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4.少年との出会い
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翌日、馬車に乗りメイベルが連れて行かれたのは、森の中に佇む小さな邸だった。
「ここは?」
私は同乗するディオン様に尋ねた。
「僕が所有している邸の内の一つだ。
その中に面倒をみてほしい者が住んでいる。」
「なるほど。」
森は鬱蒼とし、木々が陽光を遮っている。
邸は一見見落としがちな小道の奥にあり、人を隠すのにはうってつけの場所だ。
邸の外観はこじんまりとしているが、馬房もあり、必要なものは備えているという印象だ。
ディオン様に続き邸の中に入ると、中は意外に美しく洗練された造りである。
「あの子だ。」
中庭に続くベンチには、読書をしている十代の少年がいて、私達に気づくとこちらを見上げる。
赤い瞳は、どこか怒りを宿しているように鋭い。
拒絶の色をはっきりと帯びたまま、彼は言った。
「その人、誰?」
少年は私を眺めながら、ディオン様に問いかける。
「トムの世話をしてくれる人だ。」
「初めまして。」
私は微笑んで挨拶したが、少年はそっぽを向く。
「そんな人、いらないよ。
困ってない。」
「わかってる。
だが、いつまでも一人きりというわけにはいかない。」
「そんな女、信用できない。」
「僕はしている。
だからトムも彼女を信用するんだ。」
「したくない。」
トムは背を向けたまま、頑なに言い張る。
「でしたら世話はしませんので、しばらくこちらに置いてください。
私は行くあてがありませんので。」
「えっ?
どういうこと?」
トムは気になったのか、勢いよく振り返った。
「言葉の通りです。
私、谷底に捨てられたんです。」
「えっ、本当?」
トムは信じられないといったようすで、ディオン様を見上げる。
すると彼は静かに頷いた。
「そうだ。」
「えっ、そんな人いるの可哀想。」
「ええ、私は今、人生のどん底なんです。
だからこちらで少し休ませてください。」
「わかった。
仕方がないから、休養人としてならいても良いよ。」
ふふ、思った通り少し尖ってみせても、優しさを隠しきれない年頃なのだろう。
「ありがとうございます。」
「トム、いいか、メイベルは見てわかると思うが貴族令嬢だ。
節度をもって接するように。」
「ディオン様、それは逆では?
今の私はもう平民ですし。」
「だが、トムには令嬢への接し方をしっかりと覚えてもらう必要がある。」
「大丈夫だよ。
俺だって、女性の扱いは心得てる。」
「だったら頼んだぞ。」
「ディオン様、ここまでありがとうございます。
後は何とか二人でやって行きますので。」
「ああ、本当は数日こちらに泊まって様子を見たかったんだが、あいにくすぐに戻らなくてはならない。」
「はい、無理なさらずに。
ここまで連れて来ていただきありがとうございました。」
「では、また早めに来るよ。」
ディオン様はそう言い残して馬車に乗り、渋々と言ったようすで引き返して行った。
それを見送り、トムのところへ戻る。
「ディオン、帰ったんだね。」
「ええ、お忙しいのに、わざわざ連れて来ていただいたので。」
「ふーん、二人はどういう関係?」
「私達ですか?
特に関係があるわけでは。
先ほど説明したように、私は崖に落とされた後、助けていただいて、一方的にお世話になっていただけです。」
「そうなんだ。
ディオンがメイベルのこと、大切にしてるように見えるけど?」
「そう見えますか?
多分、体調を崩しておりましたので、気を使ってくださったのだと思います。」
「だろうな。
だってディオンは俺にも容赦ない人間だもの。
だけどメイベルがただの世話係なら、わざわざ俺に節度をもって接しろなんて、言わないはずだ。」
「そうですね。
私は逆にトムのことを漏らしたら、消すって言われました。」
そう伝えると、トムは驚いた顔をして、それから小さく笑った。
「はは、あの人なら言いそうだ。」
「ですよね。
優しい方だと思ったのに、ビックリしました。
トム、改めてよろしくお願いします。
私は今、心身共に弱ってますので、こちらでゆっくりさせていただきますね。」
「本当に俺を世話しないつもりなんだ?」
「ええ、いらないとのことですから。」
「ふーん、別にいいけど。」
それから私達は、お互い干渉せずに、本を読んだり、森の中を散歩したり、自由に過ごしていた。
けれど次第に、日中どれだけ別行動をしていても、夕食の時間だけは、自然と顔を合わせるようになっていた。
この邸には老夫婦の使用人しかおらず、どこまでも二人きりなのだ。
だから、昼間気になっていた些細な会話が尽きない。
「大きな木の下にウサギを見つけました。
茶色でとても可愛いんです。
もしかしてと思って、白いウサギを探しましたけど、どんなに探してもいないんです。
残念だわ。」
「いるわけないよ。」
「えっ、どうして?」
「これだから王都暮らしのメイベルを、ディオンが心配するわけだ。」
「えっ、どういうこと?」
「ここで野生で生きてるウサギが白かったらどうなる?」
「どうなるって?」
「すぐに天敵に見つかって食べられちゃうだろ?
