華麗に離縁してみせますわ!

白乃いちじく

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仮面卿外伝【第二章 太陽が沈んだその後に】

第十三話 罪の行方

 二年ほどは粗末な小屋での生活が続いたが、それがある時を境にがらりと変わることになる。貴族街ではないが、裕福な平民が暮らす場所へ移ることになったのだ。

「うわぁ! 凄いすごーい! オーギュ! あたい嬉しい!」

 立派な邸を見て、ケイトリンは大はしゃぎだ。邸内を見てくると言って駆け上り、姿を消す。

「ジャック様、如何ですか?」
「そうだな、いいだろう」

 執事の格好をした男が、オーギュストの前に進み出た。見た事のない男である。
 ジャック様?
 アンバーは怪訝に思う。

「あのう、こちらの方は?」

 見知らぬ男に目を向ければ、オーギュストが説明した。

「ああ、名前はザイン。執事としての役割をこなしてくれる」
「そう、ですか……あ、よろしくお願いします」
「こちらこそ、どうぞよろしく」

 そう言って、胸に手を当て、ザインと呼ばれた男は貴族の礼をした。銀髪の容姿端麗な男だ。ただし、眼鏡を掛けた顔は微笑んでいても、何となく圧を感じる。それでもこの時のアンバーは、斡旋所からやって来た使用人だと信じて疑わなかった。

「ジャック様、夕食の手配ですが……」

 ザインがオーギュストにそう問い、アンバーは奇妙に思う。
 また、ジャック……

「あのう、ジャック様って一体……」

 こっそりアンバーが耳打ちすると、オーギュストが答えた。

「ああ、偽名だ。商談に行く時に名がないと不便だからな」

 商談……

「商売を?」
「そうだ」
「資金は……」
「ああ、裏組織の賭博場を回って、ある程度の資金を手に入れた。それを元手に事業展開をしている。運営には商才のある若手をあてがった」

 いつの間に……
 アンバーは驚いた。ケイトリンの要求でへとへとだろうにと思う。彼女はオーギュストに張り付いて、あれこれ我が儘のし放題だ。なのに、彼女の目を盗んではこうして動く。彼の手腕に舌を巻く思いだった。
 アンバーはちらりと執事だと紹介されたザインに視線を送る。
 偽名……そうよね、流石にオーギュスト殿下、なんて言い続るわけにもいかないわ。

「あのう、わたくしもジャック様とお呼びした方が?」
「邸の中では好きにしていい。それと、ザインは王家の影だ。事情は全て把握している」

 アンバーは心底驚いた。オーギュストが説明する。

「魔女の血の特性を知ると、相手の反応を見れば、魔女の血を口にしたかどうかがわかる。ザインは魔女の血を口にしなかった」

 それで王家の影だった彼を、自分の味方につけたのだと言う。

「でも、影なら王家に忠誠を誓っていますよね?」
「ハインリヒ陛下と天秤にかけるのなら、私はジャック様につきます。正当な跡継ぎは彼ですから」

 アンバーの質問に、ザインがそう言い切り、ふと思いついたように言う。

「そうそう、呼び方ですが、仮面卿でもいいかもしれません」

 アンバーが小首を傾げる。

「仮面卿?」
「ええ、はい。外出の際、ジャック様は仮面で顔を隠しますが……賭博場では名を名乗っていません。まぁ、ああいう場では名を名乗る必要などありませんので、そこはいいのですが、一度、賭博場で大勝ちをしましてね。それで一躍、有名になってしまいました。そこで、呼び方に困ったのか、ジャック様の事を仮面卿だと誰かが言い出し、賭博場ではそれで通じてしまいます。この調子だと後々まで語り継がれそうですね?」
「ザイン……」

 オーギュストの眉間に皺が寄る。

「ああ、少々おしゃべりが過ぎましたね、これは失礼を」

 ザインが優雅な仕草で一礼し、謝罪した。そこへ、二階から駆け下りてきたケイトリンが、オーギュストに抱きついた。

「オーギュ、ね、今から寝室へ行こう。寝室。いいでしょう?」

 甘えるように身をすり寄せたケイトリンが、オーギュストの体のそこここををまさぐり、アンバーはざわりとした不快感を覚えた。滅びの魔女の模造品は大人の女だ。当然情事を要求するだろうと理解できても、納得出来るかというとまた別だ。何度目にしても、これは慣れそうにない。強姦と変わらないとアンバーは思う。
 ローザ様の命を盾にとって……なんて卑怯で下劣なんだろう……

