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第44話ー4
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サルヴァトーレはまたお腹が空いたので、母に乳をもらいながら天使たちの声に耳を傾ける。
「おはよう、トーレ」
と天使番号1番ベラドンナ(満33歳)。
アドルフォ叔父上の妻で、サルヴァトーレの叔母。
絶世の美女を謳われるその笑顔はとても美しく、そして真夏に咲くヒマワリのように明るい。
「おはよう、トーレ殿下」
と続いて、天使番号2番アリーチェ(満31歳)
フェデリコ叔父上の妻なので、こちらもサルヴァトーレの叔母。
虫一匹殺せないほど優しい心を持っているこちらの笑顔は、その性格を表したもの。
「はぁーっ、今日も可愛いわトーレ! うちのジルはドルフそっくりで、産まれたときから筋骨隆々だったからさーあ? この赤ちゃんらしいプクプク感が無かったのよねー」
「本当、可愛いわトーレ殿下。うちのレオも絶世の美幼児だって言われるけど、やっぱり男の子って感じなのよ。平均より大きいし、力もあるみたいだし、マストランジェロ一族の男性って感じ。でもトーレ殿下はベルそっくりで、本当に女の子みたい。可愛いわぁ」
「フラヴィオ様じゃないけど、ヴェスティート着せたいわよね」
「そうだけど……でも駄目よ、ベラちゃん。昔のレンツォ殿下みたいに泣いちゃうわよ」
「大丈夫よ、アリー。物心つく前に着せちゃえば分かんないって。で、フェーデに絵を描いてもらいましょ」
母が咳払いをして「止めてください……」と呟いた。
宮廷には暮らしていないが、気付けば毎日訪ねて来ている天使番号3番・町天使セレーナ(満42歳)と天使番号4番・村天使パオラ(満20歳)が、「おはようございます」と声を揃える。
ベラドンナやアリーチェにも言えることだが、セレーナはとても若く、パオラとは親子ほどの年齢差があるはずなのに、こうして並んでいても姉妹ほどの年齢差に映る。
セレーナはいつも真っ白な歯が印象的な明るい笑顔を、パオラは純朴な笑顔をサルヴァトーレにくれる。
「何度見ても天使のようですね、トーレ殿下。大きくなったら、うちのパンをたくさん召し上がってくださいね」
「離乳食が始まったら、おらの作った野菜もいっぱいいっぱい食ってけろトーレ殿下。おらの長男のリクは9ヶ月になるんだけんども、甘いニンジンやカボチャをやわらかく煮込んだのが大好きだべよ。野菜をたくさん食べると、とっても健康に育つだよー?」
続いては、サルヴァトーレの異母姉――天使番号5番・皆大好き絶世の美王女ヴァレンティーナ(満14歳)。
サルヴァトーレとお揃いの金の髪はまるで金糸のようで、穢れなき澄んだ蒼の瞳は最高級のオルキデーア石すら価値を失う。
肌は珠のようだし、目鼻立ちは神の最高傑作。
その笑顔はまだ物心がついていないサルヴァトーレさえも蕩けさせてしまうような輝きを放っている。
「ああっ…なんて可愛いのかしら、私の新しい弟はっ……! 何度見ても、私の大好きなベルそっくり!」
母は姉の侍女でもあって、姉妹のように仲が良いらしい。
ちなみに姉の趣味は母の着せ替えで、姉の初恋は母だった。
「私もね、父上に賛成なのよトーレ? あなたは可愛く育たなくっちゃ。もうちょっと大きくなったら、ベルとお揃いのヴェスティートを着ましょうね」
母が苦笑した一方、天使番号6番・フェデリコ叔父上とアリーチェ叔母上夫妻の長女ビアンカ(満5歳)が「ダメよ!」と突っ込む。
アリーチェとそっくりな可愛らしい顔が膨らんでいた。
「ビアンカは反対よ、ティーナちゃま!」
「あら、どうしてビアンカ?」
