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第六話 ラティ・ティターニア
どうしてこの子が、この部屋にいるのだろうか?
「此処、俺の部屋。どうして君が、ここにいるの?」
椅子に寄りかかるように寝ていた為か首が少し痛い。体勢を整えつつ、ラティに視線を向けそう話すと
「ラティ、ラティ・ティターニアだよ?僕のことはラティって言って?」
「でも…」
「ラ、ティだよ?」
どうやら言ってくれるまで話はしたくないようだ。
「……、ラティ」
「っ…うん!あのね、部屋の扉が少し開いていたのと今日は何かと屋敷が騒がしかったし彼等も落ち着かなかったから。」
嬉しそうに微笑みながらそう答えつつ、俺の膝の上に座るラティに驚く。
「⁈…あっちにソファーがあるから、そこに座ればいいのになんでここなの?」
「ここのほうが落ち着くから」
ポフって音をたてながら寄りかかるラティ。俺はお前の椅子じゃないんだが
「ねぇ、本当に僕の弟?…ずっと、一緒?」
「さぁな。それは知らない。どうして今更なのか。ここには貴方がいるのに」
「……」
「?」
顔が見える位置じゃないので分からないけど、悲しい、と言うオーラが見えた気がした。
「お父様はそんな事思ってないよ。僕はただ義務で出来ただけだし、そこに情はないよ」
悲しそうにこちらを見上げ、微笑みながらの答えに胸が締め付けられた。貴族はこんな幼い時から現状把握していかなければいけないものなのだろうか。
「…そう言えば屋敷が騒がしかったといった時に彼等も、と言ってなかったか?彼等とは一体」
気まずく感じたので話をずらす。気になったのだから仕方ない。
「?君も連れていたでしょ?光と闇属性の聖獣を。彼は光属性と闇属性の精霊達にとっては上司にあたるから、その彼が此処に来ると知ってずっとソワソワしてたから」
属性を聞いた時は"来たぁぁぁ‼︎"って思ったけどあの子本来は相容れぬ属性同士の筈なんだけど、何故かそれが可能な状態のようた。
てか、闇属性って悪役系あるあるじゃね⁈え?俺悪役になっちゃうの⁉︎そんなの嫌なんですけど⁉︎
「…どうして光と闇属性について知ってるの?てか、見えるの?」
「教わったから?貴族としては僕くらいの年齢だと既に家庭教師がついてるから、知ってて当然の基礎知識だよ?見えるかどうかと言われると、見えるね。小さい頃から見えてるんだ。でも、誰も信じてくれないんだ」
ショボン、と犬耳がシュンとさがってしまうように見える。クッ、ゲームの彼を知っているからこのギャップには堪える。
「そうなのか?精霊が見えるのはいい事だと俺は思うけどな」
「え?そうなの?」
「あぁ。俺は冒険ギルドに入ってるんだが、見えると見えないとで結構違うもんだぞ?」
「⁈」
そう。この世界には魔法が存在する。勿論、精霊も。
精霊がいるという事はそれだけその場所が魔力が豊富で威力が増すというもの。なので、大昔には捕らえて我が物にする、と我欲の多い人物達と護らんとする者達との大戦が起こるほどの事らしい。こわい怖い
「冒険者…。冒険者って色々な所に行くって言うけど本当?隣国とか海を渡った別大陸にとか!」
「お、おぉ。まぁ、俺は行ったことないけど、高ランクの人達ならそうなんじゃないか?」
キラキラと純粋に、楽しそうに話す姿にどうしてゲームの様になってしまったのだろうかと、不思議に思う。
「ねぇ!君の話でいいからどうな事をしたのかとかちょっとした冒険でも良いんだ!話してくれないかな?僕、あまり外に出たことが無いんだ。お父様がダメだって言って…他のみんなは長期休みの時に家族と皆んなで別荘とかに行ったりするって聞いたから」
モゾモゾと膝の上で座る位置を変え向かい合う様に座り直し、ワクワクとした風に聞いてくる。外の世界を知りたい、他の子のようにやってみたい、そんな気持ちが見えて…こう、なんて言うんだ?守ってあげたくなるような…可愛がってあげたいような、叶えてあげたいと思う気がした。
「俺には何も無いからできる事は少ない。それでも良いのであれば俺が連れてってやるよ。」
「えっ?」
「色んな所に行きたいんだろ?なら、行こうぜ!俺が何とかあの親父を説得してさ、危なくない程度の範囲になるが出来るようにするからさ!…ダメか?」
切実そうに言われれば何とかしたくなるだろ?それに貴族についてはよく分からない上にいけすかない奴等だってイメージが強いからどうでも良いし、もう、彼奴でいいや。彼奴もラティの事どうでもいいみたいだから、俺が貰うもんね!
「ッ…ううん。…いい、よ。…グスッ…嬉しいっ!連れてって?僕をッ‼︎」
「⁉︎」
クリクリとした目を潤ませて、頬を赤くさせて微笑むのは俺だからいいけど、他の奴だったら間違いなく食べられるぞ?これはいけない‼︎絶対守らないと‼︎
「フッ…おぉ!」
思わずギュッと抱きしめてしまったが、本人は嬉しそうに抱きしめ返してくれたからよしとしよう‼︎
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