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第37話ー4
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――馬車は中央通りを突っ切り、王都オルキデーアの南門から外に出ると、西にあるコニッリョの山の麓へと向かっていく。
ハナの仕事は間に合ったらしく、結婚式に招いたレオーネ・サジッターリオ・ヴィルジネ国の王侯貴族やガット・ネーロが用意された椅子に着席して待っていた。
立ち上がった一同の拍手に迎えられながら馬車が到着すると、辺りには甘いあんこの匂いが漂っていた。
コニッリョが怯えないよう、人間から距離を置いたところ――山に少し入ったところでヴァレンティーナとタロウがあんこ鍋を掻き回している。
そして予定通り、周りには山から下りてきたコニッリョたちが涎を垂らしながら集まっていた。
「では、お願いしますタロウさん」
とベルが言うと、ヴァレンティーナと一緒にあんこ鍋を掻き回していたタロウが承知した。
フラヴィオとルフィーナだけを、コニッリョが逃げないギリギリの距離まで引っ張っていく。
「待った、タロウ」
と、フェデリコが、碧眼で辺りを見渡していく。
「私とドルフもお二方の近くに寄っていいか?」
さっき町で見た2人組のことが頭に引っ掛かっていた。
フェデリコの少し緊張した面持ちを見て、察したタロウが「いいよ」と言った。
「護衛でしょ? 2人の斜め後ろくらいに立ってて」
フェデリコとアドルフォが承知し、タロウに言われた位置に武器を持って立つ。
「これでいいかな?」
「待った、念のためアラブもだ」
と、フェデリコがアラブを手招きすると、それは新郎新婦が隠れて見えなくなってしまわぬよう、少し後ろの方に立った。
「もういいね? じゃあ、始めるよ」
とタロウは新郎新婦の目前に立つと、咳払いをして声を大きくした。
「新郎フラヴィオ、あなたはここにいるルフィーナを、病める時も健やかなる時も……」
と、まるで教会の中で司祭と行うプリームラ式のような誓いの言葉をタロウが述べていくと、コニッリョたちの垂れた白ウサギの耳が反応した。
その様々な色の瞳がフラヴィオとルフィーナに向けられていく。
そしてフラヴィオとルフィーナが「誓います」の言葉を交わし、指輪交換をし、フラヴィオが『ありがとう』という意味のある頬への誓いのバーチョをすると、明らかな動揺を見せた。
目を疑った様子で顔を見合わせ、人間には分からない言葉を交わし、2人を好奇の眼差しで見つめる。
「よっしゃ」と、マサムネがコニッリョたちを脅かさない程度に声を大きくした。
「あったで、手応え……!」
ベルが「ええ」と頷く。
「わずかなのかもしれませんが、確実にカプリコルノ国は前進したように存じます」
と安堵の溜め息が漏れたとき、背後から「宰相閣下」とテンテンに耳打ちされた。
「大変だよ、手伝って……!」
振り返ったら、焦った顔があった。
「これから披露宴で出す料理がまだ出来上がってないんだ……!」
どういうことかとベルの眉間にシワが寄ると、テンテンが続けた。
「使用人の皆、ルフィーナ王妃陛下なんかのために料理を作ってやるもんかって、部屋に籠って手伝おうとしないんだ。今、料理長と副料理長たち、家政婦長、執事さんが急いで作ってるけどっ……」
「なんということでしょう……」
と眩暈を覚えたベルだったが、倒れている場合ではない。
すぐにマサムネを見た。
「というわけでムネ殿下、お得意の一発芸で時間稼ぎをお願い致します」
「おう、任せい。結婚式台無しにせんよう、頼んだでベル」
ベルは承知すると、テンテンのテレトラスポルトで宮廷に戻って行った。
下の中庭に飛んで、すぐに1階の廊下に駆け込むと、使用人の集団部屋の扉をハナと留守番のナナ・ネネが叩いて回っていた。
「頼むよ、みんなーっ! 手伝ってよーっ!」
「嫌ったら嫌よハナちゃん! 陛下とあの女の結婚式なんてお祝いしてやんない! 披露宴!? は!? あの女の皿に毒盛って死にゆく様を披露する宴なら、喜んで料理してやるけどね!」
と、集団部屋からケラケラと笑う声々が聞こえてくる。
半開きになっている厨房から、家政婦長ピエトラの怒声が聞こえて来た。
