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第6章 仲間と絆
4.俺の弱い所
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「行ってきま~す!」
「行ってらっしゃい、ルカ。」
外に出てみると、空も周りの景色も冬が近いのだと感じられ、あの日とはすっかりと変わった様相を呈していた。
ポケットに入れてきたスマホを見ると日付はあの異世界に飛ばされた日から半年程が経っており、俺が異世界に飛ばされたのが夢ではなかった事と、今起こっているこの出来事が夢である可能性、ここではまだ俺は16歳の誕生日も迎えていないらしい事が分かった。
「突然、なんなんだろな……。」
俺は不安になりながらも学校に行くと、いつものメンバーといつもの様に挨拶を交わし、席に着くと朝礼が始まる前にスマホで自分のSNSを開いた。
何もなくても俺はSNSを使って毎日の様にインターネットに呟いていたので、半年程の空白の時間での出来事など、何か分かるかと思ったのだ。
遡って順に読んでいくと、俺が異世界に飛ばされた日から数日、謎の高熱で寝込んでいたらしい…。
「俺の魂が俺から別れた影響からなのか……?」
その時、俺のスマホがメールを受信して手の上でブブブブッと振動した。
メールを開いてみると、仲間内の女友達の1人から「何かあったの?」と、心配しているという表情をしたキャラクターのスタンプと共に送られてきていた。
俺が「どうして?」と返すと、「何か、様子がおかしかったから…。いつもなら沙織と朝から長話してたりするのに、挨拶したら直ぐに教室に入っちゃうしさ……。」と、更にメールが来てドキッとした。
俺がもう佐藤の事をどうでもいい………とまでは言わないが…、今の突然の状況に戸惑っているからというのも勿論のこと、前と違って恋だったのかあの体に魅かれていただけだったのかも分からない様な思春期特有の男のモヤモヤとした気持ちがスッキリと晴れてしまい、今の俺は純粋に友達として佐藤を見る様になったからというのが大きい様に思う。
とりあえず「そうだったっけ?」とメールを返して話をはぐらかした。
「それにしても……、以前の俺って、周りから見てもそんなにあからさまな態度だったんだな~……。」
佐藤のことよりも、寧ろ指摘されるほど分かり易かった俺の態度に今更ながら恥ずかしくなった。
「ってゆーか……。本人じゃないけど、やっただけで無意識に態度が変わるとか…、冷たいな、俺……。あれが佐藤本人とじゃなくて良かった……のか…? でも、それじゃあカルラに申し訳ない、か………。」
「な~にスマホ見ながら1人でブツブツ言ってるんだ~? ルカ~。何か面白いもんでもあったか~?」
今はクラスメイトであり、小さい頃からの友達である幼馴染のユウジが陽気に背後から俺に抱き着いてきた。
「いや…。自分のSNSをチェックしてただけだよ。」
ユウジとのいつもと変わらない光景に何故だかホッとした。
「半年程じゃ何も変わらない、………か!?」
自分のSNSには何も無かったが、何か予定が入っていないかとスマホのカレンダー機能の中にあるメモ欄をチェックしながら過去のも見ていると、8月の所に「見てしまった!」という一言を見つけた。
丁度夏休み真っただ中の時に、俺は何を見てしまったのかとそのメモの中身を開いてみると、佐藤が同じ仲間内の1人とデートをしている所を街で目撃してしまったのだと書いてあった。
「マジかよ………!」
まさかの出来事に衝撃を受けて驚きはしたがショックを受けるとかってこともなく、俺の中で佐藤への気持ちはもう終わっていたのだなと改めて認識した。
「やっぱり俺は………。」
それと共に湧き上がるリリアへの強い気持ちに比例して、酷い頭痛が襲ってきた。
スマホを見ていたと思ったら急に苦しみだした俺の姿を見て、抱き着いていたユウジは必死に俺の名前を呼んでいた。
「おっ…、おい! ルカ! どうしたんだ!? ルカ! ルカ! ル………。」
次第に遠くなる意識と闇に埋もれていく視界の中で、焦って俺の名前を叫ぶユウジの声だけが頭の中で木霊する様にずっと響いていた。
スゥーっと氷でも溶けるかの様に頭痛は急激に治まり、次に意識を取り戻した時にはあの森の中の精霊の手から降りて昼食休憩を取っていた焚火の前に居た。
「……えっ? あれっ?」
俺は何が何だか分からずにキョロキョロしていると、少し離れた場所で猫たちと遊んでいたリリアが駆け寄ってきた。
「お兄ちゃん? どうしたの?」
「リリア………。」
目の前に立つリリアの姿を見てどこか安心したのと同時に、「あぁ、もう二度と両親にも大好きなおばあちゃんにも会えないのだと覚悟はしていたつもりだったのに……。」と、少し寂しい気持ちになってしまった。
「俺は…、どういうことなのか、まだどこかで分かっていなかったのかもしれないな……。」
そんな複雑な思いから、2度と会えなくなるなんて事がリリアとだけはあってはならない様にと、ギューっと強く抱きしめた。
「お兄ちゃん! 痛い…。痛いってば……!」
「ごめん……。」
リリアを抱きしめていた腕をそっと緩めると、俺は俯いた。
「どうしたの? お兄ちゃん……、もしかして泣いているの?」