「だって、カプリコルノ国の未成年女子の中で、ティーナちゃまだけがビアンカよりかわいかったのに! そんなことしたら、トーレちゃまもビアンカよりかわいくなっちゃうもの!」
ベラドンナが噴き出した。
「大丈夫よ、ビアンカ。ティーナは圧倒的だけど、アリーの顔が好きかベルの顔が好きかは、好みの問題だから。つまりどっちも同じくらい可愛いわよ」
「やーよ! きんぱつってところが、ビアンカよりトーレちゃまの方が上だもの! 女の子になるなんて、ゆるさないんだから!」
と、ビアンカがトーレに見せる顔は、膨れていることも結構多い。
でも、『お姉ちゃん』という感じだった。
「ビアンカはなんでも上手なのよ。お歌も、おどりも、お絵かきも。みんなあなたに教えてあげるわ」
「ウチはトーレに何を教えてあげられるやろなぁ?」
と、天使番号8番・カプリコルノ王太子妃アヤメ(満18歳)。
アドルフォ叔父上・ベラドンナ叔母上の養子ムサシの実の姉だが、糸目ではなく丸くて可愛らしい目をしている。
ぺちゃっとした顔の、ぽちゃっとした頬が可愛らしく、その笑顔もまた可愛らしい。
腰の下まである髪は、この国には珍しい黒髪の直毛だった。
「あ、お裁縫なら教えてあげられる。けど、男の子やしなぁ?」
「トーレに教えてあげるんじゃなくて、その腕を活かしてヴェスティートを作ってあげれば良いのよアヤメちゃん!」
「あぁ、そやなティーナちゃん。そうしよー。せや、レオーネ服も作ったろ」
「きゃーっ、楽しみ! レオーネ服って素敵よね!」
「だからビアンカはヤダって言ってるでしょ! つくるなら男の子の服にしてアヤメちゃま!」
騒がしくなる乳母の部屋の中、ひとりサルヴァトーレから距離を置いておとなしくしているのは天使番号9番・メッゾサングエ王妃ルフィーナ(満24歳)。
優しい目でサルヴァトーレを見つめているのだが、戸口付近に立ったままでいる。
時折サルヴァトーレから目が逸れたと思うと、それはいつも乳母たちの顔色をうかがっている。
またルフィーナは、あまりサルヴァトーレに触れたことが無かった。
乳母たちが授乳の時間だからとか、おむつを替えるからだの、なんやかんやと理由を付けてルフィーナに触れさせないからだ。
ルフィーナがひとりでやって来ると、部屋の外の衛兵に通してすらもらえないこともある。
いつもどこか悲しそうで、寂しそうに見えた。
――天使たちが去って行ってから少し経つと、今度は腹筋バキバキ家政婦長ピエトラ(満64歳)と白髪の執事ファウスト(満66歳)夫妻が訪れた。
2人はサルヴァトーレの従兄弟を連れていた。
ひとりはフェデリコ叔父上の四男レオナルド(2歳)で、サルヴァトーレの血の繋がった従兄弟。
もうひとりはアドルフォ叔父上の次男ジルベルト(2歳)で、こちらは血の繋がらない従兄弟。
レオナルドといえば一見して父とフェデリコ叔父上そっくりな絶世の美幼児で、ジルベルトといえばアドルフォ叔父上をそのまんま縮小した筋骨隆々巨大幼児だ。
これまで兄弟・従兄弟の中で最年少だった2人にとって、サルヴァトーレは特別な存在らしい。
10分違いで産まれた2人はいつも一緒で、1日に何度もサルヴァトーレの下へやって来る。
すでにサルヴァトーレの母よりも体重があるジルベルトは当然のこと、レオナルドも成長が早くて身体が大きく、2歳でもしっかりと歩き、走ることが出来た。
「ばあやですよー、トーレ殿下」
とピエトラは顔を綻ばせるが、外見年齢がまだ30代後半なだけに違和感のある台詞だ。
「じいやですぞー、トーレ殿下」
とファウストも顔を綻ばせるが、こちらはその台詞がしっくり来る。
「おはよう、トーレでんか。レオだよ」
と、サルヴァトーレが産まれて以降、『お兄ちゃん』の顔になったレオナルド。
「おっす、トーレ。ジルだぞ」
と、2歳児から掛け離れた大変たくましく野太い声でジルベルト。
