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第2章
ミミルside①公爵令嬢消滅前
私は前世でやっていた乙女ゲームのヒロインであるミミルに転生した。
勿論攻略対象者で狙うは王太子なんだけれど、難易度MAXのせいか、なかなか良い感じにならない。
学園入学してから頻繁に悪役令嬢リディアの元に行くし、周りに聞いてみると王太子のリディアへの溺愛ぶりをよく聞いた。
ストーリーと違い過ぎておかしいとは思いつつも、私と王太子でイベントをこなして行けば大丈夫だろうと思っていた。でも流石難易度MAXの攻略対象者なだけあって、ラブイベントが中々発生しない。
私なりに努力してみた。話しかける話題を考えては隙あらば話しかけて、思い切って王太子の側近達(攻略済み。ちょろかった)を連れて、ゲーム通り王宮へ遊びに行ったりした。
最初は渋い顔をしていた門番、近衛兵、文官、侍女や執事達も皆最後には「ミミル様の様な可愛い子が居たら王太子も王宮へ呼びたくなるのもわかります」と言っていた。
そう言えばゲームでは王太子が王宮へ私を呼ぶんだったわね。今回呼ばれた覚えはないけれど、まぁゲーム通り進んでいるのだと納得していた。
何時も王太子の護衛をしている人やスケジュール管理している人、侍従者や学園の側近達と以前は知り合えなかった人が増えてきた。
王太子不在の時、王様とお茶した事もある。「学園で困ったらいつでも話においで。」と言っていた。
どうやら私を気に入ったようだった。ゲームのヒロインだから当然だけど。
王宮や学園の知り合いが増えれば増える程。
様々な人々が親切にも王太子の居場所や予定を教えてくれて、なるべく偶然装ったり、半ば強引に事を運んで王太子の側に居るようにした。
それでも全くラブイベントが起こらない。
何故だろうか、好感度が上がっている気がしない。
挙げ句の果てには困った顔をして
「わたしは婚約者のいる身であるし、君もこの学園の生徒なら態度を改めたほうが良い」
とまで嗜めてきた。現実の王太子は照れ屋さん…?いや、違うわ、そう言えば。
何か物足りないと思ったら悪役令嬢が悪役の役割を果たして居ない。
危ない危ない、大事な愛の障害やって貰わないと、ストーリーが盛り上がらないわけだわ。
悪役令嬢はきちんと悪役して断罪されてくれないと面白くないしストーリーが変わっちゃうじゃない。
リディアには王太子の婚約者として悪役令嬢をして貰わないと。
とにかく私は王太子に相談してみた。
「…実は私…、リディア様に虐められているのです。お伝えするか迷ったのですが…もう限界で。王太子殿下なら何とかしてくれるのではと…」
ーーそう言うといつも笑顔だった王太子の表情が固まった。
婚約者の裏の顔を知って幻滅しただろうか?それとも、もう少し信憑性のある材料が必要だろうか?まさかヒロインの私を疑う訳ないよね?
暫くの沈黙の後に王太子はやっと反応してくれた。
「…何か誤解があるようですが、リディアはそのような事しませんよ。
そんな事よりも先程勉強でわからない事があったのでは無いですか?
今日放課後見て欲しいと言って居たのを断ってしまいましたが…少し時間が空きそうで…」
「本当?!嬉しい!」
ーーよしよし、ちょっとイベントなさ過ぎて心配してたけど、大丈夫そうね。これで図書室イベントこなせる!!
図書室で眠ってる私に王太子が口付けする筈なのだが、この日、約束通り図書室に居たものの10分程度私に勉強を教えた後、予定があるからと帰ってしまった。
確かこの日は、悪役令嬢リディアとのお茶会があるとスケジュールにはあるわよねぇ、無くならないかしら?
私がそう思うと、とにかく2人は不運にも何らかの理由で予定が変わり会えない日が続いて居た。
全ては誰かの日程調整や伝達ミスか偶然の馬車の故障など、後は私と会う日がバッティングしたら私が優先されたりとかね。
最初何を思ったのかリディアを優先しようとするから私は泣いてリディアのせいで苦しんでると告げたら私を優先してくれるようになった。
ーーふふふっ、ヒロインの涙に男は皆弱いって相場は決まってるもんね。やきもち焼いて泣きながら〝行かないで〟って、これって王太子胸キュンさせちゃったかな?
リディアって泣いてる所見た事ない。そう言うの、男受け悪い悪役令嬢よね。やっぱり。
だけど王太子は未だにリディアが悪い子じゃないと思っているのは、話題を振るたび感じた。
悪い子だけどね。悪役令嬢だから。
悪よ、絶対性悪よ。これは決まってる事なの。
如何にリディアが私に酷い事をするのか言って聞かせていたら、ある日ようやく理解してくれた。
王太子はリディアに「暫く距離を置こう」と言っていた。
ーーふふっあのリディアの顔。いい気味。今迄がおかしかったのよ。
これで一先ずは安心と思っていたけれど、今度は王太子がリディアに手紙を書いた事を側近がその手紙を持ってきて教えてくれた。
1通目の時だけチラッと目を通したけど、内容は婚約者にかなり遠慮してるみたいだった。
ーーたかが小国の公爵令嬢でしょ?そんな機嫌取らなくて大丈夫よ。
後にわかる事だけど、私は大国の王女なのよ?
王太子がリディアへの手紙を頼むのは2人の側近にのみらしく
側近2人ともリディアが勘違いしたら可哀想だからと、全部処分してると教えてくれた。
ーーうんうん、皆ちゃんとヒロインの味方で安心する。
でも王太子が手紙を出す頻度が多いなと少し不安になった私は、リディアの実体を王太子の前で知らしめる努力をする事にした。
周りの人は公爵令嬢に遠慮してか、特段面白いネタを持ってこないから
自分でつけてみる事にした。
悪役令嬢はフードを深く被って護衛を2人つけ、市井にお忍びで出向いている事があり
パン屋で買い物したり、子供が演奏している所にお金を払っていたり、買ったパンをお金と共に渡したり、孤児院に寄ったりしていた。
それぞれに話を聞いたら、彼女が何者であるか知っているのは孤児院の人々のみで、他の人はたまに来る気前の良い何処かのお嬢様と思って居たらしい。
勘違いしてるみたいだったから、彼女が誰で如何に酷い人なのか説明しておいた。皆驚いていたが、私の方が驚きだ。
彼女は悪役令嬢なんだから、そう言う好感度集めされると困るわ。
ま、こんな平民達の好感度上げても何もならないと思うけど。笑
うーん、実際に無礼を働いた平民の子供殺しちゃう命令を護衛に指示するとかしてくれないかな?
そしたら、王太子も目が覚める筈なんだけど。悪役令嬢に気を使う価値は無いって。
だってそう言う役割のキャラクターなんだもの。
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