「もういい、ハナちゃん! 放っておきな! 今月の給料減らしてやるからね!」
ベルからも溜まらず怒声が上がろうかとき、今度は厨房から料理長フィコの声が聞こえて来た。
「ビーフステーキが人数分出来た、持ってけテンテン!」
「スィー!」と承知したテンテンが、急いだ様子でその場で足踏みしながらベルを見る。
「まとめて運びたいから、配膳台車を使っていい?」
「ええ、よろしいですよ。私が配膳台車に皿を並べていくので、テンテンさんは式場に運び、招待客の皆様にお出しください。急いでるからといって料理を零したりしないよう、きちんと丁寧にです」
「御意! もしおれが遅かったら、下の中庭の入り口まで配膳台車を持って来てくれると助かるんだけどっ…! おれテレトラスポルトの技術そんなに無いから、必ず狙った場所に飛ぶとは限らないんだ。だからいつも、広い中庭か裏庭に着くようにしてて」
「承知しました」
とベルはハナとナナ・ネネに向かって「手伝ってください!」と叫びながら、厨房に駆け込んで行く。
一台の配膳台車に急いでビステッカの皿を12皿乗せると、テンテンが早速「いってくる!」とテレトラスポルトした。
ベルは続けてもう一台の配膳台車に同じように皿を乗せると、今度はハナが「任せろ!」とテレトラスポルトで運んでいった。
さらにベルがナナ・ネネと共に残りの皿すべてを合計三台の配膳台車に乗せ終わったとき、2匹はまだ戻って来ていなかった。
それ故、その内の一台をテンテンがすぐに運べるよう、ベルが下の中庭の入口まで押して運んでいく。
「ベル、急ぐんだ! 次の料理も出来たよ!」
とのピエトラの言葉に「スィー!」と返事をし、踵を返そうと厨房の方へと身体を向き直したベル。
背後から気配を感じ、テンテンが戻ってきたのかと振り返るや否や、心臓が強く飛び跳ねた。
入口脇から手だけがぬっと出ていて、ベルに向かって伸びてくる。
咄嗟に「ひっ」と飛び退り、スカートを捲り上げて太腿に装備している短剣を取った。
そしてその手を切りつけようかとき、それはふっと目前から消えて行った。
(――テレトラスポルト……!)
心臓が大きな波を打っている。
ベルを傷付けるつもりだったら、バッリエーラに弾かれていたはずだ。
でも弾かれず、ベルに触れる寸前まで手は伸びていた。
(ならば、私を連れ去ろうとした……?)
テンテンが戻ってきた。
「急げ急げーっ!」
と配膳台車に手を掛けてまたテレトラスポルトしようとしたそれを、「お待ちください」と呼び止める。
「辺りにモストロ、またはメッゾサングエは居ませんか?」
「え?」と辺りを見回したテンテンが、うんと頷いてさっきの手が伸びてきた方向を指差した。
「涎垂らしたガット・ネーロがいるよ」
「え」
とベルは眉を寄せて、下の中庭を覗き込んで見る。
たしかに居た。
「美味そうな匂いだなー。やっと飯かー?」
とレオーネ語で問うて来る。オスのガット・ネーロだ。
さっきの手も男を想像するものだった。
(では、さっきの手はこのネーロってこと……?)
とベルは安堵からくる脱力感に襲われながら、ネーロの問いに対してレオーネ語で「ええ、お待たせいたしました」と返した。
それは嬉しそうに「分かった!」とテレトラスポルトで去っていった――結婚式場へと戻っていった。
「なんか、主の下を離れて勝手に町に遊びに行ってるネーロたちがいるみたいだよ。さっき飼い主っぽい人たちが探してた」
「そういうことですか」
「おっと、運ばなきゃ!」
とテンテンが配膳台車を結婚式場へと運んでいく。
厨房へ戻ろうと振り返ったら、ハナが戻ってきたところだった。
「ガットのオスって妙に自由ですねぇ、ハナ?」
「ああ、オスはひたすら食う・寝る・遊ぶの勝手気儘お気楽ネコ生活に明け暮れて生きる奴ばっかだぞー。野生は当然、飼われてる奴でも多い。飼い主がいくら口で言っても、エサがなきゃ言うこと聞かないんだ」
「そうですか」
と苦笑したベルの前から、ハナも次の配膳台車を持って飛んでいった。
ベルはやれやれと厨房へと戻って行ったが、次の配膳台車をまた下の中庭の入り口まで運んで行くときに、はっとして立ち止まった。
また心臓が波打つ。
思い返すは、さっきの手と、さっきのネーロ。
(袖が――服が、違わなかった……?)