今日はレオナルドが手に一本の薔薇を握り締めていた。
それをサルヴァトーレの顔の横に置く。
「すきです。ケッコンしてください」
ピエトラとファウストが「おやおや」と、微笑ましそうに笑った。
その傍ら、「え……?」と些か衝撃を受けた様子のジルベルト。
レオナルドとサルヴァトーレの顔を交互に見ると、ごくりと喉を鳴らした。
「トーレがすきなのか、レオ……」
「だいすき」
と絶世の美幼児必殺・破顔一笑。
ここが町中だったら、視線の先の女という女の腰が砕けている。
ジルベルトが意を決した様子で「わかった」と言った。
「レオもトーレもオレがまもってやる」
「よかったねー、トーレでんか」
「ぶじにケッコンしな」
4人が乳母の部屋を後にしたら、またしばらく眠る。
午前11時頃にはまた『中の中庭』で鍛錬をしていた一同が雪崩れ込んで来る。
そして汗だくの父に抱っこされる。
「よしよし、風呂の時間だぞートーレ」
サルヴァトーレの入浴の担当は父だった。
叔父たちや兄弟・従兄弟も手伝ってくれる。
1階の将兵専用の浴場へ向かい、父の腕に抱かれながらぬるめのお湯に浸かる。
「気持ち良いか、トーレ。そーかそーか」
終わったら脱衣所に出てふかふかのタオルで拭いてもらい、おむつを当ててもらう。
これに関しては、父よりフェデリコ叔父上の方が上手だった。
てきぱきと布を折っておむつを作り、手早く当てて湯冷めする前に服を着せてくれる。
「よーし、出来たぞートーレ」
と、父と瓜二つの笑顔。
「ん? 指加えて、腹が減ったのか」
「む、いかん! 待っていろ、トーレ!」
と、フェデリコ叔父上の腕から父の腕へと移る。
「兄上、そんなに急がなくても」
「何を言っているのだフェーデ! 泣くほど腹が減ってからでは可哀想だろう!」
脱衣所の扉を開けると、そこにはカンクロ国の町医者リンリー(満42歳)と、その送迎係の母の女官――カーネ・ロッソのリエン(満18歳)がいた。
母もいる。
「こんにちは、カプリコルノ陛下。あら、トーレ殿下がお腹を空かせていますね」
「そのようです。リンリー先生、トーレの健康診断は授乳の後でもよろしいですか?」
「もちろんです、女王陛下」
「ありがとうございます」
サルヴァトーレは今度は母の腕に抱かれると、また乳母の部屋へと向かって行く。
リエンも付いてきた。
その途中、父とリンリー先生の会話が聞こえて来た。
「おめでとうございます、カプリコルノ陛下。先ほど女王陛下の方の健診を終えました。治癒魔法ありでのお産でしたし、お身体の方はもうすっかり大丈夫ですよ。本日をもって、禁欲は解禁です」
「Oh……!」
「あ、お待ちくださいカプリコルノ陛下。授乳をしているあいだはそういう気分にならない女性も多いですから、強要するのは止めて差し上げてくださいね」
「む……」
乳母の部屋に入ったら、母に乳をもらう。
リエンが鼻をくんくんとひくつかせた。
「王太子殿下、もう甘い匂いしないネ。ちょっと前まデ、ふわふわトルタみたいな美味しそうな匂いしてたのニ。リンリー先生が言ってたけド、本当に生まれたての赤ちゃん限定の匂いだったんだネ」
とどこか残念そうにサルヴァトーレの頭を撫でながら、「ところで」と母の顔を見た。
「あの可哀想な人……」
「誰のことです?」
「メッゾサングエ王妃陛下」
ルフィーナのことだった。
「見てると、リエンのご主人様の母親――王太后陛下みたい。性格が似てるとかじゃなくテ、置かれてる環境ガ」
母が小さく「スィー」と相槌を打って俯いた。
「リエン、会う度にご主人様のこと訊かれるヨ」
「え?」
「ご主人様が幼少時代どんな生活を送っていたのかとカ。リエンがご主人様の飼い犬になったのって最近のことだかラ、子供の頃とかはそんなに答えてあげられないけド……何か悩んでるんじゃなイ? あのメッゾサングエ王妃陛下が産む子ハ、ご主人様と似たような立ち位置の子になるんだシ……」