「ごめん……。今だけ少し、このままそっとしておいてくれ………。」
俺のその言葉に、リリアは震えていた俺の頭を抱き寄せ、撫でながら「うん…。」と優しく返事をした。
「行ってらっしゃい、ルカ。」
外に出てみると、空も周りの景色も冬が近いのだと感じられ、あの日とはすっかりと変わった様相を呈していた。
ポケットに入れてきたスマホを見ると日付はあの異世界に飛ばされた日から半年程が経っており、俺が異世界に飛ばされたのが夢ではなかった事と、今起こっているこの出来事が夢である可能性、ここではまだ俺は16歳の誕生日も迎えていないらしい事が分かった。
「突然、なんなんだろな……。」
俺は不安になりながらも学校に行くと、いつものメンバーといつもの様に挨拶を交わし、席に着くと朝礼が始まる前にスマホで自分のSNSを開いた。
何もなくても俺はSNSを使って毎日の様にインターネットに呟いていたので、半年程の空白の時間での出来事など、何か分かるかと思ったのだ。
遡って順に読んでいくと、俺が異世界に飛ばされた日から数日、謎の高熱で寝込んでいたらしい…。
「俺の魂が俺から別れた影響からなのか……?」
その時、俺のスマホがメールを受信して手の上でブブブブッと振動した。
メールを開いてみると、仲間内の女友達の1人から「何かあったの?」と、心配しているという表情をしたキャラクターのスタンプと共に送られてきていた。
俺が「どうして?」と返すと、「何か、様子がおかしかったから…。いつもなら沙織と朝から長話してたりするのに、挨拶したら直ぐに教室に入っちゃうしさ……。」と、更にメールが来てドキッとした。
俺がもう佐藤の事をどうでもいい………とまでは言わないが…、今の突然の状況に戸惑っているからというのも勿論のこと、前と違って恋だったのかあの体に魅かれていただけだったのかも分からない様な思春期特有の男のモヤモヤとした気持ちがスッキリと晴れてしまい、今の俺は純粋に友達として佐藤を見る様になったからというのが大きい様に思う。
とりあえず「そうだったっけ?」とメールを返して話をはぐらかした。
「それにしても……、以前の俺って、周りから見てもそんなにあからさまな態度だったんだな~……。」
佐藤のことよりも、寧ろ指摘されるほど分かり易かった俺の態度に今更ながら恥ずかしくなった。
「ってゆーか……。本人じゃないけど、やっただけで無意識に態度が変わるとか…、冷たいな、俺……。あれが佐藤本人とじゃなくて良かった……のか…? でも、それじゃあカルラに申し訳ない、か………。」
「な~にスマホ見ながら1人でブツブツ言ってるんだ~? ルカ~。何か面白いもんでもあったか~?」
今はクラスメイトであり、小さい頃からの友達である幼馴染のユウジが陽気に背後から俺に抱き着いてきた。
「いや…。自分のSNSをチェックしてただけだよ。」
ユウジとのいつもと変わらない光景に何故だかホッとした。
「半年程じゃ何も変わらない、………か!?」
自分のSNSには何も無かったが、何か予定が入っていないかとスマホのカレンダー機能の中にあるメモ欄をチェックしながら過去のも見ていると、8月の所に「見てしまった!」という一言を見つけた。
丁度夏休み真っただ中の時に、俺は何を見てしまったのかとそのメモの中身を開いてみると、佐藤が同じ仲間内の1人とデートをしている所を街で目撃してしまったのだと書いてあった。
「マジかよ………!」
まさかの出来事に衝撃を受けて驚きはしたがショックを受けるとかってこともなく、俺の中で佐藤への気持ちはもう終わっていたのだなと改めて認識した。
「やっぱり俺は………。」
それと共に湧き上がるリリアへの強い気持ちに比例して、酷い頭痛が襲ってきた。
スマホを見ていたと思ったら急に苦しみだした俺の姿を見て、抱き着いていたユウジは必死に俺の名前を呼んでいた。
「おっ…、おい! ルカ! どうしたんだ!? ルカ! ルカ! ル………。」
次第に遠くなる意識と闇に埋もれていく視界の中で、焦って俺の名前を叫ぶユウジの声だけが頭の中で木霊する様にずっと響いていた。
スゥーっと氷でも溶けるかの様に頭痛は急激に治まり、次に意識を取り戻した時にはあの森の中の精霊の手から降りて昼食休憩を取っていた焚火の前に居た。
「……えっ? あれっ?」
俺は何が何だか分からずにキョロキョロしていると、少し離れた場所で猫たちと遊んでいたリリアが駆け寄ってきた。
「お兄ちゃん? どうしたの?」
「リリア………。」
目の前に立つリリアの姿を見てどこか安心したのと同時に、「あぁ、もう二度と両親にも大好きなおばあちゃんにも会えないのだと覚悟はしていたつもりだったのに……。」と、少し寂しい気持ちになってしまった。
「俺は…、どういうことなのか、まだどこかで分かっていなかったのかもしれないな……。」
そんな複雑な思いから、2度と会えなくなるなんて事がリリアとだけはあってはならない様にと、ギューっと強く抱きしめた。
「お兄ちゃん! 痛い…。痛いってば……!」
「ごめん……。」
リリアを抱きしめていた腕をそっと緩めると、俺は俯いた。
「どうしたの? お兄ちゃん……、もしかして泣いているの?」
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