たっくんがバイトをやめてくれない

月山 歩

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1.いつもの二人

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「お待たせ。」

「今日はA組の方が早く終わったね。」

 イチカは市立北高校の1年生。
 毎日、彼氏のたっくんこと吉田 拓海くんと帰るのが日課で、早く終わった方が相手の教室の前の廊下で待っているのが、なんとなくの約束。
 それから、電車に乗って40分。
 同じ団地の隣同志で、幼稚園の頃からの仲である。

 青い空の下、グランド横を二人で並んで歩きながら、ぼんやり野球部の練習を見ていると、

「ねぇねぇ、イチカちゃん。
 もしや野球部に憧れとかあったりするの?
 僕バイトあるから、部活は入れないよ。
 体育の時頑張るから、それで許して。」

 しょんぼりとしたたっくんが、ちらちらイチカを見る。

「ただ見てただけだよ。
 もうたっくんは心配症だなぁ。」

 たっくんは背が172センチで、実はカッコいい。
 二人は学園では有名なラブラブカップルって言われているから、女子の間でたっくんを好きって噂になってる子が何人かはいるけど、私がいるから告白はしていないみたいで、ちょっとふんわりとした雰囲気のたっくんは自分がモテていることを知らない。
 そして、何故かイチカのことが大好きで、斜め上の方向に頑張る男の子。
 体育の授業の時の真剣な顔も好きだけど、照れくさくて、教えてあげない。
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