母の栗色の瞳が揺れ動いたと思ったとき、リンリー先生が部屋に入ってきた。
「改めてこんにちは、トーレ殿下」
と、いつも優しい声のリンリー先生。
ごはん中のサルヴァトーレを見つめながら、優しく微笑んだ。
「おっぱいが終わったら、身体測定をしましょうね」
大きすぎることも、小さすぎることもない。
生後1ヶ月から2ヶ月の赤ん坊として平均的な身長56cm・体重4.8kgだった。
リンリー先生は他にも色々サルヴァトーレの健診を終えると、「良いですね」と言った。
健康に育っているらしい。
少しのあいだサルヴァトーレの相手をしてくれた後、リエンと一緒に帰国していった。
その後、昼餉が終わったフェデリコ叔父上に本日の絵日記を描いてもらう。
父に抱っこしてもらっているところを描いてもらった。
「さて、本日の日記の方はなんて書こうか……」
「大公閣下」
「スィー、第二の母上?」
「さっきトーレ殿下が、レオ様に求婚されていましたよ」
「え」
日記を書くフェデリコ叔父上の手と、サルヴァトーレをひしと抱く父の腕が小刻みに震えていた。
――午後3時頃になったら、本日はレオーネ国の皆が訪ねて来た。
いつも真っ先にサルヴァトーレを腕に抱くのは、母の親友――レオーネ国王太子マサムネ付きのガット・ネーロのハナ(満20歳)だ。
「ハナだぞー、トーレ。今日もベルみたいだなー。おまえは将来、間違いなく立派な国王になるぞー」
ハナはきっと、親友の子であるサルヴァトーレを自身の息子のように思っていた。
身を守るための武器である鋭い爪は毎回必ず切って来て、いつも優しく触れてくれる。
「ムネおいちゃんやでー、トーレ。おまえが困ったときは、おいちゃんが必ず助けたるからなー」
と、アヤメとムサシの実の父であるマサムネ(満36歳)が糸目顔を近付けて来ると、なんか臭う。
泣く。
「何してんのさ、マサムネ! 最近オヤジ臭するんだから、お風呂入ってから来ようって僕毎回言ってるじゃない! おー、よしよしトーレ。ほーら、猫さんのふわふわ尻尾だよー」
「せやかて、タロウおま……いや、トーレおま、泣くなや! ワイが泣くとこやろ!?」
そしてサルヴァトーレが中々泣き止まないでいると、そのうち『中の中庭』で鍛錬中の父の耳に入る。
父は装備するのに苦労する板金鎧を構わず廊下に脱ぎ捨て、その下の布鎧姿で乳母の部屋に「トーレ!」と飛び込んで来る。
「よしよし、どうしたのだトーレ。父上だぞー」
と布鎧で痛くなく、優しい父の腕に抱かれると、すぐに泣き止んで寝る。
こんな感じで両親・親戚・天使・友好国の皆・使用人・将兵・文官などが24時間ひっきりなしにやって来て、サルヴァトーレの1日は過ぎていく。
会いに来る回数で言ったら、父が一番多かった。
また今日は、夕刻過ぎに数分間だけ乳母たちが揃って部屋を空けたときがあった。
そのときルフィーナがぱっとテレトラスポルトで現れて、嬉しそうにサルヴァトーレを腕に抱いてくれた。
「こんばんは、トーレ殿下。ふふ、可愛い。本当に小さな女王陛下みたい」
その腕も笑顔も、他の皆と変わらずとても優しいものだった。
でもすぐに乳母のひとりが戻って来たら、部屋に悲鳴が鳴り渡った。
「何しているのですか!」
その声に驚いてサルヴァトーレが泣いてしまうと、乳母は尚のこと悲鳴を上げた。
他の乳母たちや衛兵たちも慌てて部屋に入って来て、ルフィーナの腕からサルヴァトーレを奪う。
「大丈夫ですか、トーレ殿下!」
ルフィーナが「何もしていません」と言っても、誰も信じようとはしなかった。
「出て行ってください!」
ルフィーナが部屋から出て行く直前、その横顔を涙が伝っていく。
