけ?」
「いえ、彼は貴族じゃありませんよ、ホフナー商会のリディム・ホフナーさん」
私が名前をいうとギルドメンバー全員が驚き、ミルゲイさんが恐る恐る口を開く。
「お、おい、そいつはこの国で一二を争う豪商だぞ」
「ええ、知ってますよ」
「10年前に準決勝に行った時のの中心選手は、ザンガスだよ、セルゲイに毒まで飲まされて、あいつは完全に心が折れた、まあ剣士として剣の練習は欠かさなかったようだが、俺からあいつの代わりに礼をいうよ」
「はい、なんとなくはきづいてました」
「やっぱり?俺嘘下手だからな」
スミトフさんは笑いながら髪ない頭を掻きながら部屋に戻り、私はそれを見届け、部屋に戻り、ベッドに横なる。
「いよ、いよ明日だ、すべてがうまくいきますように」
「うるせーねむれねーだろうが」
「すいません」
私はそのまま眠りについた。
ーー大会当日の朝
「おはようございます、長い一日の始まりですねぇ今日で勝負がきまりますね」
自室で朝の挨拶をしいたあと、驚きの表情をみせた、ミルゲイさん
「おまえ、なんにも知らないの?」
「なにがですか?」
「この大会は3日間かけて、行われるの」
「えっ!」
ミゲイルさんは、私が大会の概要をほとんどしらないのを知ってか呆れたそぶりをする
「だれも言ってくれませんでしたので」
「そりゃ、優勝狙ってるやつが知らないなんてだれも思わねーよ」
「それもそうですね」
どうやら、参加ギルドが多いため、1日では終わらない、そのため3日間に分けておこなわれているらしい決勝は3日目正午に行われ、凄い人気があるという
食堂に向かう。
ミルゲイさんとクソ硬いパンとクソまずいスープを口に入れる。
「こんな時ぐらい、もっとましなもくわせろっつーの」
「セルゲイさん、いわくどうせ1回戦で負けるから、いつもと一緒でいいってことらしいですよ」
「あいつらしいわ、しかもどうせ負けたらすぐに仕事場につれていかれるんだろうな」
「そうでしょうね、まあでも仕事は昨日が最後になりますよ」
「そうなったらいいけどな」
食堂のドアが開き、目をやると、ザンガスさんが普通に歩いて食堂に入ってきた、見た限り昨日のダメージはないように見える。
「ザンガスさん体は大丈夫ですか」
「そんなやわな鍛え方してないから心配無用だ」
「よかった、じゃあ今日の試合でてもらえますね」
「もちろんだ、あとスミトフの奴が余計なこといってただろ」
ちらっとスミトフさんの方を見ると、顔を横に背けそしらぬ顔をしている。
「いえ、言ってないと思います」
「おもいますだ?そりゃ言ってるってことだな」
「はい」
「まあ、気にしないでくれ」
「はい」
そういうとザンガスさんはクソ硬いパンとまずいスープを手に取り席に着く
食堂に全員集まっている、するとミルゲイさんが手を叩き立ち上がる
「注目、今からレクシアが話します」
「え?なにもきいてないけれど?」
「こういう時は、発起人が一言言うもんなの」
強引に立たされ
「今日から大会が始まります、2日後にまたここで祝杯をあげましょう」
食堂にいる全員が立ち上がり右手を上げ
「おーーー」
全員で勝どきをあげた。
大会の会場である、闘技場に向かう。
セルゲイさんは当然馬車などは出してくれるはずもなく、徒歩で闘技場に向かう。
昼間に街にいくことは、今までなかったため、街並みが新鮮にうつる。
ガレオンの街並みとは違い、緑が多く建物も木をふんだんにつかっているものが多く、そのせいだろうか、ガレオンより暖かく見える。
石畳を真っすぐに歩いていくと10分ほどで闘技場の外壁が見えてくる、ガレオンのように円形で岩を切り出されて作られており、すり鉢状で観客席が周囲を囲むようになっており、構造的にはガレオンのそれと大差ない。
ただ国力の力を反映してか、大きさはガレオンの半分程度であった。
ザナビルの闘技場を初めて見る私にミルゲイさんが声をかけてくる。
「ここがザナビルの闘技場だ、でかいだろ?」
「あ、はい、でかいですね」
「あれ?あんまり驚いてないなー」
それをみてザンガスさんが口を挟む
「レクシアの剣はガレオンの流派だ、ガレオンの闘技場を知っていればなぁ、ザナビルの闘技場など」
「へぇぇガレオンの闘技場はこれよりもでかいのか?」
「ええ、まあ、倍ぐらいに」
「ほえええ、そりゃでかいな」
闘技場の外にトーナメント表が張られており、皆で確認する
レギオンの位置を確認し
「レギオンとは決勝までなしか」
私がつぶやく
するとスミトフさんが口を開く
「そりゃよかった、セルゲイの妨害が最後までねーわ」
「おい、おい、最初の相手はどこだ?」
ミルゲイさんが釘を刺した。
「あーそうですね初戦は大事ですね、えっとボレリアンズと書かれていますね知ってます?」
「まあ中堅どころギルドだな」
「へえ、底辺ギルドは私たちぐらいのものですか」
「まあな」
私達のような最底辺ギルドには控室すら与えられないため、闘技場の外で、試合開始まで待機をする。
時折歓声が上がったり、怒号が上がったりするのを耳にする。
「ヘブンズワークスさん、ヘブンズワークスさんどこですー」