「……ローザを頼む」

 オーギュストが言う。アンバーの背後から、そうっとこちらを見ていたローザの顔が、さっと引っ込んだ。二才になった彼女は本当に可愛い盛りである。けれど、オーギュストの姿を見ると大抵はこうだ。誘拐犯でも見たかのような反応をする。
 アンバーはケイトリンと揃って歩き出した彼の背を見送った。一切触れ合うことの出来ない親子なんて、あんまりだと思いながら。

 ふっと横手を見ると、影のザインもまた厳しい顔つきだ。睨み付けているようにも見える。もしかして彼も不快に感じているのだろうか? アンバーはそんな風に思うも、きっと何も言えないのだろうと判断する。主人であるオーギュストが逆らえないのだからどうしようもない。

「殿下は賭け事に強いんですか?」

 気を逸らすようにアンバーがそう問えば、ザインは厳しかった顔を幾分和らげた。

「……そうですね。ジャック様の場合、カード勝負は負け知らずです。なにせ目にしたカードを全て記憶なさいますから」

 ぽかんとアンバーが口を開ける。ザインが言い添えた。

「イカサマではありませんよ?」
「え、ええ、はい、それは分かりますが……え? 可能なんですか?」
「はい、それはもう。ジャック様の記憶力は驚異的です」

 ザインが笑う。容姿端麗なだけに、ザインは笑うとかなり魅力的だった。

「なら殿下は、いつも賭博場では大勝ちですか?」

 ザインが首を横に振る。

「いえ、大勝ちをしたのは、一度だけです。ああいった場で荒稼ぎをすると、目をつけられて殺されるなんてこともざらですので、ほどほどがいいんです。でも、仮面卿という渾名がついてしまったあの勝負だけは、どうしても勝つ必要があったようで、仕方なく……」
「勝つ必要があった?」

 アンバーの問いにザインが頷く。

「ええ、そうです。賭けで大損をした若者いまして、それを巻き返そうと、自分の領地まで抵当に入れようとしたようです。言っては何ですが、非常に愚かとしか言いようがありません」

 アンバーは目を丸くした。

「え? 領地を抵当って……もしかして、その若者は貴族ですか?」
「はい、それを止めるために、ジャック様が代わって賭けをし、その場で領地の権利書を取り返しました。ですが、本当にあれ一度きりにしていただきたいです。父親を失って、若くして伯爵になった反動でしょうか?」

 父親を失って若くして伯爵……もしかして……
 アンバーは勢い込んでザインに尋ねた。

「あ、あの、その貴族の名前は?」
「バークレア伯爵です」

 やっぱり……。殿下の身代わりになって死んだボドワン・バークレア伯爵の息子だわ。

「まだお若いですよね?」
「ええ。たったの十七才ですよ。ジャック様も彼の事が気になるようですが、貴族との接触は今のところ避けなければなりません。貴族内部は本当、ジャック様の敵だらけですからね。下手に手を出せばこちらが危うくなる。本当、やんちゃはほどほどにしていただきたいものです」

 そう言ってザインはため息をついた。


◇◇◇


「ねーちゃん、いつまでいじけてるんだよ。殿下に振られたからって」

 部屋の隅でうずくまっているフルールにダニーが声を掛ける。

「……うるさいわね、向こうへ行って」
「はいはい。分かったよ」

 姉の部屋に顔を出していたダニーは諦めて引っ込んだ。
 ここは王都の中の一軒家だ。そう、オーギュストが自分を二年間かくまったお礼として、フルールの家族は、憧れの防壁の中に居を構えることが出来たのだ。

 防壁の中に入るには住民権がいる。
 どこをどうやったのか、彼がそれを手に入れて、フルールは祖母と弟含めて憧れの都民となれたのである。これで、盗賊などの危険が減り、安心して暮らせるというわけだ。

 本来なら喜んでいいところだったが、フルールは不満だった。オーギュストと一緒にいたかったからだ。ついて行きたいと言った言葉を拒絶されるとは思っていなかった。

 ――何でもお手伝いします! 今まで通り子供のお世話でもなんでも! ですから……
 ――……手は足りている。新しい家で家族と一緒に暮らせ。

 取り付く島がない。オーギュストの眼差しはこれ以上ないほど冷たくて、フルールは黙らざるを得なかった。
 ケイトリンって不気味な女も侍女だったアンバーもついて行くのに、どうして自分だけ……
 そんな思いがフルールの胸中を渦巻く。

 子供の世話は、あのアンバーって女よりも私の方ががんばったわ。不気味な粘着女なんて、日々の雑用さえやらなかったじゃない。なのにあの女が一番得してるなんて、信じられない。毎日毎日オーギュスト殿下にべたべたして、何様?