それを感じ取ったサルヴァトーレの泣き声が、尚のこと1階の廊下に響き渡っていった。
「おはよう、トーレ」
と天使番号1番ベラドンナ(満33歳)。
アドルフォ叔父上の妻で、サルヴァトーレの叔母。
絶世の美女を謳われるその笑顔はとても美しく、そして真夏に咲くヒマワリのように明るい。
「おはよう、トーレ殿下」
と続いて、天使番号2番アリーチェ(満31歳)
フェデリコ叔父上の妻なので、こちらもサルヴァトーレの叔母。
虫一匹殺せないほど優しい心を持っているこちらの笑顔は、その性格を表したもの。
「はぁーっ、今日も可愛いわトーレ! うちのジルはドルフそっくりで、産まれたときから筋骨隆々だったからさーあ? この赤ちゃんらしいプクプク感が無かったのよねー」
「本当、可愛いわトーレ殿下。うちのレオも絶世の美幼児だって言われるけど、やっぱり男の子って感じなのよ。平均より大きいし、力もあるみたいだし、マストランジェロ一族の男性って感じ。でもトーレ殿下はベルそっくりで、本当に女の子みたい。可愛いわぁ」
「フラヴィオ様じゃないけど、ヴェスティート着せたいわよね」
「そうだけど……でも駄目よ、ベラちゃん。昔のレンツォ殿下みたいに泣いちゃうわよ」
「大丈夫よ、アリー。物心つく前に着せちゃえば分かんないって。で、フェーデに絵を描いてもらいましょ」
母が咳払いをして「止めてください……」と呟いた。
宮廷には暮らしていないが、気付けば毎日訪ねて来ている天使番号3番・町天使セレーナ(満42歳)と天使番号4番・村天使パオラ(満20歳)が、「おはようございます」と声を揃える。
ベラドンナやアリーチェにも言えることだが、セレーナはとても若く、パオラとは親子ほどの年齢差があるはずなのに、こうして並んでいても姉妹ほどの年齢差に映る。
セレーナはいつも真っ白な歯が印象的な明るい笑顔を、パオラは純朴な笑顔をサルヴァトーレにくれる。
「何度見ても天使のようですね、トーレ殿下。大きくなったら、うちのパンをたくさん召し上がってくださいね」
「離乳食が始まったら、おらの作った野菜もいっぱいいっぱい食ってけろトーレ殿下。おらの長男のリクは9ヶ月になるんだけんども、甘いニンジンやカボチャをやわらかく煮込んだのが大好きだべよ。野菜をたくさん食べると、とっても健康に育つだよー?」
続いては、サルヴァトーレの異母姉――天使番号5番・皆大好き絶世の美王女ヴァレンティーナ(満14歳)。
サルヴァトーレとお揃いの金の髪はまるで金糸のようで、穢れなき澄んだ蒼の瞳は最高級のオルキデーア石すら価値を失う。
肌は珠のようだし、目鼻立ちは神の最高傑作。
その笑顔はまだ物心がついていないサルヴァトーレさえも蕩けさせてしまうような輝きを放っている。
「ああっ…なんて可愛いのかしら、私の新しい弟はっ……! 何度見ても、私の大好きなベルそっくり!」
母は姉の侍女でもあって、姉妹のように仲が良いらしい。
ちなみに姉の趣味は母の着せ替えで、姉の初恋は母だった。
「私もね、父上に賛成なのよトーレ? あなたは可愛く育たなくっちゃ。もうちょっと大きくなったら、ベルとお揃いのヴェスティートを着ましょうね」
母が苦笑した一方、天使番号6番・フェデリコ叔父上とアリーチェ叔母上夫妻の長女ビアンカ(満5歳)が「ダメよ!」と突っ込む。
アリーチェとそっくりな可愛らしい顔が膨らんでいた。
「ビアンカは反対よ、ティーナちゃま!」
「あら、どうしてビアンカ?」
「だって、カプリコルノ国の未成年女子の中で、ティーナちゃまだけがビアンカよりかわいかったのに! そんなことしたら、トーレちゃまもビアンカよりかわいくなっちゃうもの!」
ベラドンナが噴き出した。
