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13.木の下で
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セシリアはあの日、ヤーコフを待っていた木の下にいた。
そして、今までのことを思い返している。
私は彼らに裏切られ、傷ついて来た。
だからハルワルドのしていたことを、すんなりとは許すことはできない。
でも、ハルワルドが他領で、どんなにいい仕事を紹介したとしても、結局、私を捨てることを選んだのは彼らで、もし、本当に私が愛されていたならば、私を置いていなくなったりはしないだろう。
ハルワルドが行っていたことはきっかけを作っただけ。
選んだのは、彼らだ。
そう思うと諦めがつく。
いつだって私には、どんなに私が背を向けても、そばにいてくれる人がいるのだから。
「ハルワルド、もういいよ。」
ハルワルドは、私から少し離れた場所で、私が落ち着くのを待っていた。
「本当に、ごめん。
僕はこんな酷いことをしてセシリアを傷つけたとわかっているのに、セシリアを諦められない。
セシリアが許してくれるまで、いくらでも待つ。
だから、それだけは、許してほしい。」
「私ね。
考えたの。
あなたは彼らにとって私との障害になることをしたわ。
でも、それを乗り越えてまで、私を好きでいてくれる人はいなかった。
もし、ハルワルドがその立場ならきっと乗り超えたと思うの。
現にそれ以上のことをしてくれている。
私はあなたと過ごしてから、あなたがどれほど私を思ってくれているか、思い知ったの。
そして、あなたといると私自身が前向きに頑張ろうって思えて、やっと自分のことを好きになれた。
だから私、ハルワルドを許すわ。」
「怒ってないのかい?
君から男を奪って来た僕を。」
「怒ってないと言ったら、ウソになるわ。
私はいつだって、幸せになりたくて、恋して来たのに、いつもうまくいかなくて。
でも、今ハルワルドと暮らして、こんなに私を大切にしてくれる人は多分いないとわかるの。
これまでも、これから先も。
だから、もういいの。
それに、私はハルワルドを諦めなくて、済んだのだから。」
「えっ。」
「私、ハルワルドをどんなに諦めようとしても、心の底ではあなたをずっと好きだった。
こんなに長い間、好きな人はいないの。」
「えっ、僕を?
どうして言ってくれなかったの?」
「だって私達には、身分差がある。
使用人が主人を好きになってはいけないのは、当たり前のことよ。
ハルワルドに告げたとしても、困らせることは分かっていたから。
母にも、好きになってはいけないって、何度も釘を刺されたしね。
だから、私あなたといれて、今幸せよ。」
「ごめん、僕もセシリアに、僕と一緒になることを強いることはしたくなくて、あの時までずっと動けなかった。
ずっと、愛してるんだ。
どんな手を使っても、構わないと思えるほどに。」
「ふふ、私達、お互いに相手を思いやって、今まで片想いって思ってたの?
相手を困らせることなく、好意を伝える方法はなかったのかしら?」
「今でも、思いつかない。
言ったら、相手が気を使ってしまうのは、お互いわかっているから。」
「じゃあ、実は彼は、両思いだったと教えてくれるための天使様だったのね。」
二人は見つめ合って、笑った。
すべてを乗り越え、本当の意味で分かり合えた初めての笑みだった。
お互いに思い合うのに、うまくいかないこともあるし、伝えることの大変さも経験した。
でもこれから、二人で生きていくことはきっと忘れない約束になり、私達にはそれを乗り越える力もある。
そうお互いに信じ合えるまでになったのだ。
「じゃあ、とりあえず、ずっと両思いだった相手としての、キスをしようか?」
完
そして、今までのことを思い返している。
私は彼らに裏切られ、傷ついて来た。
だからハルワルドのしていたことを、すんなりとは許すことはできない。
でも、ハルワルドが他領で、どんなにいい仕事を紹介したとしても、結局、私を捨てることを選んだのは彼らで、もし、本当に私が愛されていたならば、私を置いていなくなったりはしないだろう。
ハルワルドが行っていたことはきっかけを作っただけ。
選んだのは、彼らだ。
そう思うと諦めがつく。
いつだって私には、どんなに私が背を向けても、そばにいてくれる人がいるのだから。
「ハルワルド、もういいよ。」
ハルワルドは、私から少し離れた場所で、私が落ち着くのを待っていた。
「本当に、ごめん。
僕はこんな酷いことをしてセシリアを傷つけたとわかっているのに、セシリアを諦められない。
セシリアが許してくれるまで、いくらでも待つ。
だから、それだけは、許してほしい。」
「私ね。
考えたの。
あなたは彼らにとって私との障害になることをしたわ。
でも、それを乗り越えてまで、私を好きでいてくれる人はいなかった。
もし、ハルワルドがその立場ならきっと乗り超えたと思うの。
現にそれ以上のことをしてくれている。
私はあなたと過ごしてから、あなたがどれほど私を思ってくれているか、思い知ったの。
そして、あなたといると私自身が前向きに頑張ろうって思えて、やっと自分のことを好きになれた。
だから私、ハルワルドを許すわ。」
「怒ってないのかい?
君から男を奪って来た僕を。」
「怒ってないと言ったら、ウソになるわ。
私はいつだって、幸せになりたくて、恋して来たのに、いつもうまくいかなくて。
でも、今ハルワルドと暮らして、こんなに私を大切にしてくれる人は多分いないとわかるの。
これまでも、これから先も。
だから、もういいの。
それに、私はハルワルドを諦めなくて、済んだのだから。」
「えっ。」
「私、ハルワルドをどんなに諦めようとしても、心の底ではあなたをずっと好きだった。
こんなに長い間、好きな人はいないの。」
「えっ、僕を?
どうして言ってくれなかったの?」
「だって私達には、身分差がある。
使用人が主人を好きになってはいけないのは、当たり前のことよ。
ハルワルドに告げたとしても、困らせることは分かっていたから。
母にも、好きになってはいけないって、何度も釘を刺されたしね。
だから、私あなたといれて、今幸せよ。」
「ごめん、僕もセシリアに、僕と一緒になることを強いることはしたくなくて、あの時までずっと動けなかった。
ずっと、愛してるんだ。
どんな手を使っても、構わないと思えるほどに。」
「ふふ、私達、お互いに相手を思いやって、今まで片想いって思ってたの?
相手を困らせることなく、好意を伝える方法はなかったのかしら?」
「今でも、思いつかない。
言ったら、相手が気を使ってしまうのは、お互いわかっているから。」
「じゃあ、実は彼は、両思いだったと教えてくれるための天使様だったのね。」
二人は見つめ合って、笑った。
すべてを乗り越え、本当の意味で分かり合えた初めての笑みだった。
お互いに思い合うのに、うまくいかないこともあるし、伝えることの大変さも経験した。
でもこれから、二人で生きていくことはきっと忘れない約束になり、私達にはそれを乗り越える力もある。
そうお互いに信じ合えるまでになったのだ。
「じゃあ、とりあえず、ずっと両思いだった相手としての、キスをしようか?」
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