 オーギュストの微笑みは、常にケイトリンが独り占めしていた。だからこそ、一家揃って無事だったともいえるのだが、そういった考えには至らない。二年間、直接的な被害を誰も被らなかったせいか、今では魔女に対する恐怖がすっかり薄れているようである。
 夕食時、そんなフルールの不満に、ダニーがずばっと言い切った。

「だって、ねーちゃん、うざったかったじゃん。あの魔女が薔薇の花を買いに行くたんびに、殿下にまとわりついてさぁ。絶対あれ、嫌がられてたよ」

 フルールが不満げに口を尖らせる。

「……そんなことないわよ。殿下は嫌だなんて言わなかったし……」
「殿下は俺達の家にかくまわれてたんだよ? 追い出されたら困るのに言えるわけないと思う」

 フルールは押し黙る。
 ダニーの言い分も分からないわけではなかったが、フルールは納得出来なかった。あんな薄気味悪い女の相手をするくらいなら、自分の方が遙かにいいのに、どうしてもそう思ってしまうのだ。

 オーギュストがケイトリンに優しくするたびに、フルールは嫉妬した。二人の間に割り込んでやりたかったが、不死身の化け物が相手では何も言えず、何度歯がみしたか分からない。

 ある時、フルールは王都の街中で、あのケイトリンという女を見かけた。
 綺麗なドレスを着ているので、まるで貴婦人のように見える。相変わらず真っ赤な薔薇の花を手にご機嫌だった。いつものように薔薇の花を買いに来たのだと分かる。

 いい気なものね……
 その後をフルールはそっとつけた。オーギュストがどこにいるのか知りたかったのだ。馬車に乗って走り去る彼女を目にしたフルールは、すかさず傍に停車していた馬車の御者にお金を渡し、後をつけてもらった。
 行き先は平民でも裕福層が集う街並みで、目にしたのは立派な門のある邸だった。

 凄い……ここに住んでいるの?
 フルールはあんぐりと口を開けてしまう。ぱっと見、門兵は見当たらない。フルールはそうっと大きな門をくぐり、邸に続く砂利道を歩き出すも、道半ばで人相風体の悪い男達に囲まれて心底焦った。逃げ出そうとしても、行く手を遮られてしまう。

「おおっと、待てよ、ねーちゃん」

 フルールは踵を返すも、立ちはだかった男にみぞおちを殴られ、意識が暗転する。次に目を覚ました時には薄暗い部屋の中だった。拘束されていて、身動きが取れない。

「目が覚めたか?」

 フルールは顔を覗き込んでいた男をきっと睨み付けた。

「あなたは誰?」
「それはこっちの台詞だよ、お嬢ちゃん。不法侵入したのはあんただろ? 目的は?」
「だ、だって、ここにはオー……」

 ――私の名は口外するな? 命の保証は出来ない。

 そう、オーギュストにきつく言い含められていたことを思い出す。二年間の共同生活のことは誰にも話すなと言われていた。最悪、絞首刑にされると……
 フルールの背に冷や汗が伝う。

「こ、ここに知り合いがいると思って」
「へえ? 誰だ?」
「誰って……あ、私の名前はフルールよ。そう言ってこの邸の主人に取り次いでくれない?」

 男はやれやれと言いたげにため息をつく。

「取り次ぐ、ねぇ……そんな要求をどうして飲まなけりゃならねーんだ? 盗っ人猛々しい」
「だって、知り合いだもの!」
「名前も言えねーのに?」
「それは……だって……ね、お願い!」

 フルールが男達に向かって懇願する。

「どうする?」
「輪姦して、テーム川にぽいっが一番じゃないか?」

 男の台詞にフルールは目を剥いた。
 ちょっと待って! どうしてそんな物騒な台詞が……よくよく見れば、何となく男達の雰囲気が怖い。何て言うか、危ない気配がプンプンする。フルールはそろりと聞いた。

「あなた達、邸の護衛、なのよね?」
「まあな。不法侵入者は始末して良いってことになってる。けど、綺麗なお嬢ちゃんだったから、つい、なあ……」

 男達がげらげら笑い、フルールの顔から血の気が引いた。こんな連中に邸を警備させているなんて思いもしなかった。でも、よくよく考えれば、オーギュストは謀反の罪を着せられた王族で、常に命の危険があると言っていい。これくらいやっても不思議はないのだと思い当たる。