ここにいるやつはみんな自分を守って生きてる。」
「なるほど。」
「なるほどって、呑気過ぎるだろ?
俺だって、もしもの時を考えて目立たないような色の服を着ているんだ。」
確かに、トムの服は森の色に溶け込むような、くすんだ茶と緑だった。
「少なくとも、この森に水色のドレスを着ているやつはいない。」
「そうですよね。
でも私、何故かいただいたドレスはすべて水色なんです。
茶か緑、今度給金をいただいたら、買ってみようかしら?」
「水色もそうだけど、森でドレスもあり得ない。」
「そうですね、どうりで歩きにくいと思いました。
明日、このドレスを動き易いワンピースに作り直してみます。」
「それはできるの?」
「ええ、多分。
刺繍なら得意だから、少しおかしな服になるかもしれないけれど、誰に見られるわけじゃないから、切って縫ってみるわ。」
「大丈夫?」
「ふふ、誇れるほどではないけれど。
私もトムを見習って、森に適した装いになってみせます。」
トムの表情が、ほんの少し柔らいだ気がした。
彼はきっと子供扱いされるのが嫌なだけなのだろう。
一人の人間だと思って接すれば、むしろ時より優しささえ見せてくれるのだ。
これからは、大人同士の気楽な態度で接するように決めた。
「でもその服、ディオンからの贈り物だろ?
ダメにしちゃっていいの?」
「だから、ダメにしませんってば。
ちょっとお直しさせていただくだけです。」
どこまでも信用しないトムに苦笑する。
私だってできることぐらいあるわ。
外では、夜の森に虫の音が響き始めている。
言い合いながらも、私達は少しずつ距離を縮めていくのだった。
「ここは?」
私は同乗するディオン様に尋ねた。
「僕が所有している邸の内の一つだ。
その中に面倒をみてほしい者が住んでいる。」
「なるほど。」
森は鬱蒼とし、木々が陽光を遮っている。
邸は一見見落としがちな小道の奥にあり、人を隠すのにはうってつけの場所だ。
邸の外観はこじんまりとしているが、馬房もあり、必要なものは備えているという印象だ。
ディオン様に続き邸の中に入ると、中は意外に美しく洗練された造りである。
「あの子だ。」
中庭に続くベンチには、読書をしている十代の少年がいて、私達に気づくとこちらを見上げる。
赤い瞳は、どこか怒りを宿しているように鋭い。
拒絶の色をはっきりと帯びたまま、彼は言った。
「その人、誰?」
少年は私を眺めながら、ディオン様に問いかける。
「トムの世話をしてくれる人だ。」
「初めまして。」
私は微笑んで挨拶したが、少年はそっぽを向く。
「そんな人、いらないよ。
困ってない。」
「わかってる。
だが、いつまでも一人きりというわけにはいかない。」
「そんな女、信用できない。」
「僕はしている。
だからトムも彼女を信用するんだ。」
「したくない。」
トムは背を向けたまま、頑なに言い張る。
「でしたら世話はしませんので、しばらくこちらに置いてください。
私は行くあてがありませんので。」
「えっ?
どういうこと?」
トムは気になったのか、勢いよく振り返った。
「言葉の通りです。
私、谷底に捨てられたんです。」
「えっ、本当?」
トムは信じられないといったようすで、ディオン様を見上げる。
すると彼は静かに頷いた。
「そうだ。」
「えっ、そんな人いるの可哀想。」
「ええ、私は今、人生のどん底なんです。
だからこちらで少し休ませてください。」
「わかった。
仕方がないから、休養人としてならいても良いよ。」
ふふ、思った通り少し尖ってみせても、優しさを隠しきれない年頃なのだろう。
「ありがとうございます。」
「トム、いいか、メイベルは見てわかると思うが貴族令嬢だ。
節度をもって接するように。」
「ディオン様、それは逆では?
