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第4章 出会いと別れ
8.森の中で…
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「は~ぁ、美味かったなぁ…。パウロ。」
「ワタチも満足にゃん! また食べたいにゃ~ぁ。」
俺とリリアに猫が5匹と、大所帯となってきたので魚1匹で足りるかなとも思いながらアンドレアが捕ってくれた大きなバラクーダを丸ごと焼いて食べたが、これだけで皆のお腹を充分に満たしてくれた。
サイズこそ巨大なものの身は山吹色をしており、その味は脂のよく乗った鮭に瓜二つだった。
「名前は違っても、この世界にも地球に似た様な動植物が割とあるなぁ…。」
独り言を言っている俺の横で、満足そうに膨れたお腹を投げ出して仰向けに寝転んでいるパウロが可愛くて、モフモフのお腹をなんとなく撫でまわした。
「ぅにゃ~ぁ……。」
食べ過ぎてお腹が重いのか、今日は珍しく俺が触っても特に抵抗してこなかった。
「フフッ…。今日はパウロのお腹のモフモフを撫で放題だな。」
森の中にも関わらず周りを警戒することも無く、和やかなムードになって皆でテントに入って寝た。
「「「フギャーァ!!!」」」
まだ暗闇が世界を支配している真夜中に、猫たちのとてつもない叫び声に体がビクッとなって驚いて目が覚めた。
「ど、どうしたん……。」
話しかけている途中でガラガラガッシャーンと大きな音が鳴った。
「キャー!」
「「「フミィー!!」」」
一体何事かと起き上がろうとすると、リリアも猫たちもビクビクしながら俺の体のあちこちに抱き付いていた。
「何だ…、どうしたのかと思えば雷じゃないか……。それにしてもすごい音だなぁ………。」
「お兄ちゃ~ん。」
「大丈夫。大丈夫だよ。」
怖がる皆を落ち着かせようと1人1人の頭をヨシヨシと撫でた。
だが雷が怖くない俺でさえ叫び声の大合唱で起きたのにも関わらず、俺の脇腹辺りにくっ付いて丸まっていたピエトロは、テントの外で雷の大きな音が幾度も鳴り響いている今もなお、寝息をスウスウと立てて気持ち良さそうに寝ていた。
「……ピエトロは大物だなぁ。しかし…、こんな所で雨に降られるとはなぁ……。明日は大丈夫かな。」
皆を宥めながらそんな事を思っているとウトウトしだし、いつの間にか再び眠りに落ちていた。
翌朝、目が覚めてからテントの外を見て確認するとまだ雨がザーザーと降っており、今日はここから移動できそうになかった。
「今日はここで足止めか……。」
「ぅ、ん…。フワ~ァアァ……。お兄ちゃん、おはよう。」
欠伸をしながら起きてきたリリアが、テントの出入り口で外の様子を伺っていた俺に声を掛けてきた。
「おはよう、リリア。今日は土砂降りだからここで雨が止むまで待つしかないみたいだし、まだ寝てても良いよ。」
「そっか…。雨なら仕方ないね。」
「うん……。傘も何も持って無いからなぁ。早くオズリックへ行きたいのに……。」
サクラヴェール国の城を出てから運良く、一度も雨に出くわさなかったお陰で俺はすっかりと雨具を用意するのを忘れていた。
幸いに雨が降っても支障のない場所にテントを張っていたので何も問題は無かったが、なかなか止みそうにない雨に今日はテントの中に籠っていることしかできなさそうだった。
「まぁ傘があったところで、今では5匹も居る猫たちが雨の中を動けないだろうから…、どっちにしろ移動はできなかったかな~……。」
今日は一日何もできそうにないので、テントの中で猫たちと戯れながらダラダラと過ごすことに決め、二度寝をしようと寝っ転がると起きてきたパウロに朝食を催促された。
