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第四話 公爵領へ向けて
もう少しで辺境を出るというところで騎士団に呼び止められた。父親…めんどくさいから今はアスラン様って言う。が対応しているが如何やら辺境伯が公爵領まで護衛するとか。……なんで?
「母さん。聞きたいんだけど良いかな?」
「ん?なぁに?」
「どうして辺境伯様は俺達の護衛をするの?」
「…ごめんなさい。それは言えないわ。って言うのも、私もよく分からないの。護衛って何から私達を守っているのか」
苦笑いをしながら本当にわかっていないようだ。アスラン様しかわからない何かがある、ということか。面倒ごとでなければそれでいいにこしたことはないけど
「それと、家が荒らされていたのは何故?」
「…夕飯作る途中で男爵家の使いが来てタニタを引き渡せ、と言われたわ。嫌だと拒否したら問答無用で家に上がり込んでタニタの名を呼んだわ。騒ぎを聞いたタニタが迎えに来たと勘違いしたのね」
母さん曰く、そこから母さんの意思関係なく養子縁組が成立。タニタは嬉々と喜んで行ったそうだ。さよならの挨拶もなしに。家が荒らされていたのはタニタを誘き出す為だとか言っているが
「その男爵とやらはなんで言ってたんだ?」
「…"迎えに行かなくてごめんな。これからは今より贅沢な生活をさせてらるからな"って言ってたわ。タニタに言ったのよ。その人は父親じゃない、ついて行ってはダメだって。でも」
確認する事なく行ったと。…面倒だな
「ソウマ。辺境伯の護衛で伯爵領を抜け公爵領近くまで行ってもらう事にする。借りをつくる事になるが仕方あるまい」
「えぇ」
「伯爵領には既に辺境伯の者が先触れを出している。と言っても、お宅の領を横断させてもらうぞって連絡するだけだがな」
辺境伯と話をつけてきたアスラン様が戻ってきてそう話した。
「お前にはこれからティターニア公爵家の嫡男として勉学等にはいってもらう。前みたいに過ごせるとは思うな。いいな」
「アスラン様、何故そのような事を言うのですか‼︎」
「平民だった頃の感覚であれば他の貴族に足を掬われるだけだ。そうなっては我がティターニア家の品格に関わる。そうなっては困るのだ」
「それくらい分かってるよ。俺がヘマすれば母さんに悪影響が出来てしまう。そんな事俺の本意じゃない。でも、これまでの生活をいきなり捨てて貴族として働けっていきなり言われてはい、分かりました。なんてなるわけないだろ‼︎できるだけのことはする。だがな!やりたい事はやらせてもらうぞ‼︎アンタの飼い犬になるつもりは無い‼︎」
「リニスっ」
「……フンッ、好きにしろ。だが、報告はわすれるな」
「言われなくても!」
ドスンッとどうやら自分でも知らないうちに馬車の中で立っていたらしい。座り直して窓から外を眺める。母さんがさっきから何か言いたそうだけど気にせず外を見ていた。別に俺も怒鳴りたくて怒鳴ったんじゃ無い。
本当はゲーム本編に関わる事なく母さんと二人で過ごしたかった。タニタの事はどうでもいいけど、ここまで育ててくれた母さんには感謝しきれないから……
だからこそこの引越しを受け入れたけど、これとは別だ。それに息抜きの時間くらい欲しい。じゃないとやってられないし、そもそも俺は行く必要なんてなかったんだ。
「…時々、冒険者ギルドに行っていたそうだな」
「まぁね。アンタの金もあっただろうけど、なんか癪に触るからな。それと勉強になるし」
「……すまなかった」
「……は。」
「すまなかった。と言っている」
いきなり謝り出したアスラン様
「いきなりこれまでの生活を忘れろってそんな事、俺には出来ないからな。そんなに器用でもないし」
考えだしたアスラン様に俺は睨みつけながら見ていた。
「……いいだろう。但し、行く前に報告するように。いきなり出ていかれたら困るだろ」
「本当にそう思ってんのかね」
やれやれ感が半端ないけど、まぁ、俺が妥当かな?
「リニス‼︎貴方なんてこと言うのよ‼︎」
「母さん、悪いけど俺はこの人を親とは思わない。俺の親は母さん一人。父親はもういないって思ってるから」
「リニス⁉︎」
それ以上話すことはない、と眠る体勢をとる。母さんがなにか言っているけどこれは譲れない。
それに、知ってるんだ。その公爵家に行った所で居場所なんてない。月華無双の攻略対象の一人であるラティ・ティターニアはその名の通り、俺の義兄弟になる。父親を名乗るアスラン様には政略結婚での正妻がいたが流行病にて呆気なく天へ召されてしまった。その時に出来た子がラティだ。
ゲームだとヤンデレキャラでスチルがどうのこうの、と言っていたがまぁ、モブの自分には関係ない。血筋的にあっちが継ぐだろうし、考えられるとすれば俺の方に注目させてあっちを守る的な感じになるだろう。
なんで、もう少し平和的に過ごせないんだろうか。
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