「大丈夫よ、ビアンカ。ティーナは圧倒的だけど、アリーの顔が好きかベルの顔が好きかは、好みの問題だから。つまりどっちも同じくらい可愛いわよ」
「やーよ! きんぱつってところが、ビアンカよりトーレちゃまの方が上だもの! 女の子になるなんて、ゆるさないんだから!」
と、ビアンカがトーレに見せる顔は、膨れていることも結構多い。
でも、『お姉ちゃん』という感じだった。
「ビアンカはなんでも上手なのよ。お歌も、おどりも、お絵かきも。みんなあなたに教えてあげるわ」
「ウチはトーレに何を教えてあげられるやろなぁ?」
と、天使番号8番・カプリコルノ王太子妃アヤメ(満18歳)。
アドルフォ叔父上・ベラドンナ叔母上の養子ムサシの実の姉だが、糸目ではなく丸くて可愛らしい目をしている。
ぺちゃっとした顔の、ぽちゃっとした頬が可愛らしく、その笑顔もまた可愛らしい。
腰の下まである髪は、この国には珍しい黒髪の直毛だった。
「あ、お裁縫なら教えてあげられる。けど、男の子やしなぁ?」
「トーレに教えてあげるんじゃなくて、その腕を活かしてヴェスティートを作ってあげれば良いのよアヤメちゃん!」
「あぁ、そやなティーナちゃん。そうしよー。せや、レオーネ服も作ったろ」
「きゃーっ、楽しみ! レオーネ服って素敵よね!」
「だからビアンカはヤダって言ってるでしょ! つくるなら男の子の服にしてアヤメちゃま!」
騒がしくなる乳母の部屋の中、ひとりサルヴァトーレから距離を置いておとなしくしているのは天使番号9番・メッゾサングエ王妃ルフィーナ(満24歳)。
優しい目でサルヴァトーレを見つめているのだが、戸口付近に立ったままでいる。
時折サルヴァトーレから目が逸れたと思うと、それはいつも乳母たちの顔色をうかがっている。
またルフィーナは、あまりサルヴァトーレに触れたことが無かった。
乳母たちが授乳の時間だからとか、おむつを替えるからだの、なんやかんやと理由を付けてルフィーナに触れさせないからだ。
ルフィーナがひとりでやって来ると、部屋の外の衛兵に通してすらもらえないこともある。
いつもどこか悲しそうで、寂しそうに見えた。
――天使たちが去って行ってから少し経つと、今度は腹筋バキバキ家政婦長ピエトラ(満64歳)と白髪の執事ファウスト(満66歳)夫妻が訪れた。
2人はサルヴァトーレの従兄弟を連れていた。
ひとりはフェデリコ叔父上の四男レオナルド(2歳)で、サルヴァトーレの血の繋がった従兄弟。
もうひとりはアドルフォ叔父上の次男ジルベルト(2歳)で、こちらは血の繋がらない従兄弟。
レオナルドといえば一見して父とフェデリコ叔父上そっくりな絶世の美幼児で、ジルベルトといえばアドルフォ叔父上をそのまんま縮小した筋骨隆々巨大幼児だ。
これまで兄弟・従兄弟の中で最年少だった2人にとって、サルヴァトーレは特別な存在らしい。
10分違いで産まれた2人はいつも一緒で、1日に何度もサルヴァトーレの下へやって来る。
すでにサルヴァトーレの母よりも体重があるジルベルトは当然のこと、レオナルドも成長が早くて身体が大きく、2歳でもしっかりと歩き、走ることが出来た。
「ばあやですよー、トーレ殿下」
とピエトラは顔を綻ばせるが、外見年齢がまだ30代後半なだけに違和感のある台詞だ。
「じいやですぞー、トーレ殿下」
とファウストも顔を綻ばせるが、こちらはその台詞がしっくり来る。
「おはよう、トーレでんか。レオだよ」
と、サルヴァトーレが産まれて以降、『お兄ちゃん』の顔になったレオナルド。
「おっす、トーレ。ジルだぞ」
と、2歳児から掛け離れた大変たくましく野太い声でジルベルト。
今日はレオナルドが手に一本の薔薇を握り締めていた。
それをサルヴァトーレの顔の横に置く。
「すきです。ケッコンしてください」
ピエトラとファウストが「おやおや」と、微笑ましそうに笑った。