「お兄ちゃん。ごはんは?」
「今日は料理できそうにないし、保存食にと思って焼いて取っておいたミャエナ肉ぐらいかな~。」
次々と起きてきた猫たちと一緒に、鞄の中から取り出したミャエナ肉を齧って朝食にした。
「温かい物が何もないと少し寒いけど…、この雨の中だと薪も拾えないからな~。全部湿気っちゃってるだろうし……。」
毛布に包まってダラダラしていると、突然アダムとアンドレアの耳が外の方を向いてピクピクと動きだした。
「にゃ? 何かがこっちに近付いてくるにゃ!」
「これは……! カエルにゃ! 化けガエルにゃ!」
その時、ズシンズシンという地響きと共に何やら大きな生き物が近付いてくる気配がした。
「化けガエルって……もしかして凄く大きかったりする?」
「そうにゃ! ものすごく大きくて、長く伸びる舌を使って手当たり次第に何でも食ってしまう怖い奴にゃん。」
アンドレアの言葉にリリアはパウロをギュッと抱きしめ、不安そうに俺の顔を仰ぎ見た。
「大丈夫だよ! 俺が追い払ってくるから。」
俺は剣を持つとバッとテントの外へ出て周囲を見回して警戒した。
「おいらも手伝うにゃん!」
俺の後に続いてアンドレアが外に出てくると、俺の肩に飛び乗った。
「ルカ様、追い払う事はたぶん……難しいと思うにゃ。アイツは大雨が降ると何処からともなくやってきては、目に付いたありとあらゆる生き物を手当たり次第に食っては何処かに立ち去っていく謎のヤツなんだけどにゃ…。この森では有名なアイツには、誰も勝てないのにゃ。だから……、追い払うんじゃなくて倒すつもりじゃないと…、きっとこっちが食われてしまうのにゃ。」
アンドレアは冷や汗をタラリと流しながら俺の肩をギュッと掴んだ。
俺は少しずつ近付く重い足音に身をブルッと震わせて生唾をゴクリと飲み込んだ。
「俺は…。俺はリリアやパウロたちを守りたいんだ。だから……。」
「ワタチも満足にゃん! また食べたいにゃ~ぁ。」
俺とリリアに猫が5匹と、大所帯となってきたので魚1匹で足りるかなとも思いながらアンドレアが捕ってくれた大きなバラクーダを丸ごと焼いて食べたが、これだけで皆のお腹を充分に満たしてくれた。
サイズこそ巨大なものの身は山吹色をしており、その味は脂のよく乗った鮭に瓜二つだった。
「名前は違っても、この世界にも地球に似た様な動植物が割とあるなぁ…。」
独り言を言っている俺の横で、満足そうに膨れたお腹を投げ出して仰向けに寝転んでいるパウロが可愛くて、モフモフのお腹をなんとなく撫でまわした。
「ぅにゃ~ぁ……。」
食べ過ぎてお腹が重いのか、今日は珍しく俺が触っても特に抵抗してこなかった。
「フフッ…。今日はパウロのお腹のモフモフを撫で放題だな。」
森の中にも関わらず周りを警戒することも無く、和やかなムードになって皆でテントに入って寝た。
「「「フギャーァ!!!」」」
まだ暗闇が世界を支配している真夜中に、猫たちのとてつもない叫び声に体がビクッとなって驚いて目が覚めた。
「ど、どうしたん……。」
話しかけている途中でガラガラガッシャーンと大きな音が鳴った。
「キャー!」
「「「フミィー!!」」」
一体何事かと起き上がろうとすると、リリアも猫たちもビクビクしながら俺の体のあちこちに抱き付いていた。
「何だ…、どうしたのかと思えば雷じゃないか……。それにしてもすごい音だなぁ………。」
「お兄ちゃ~ん。」
「大丈夫。大丈夫だよ。」
怖がる皆を落ち着かせようと1人1人の頭をヨシヨシと撫でた。
