男色医師2

虎 正規

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サバイバル

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 「あんな結果あるもんか、俺は霞と離れないぞ!」
 聡は言った。
 「ぐぬぬ・・・」
 負けたら黒河は手を引く、という契約になっていたことを聞いたらしい。
 
 後日。
 黒河はこっそりと保健室を抜け出し、校内をさまよった。
 「いた、聡君だ」
 こっそりと後をつけ、一人になった瞬間を狙い、こっそり背後に忍び寄って
 バシッ。
 首を一撃した。
 コテン。
 気を失った聡をどこかへ連行していく。
 
 「はっ」
 眼を覚ました聡は驚愕した。
 「ここはどこだ!」
 「気がついたか」
 「はっ、黒河先生!」
 あたりを見回す。
 「穴の中か?」
 「左様、山奥の洞窟さ」
 「なんでこんなとこにつれてきたんだ、この人攫い!」
 「君があの腐女子と別れないからさ」
 「こんなことしてもムダだぞ、絶対帰ってやる!」
 「その気持ちがなくなるまで一緒に暮らそうじゃないか」
 一緒に暮らしたりしたら何をされるかわからない。
 「とりあえず薪でも拾って来い」
 寝ている間にでも脱走してやる、と思いつつも薪を拾いに行った。
 「脱走ルートを確保しておこう」
 山奥過ぎて町までの道がわからない。
 黒河はどうやってこんなところにまで来たのであろうか?
 仕方なく薪を持って洞穴に帰った。
 「ちょっと待て、湿っているじゃないか。これじゃ火がつかん!」
 「んじゃ乾いた薪を持ってきたら?」
 「よし、もってきてやる」
 黒河は薪を採りに行った。
 聡は穴から顔を出し、黒河が十分遠くに行き、姿が見えなくなってから脱走にかかった。

 「聡君、もって来たぞ。ありゃ、いない?」
 黒河が薪を抱えて帰ってきた。
 聡が帰ってきた。
 「あっ?」
 先に黒河が帰っていたので驚いた。
 「聡君、脱走しようとしたね?」
 「い、いやあ。食料の確保に・・・」
 「食料って何だ?何も持っていないようだが?」
 前途多難である。
 
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