「お、お願い! 邸の主人にフルールが尋ねてきたって言ってよ!」

 フルールはわんわん泣いた。もう、泣くしかない。

「お前達何をやっている」

 騒ぎを聞きつけたか、長身の銀髪の男が部屋に入ってきた。執事に扮した影のザインである。

「不法侵入者です。片付けますか?」

 男の台詞にフルールがびくりと身をすくませる。ザインの青灰色の瞳がフルールを捉えた。じっと見つめるその瞳に宿るのは怒りか静寂か……両方かもしれない。

「……いい、こっちへ」

 拘束されたままのフルールをザインが引き受け、歩き出す。

「あ、あの、お願い、邸の主人に取り次いで……」
「用件は?」
「ただ、その、会いたいだけ……」

 ザインが顔をしかめた。

「……はっきり言っておく。もう、あの方にまとわりつくな」
「あの、でも……」
「ブリュンヒルデ様の居所を密告しただろう?」

 フルールはひゅっと息をのむ。
 どうして目の前の男が知っているのか……
 足を止め、戸惑うフルールを見下ろしたザインは、追い打ちを掛けた。影である彼が突き止めた情報は正確だ。

「ヴィスタニア兵を医療院に誘導したな? ブリュンヒルデ様はそれで命を落とされた。密告などするくらいなら、何故彼を家に招き入れた? あ? 金目当てか? 恩を売って見返りが欲しかったか? 住民権と家だけでは足りない? 十分過ぎるほどの報酬だと思うがな。この欲深め!」

 乱暴に髪を鷲掴みにされ、フルールは泣いた。

「違う、違うわ……ただ、ただ私は、ブリュンヒルデ様を国へ帰してあげたかっただけよ」
「ほう? 何故?」
「だって、彼女は殿下にとってお荷物だと思ったんだもの。皇女様が平民になんかなれるわけがないわ。このままだと殿下に迷惑をかけるだけだと思ったから、国へ帰った方がいいと……」
「あの方がそう言ったのか?」
「……言わないわ。でも……」

 ザインの目がすうっと冷酷さを増す。

「あの方にとってブリュンヒルデ様は大切な伴侶で、家族だったんだぞ! それを……自分勝手な思い込みで引き裂いたのか?」

 鷲掴みにされた髪を引っ張られ、フルールは再度悲鳴を上げるも、ふっと気が付く。

「あ、あの……もしかして殿下も知って?」
「ああ、それが?」

 フルールからすうっと血の気が引いた。なんと言えばいいのか分からない。
 別れ際のあの冷たい眼差しは全てを知って、拒絶された? ああ、何てこと……

「お願い、お願い、殿下に会わせて? 謝罪を……」

 声が震えてどうしようもない。
 嫌よ、嫌……せめて、せめて、そんなつもりじゃなかったって言わなくちゃ……
 ザインがまなじりを吊り上げた。

「必要ない! まだ分からないのか? あの方がどうして踏み止まったのか……お前に家族がいるからだ! でなければとっくに首をかっ切られてる! 憎まれていると理解しろ! 謝罪? それが何の役に立つ! ブリュンヒルデ様は戻ってこない! どんな謝罪の言葉もあの方には無意味だ!」

 フルールは首を横に振った。涙が止まらない。
 許して、許して、お願い……
 けれど、謝罪すら拒絶されているのだと分かる。分かってしまう。

「もう一度言う。あの方にまとわりつくな。身の程を知れ!」

 フルールはザインに引きずられるようにして馬車に乗せられ、王都の街外れまで連れて行かれた。突き飛ばされるようにして馬車から押し出されたので、フルールは足を派手にくじき、泥だらけである。ザインがそんなフルールを冷たく見下ろした。

「……忠告を忘れるな? 二度はない」

 ザインはそう告げ、馬車が走り去る。のろのろと起き上がったフルールは、泣きながら家路へとついた。ごめんなさい、ごめんなさいと謝りながら……

 くじいた足がズキズキと痛み、その足を引きずるようにして歩いた。どこをどうやって帰ったのか覚えていない。家の戸を叩けば、ダニーと祖母がそろって出て来た。心配したらしい祖母と弟のダニーの顔を見て、ほっとすると同時に更に泣いてしまった。涙が止まらない。

「ねーちゃん、どーしたんだよ?」
「……何でもない」

 家族の温かさが身にしみる。

 ――あの方にとってブリュンヒルデ様は大切な伴侶で、家族だったんだぞ!

 でも、ああ、そうだ……自分はこれをあの人から奪ったのだと、ようやく、ようやく気が付いた。醜い嫉妬心であの人の幸せを壊したのは他でもない、自分なのだと気が付いた時には既に手遅れで、どうしようもない胸の痛みだけが残った。

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