囚われの姫ですが、残念ながら魔王にも勇者にも相手にされません…

3ツ月 葵(ミツヅキ アオイ)

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第9話(ルート2)

「まったく……バカな男よね~! 門番程度に捕まるなんて弱っちいレベルで魔王城まで来たって仕方ないでしょうに。何しに来たのかしらね~。」

 先程聞こえてきた話からは期待外れもいいとこで、落胆しかなかった。
 その後、いつもの様に私に食事を運んできたヒトに詳しい話を聞いてみれば、どうやら私の国の隣国の一つである国の第三王子らしいということが分かった。
 なんでも美人だと噂になっている姫であるらしい私が、魔王に攫われたということが国を超えて伝播して王子である自分の耳まで届き、急遽助けに行こうと挙兵したのだとかで――。

「準備不足がたたって集まった数少ない兵たち全員が道中で行き倒れてしまうとか、最後の王子すらも門番をも倒すことができないとか……焦り過ぎにもほどがあるわよ。魔王なんてそんな甘か無いってのに――。」

 呆れるあまりに私の口からは愚痴しか出てこないのだった。

「まぁ、私には関係ないわっ。私はここで夢に見た理想の勇者様が来るのを待つだけですもの……ね。」

 この日は多少は食べることのできたスープを口にして、硬いベッドの上へと横になった。
 そうしてまた数日が経った頃、熟睡の出来ない日が何日も続いていて眠りの浅い中、ザワザワと周りが騒がしいのに気が付いて目が覚めた。

「う、うぅ~ん………何事かしら~ぁ。」

 両手を挙げて大きく伸びをし、欠伸をしても意識はまだボンヤリと夢とも現実ともつかない靄の中を揺蕩っているのだった。

「なんだかワイバーンの声の様なものがキィキィとうるさいわねぇ……。ヒトの声もいつも以上に多いし―――。」

 昨日までの状況とは打って変わったうるささが気になり、私は思わず「うるさいっ!」と文句でも言いたくなって立ち上がったが――はたと気が付く。

「もしかして今度こそ私の勇者様がいらっしゃったのかしら~?」

 今日こそ待ち焦がれていた甘い時間がやってくるのだと、私は未来を夢見てワクワクした。
 そうなると周囲にいるヒトたちが何を話しているのかが気になる所で……耳をそばだててみるのだった。

「へ~ぇ。さすがは我らが魔王様だな。」

 んん?
 何やら雲行きが怪しい………?

「あの人間って、どれも人間どもの治めるそれなりの国の王子なんだろ? やっぱり姫目当てか?」

「あぁ、救助に来たとか言ってたらしいが……次々に来た人間の男どもを全員捕獲よ。なんでもそれを退屈していた魔王様がオモチャにと召し上げたらしい。たぶん拷問実験とかする気だぜ。」

「オォーゥ! おっかね。」

「新しく作った拷問器具とか試したいって言っていたからなぁ。」
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