係員が私達を探しているようだ
「はい」
手を挙げてそれにこたえる
「次の試合なので準備をおねがいします」
私達が手を挙げると、別の係員が、私たちの対戦相手を名を呼び、中に誘導をする、私たちも闘技場の中へ通される。
中では3試合が一斉におこなれており、満員の観客席から怒号と歓声が外よりも大きな渦になって聞こえる
「次、ヘブンズワークス対ボレリアンズ」
審判員によばれ、中央の会場にむかう
対戦相手を見ると、私たちとは違い、真新しいシャツに、パリッとしたズボン、鋭気のある目に、手には真新しい木剣をもった5人が並んでいる。
審判から呼ばれ中央に向かう。
互いに正面の選手と握手をし、再び元の位置にもどる。
先鋒のミゲイルさんとその相手だけがその場に残り、審判が試合開始の合図を出す。
ミゲイルさんはゆっくりと間合いを詰めていく
表情が硬い…緊張しているのだろうか、動きも硬くなければいいのだが…
案の定、敵が先に動く、それに反応ができないミゲイルさん、あっという間に、打たれ審判が相手の手を取り勝利を宣言する。
うなだれながら帰ってきたミゲイルさん
「すまねぇ、柄にもなく緊張しちまった」
「まだ大丈夫ですよ、まだ」
続く次鋒のエビリさん
彼もカチコチに緊張していたようで、思い切って振りぬいたはいいが、あまりに大振りでみえみえだったためかわされ、打たれてしまった。
負けが2つ続いた。
「すいません…」
「しょうがない初めての試合だから、キチンと剣は鋭いんだから基本を忘れずに」
「はい!」
そうはいったものの、もう後がない、スミトフさんがつないでくれないことには
ーー中堅戦
スミトフさんは余裕のあるような表情にみえる。
審判が開始の合図をだす。
スミトフさんは開始の合図と同時に、相手の間合いまで踏み込み、乱打を浴びせる、それにけおされ、相手がじりじりと後退をしていく。
相手の足がすこしひるんだ
スミトフさんはその隙を見逃さず、胴に打ち込む
審判がスミトフさんの手をあげ勝利を宣言する。
「おおおおおお」
初勝利に全員で歓声を上げる
「よっしゃ次につないだ」
スミトフさんがガッツポーズをとりながら戻ってくる。
「ザンガスさん、お願いします」
「任せろ」
ザンガスさんは長剣を持ち、指定の位置に着いた
ーー副将戦
昨日ダメージが心配ではあるが、ザンガスさんレベルの猛者でなければ影響はないだろう
審判が開始の合図を出した瞬間
スミトフさんの時よりも圧倒的に早く、一瞬にして間合い詰める、相手にしてみれば、巨大な壁が一瞬でせまってきているようにも思えるであろう。
ザンガスさんの剣は相手の頭の上ですっと止まっている。
審判がザンガスさんの手をとった。
当たり前という表情でザンガスさんは帰ってくきた
「さすがですね」
「当たり前だろ、こんなところで躓いてたまるか」
「そうですね」
「お前も足元をすくわれるなよ」
「もちろん」
指定の位置につき、相手の姿を見る。
眼の奥の光は乏しく、おびえているようにすら見える。
審判が合図を出す。
「はじめ!」
ふーっと一息吐く、相手はさっきと同じように『はじめ』の合図で、斬りかかってくるものとおもっていたのか、間合いを詰めてこない私の姿を見て、拍子抜けしたようで、ホッとしているようにすらみえる。
相手から先に動いた、どうやら私の隙に引っかかったようだ。半身をひいて剣をかわし、相手の首元に自分の剣を当てる。
審判の顔をちらりとみると、よってきて私の手をあげた。
みんながいる方をみると、両手を挙げて喜んでいる。
ミルゲイさんが走ってきて私に抱き上げ
「よっしゃーーまずは一勝」
と雄たけびをあげる
スミトフさんがミルゲイさんに一言いった。
「おいおい、お前は負けただろ、次はもっと楽させてくれや」
「へいへい」
中央に集合しお互いに握手を交わし、健闘をたたえた後、闘技場をあとにする
闘技場の外は、負けたギルドの人間や観戦客などでごった返してきている。
そのなかに、1人、やせ型であるが身につけているものは高価で、シワひとつ無い、貴族調の洋服に、その装飾品は、とても一般庶民のそれとは、到底思えない身なりの初老の男性が立っている。
「レクシア!」
その男性に声を掛けられ私はその男性のもとに近寄る
「リディムさん!来てくれたんですね」
「ああ、君たちの1試合目を見たよ、私は君に賭けてみようと思う」
「そうですか!ありがとうございます」
「それじゃ、約束通りに」
「はい、ありがとうございます」
リディムさんと別れ、皆の方をみると、みんなはきょとんしたような顔をしている。
ミルゲイさんが開口一番
「あれ誰?」
「リディムさん」
「おまえ、あんな貴族みたいなやつと知り合いなわけ?」
「いえ、彼は貴族じゃありませんよ、ホフナー商会のリディム・ホフナーさん」
私が名前をいうとギルドメンバー全員が驚き、ミルゲイさんが恐る恐る口を開く。
「お、おい、そいつはこの国で一二を争う豪商だぞ」
「ええ、知ってますよ」
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