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第十九話 暴走
「リニス、待って。そんなに先走らないで」
「っ、申し訳ありません」
「焦る気持ちはわかるけど焦り過ぎはよくないよ」
先に進むにしてもフィスという少年が心配でならなかったが、シルバーが"自分がついているから先に進んで欲しい”と言ってくれて渋々ではあるがフィスという少年とシルバーと別れた俺達は教会の中へ駆け足で中に入った。先へと進むたびに気持ちばかりが先走りアーサー様に迷惑をかけている。今の自分には困ったものだ。
「そもそもどうしてリニス殿はそんなに焦っているのです?」
走りながらインダート様が言ってきた
「良くないことが起こる。としか言いようがありません。タニタは物語の主人公になる事を願っていました。そしてこの奥に皆が自分を崇め奉ることになるアイテムがあると思っているようです。しかし、そんな物などあるはずが無いんです。あるのは……っ‼︎」
___ドンッッ‼︎‼︎
続き言う前に奥の方で空気の揺れを感じた。重苦しく悪寒がするほどの何かが
「何だ!一体何が⁉︎」
「くそっ!フウカ、コクヨウ‼︎今すぐ障壁を張れ‼︎‼︎…来るぞ‼︎」
「「ハッ‼︎」」
影の中から二人が出てきて俺たちの前へ飛び出し瘴気を浄化するさようがあり尚且つ防御力のある障壁を張り暴風となり押し寄せてくる瘴気を弾く。
「っ、これは!」
「瘴気です!」
「言われなくてもわかる‼︎しかし、瘴気なんてっ⁉︎」
「そんなの言わなくてもわかるでしょ‼︎兎に角急ぎますよ‼︎第二王子殿下達が危ない‼︎」
やり過ごした後走り出し辿り着いたのは王城の謁見場を思わせるくらい広い空間だった。その正面にある階段の上に玉座のような所があり、台座があったが本来ではそこに何かあったのだろうが何もなく、階段下には第二王子殿下を始め先に入ったであろう人達が倒れていた。
「!フィン⁉︎」
慌てて駆け寄り息をしているか確認し全員の生存を確認したが、俺はそれどころではなかった。
_____
____
___
__
_
ーー周りが炎に囲まれていて俺は武器を手にもう一人と向かい合い構えていた。どちらもボロボロで傷だらけで今息しているのがやっとで生きているのかどうかすら危ぶまれているようなかんじだった。
「 」
「 」
相手と何か話しているのだが内容はわからない。でも悲しくて苦しくて…どうしてこんなことになってしまったのかと叫んでいるような感じだった。
「「 」」
おそらくそれぞれ相手の名前を言ったのだろう。ガキィィィィンッッ‼︎と武器がぶつかり合い何度も交差し離れては隙をついて魔法を放つ。ドドドドドッと大地を大きく抉り陥没してるのではと思えるくらいだった。ガキィィン、ガキィィンとぶつけ合いながら相手の夜空を想わせるような瞳にやるせなさを感じ、このままではジリ貧で終わらない……俺は覚悟を決めたようにぶつかり離れた後魔法で相手を拘束し天空に上がった。
「 」
やはり何を言っているのかわからないが、上空にあがった俺は半径20mはあるのでは?と言うくらいの魔法陣を展開し空気中に漂う魔力を集めながら自分の魔力を足していく。バチバチと音を立てながら展開した魔法陣より大きな魔力玉を作り……そして
「リリィ………愛しているよ。ずっと、いつまでも」
そういい放った。例えるとすると荷電粒子砲のような威力が彼に向けて放たれた。ドドドドド~~~~~ンッ‼︎‼︎と大地を揺らしながら着弾しドォォォンッ‼︎と音をあげながら爆ぜ、周りは熱風と眩しい光に覆われた。この光景は瞬くの間に通り過ぎ俺の心の中にあるのは虚しさだけだった……。ーーー
_____
____
___
__
「?リニス、どうしたの?」
唖然とした様子でいた俺が心配なのかラティがそう問いかけ肩に手をのせてくれたがそれに対して反応することはできなかった。何故なら
「……そだっ」
「…リニス?」
「嘘だっ!嘘だウソだ嘘だ‼︎やめろ⁉︎俺にそれを見せるな‼︎やめてくれ、嫌だっ!嫌だイヤだ嫌だいやだぁぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎」
「っ、リニス‼︎」
頭の中がぐちゃぐちゃで何も考えられなくてパニックにになってしまった俺は両手で頭をおさえ叫びながら後ろに数步下がった。
「何でっ!…何でそうなる⁉︎そうならないようにして来たというのに‼︎だからこそ俺はっ!俺はぁ……あ、あぁっ……あぁぁぁ"ぁ"ぁぁぁぁぁ"ぁぁ"ぁぁっ‼︎‼︎」
自分ではどうすることも出来ず魔力の暴走を起こしてしまった。ゴゴゴゴッと強烈な濃度の魔力の風が辺りを巻き込みながら俺を中心に吹き荒れる。みんないきなりのことで驚いただろうな。…すまない。自分でも制御できそうにないっ
そして意識が途切れるその寸前に
「ライナスっ‼︎」
そう呼ばれ誰かに抱きとめられたような気がした。
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