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【コミック1巻】&【小説3巻】発売記念SS
レナードの追憶:中編
くつくつと喉の奥でオーギュストが笑う。
「飲んだくれアリソン?」
そう問われて、レナードは笑うしかない。
は、はは、確かに親父は酒浸りだったけど、そんなに有名か?
「まぁ、確かに酒好きだったけど……」
「アリソンは優秀な男だったが、片足を怪我して現場を退き、育成係に回った。息子が一人いたな、レナード・ソールだったか? ああ、確かにお前にはアリソンの面影がある」
仮面の奥の緑の瞳が、値踏みをするように細められ、どきりとした。
「親父を知っているのか?」
「……もう、行け。つきまとうな」
オーギュストが身を翻し、立ち去りかけたので、レナードは慌てて呼び止めた。
「あ、ちょ! 待ってくれ! と、そ、そうだ、親父は死んだよ!」
ぴたりとオーギュストの歩みが止まった。
「死んだ?」
「あ、ああ、酒の飲み過ぎで川へ転落したって。墓参りがしたければ……」
「く、ははは……、アリソンが酒の飲み過ぎ? あれはふりだ馬鹿者」
「ふり?」
「アリソンは酒によったふりをするのが上手かった。あれは酒に酔わない体質で、そうやって相手を油断させ、情報を引き出すんだ。それで付いた渾名が飲んだくれアリソン。仲間内なら皆知っている」
「じゃ、なんで……」
「殺されたのかもな」
そう言われて、レナードはぎょっとなった。
「アリソン・ソールは諜報員だった。王家の影、そう言えば分かるか?」
「スパイ?」
「そうだ」
「何かを探ってて殺された? いや、でも、今あんたが現場を退いたって!」
「死ぬ前、奴は何をしていた?」
「何って……確か、そう、オーギュスト殿下は無実だって騒いでた」
ぴくりとオーギュストが反応する。
「ほ、ほら。もう、七年も前の話だけど、前王が弑逆された事件は有名だからお前も知ってるよな? まぁ、親父の気持ちは分かるぜ? 殿下をよく知らない俺だって、冤罪なんじゃないかって、そう思ったくらいだし。けど、そんなん平民の俺達が騒いだってどうなるもんでも……もしかして、真相を知ろうとして殺された?」
落ちたのは沈黙だ。レナードは自分が馬鹿な問いを発したと気が付く。
そうだよな。聞いたって答えられるわけがない。
「……私の演奏をもう一度聴きたいと言ったな?」
ややあってからオーギュストがそう言った。
「え? ああ……」
「なら、付いてこい」
オーギュストが背を向け、漆黒のマントがふわりと翻る。積もった雪が足音を消すから、やはり不気味に感じてしまう。仮面の男が人間じゃないようなそんな錯覚を覚えるからだ。けれど、一度耳にした演奏の素晴らしさを忘れることなど出来そうにない。もう一度聞きたいと切望してしまう。
レナードは大人しくオーギュストに付き従った。その後、目にしたのは装飾の少ない簡素な馬車で、待機していた御者と従者らしき男が恭しく頭を垂れる。
「馬車の修理は終わったか?」
「滞りなく」
レナードはこの時、単純に馬車の故障だろうと思ったが違った。どうやら金目当てに彼の馬車を襲った連中がいたらしい。レナードは仮面を着けたオーギュストの顔を盗み見て、もうちょっと襲う相手を選べと、そう思った。この男が相手じゃ、ライオンの口に手を突っ込むようなものだろう。
辿り付いた先は、貴族街にある子爵邸である。何てことはない簡素な作りの邸宅だ。面白みも何もない平均的な貴族の邸宅だったが、平民であるレナードには豪勢な邸に見えた。ひゅうっと口笛を吹く。
「お帰りなさいませ、旦那様」
手を胸に当て、恭しく頭を下げたのは眼鏡をかけた銀髪の男、ザインだ。王家の影だった男である。
「ローザは?」
「もうお休みになっておられます」
「今日の様子はどうだった?」
そう問うたオーギュストの横顔を見て、レナードはおやっと思う。やけに眼差しが柔らかい、そう感じたのだ。表情なんて仮面をしているから分かりにくはずなのに。
気のせいだよな?