さっきのネーロはレオーネ服で、袂と呼ばれる垂れ下がった袖をしていた。
(さっきの手の方は……?)
動転したこともあって、はっきりと思い出せない。
でも、レオーネ服の袂では無かったように思う。
あとガットの爪は鋭いが、それはちゃんと短く切られていた気がした。
急に下の中庭の入り口が不気味に感じ、足が完全に止まる。
「ナナさんネネさん、交代をお願い致します。私が配膳台車にお皿を乗せますので」
2匹の承知の返事を聞いた後、ベルは逃げるように厨房の中に入っていった。
――披露宴をなんとか終えた後、ベルと家政婦長ピエトラに1階の廊下へと引き摺り出され、正座させられ、こっ酷く叱られている使用人たち。
しかし、今月の給料2割減にすると言っても、反省しないと今後の給料すべて減給と言っても、つんとした態度だった。
それもそのはず、酒池肉林王は甘かった。
「そんなに叱らずとももう良い、ベル、第二の母上。遅れはしたが料理は最後のドルチェまでちゃんと出て来たのだし、もう良かろう。皆の今月の給料も、今後の給料も今まで通りだ」
使用人たちの顔がぱっと明るくなった。
「だが、これから3日間は宴だ。そのあいだ友好国の王侯貴族もいるから、厨房の手伝いを頼めるか?」
「スィー」と使用人たちの声が揃った。
「喜んで、陛下! ただの宴の料理なら、いくらでも!」
「ありがとう。では、早速厨房に向かってくれ」
使用人たちが厨房へと向かったり、裏庭へ宴会会場を作りにいく一方。
フラヴィオが「来い」とベルを抱き上げ、階段を1階から4階まで3段飛ばしで駆け上がっていく。
階段脇のベルの部屋に入るなり、裏庭が見える窓付近にあるレットに向かって「この悪い子めぇーっ!」とベルを放り投げる。
「良い女でございまぁーす」
と弧を描いて飛んでいった小さな身体は、昨日の誕生日から国王夫妻のレット並にふかふかふわふわ仕様になったレットにやわらかな音を立てて埋もれた。
「また勝手なことをしよって! なんだ『宰相直筆の手紙』が町に貼られたって!? 自ら悪者にされるようなことをするんじゃない!」
「ですから、フラヴィオ様……」
とベルが溜め息交じりに呆れ顔になると、フラヴィオがむっとしてその小さな顔の頬を引っ張った。
「善とされることは余が、悪とされることはそなたが、とか何とか言うんだろう!?」
「ええ、そうです。今回だけでなく、今後も何かある度に起こるシワ寄せが私に集まれば好都合というもの。さすれば、いざとなったとき私が責任を取ればそれで済むのですから」
「気に食わぬ!」
ベルの顔もむっとした。
「国王陛下であらせられるご自覚をお持ちいただきたく存じます!」
「守られる側の天使である自覚を持て!」
「国王陛下の助けとなるのは天使の仕事のひとつでございます!」
「余が天使に求めるのは一に『生きること』、二に『癒しになること』だ! それなのに、そなたいっっっつも癒しの仕事から掛け離れたことをしよって!」
「なんですって?」
とベルの声が冷然と響くと、フラヴィオの肩がびくついた。
ベルの小さな唇が尖っていく。
「たしかに私は天使の仕事の中でも『国王陛下の癒しとなること』が不得意ではありますが、フラヴィオ様は私が今までまったく果たせなかったとでも仰るのですか? ああ、なんと悲しきことでしょう。ベルナデッタは毎晩毎晩、日によっては寝起き・朝・昼・晩・おやつ・寝る前・夜食と息も絶え絶えにフラヴィオ様のお相手をし――」
「ごめんなさいなのだ」
と焦りを覚えて謝罪したフラヴィオだったが、それは不貞腐れてしまったらしい。
フラヴィオに背を見せて横臥する。
「使用人の皆も仕事に戻ったことですし、寝不足なので宴の開始まで少し眠ります」
「あ、あのっ……」
と、フラヴィオが狼狽してしまいながらベルの傍らに寝転がる。
「眠たいところ申し訳ないのだが、癒しの仕事をお願いしますなのだっ……」
とベルの細い腕を掴んで揺すったら、すぐに振り払われた。
