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8.領地へ
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普段は王都の邸にいるが、時々どうしても視察が必要になり、ハルワルドとセシリアははるばる領地へやって来ていた。
マイルズ領は広大で、肥沃な土地に作物が育ち、鉱山では鉱石も産出される、国の中でも特に富んだ領である。
領民達はその生活のし易さから、どんどん数を増やしている。
ハルワルドはその増える民のための、治水工事の拡大の指揮を取っている。
領地にいる父に任せたいところだが、今は体調を崩しており、ハルワルドが動かないわけにはいかなかった。
馬車でハルワルドに連れてこられたセシリアは、旅行気分で浮かれていた。
質素なワンピースに身を包んだセシリアは、馬車の窓から見える次々と変わる景色に見惚れていた。
「ハルワルドの領地に初めて来れたわ。
とても素晴らしいところね。」
「父もいるけれど、実質的にここを治めているのは僕なんだ。
だから、時々指揮に来ないわけにはいかないからね。
セシリアは、ここでも僕のそばにいればいいからね。」
「私にも、できることはないかしら?」
「夜の食事会に僕と出てもらう。
ここで、僕の補佐を頑張ってくれてる者達を労う会さ。
貴族達と違って、面倒なこともない。」
「まあ、素敵ね
楽しみにしているわ。」
夜になり、ハルワルドの隣の席に座り、振る舞われた食事を楽しんでいると、
「ハルワルド様、またおいでくださるのを、お待ち申し上げておりました。」
黒い瞳に赤いドレスの気の強そうな女性が、セシリアと反対側のハルワルドの隣に座って、媚びるようにハルワルドを見上げる。
「やあバーバラ、こちらの工事が順調なのは、君のおかげだそうだね。」
「まぁ、そんなことはないのですが、そう言っていただけると嬉しいものですね。」
バーバラは、ハルワルドから視線を外さない。
最初はセシリアを紹介してくれたハルワルドだったが、治水工事の話になると、バーバラとハルワルドは二人で話し出した。
セシリアは大勢の中にいても、ついていけない話に次第に孤独感を感じる。
私には、難しい話はわからない。
ハルワルドはバーバラのように、機知に富んだ話ができる女性といると、こんなに熱心に話すのね。
私はもっと本を読んで、色々な話のできる女性になりたい。
侍女をしていた頃は、所蔵庫にある本を読んでみたいなんて、考えたこともなかった。
でも、今はハルワルドにふさわしい女性になるように頑張ると決めている。
だから、少しずつでもいいから前に進もう。
セシリアの原動力は、ハルワルドにふさわしい女性になるだった。
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領地にいる父に任せたいところだが、今は体調を崩しており、ハルワルドが動かないわけにはいかなかった。
馬車でハルワルドに連れてこられたセシリアは、旅行気分で浮かれていた。
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だから、時々指揮に来ないわけにはいかないからね。
セシリアは、ここでも僕のそばにいればいいからね。」
「私にも、できることはないかしら?」
「夜の食事会に僕と出てもらう。
ここで、僕の補佐を頑張ってくれてる者達を労う会さ。
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「まあ、素敵ね
楽しみにしているわ。」
夜になり、ハルワルドの隣の席に座り、振る舞われた食事を楽しんでいると、
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黒い瞳に赤いドレスの気の強そうな女性が、セシリアと反対側のハルワルドの隣に座って、媚びるようにハルワルドを見上げる。
「やあバーバラ、こちらの工事が順調なのは、君のおかげだそうだね。」
「まぁ、そんなことはないのですが、そう言っていただけると嬉しいものですね。」
バーバラは、ハルワルドから視線を外さない。
最初はセシリアを紹介してくれたハルワルドだったが、治水工事の話になると、バーバラとハルワルドは二人で話し出した。
セシリアは大勢の中にいても、ついていけない話に次第に孤独感を感じる。
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でも、今はハルワルドにふさわしい女性になるように頑張ると決めている。
だから、少しずつでもいいから前に進もう。
セシリアの原動力は、ハルワルドにふさわしい女性になるだった。
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