その傍ら、「え……?」と些か衝撃を受けた様子のジルベルト。
レオナルドとサルヴァトーレの顔を交互に見ると、ごくりと喉を鳴らした。
「トーレがすきなのか、レオ……」
「だいすき」
と絶世の美幼児必殺・破顔一笑。
ここが町中だったら、視線の先の女という女の腰が砕けている。
ジルベルトが意を決した様子で「わかった」と言った。
「レオもトーレもオレがまもってやる」
「よかったねー、トーレでんか」
「ぶじにケッコンしな」
4人が乳母の部屋を後にしたら、またしばらく眠る。
午前11時頃にはまた『中の中庭』で鍛錬をしていた一同が雪崩れ込んで来る。
そして汗だくの父に抱っこされる。
「よしよし、風呂の時間だぞートーレ」
サルヴァトーレの入浴の担当は父だった。
叔父たちや兄弟・従兄弟も手伝ってくれる。
1階の将兵専用の浴場へ向かい、父の腕に抱かれながらぬるめのお湯に浸かる。
「気持ち良いか、トーレ。そーかそーか」
終わったら脱衣所に出てふかふかのタオルで拭いてもらい、おむつを当ててもらう。
これに関しては、父よりフェデリコ叔父上の方が上手だった。
てきぱきと布を折っておむつを作り、手早く当てて湯冷めする前に服を着せてくれる。
「よーし、出来たぞートーレ」
と、父と瓜二つの笑顔。
「ん? 指加えて、腹が減ったのか」
「む、いかん! 待っていろ、トーレ!」
と、フェデリコ叔父上の腕から父の腕へと移る。
「兄上、そんなに急がなくても」
「何を言っているのだフェーデ! 泣くほど腹が減ってからでは可哀想だろう!」
脱衣所の扉を開けると、そこにはカンクロ国の町医者リンリー(満42歳)と、その送迎係の母の女官――カーネ・ロッソのリエン(満18歳)がいた。
母もいる。
「こんにちは、カプリコルノ陛下。あら、トーレ殿下がお腹を空かせていますね」
「そのようです。リンリー先生、トーレの健康診断は授乳の後でもよろしいですか?」
「もちろんです、女王陛下」
「ありがとうございます」
サルヴァトーレは今度は母の腕に抱かれると、また乳母の部屋へと向かって行く。
リエンも付いてきた。
その途中、父とリンリー先生の会話が聞こえて来た。
「おめでとうございます、カプリコルノ陛下。先ほど女王陛下の方の健診を終えました。治癒魔法ありでのお産でしたし、お身体の方はもうすっかり大丈夫ですよ。本日をもって、禁欲は解禁です」
「Oh……!」
「あ、お待ちくださいカプリコルノ陛下。授乳をしているあいだはそういう気分にならない女性も多いですから、強要するのは止めて差し上げてくださいね」
「む……」
乳母の部屋に入ったら、母に乳をもらう。
リエンが鼻をくんくんとひくつかせた。
「王太子殿下、もう甘い匂いしないネ。ちょっと前まデ、ふわふわトルタみたいな美味しそうな匂いしてたのニ。リンリー先生が言ってたけド、本当に生まれたての赤ちゃん限定の匂いだったんだネ」
とどこか残念そうにサルヴァトーレの頭を撫でながら、「ところで」と母の顔を見た。
「あの可哀想な人……」
「誰のことです?」
「メッゾサングエ王妃陛下」
ルフィーナのことだった。
「見てると、リエンのご主人様の母親――王太后陛下みたい。性格が似てるとかじゃなくテ、置かれてる環境ガ」
母が小さく「スィー」と相槌を打って俯いた。
「リエン、会う度にご主人様のこと訊かれるヨ」
「え?」
「ご主人様が幼少時代どんな生活を送っていたのかとカ。リエンがご主人様の飼い犬になったのって最近のことだかラ、子供の頃とかはそんなに答えてあげられないけド……何か悩んでるんじゃなイ? あのメッゾサングエ王妃陛下が産む子ハ、ご主人様と似たような立ち位置の子になるんだシ……」
母の栗色の瞳が揺れ動いたと思ったとき、リンリー先生が部屋に入ってきた。