「ルフィーナ王妃陛下にお願いしたら如何ですか?」
「――」
部屋の中が静寂に包まれる。
それは数秒後に、ベルの小さな溜め息に破られた。
振り返ると、傷付いた碧眼がある。
「嘘です」
と、その大柄な身体を押し倒すように仰向けにしてバーチョする。
マストランジェロ一族の男は皆繊細な心を持ち合わせているが、特にフラヴィオの心はガラスのようだ。
フラヴィオの最寵愛である自覚がありながら、天使軍の元帥として大失態だった。
「愛しています、フラヴィオ様。7番目の天使ベルナデッタは、フラヴィオ様を愛しています」
花婿衣装を脱がして、愛撫して、主のひび割れた心を修復していく。
傷が癒えて、フラヴィオの吐息が熱くなってきた頃、窓が小さな物音を立てた。
その刹那――
「――いっ!?」
と、股間を押さえたフラヴィオの身体が『く』の字に跳ねあがる。
「も、申し訳ございません、大丈夫ですかフラヴィオ様!?」
「な…なんで噛んだのだ…!? 余のこと本当に愛しているかアモーレ……!?」
「愛しています愛しています、申し訳ございません! 窓から音がして驚いてしまってっ……!」
とその窓に顔を向けると、オスのガット・ネーロ2匹がニヤニヤとしながらこちらを覗き込んでいた。
「すげー、カプリコルノ国王の浮気現場だー」
「さっすが酒池肉林王だなー。まーオレも野生にガキ40匹くらいいるけどなー」
フラヴィオが「見るな」と眉を吊り上げると、2匹は「ごめんなさーい」と笑ってテレトラスポルトで消えていった。
「オスのネーロはチョロチョロと落ち着きがないな。メスは飼い主の傍でおとなしくしているのが多いのに、オスは島のあちこちに遊びに行っているそうだ」
「え、ええ、そのようで。し、心臓に悪いのですっ……」
と動揺している栗色の瞳を見て、フラヴィオが「アモーレ?」と小首を傾げた。
「どうした? なんか怯えてないか?」
「だ、大丈夫です、お気になさらず」
と愛撫を再開しようとしたベルを、フラヴィオが「もう良い」と言って枕の方へと引っ張り上げた。
本日結婚式のために着飾った華やかなヴェスティートを脱がして、愛撫を交代する。
昨日までと変わらず愛されながら、ベルの視線が度々窓へと向く。
風が窓を叩いた音にまたびくつき、ガット・ネーロの手が見えて「ひっ」とフラヴィオの胸にしがみ付く。
フラヴィオは外のネーロに向かって「こら」と言って追っ払うと、腕の中のベルを「よしよし」と抱き締めた。
「落ち着かないなぁ、アモーレ? でも宴が終わるまでの3日間の辛抱だ」
「あ、あのフラヴィオ様? 此度の招待客のネーロは皆、レオーネ服でしたでしょうかっ……?」
「うむ。ガットは新しい服より、着慣れている服を好む傾向にあるらしい」
「で、では、爪を切っているネーロはっ……?」
「爪? そこまで見ていないが、切らないんじゃないか? 彼らの身を守る武器だからな」
「そ、そうですかっ……」
と尚のこと胸にしがみ付いてくるベルの様子を見て、フラヴィオが不審そうに眉を寄せた。
「何か変だぞ、アモーレ。どうかしたのか」
「ベルナデッタはフラヴィオ様が愛おしいだけでございます」
「そうかそうか」
とあっさり恍惚としたフラヴィオの腕の中から、ベルの視線はやはり窓へと向く。
さっきの『手』の恐怖が消えない。
(あれは本当に招待客のネーロだったの……?)
そうであって欲しいが、不安感が残る。
思い出してみても、やはりあの『手』はベルを連れ去ろうとしていたように感じる。きっとテレトラスポルトで、誰も気付かぬ一瞬のうちに。
あの『手』に害意がない限りそれをバッリエーラで防ぐことは出来なく、あのとき気配に気付かず振り返っていなかったらと考えると、身の毛がよだつような思いだった。
(私を連れ去るとしたら誰? 私を連れ去るとしたら……)
間もなく、脳裏にひとりの男が浮かぶ。
(――カンクロ国王ワン・ジン……?)
