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第23話ー6
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――翌日の昼食後。
「どこ行ったんだ、あいつは。午前の筋肉強化・体力作りのときにもいなかったのに、午後の武術の鍛錬もサボる気か? ――って、何? レオーネ国の遊郭に鍛錬に行ったって……オイ!」
と、ルフィーナの近衛になった一方で、オルキデーア軍に所属したアラブが、その元帥であるフェデリコを立腹させている頃。
宮廷の3階にある家庭教師の部屋で、アクアーリオ語の勉強中だった5番目の天使こと絶世の美王女ヴァレンティーナは、「あれ?」と戸口を見た。
扉を叩く音がして家庭教師が開けに行ったと思ったら、フラヴィオが入って来た。
「どうしたの、父上?」
「うん。少し良いか?」
気を遣った家庭教師が部屋から出て行くと、フラヴィオがヴァレンティーナを膝の上に抱っこして椅子に座った。
まだ12歳だが、小柄なベルより少し大きくなった。
「ベルが言っていたのだが、最近アクアーリオ語をよく勉強しているようだな?」
「ええ、そうよ。私、母上の遺言通りアクアーリオ国の王太子殿下と結婚するわ」
そう言ったあとに、ヴァレンティーナが小首を傾げて問う。
「それで、どうしたの父上?」
「うん……ベルと姉妹のように仲良しのティーナは、ベルに何色が似合うと思う? 父上は、ベルには淡い色が似合うと思うのだが」
「ええ、そうね。私の姉上のようなベルは、可愛くて、知性があって、それからとっても優しいのよ。だから、うーん……」
と、ヴァレンティーナがフラヴィオから譲り受けた、蒼の瞳を斜め上に向けて考える。
その答えは、こうだった。
「ライラック! 淡い紫!」
「そうだな……うん、それが良い」
と納得した様子を見せたフラヴィオが「ありがとう」と言って立ち上がり、ヴァレンティーナの頬にバーチョしてから戸口へと向かって行く。
気になったヴァレンティーナが、「待って」とフラヴィオを呼び止めた。
「どうしてそんなこと訊いたの?」
「似合うものをベルに贈りたくてな。だから助かった。後日、時間が取れたら行ってくる」
「どこへ?」
「ガローファノ鉱山だ」
「――えっ……!?」
と、両手の指先で口元を押さえたヴァレンティーナ。
父の背を見送った蒼の瞳が煌めき、頬がたちまち紅潮していった。
「どこ行ったんだ、あいつは。午前の筋肉強化・体力作りのときにもいなかったのに、午後の武術の鍛錬もサボる気か? ――って、何? レオーネ国の遊郭に鍛錬に行ったって……オイ!」
と、ルフィーナの近衛になった一方で、オルキデーア軍に所属したアラブが、その元帥であるフェデリコを立腹させている頃。
宮廷の3階にある家庭教師の部屋で、アクアーリオ語の勉強中だった5番目の天使こと絶世の美王女ヴァレンティーナは、「あれ?」と戸口を見た。
扉を叩く音がして家庭教師が開けに行ったと思ったら、フラヴィオが入って来た。
「どうしたの、父上?」
「うん。少し良いか?」
気を遣った家庭教師が部屋から出て行くと、フラヴィオがヴァレンティーナを膝の上に抱っこして椅子に座った。
まだ12歳だが、小柄なベルより少し大きくなった。
「ベルが言っていたのだが、最近アクアーリオ語をよく勉強しているようだな?」
「ええ、そうよ。私、母上の遺言通りアクアーリオ国の王太子殿下と結婚するわ」
そう言ったあとに、ヴァレンティーナが小首を傾げて問う。
「それで、どうしたの父上?」
「うん……ベルと姉妹のように仲良しのティーナは、ベルに何色が似合うと思う? 父上は、ベルには淡い色が似合うと思うのだが」
「ええ、そうね。私の姉上のようなベルは、可愛くて、知性があって、それからとっても優しいのよ。だから、うーん……」
と、ヴァレンティーナがフラヴィオから譲り受けた、蒼の瞳を斜め上に向けて考える。
その答えは、こうだった。
「ライラック! 淡い紫!」
「そうだな……うん、それが良い」
と納得した様子を見せたフラヴィオが「ありがとう」と言って立ち上がり、ヴァレンティーナの頬にバーチョしてから戸口へと向かって行く。
気になったヴァレンティーナが、「待って」とフラヴィオを呼び止めた。
「どうしてそんなこと訊いたの?」
「似合うものをベルに贈りたくてな。だから助かった。後日、時間が取れたら行ってくる」
「どこへ?」
「ガローファノ鉱山だ」
「――えっ……!?」
と、両手の指先で口元を押さえたヴァレンティーナ。
父の背を見送った蒼の瞳が煌めき、頬がたちまち紅潮していった。
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