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チートじゃない
8 年の差なんて本人次第
「黙って出てきて良かったのか?」
そっと薬屋の扉を閉めた私に、プレストが言った。
「え、あなた、あそこにとどまる勇気があるの?」
そう答えると、プレストは少し考えて眉間に皺を寄せた。
「──無いな」
「でしょ。しかも今はお互いしか見えてないけど気付いたら知り合いに見られてたなんて、素敵な思い出が一気に黒歴史よ」
少し想像しただけでいたたまれなくなってブルッと震える。
「随分年が離れている様に見えたが・・・」
「あの二人?フィーネは若く見えるけど22才、モルデントさんは32才よ。10才差かしら。どう思うかは人それぞれね」
「10才差・・・って、」
突然何かを思い出したようにプレストがいう「・・・ロリコンとは言わないよなぁ」
「?ロリコンの定義によるけど、フィーネは22才で成人しているし、年の差なんて本人たちが良ければそれでいいのではない?」
「ヴィーは、その──大人びてるというか、恋愛ごとに慣れた風だな」
「え、まぁ、それなりに?」前世で、ですけど。
「そ、それなり──」
プレストは復唱したきり喋らなくなった。
「あぁ、プレストはお嬢さんに言い寄られることが多そうだものね。あんな初な感じ、珍しかったかしら。
私的にはそばで見てて焦れったかったから、これで少しは進展してくれると嬉しいんだけどね」
──若い子の恋愛におばちゃんが口を出したって良いことないから何も言えなかったけれど。
「あなたこそ、そういう機会が多いのではない?──いえ、違うわね。フラットさんがプレストは女の子を寄せ付けないとかなんとか言ってたもの。あまりお嬢さん達に冷たくしたらダメよ」
聞いているのかいないのか、何か考え込んでいたプレストは
「──心配だ」と呟くと、「ヴィー、好きな男が出来たら俺に報告するんだぞ。俺が見極めてやる」と、言い出した。
「はい?」
「俺が認めたやつとしか付き合うことは許さないからな」
再び心配性を発動したらしいプレストは言いたいことだけ言うと「じゃあな」と、軽く手を上げて去って行った。
スライム素材のことを商会へ報告にでも行くのだろうか。
そういえばアレグレットが良いとこのお嬢様ってことは、プレストも良いとこのお坊ちゃんってことよね、フラットさんとも昔からの知り合いって言っていたし。なんで冒険者なんてやっているのかしら。
結局ポチの名前の由来も未だに教えてくれないし、プレストって謎ばかりね。
訳の分からないことを言い放って去っていったプレストから、先ほど思いを伝えあった?2人に思いを馳せる。
「何か進展があれば報告してくれるでしょう。──あるかしら、進展・・・」
あの二人が上手くいくことで、フィーネさん目当ての客が減って売り上げが落ちないか・・・ちょっと心配になったのは内緒だ。
さて、私もそろそろ薬草を採りに行かなくちゃね。
なんのチートも無い平々凡々の私に出来ることは、モルデントさんの甲斐性の為に日々良質の薬草をお届けすることだけだから──。
そっと薬屋の扉を閉めた私に、プレストが言った。
「え、あなた、あそこにとどまる勇気があるの?」
そう答えると、プレストは少し考えて眉間に皺を寄せた。
「──無いな」
「でしょ。しかも今はお互いしか見えてないけど気付いたら知り合いに見られてたなんて、素敵な思い出が一気に黒歴史よ」
少し想像しただけでいたたまれなくなってブルッと震える。
「随分年が離れている様に見えたが・・・」
「あの二人?フィーネは若く見えるけど22才、モルデントさんは32才よ。10才差かしら。どう思うかは人それぞれね」
「10才差・・・って、」
突然何かを思い出したようにプレストがいう「・・・ロリコンとは言わないよなぁ」
「?ロリコンの定義によるけど、フィーネは22才で成人しているし、年の差なんて本人たちが良ければそれでいいのではない?」
「ヴィーは、その──大人びてるというか、恋愛ごとに慣れた風だな」
「え、まぁ、それなりに?」前世で、ですけど。
「そ、それなり──」
プレストは復唱したきり喋らなくなった。
「あぁ、プレストはお嬢さんに言い寄られることが多そうだものね。あんな初な感じ、珍しかったかしら。
私的にはそばで見てて焦れったかったから、これで少しは進展してくれると嬉しいんだけどね」
──若い子の恋愛におばちゃんが口を出したって良いことないから何も言えなかったけれど。
「あなたこそ、そういう機会が多いのではない?──いえ、違うわね。フラットさんがプレストは女の子を寄せ付けないとかなんとか言ってたもの。あまりお嬢さん達に冷たくしたらダメよ」
聞いているのかいないのか、何か考え込んでいたプレストは
「──心配だ」と呟くと、「ヴィー、好きな男が出来たら俺に報告するんだぞ。俺が見極めてやる」と、言い出した。
「はい?」
「俺が認めたやつとしか付き合うことは許さないからな」
再び心配性を発動したらしいプレストは言いたいことだけ言うと「じゃあな」と、軽く手を上げて去って行った。
スライム素材のことを商会へ報告にでも行くのだろうか。
そういえばアレグレットが良いとこのお嬢様ってことは、プレストも良いとこのお坊ちゃんってことよね、フラットさんとも昔からの知り合いって言っていたし。なんで冒険者なんてやっているのかしら。
結局ポチの名前の由来も未だに教えてくれないし、プレストって謎ばかりね。
訳の分からないことを言い放って去っていったプレストから、先ほど思いを伝えあった?2人に思いを馳せる。
「何か進展があれば報告してくれるでしょう。──あるかしら、進展・・・」
あの二人が上手くいくことで、フィーネさん目当ての客が減って売り上げが落ちないか・・・ちょっと心配になったのは内緒だ。
さて、私もそろそろ薬草を採りに行かなくちゃね。
なんのチートも無い平々凡々の私に出来ることは、モルデントさんの甲斐性の為に日々良質の薬草をお届けすることだけだから──。
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