執事服のザインが困ったように笑った。
「それが……突如思いついたように畑を作るんだと張り切って、庭師と一緒になって土いじりを……淑女らしからぬ行動ですが、あのままでよろしいのですか?」
「いい、好きにさせてやれ」
「承知致しました」
ちらりとザインがレナードを見た。
「彼は客人だ。部屋を用意するように」
「かしこまりました」
レナードが面食らう。
え? 部屋? 部屋って……
「もしかして、俺を泊めてくれんの?」
「私の演奏を聴きたいんだろう?」
オーギュストが振り向かずにそう答えた。
「いや、まぁ、確かにそう言ったけど……俺平民だし、あんたにとっては不審者だし、いいのか?」
「構わない、ここにいろ。結果が出るまでは」
「結果? 結果って?」
それには答えず、オーギュストの命令で侍女に湯浴みをさせられ、食事を出され、深夜になって希望していた演奏を披露してくれた。いたれりつくせりで嬉しいけど、こんな夜中にか? レナードがつい、そう口にすれば忙しいという。
つまり、夜中以外時間が取れなかったって事か。
目にしたのは美しい装飾の施された鍵盤楽器だ。酒場のぼろい楽器とは雲泥の差である。耳にした演奏はやっぱり素晴らしく、込み上げてくるものを抑えるのに一苦労だ。
「あんた、プロの楽士になれそうだよな」
レナードがそう言えば、オーギュストに失笑された。
「……これくらいの弾き手なら掃いて捨てるほどいる」
「あー……技巧的にはそうかも? けど、あんたの場合、なんていうか……ここに響くんだよな。本格的に練習すればどんなプロも敵わないかも」
レナードが自分の胸をトントン叩く。だから、そう、あんたの音色が忘れられなかったんだと、レナードが吐露すると、オーギュストの手がぽろんと鍵盤を打つ。
「何が違うのか……」
「ん?」
「昔は逆を言われた。技巧は素晴らしい。けれど、何かが物足りない、と……」
「へえ? 心境の変化でも?」
「……もう寝ろ」
オーギュストはすいっと立ち上がり、その場を離れた。
その後しばらくの間、ドルシア子爵邸での悠々自適な生活が続いたかと思えば、仕事は何をしている? とオーギュストに問われ、レナードは面食らう。
働けって事か?
「あー、酒場の用心棒とかいろいろ?」
レナードは適当に答えて誤魔化した。
本職は詐欺師だ。適当なカモを見つけて、金を巻き上げている。これが一番儲かるが、カモがいない場合は用心棒をして日銭を稼いでいる。
「私の護衛をする気はあるか?」
オーギュストの申し出にレナードは目を丸くする。
「え……あんた、俺よりつえーじゃん。いらねーんじゃ……」
一度戦った感触はそうだった。どう見ても、こいつの方が俺より強い。自分が護衛をする必要性を全く感じなかったが、提示された給金が良かったので、レナードは二つ返事で引き受け、仮面を着けたオーギュストの後を付いて回った。
そして、レナードは忙しいと言ったオーギュストの言葉を理解した。
ほんっと、こいつ、一日中動き回ってやんの。なんだよ、これ。お貴族様なんて、えらそーに命令してふんぞり返っているだけだって思っていたけど、全然ちげー……
商談に次ぐ商談。邸に帰ったら帰ったで、オーギュストは執務室に閉じこもり、書類の整理だ。机の上の書類にはずらりと数字が並んでいる。
オーギュストが席を外した隙に、レナードが興味津々書類の束を手に取れば、給仕をしていたザインがまなじりを吊り上げた。
「勝手に見ないでください!」
レナードの手から書類をひったくったザインにじろりと睨まれ、レナードは降参というように両手を上げた。
「あー、すまない。つい興味が湧いて……けど、なんで全部自分でやるんだ? 貴族なら商人を顎でこき使えば良いと思うけどな」
お貴族様なんてそんなもんだろ?