今の私はもう平民ですし。」
「だが、トムには令嬢への接し方をしっかりと覚えてもらう必要がある。」
「大丈夫だよ。
俺だって、女性の扱いは心得てる。」
「だったら頼んだぞ。」
「ディオン様、ここまでありがとうございます。
後は何とか二人でやって行きますので。」
「ああ、本当は数日こちらに泊まって様子を見たかったんだが、あいにくすぐに戻らなくてはならない。」
「はい、無理なさらずに。
ここまで連れて来ていただきありがとうございました。」
「では、また早めに来るよ。」
ディオン様はそう言い残して馬車に乗り、渋々と言ったようすで引き返して行った。
それを見送り、トムのところへ戻る。
「ディオン、帰ったんだね。」
「ええ、お忙しいのに、わざわざ連れて来ていただいたので。」
「ふーん、二人はどういう関係?」
「私達ですか?
特に関係があるわけでは。
先ほど説明したように、私は崖に落とされた後、助けていただいて、一方的にお世話になっていただけです。」
「そうなんだ。
ディオンがメイベルのこと、大切にしてるように見えるけど?」
「そう見えますか?
多分、体調を崩しておりましたので、気を使ってくださったのだと思います。」
「だろうな。
だってディオンは俺にも容赦ない人間だもの。
だけどメイベルがただの世話係なら、わざわざ俺に節度をもって接しろなんて、言わないはずだ。」
「そうですね。
私は逆にトムのことを漏らしたら、消すって言われました。」
そう伝えると、トムは驚いた顔をして、それから小さく笑った。
「はは、あの人なら言いそうだ。」
「ですよね。
優しい方だと思ったのに、ビックリしました。
トム、改めてよろしくお願いします。
私は今、心身共に弱ってますので、こちらでゆっくりさせていただきますね。」
「本当に俺を世話しないつもりなんだ?」
「ええ、いらないとのことですから。」
「ふーん、別にいいけど。」
それから私達は、お互い干渉せずに、本を読んだり、森の中を散歩したり、自由に過ごしていた。
けれど次第に、日中どれだけ別行動をしていても、夕食の時間だけは、自然と顔を合わせるようになっていた。
この邸には老夫婦の使用人しかおらず、どこまでも二人きりなのだ。
だから、昼間気になっていた些細な会話が尽きない。
「大きな木の下にウサギを見つけました。
茶色でとても可愛いんです。
もしかしてと思って、白いウサギを探しましたけど、どんなに探してもいないんです。
残念だわ。」
「いるわけないよ。」
「えっ、どうして?」
「これだから王都暮らしのメイベルを、ディオンが心配するわけだ。」
「えっ、どういうこと?」
「ここで野生で生きてるウサギが白かったらどうなる?」
「どうなるって?」
「すぐに天敵に見つかって食べられちゃうだろ?
ここにいるやつはみんな自分を守って生きてる。」
「なるほど。」
「なるほどって、呑気過ぎるだろ?
俺だって、もしもの時を考えて目立たないような色の服を着ているんだ。」
確かに、トムの服は森の色に溶け込むような、くすんだ茶と緑だった。
「少なくとも、この森に水色のドレスを着ているやつはいない。」
「そうですよね。
でも私、何故かいただいたドレスはすべて水色なんです。
茶か緑、今度給金をいただいたら、買ってみようかしら?」
「水色もそうだけど、森でドレスもあり得ない。」
「そうですね、どうりで歩きにくいと思いました。
明日、このドレスを動き易いワンピースに作り直してみます。」
「それはできるの?」
「ええ、多分。
刺繍なら得意だから、少しおかしな服になるかもしれないけれど、誰に見られるわけじゃないから、切って縫ってみるわ。」
「大丈夫?」
「ふふ、誇れるほどではないけれど。
私もトムを見習って、森に適した装いになってみせます。」
トムの表情が、ほんの少し柔らいだ気がした。
彼はきっと子供扱いされるのが嫌なだけなのだろう。
一人の人間だと思って接すれば、むしろ時より優しささえ見せてくれるのだ。
これからは、大人同士の気楽な態度で接するように決めた。
「でもその服、ディオンからの贈り物だろ?
ダメにしちゃっていいの?」
「だから、ダメにしませんってば。
ちょっとお直しさせていただくだけです。」
どこまでも信用しないトムに苦笑する。
私だってできることぐらいあるわ。
外では、夜の森に虫の音が響き始めている。
言い合いながらも、私達は少しずつ距離を縮めていくのだった。
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