ハナの仕事は間に合ったらしく、結婚式に招いたレオーネ・サジッターリオ・ヴィルジネ国の王侯貴族やガット・ネーロが用意された椅子に着席して待っていた。
立ち上がった一同の拍手に迎えられながら馬車が到着すると、辺りには甘いあんこの匂いが漂っていた。
コニッリョが怯えないよう、人間から距離を置いたところ――山に少し入ったところでヴァレンティーナとタロウがあんこ鍋を掻き回している。
そして予定通り、周りには山から下りてきたコニッリョたちが涎を垂らしながら集まっていた。
「では、お願いしますタロウさん」
とベルが言うと、ヴァレンティーナと一緒にあんこ鍋を掻き回していたタロウが承知した。
フラヴィオとルフィーナだけを、コニッリョが逃げないギリギリの距離まで引っ張っていく。
「待った、タロウ」
と、フェデリコが、碧眼で辺りを見渡していく。
「私とドルフもお二方の近くに寄っていいか?」
さっき町で見た2人組のことが頭に引っ掛かっていた。
フェデリコの少し緊張した面持ちを見て、察したタロウが「いいよ」と言った。
「護衛でしょ? 2人の斜め後ろくらいに立ってて」
フェデリコとアドルフォが承知し、タロウに言われた位置に武器を持って立つ。
「これでいいかな?」
「待った、念のためアラブもだ」
と、フェデリコがアラブを手招きすると、それは新郎新婦が隠れて見えなくなってしまわぬよう、少し後ろの方に立った。
「もういいね? じゃあ、始めるよ」
とタロウは新郎新婦の目前に立つと、咳払いをして声を大きくした。
「新郎フラヴィオ、あなたはここにいるルフィーナを、病める時も健やかなる時も……」
と、まるで教会の中で司祭と行うプリームラ式のような誓いの言葉をタロウが述べていくと、コニッリョたちの垂れた白ウサギの耳が反応した。
その様々な色の瞳がフラヴィオとルフィーナに向けられていく。
そしてフラヴィオとルフィーナが「誓います」の言葉を交わし、指輪交換をし、フラヴィオが『ありがとう』という意味のある頬への誓いのバーチョをすると、明らかな動揺を見せた。
目を疑った様子で顔を見合わせ、人間には分からない言葉を交わし、2人を好奇の眼差しで見つめる。
「よっしゃ」と、マサムネがコニッリョたちを脅かさない程度に声を大きくした。
「あったで、手応え……!」
ベルが「ええ」と頷く。
「わずかなのかもしれませんが、確実にカプリコルノ国は前進したように存じます」
と安堵の溜め息が漏れたとき、背後から「宰相閣下」とテンテンに耳打ちされた。
「大変だよ、手伝って……!」
振り返ったら、焦った顔があった。
「これから披露宴で出す料理がまだ出来上がってないんだ……!」
どういうことかとベルの眉間にシワが寄ると、テンテンが続けた。
「使用人の皆、ルフィーナ王妃陛下なんかのために料理を作ってやるもんかって、部屋に籠って手伝おうとしないんだ。今、料理長と副料理長たち、家政婦長、執事さんが急いで作ってるけどっ……」
「なんということでしょう……」
と眩暈を覚えたベルだったが、倒れている場合ではない。
すぐにマサムネを見た。
「というわけでムネ殿下、お得意の一発芸で時間稼ぎをお願い致します」
「おう、任せい。結婚式台無しにせんよう、頼んだでベル」
ベルは承知すると、テンテンのテレトラスポルトで宮廷に戻って行った。
下の中庭に飛んで、すぐに1階の廊下に駆け込むと、使用人の集団部屋の扉をハナと留守番のナナ・ネネが叩いて回っていた。
「頼むよ、みんなーっ! 手伝ってよーっ!」
「嫌ったら嫌よハナちゃん! 陛下とあの女の結婚式なんてお祝いしてやんない! 披露宴!? は!? あの女の皿に毒盛って死にゆく様を披露する宴なら、喜んで料理してやるけどね!」
と、集団部屋からケラケラと笑う声々が聞こえてくる。
半開きになっている厨房から、家政婦長ピエトラの怒声が聞こえて来た。
「もういい、ハナちゃん! 放っておきな! 今月の給料減らしてやるからね!」
ベルからも溜まらず怒声が上がろうかとき、今度は厨房から料理長フィコの声が聞こえて来た。