「改めてこんにちは、トーレ殿下」
と、いつも優しい声のリンリー先生。
ごはん中のサルヴァトーレを見つめながら、優しく微笑んだ。
「おっぱいが終わったら、身体測定をしましょうね」
大きすぎることも、小さすぎることもない。
生後1ヶ月から2ヶ月の赤ん坊として平均的な身長56cm・体重4.8kgだった。
リンリー先生は他にも色々サルヴァトーレの健診を終えると、「良いですね」と言った。
健康に育っているらしい。
少しのあいだサルヴァトーレの相手をしてくれた後、リエンと一緒に帰国していった。
その後、昼餉が終わったフェデリコ叔父上に本日の絵日記を描いてもらう。
父に抱っこしてもらっているところを描いてもらった。
「さて、本日の日記の方はなんて書こうか……」
「大公閣下」
「スィー、第二の母上?」
「さっきトーレ殿下が、レオ様に求婚されていましたよ」
「え」
日記を書くフェデリコ叔父上の手と、サルヴァトーレをひしと抱く父の腕が小刻みに震えていた。
――午後3時頃になったら、本日はレオーネ国の皆が訪ねて来た。
いつも真っ先にサルヴァトーレを腕に抱くのは、母の親友――レオーネ国王太子マサムネ付きのガット・ネーロのハナ(満20歳)だ。
「ハナだぞー、トーレ。今日もベルみたいだなー。おまえは将来、間違いなく立派な国王になるぞー」
ハナはきっと、親友の子であるサルヴァトーレを自身の息子のように思っていた。
身を守るための武器である鋭い爪は毎回必ず切って来て、いつも優しく触れてくれる。
「ムネおいちゃんやでー、トーレ。おまえが困ったときは、おいちゃんが必ず助けたるからなー」
と、アヤメとムサシの実の父であるマサムネ(満36歳)が糸目顔を近付けて来ると、なんか臭う。
泣く。
「何してんのさ、マサムネ! 最近オヤジ臭するんだから、お風呂入ってから来ようって僕毎回言ってるじゃない! おー、よしよしトーレ。ほーら、猫さんのふわふわ尻尾だよー」
「せやかて、タロウおま……いや、トーレおま、泣くなや! ワイが泣くとこやろ!?」
そしてサルヴァトーレが中々泣き止まないでいると、そのうち『中の中庭』で鍛錬中の父の耳に入る。
父は装備するのに苦労する板金鎧を構わず廊下に脱ぎ捨て、その下の布鎧姿で乳母の部屋に「トーレ!」と飛び込んで来る。
「よしよし、どうしたのだトーレ。父上だぞー」
と布鎧で痛くなく、優しい父の腕に抱かれると、すぐに泣き止んで寝る。
こんな感じで両親・親戚・天使・友好国の皆・使用人・将兵・文官などが24時間ひっきりなしにやって来て、サルヴァトーレの1日は過ぎていく。
会いに来る回数で言ったら、父が一番多かった。
また今日は、夕刻過ぎに数分間だけ乳母たちが揃って部屋を空けたときがあった。
そのときルフィーナがぱっとテレトラスポルトで現れて、嬉しそうにサルヴァトーレを腕に抱いてくれた。
「こんばんは、トーレ殿下。ふふ、可愛い。本当に小さな女王陛下みたい」
その腕も笑顔も、他の皆と変わらずとても優しいものだった。
でもすぐに乳母のひとりが戻って来たら、部屋に悲鳴が鳴り渡った。
「何しているのですか!」
その声に驚いてサルヴァトーレが泣いてしまうと、乳母は尚のこと悲鳴を上げた。
他の乳母たちや衛兵たちも慌てて部屋に入って来て、ルフィーナの腕からサルヴァトーレを奪う。
「大丈夫ですか、トーレ殿下!」
ルフィーナが「何もしていません」と言っても、誰も信じようとはしなかった。
「出て行ってください!」
ルフィーナが部屋から出て行く直前、その横顔を涙が伝っていく。
それを感じ取ったサルヴァトーレの泣き声が、尚のこと1階の廊下に響き渡っていった。
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