だが雷が怖くない俺でさえ叫び声の大合唱で起きたのにも関わらず、俺の脇腹辺りにくっ付いて丸まっていたピエトロは、テントの外で雷の大きな音が幾度も鳴り響いている今もなお、寝息をスウスウと立てて気持ち良さそうに寝ていた。
「……ピエトロは大物だなぁ。しかし…、こんな所で雨に降られるとはなぁ……。明日は大丈夫かな。」
皆を宥めながらそんな事を思っているとウトウトしだし、いつの間にか再び眠りに落ちていた。
翌朝、目が覚めてからテントの外を見て確認するとまだ雨がザーザーと降っており、今日はここから移動できそうになかった。
「今日はここで足止めか……。」
「ぅ、ん…。フワ~ァアァ……。お兄ちゃん、おはよう。」
欠伸をしながら起きてきたリリアが、テントの出入り口で外の様子を伺っていた俺に声を掛けてきた。
「おはよう、リリア。今日は土砂降りだからここで雨が止むまで待つしかないみたいだし、まだ寝てても良いよ。」
「そっか…。雨なら仕方ないね。」
「うん……。傘も何も持って無いからなぁ。早くオズリックへ行きたいのに……。」
サクラヴェール国の城を出てから運良く、一度も雨に出くわさなかったお陰で俺はすっかりと雨具を用意するのを忘れていた。
幸いに雨が降っても支障のない場所にテントを張っていたので何も問題は無かったが、なかなか止みそうにない雨に今日はテントの中に籠っていることしかできなさそうだった。
「まぁ傘があったところで、今では5匹も居る猫たちが雨の中を動けないだろうから…、どっちにしろ移動はできなかったかな~……。」
今日は一日何もできそうにないので、テントの中で猫たちと戯れながらダラダラと過ごすことに決め、二度寝をしようと寝っ転がると起きてきたパウロに朝食を催促された。
「お兄ちゃん。ごはんは?」
「今日は料理できそうにないし、保存食にと思って焼いて取っておいたミャエナ肉ぐらいかな~。」
次々と起きてきた猫たちと一緒に、鞄の中から取り出したミャエナ肉を齧って朝食にした。
「温かい物が何もないと少し寒いけど…、この雨の中だと薪も拾えないからな~。全部湿気っちゃってるだろうし……。」
毛布に包まってダラダラしていると、突然アダムとアンドレアの耳が外の方を向いてピクピクと動きだした。
「にゃ? 何かがこっちに近付いてくるにゃ!」
「これは……! カエルにゃ! 化けガエルにゃ!」
その時、ズシンズシンという地響きと共に何やら大きな生き物が近付いてくる気配がした。
「化けガエルって……もしかして凄く大きかったりする?」
「そうにゃ! ものすごく大きくて、長く伸びる舌を使って手当たり次第に何でも食ってしまう怖い奴にゃん。」
アンドレアの言葉にリリアはパウロをギュッと抱きしめ、不安そうに俺の顔を仰ぎ見た。
「大丈夫だよ! 俺が追い払ってくるから。」
俺は剣を持つとバッとテントの外へ出て周囲を見回して警戒した。
「おいらも手伝うにゃん!」
俺の後に続いてアンドレアが外に出てくると、俺の肩に飛び乗った。
「ルカ様、追い払う事はたぶん……難しいと思うにゃ。アイツは大雨が降ると何処からともなくやってきては、目に付いたありとあらゆる生き物を手当たり次第に食っては何処かに立ち去っていく謎のヤツなんだけどにゃ…。この森では有名なアイツには、誰も勝てないのにゃ。だから……、追い払うんじゃなくて倒すつもりじゃないと…、きっとこっちが食われてしまうのにゃ。」
アンドレアは冷や汗をタラリと流しながら俺の肩をギュッと掴んだ。
俺は少しずつ近付く重い足音に身をブルッと震わせて生唾をゴクリと飲み込んだ。
「俺は…。俺はリリアやパウロたちを守りたいんだ。だから……。」
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