「ビーフステーキが人数分出来た、持ってけテンテン!」
「スィー!」と承知したテンテンが、急いだ様子でその場で足踏みしながらベルを見る。
「まとめて運びたいから、配膳台車を使っていい?」
「ええ、よろしいですよ。私が配膳台車に皿を並べていくので、テンテンさんは式場に運び、招待客の皆様にお出しください。急いでるからといって料理を零したりしないよう、きちんと丁寧にです」
「御意! もしおれが遅かったら、下の中庭の入り口まで配膳台車を持って来てくれると助かるんだけどっ…! おれテレトラスポルトの技術そんなに無いから、必ず狙った場所に飛ぶとは限らないんだ。だからいつも、広い中庭か裏庭に着くようにしてて」
「承知しました」
とベルはハナとナナ・ネネに向かって「手伝ってください!」と叫びながら、厨房に駆け込んで行く。
一台の配膳台車に急いでビステッカの皿を12皿乗せると、テンテンが早速「いってくる!」とテレトラスポルトした。
ベルは続けてもう一台の配膳台車に同じように皿を乗せると、今度はハナが「任せろ!」とテレトラスポルトで運んでいった。
さらにベルがナナ・ネネと共に残りの皿すべてを合計三台の配膳台車に乗せ終わったとき、2匹はまだ戻って来ていなかった。
それ故、その内の一台をテンテンがすぐに運べるよう、ベルが下の中庭の入口まで押して運んでいく。
「ベル、急ぐんだ! 次の料理も出来たよ!」
とのピエトラの言葉に「スィー!」と返事をし、踵を返そうと厨房の方へと身体を向き直したベル。
背後から気配を感じ、テンテンが戻ってきたのかと振り返るや否や、心臓が強く飛び跳ねた。
入口脇から手だけがぬっと出ていて、ベルに向かって伸びてくる。
咄嗟に「ひっ」と飛び退り、スカートを捲り上げて太腿に装備している短剣を取った。
そしてその手を切りつけようかとき、それはふっと目前から消えて行った。
(――テレトラスポルト……!)
心臓が大きな波を打っている。
ベルを傷付けるつもりだったら、バッリエーラに弾かれていたはずだ。
でも弾かれず、ベルに触れる寸前まで手は伸びていた。
(ならば、私を連れ去ろうとした……?)
テンテンが戻ってきた。
「急げ急げーっ!」
と配膳台車に手を掛けてまたテレトラスポルトしようとしたそれを、「お待ちください」と呼び止める。
「辺りにモストロ、またはメッゾサングエは居ませんか?」
「え?」と辺りを見回したテンテンが、うんと頷いてさっきの手が伸びてきた方向を指差した。
「涎垂らしたガット・ネーロがいるよ」
「え」
とベルは眉を寄せて、下の中庭を覗き込んで見る。
たしかに居た。
「美味そうな匂いだなー。やっと飯かー?」
とレオーネ語で問うて来る。オスのガット・ネーロだ。
さっきの手も男を想像するものだった。
(では、さっきの手はこのネーロってこと……?)
とベルは安堵からくる脱力感に襲われながら、ネーロの問いに対してレオーネ語で「ええ、お待たせいたしました」と返した。
それは嬉しそうに「分かった!」とテレトラスポルトで去っていった――結婚式場へと戻っていった。
「なんか、主の下を離れて勝手に町に遊びに行ってるネーロたちがいるみたいだよ。さっき飼い主っぽい人たちが探してた」
「そういうことですか」
「おっと、運ばなきゃ!」
とテンテンが配膳台車を結婚式場へと運んでいく。
厨房へ戻ろうと振り返ったら、ハナが戻ってきたところだった。
「ガットのオスって妙に自由ですねぇ、ハナ?」
「ああ、オスはひたすら食う・寝る・遊ぶの勝手気儘お気楽ネコ生活に明け暮れて生きる奴ばっかだぞー。野生は当然、飼われてる奴でも多い。飼い主がいくら口で言っても、エサがなきゃ言うこと聞かないんだ」
「そうですか」
と苦笑したベルの前から、ハナも次の配膳台車を持って飛んでいった。
ベルはやれやれと厨房へと戻って行ったが、次の配膳台車をまた下の中庭の入り口まで運んで行くときに、はっとして立ち止まった。
また心臓が波打つ。
思い返すは、さっきの手と、さっきのネーロ。
(袖が――服が、違わなかった……?)
さっきのネーロはレオーネ服で、袂と呼ばれる垂れ下がった袖をしていた。
(さっきの手の方は……?)
動転したこともあって、はっきりと思い出せない。
でも、レオーネ服の袂では無かったように思う。
あとガットの爪は鋭いが、それはちゃんと短く切られていた気がした。
急に下の中庭の入り口が不気味に感じ、足が完全に止まる。
「ナナさんネネさん、交代をお願い致します。私が配膳台車にお皿を乗せますので」
2匹の承知の返事を聞いた後、ベルは逃げるように厨房の中に入っていった。
――披露宴をなんとか終えた後、ベルと家政婦長ピエトラに1階の廊下へと引き摺り出され、正座させられ、こっ酷く叱られている使用人たち。
しかし、今月の給料2割減にすると言っても、反省しないと今後の給料すべて減給と言っても、つんとした態度だった。
それもそのはず、酒池肉林王は甘かった。
「そんなに叱らずとももう良い、ベル、第二の母上。遅れはしたが料理は最後のドルチェまでちゃんと出て来たのだし、もう良かろう。皆の今月の給料も、今後の給料も今まで通りだ」
使用人たちの顔がぱっと明るくなった。
「だが、これから3日間は宴だ。そのあいだ友好国の王侯貴族もいるから、厨房の手伝いを頼めるか?」
「スィー」と使用人たちの声が揃った。
「喜んで、陛下! ただの宴の料理なら、いくらでも!」
「ありがとう。では、早速厨房に向かってくれ」
使用人たちが厨房へと向かったり、裏庭へ宴会会場を作りにいく一方。
フラヴィオが「来い」とベルを抱き上げ、階段を1階から4階まで3段飛ばしで駆け上がっていく。
階段脇のベルの部屋に入るなり、裏庭が見える窓付近にあるレットに向かって「この悪い子めぇーっ!」とベルを放り投げる。
「良い女でございまぁーす」
と弧を描いて飛んでいった小さな身体は、昨日の誕生日から国王夫妻のレット並にふかふかふわふわ仕様になったレットにやわらかな音を立てて埋もれた。
「また勝手なことをしよって! なんだ『宰相直筆の手紙』が町に貼られたって!? 自ら悪者にされるようなことをするんじゃない!」
「ですから、フラヴィオ様……」
とベルが溜め息交じりに呆れ顔になると、フラヴィオがむっとしてその小さな顔の頬を引っ張った。
「善とされることは余が、悪とされることはそなたが、とか何とか言うんだろう!?」
「ええ、そうです。今回だけでなく、今後も何かある度に起こるシワ寄せが私に集まれば好都合というもの。さすれば、いざとなったとき私が責任を取ればそれで済むのですから」
「気に食わぬ!」
ベルの顔もむっとした。
「国王陛下であらせられるご自覚をお持ちいただきたく存じます!」
「守られる側の天使である自覚を持て!」
「国王陛下の助けとなるのは天使の仕事のひとつでございます!」
「余が天使に求めるのは一に『生きること』、二に『癒しになること』だ! それなのに、そなたいっっっつも癒しの仕事から掛け離れたことをしよって!」
「なんですって?」
とベルの声が冷然と響くと、フラヴィオの肩がびくついた。
ベルの小さな唇が尖っていく。
「たしかに私は天使の仕事の中でも『国王陛下の癒しとなること』が不得意ではありますが、フラヴィオ様は私が今までまったく果たせなかったとでも仰るのですか? ああ、なんと悲しきことでしょう。ベルナデッタは毎晩毎晩、日によっては寝起き・朝・昼・晩・おやつ・寝る前・夜食と息も絶え絶えにフラヴィオ様のお相手をし――」
「ごめんなさいなのだ」
と焦りを覚えて謝罪したフラヴィオだったが、それは不貞腐れてしまったらしい。
フラヴィオに背を見せて横臥する。
「使用人の皆も仕事に戻ったことですし、寝不足なので宴の開始まで少し眠ります」
「あ、あのっ……」
と、フラヴィオが狼狽してしまいながらベルの傍らに寝転がる。
「眠たいところ申し訳ないのだが、癒しの仕事をお願いしますなのだっ……」
とベルの細い腕を掴んで揺すったら、すぐに振り払われた。
「ルフィーナ王妃陛下にお願いしたら如何ですか?」
「――」
部屋の中が静寂に包まれる。
それは数秒後に、ベルの小さな溜め息に破られた。
振り返ると、傷付いた碧眼がある。
「嘘です」
と、その大柄な身体を押し倒すように仰向けにしてバーチョする。
マストランジェロ一族の男は皆繊細な心を持ち合わせているが、特にフラヴィオの心はガラスのようだ。
フラヴィオの最寵愛である自覚がありながら、天使軍の元帥として大失態だった。
「愛しています、フラヴィオ様。7番目の天使ベルナデッタは、フラヴィオ様を愛しています」
花婿衣装を脱がして、愛撫して、主のひび割れた心を修復していく。
傷が癒えて、フラヴィオの吐息が熱くなってきた頃、窓が小さな物音を立てた。
その刹那――
「――いっ!?」
と、股間を押さえたフラヴィオの身体が『く』の字に跳ねあがる。
「も、申し訳ございません、大丈夫ですかフラヴィオ様!?」
「な…なんで噛んだのだ…!? 余のこと本当に愛しているかアモーレ……!?」
「愛しています愛しています、申し訳ございません! 窓から音がして驚いてしまってっ……!」
とその窓に顔を向けると、オスのガット・ネーロ2匹がニヤニヤとしながらこちらを覗き込んでいた。
「すげー、カプリコルノ国王の浮気現場だー」
「さっすが酒池肉林王だなー。まーオレも野生にガキ40匹くらいいるけどなー」
フラヴィオが「見るな」と眉を吊り上げると、2匹は「ごめんなさーい」と笑ってテレトラスポルトで消えていった。
「オスのネーロはチョロチョロと落ち着きがないな。メスは飼い主の傍でおとなしくしているのが多いのに、オスは島のあちこちに遊びに行っているそうだ」
「え、ええ、そのようで。し、心臓に悪いのですっ……」
と動揺している栗色の瞳を見て、フラヴィオが「アモーレ?」と小首を傾げた。
「どうした? なんか怯えてないか?」
「だ、大丈夫です、お気になさらず」
と愛撫を再開しようとしたベルを、フラヴィオが「もう良い」と言って枕の方へと引っ張り上げた。
本日結婚式のために着飾った華やかなヴェスティートを脱がして、愛撫を交代する。
昨日までと変わらず愛されながら、ベルの視線が度々窓へと向く。
風が窓を叩いた音にまたびくつき、ガット・ネーロの手が見えて「ひっ」とフラヴィオの胸にしがみ付く。
フラヴィオは外のネーロに向かって「こら」と言って追っ払うと、腕の中のベルを「よしよし」と抱き締めた。
「落ち着かないなぁ、アモーレ? でも宴が終わるまでの3日間の辛抱だ」
「あ、あのフラヴィオ様? 此度の招待客のネーロは皆、レオーネ服でしたでしょうかっ……?」
「うむ。ガットは新しい服より、着慣れている服を好む傾向にあるらしい」
「で、では、爪を切っているネーロはっ……?」
「爪? そこまで見ていないが、切らないんじゃないか? 彼らの身を守る武器だからな」
「そ、そうですかっ……」
と尚のこと胸にしがみ付いてくるベルの様子を見て、フラヴィオが不審そうに眉を寄せた。
「何か変だぞ、アモーレ。どうかしたのか」
「ベルナデッタはフラヴィオ様が愛おしいだけでございます」
「そうかそうか」
とあっさり恍惚としたフラヴィオの腕の中から、ベルの視線はやはり窓へと向く。
さっきの『手』の恐怖が消えない。
(あれは本当に招待客のネーロだったの……?)
そうであって欲しいが、不安感が残る。
思い出してみても、やはりあの『手』はベルを連れ去ろうとしていたように感じる。きっとテレトラスポルトで、誰も気付かぬ一瞬のうちに。
あの『手』に害意がない限りそれをバッリエーラで防ぐことは出来なく、あのとき気配に気付かず振り返っていなかったらと考えると、身の毛がよだつような思いだった。
(私を連れ去るとしたら誰? 私を連れ去るとしたら……)
間もなく、脳裏にひとりの男が浮かぶ。
(――カンクロ国王ワン・ジン……?)
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