レナードが告げた言葉にザインが反論する。
「ジャック様以上の手腕の方がいるのならそうしますとも!」
あー、つまり、ドルシア子爵以上の才の持ち主がいないと……。頭の回転がやたらと早いもんな、あいつ。けど行動が奇妙で、考えが全然読めない。
「それにしても、酔狂な奴だよなー……なんで俺みたいなのを用心棒に選ぶかね?」
言いつつ、机の上の小瓶から飴を一つ取り上げ、口に含み、べっと吐き出した。
にっが! なんだコレ? 飴じゃなくて薬か?
「あなたのせいでしょう!」
ガチャンとザインが片付けていた茶器を乱暴に置き、レナードは目を丸くした。
へ? 俺のせい?
「正確に言えばあなたの所業のせいです! イカサマで荒稼ぎしたでしょう? リオ・フェリペ、ジョニー・カルディロの双方から睨まれてましたよ。あのままだと消されていました。だからジャック様は、わざわざあなたを連れ歩いたんです。自分の子飼いだから手を出すなと、そういう意味ですよ! ジャック様に感謝なさい!」
え……
レナードは心底驚き、身を乗り出した。
「リオ・フェリペ、ジョニー・カルディロって……裏組織を牛耳ってる超大物じゃんか! え、何? あれに対抗出来んの? 仮面卿ってそこまで大物? あ、お貴族様だからか?」
ザインがはあっと息を吐く。
「そう思っていただいて結構です。とにかく、賭博場でのイカサマは騒動の元ですから、今後やらないように。どうしてもというのなら目立っては駄目です! いいですね?」
レナードに念押しし、ザインは片付けた茶器を持って退出した。入れ代わるようにオーギュストが執務室に姿を見せ、外出するという。
ほんっとこいつ、いつ休んでるんだ?
つい目線が半眼だ。
「飲んだくれアリソン?」
そう問われて、レナードは笑うしかない。
は、はは、確かに親父は酒浸りだったけど、そんなに有名か?
「まぁ、確かに酒好きだったけど……」
「アリソンは優秀な男だったが、片足を怪我して現場を退き、育成係に回った。息子が一人いたな、レナード・ソールだったか? ああ、確かにお前にはアリソンの面影がある」
仮面の奥の緑の瞳が、値踏みをするように細められ、どきりとした。
「親父を知っているのか?」
「……もう、行け。つきまとうな」
オーギュストが身を翻し、立ち去りかけたので、レナードは慌てて呼び止めた。
「あ、ちょ! 待ってくれ! と、そ、そうだ、親父は死んだよ!」
ぴたりとオーギュストの歩みが止まった。
「死んだ?」
「あ、ああ、酒の飲み過ぎで川へ転落したって。墓参りがしたければ……」
「く、ははは……、アリソンが酒の飲み過ぎ? あれはふりだ馬鹿者」
「ふり?」
「アリソンは酒によったふりをするのが上手かった。あれは酒に酔わない体質で、そうやって相手を油断させ、情報を引き出すんだ。それで付いた渾名が飲んだくれアリソン。仲間内なら皆知っている」
「じゃ、なんで……」
「殺されたのかもな」
そう言われて、レナードはぎょっとなった。
「アリソン・ソールは諜報員だった。王家の影、そう言えば分かるか?」
「スパイ?」
「そうだ」
「何かを探ってて殺された? いや、でも、今あんたが現場を退いたって!」
「死ぬ前、奴は何をしていた?」
「何って……確か、そう、オーギュスト殿下は無実だって騒いでた」
ぴくりとオーギュストが反応する。
「ほ、ほら。もう、七年も前の話だけど、前王が弑逆された事件は有名だからお前も知ってるよな? まぁ、親父の気持ちは分かるぜ? 殿下をよく知らない俺だって、冤罪なんじゃないかって、そう思ったくらいだし。けど、そんなん平民の俺達が騒いだってどうなるもんでも……もしかして、真相を知ろうとして殺された?」
落ちたのは沈黙だ。レナードは自分が馬鹿な問いを発したと気が付く。
そうだよな。聞いたって答えられるわけがない。
「……私の演奏をもう一度聴きたいと言ったな?」
ややあってからオーギュストがそう言った。
「え? ああ……」
「なら、付いてこい」
オーギュストが背を向け、漆黒のマントがふわりと翻る。積もった雪が足音を消すから、やはり不気味に感じてしまう。仮面の男が人間じゃないようなそんな錯覚を覚えるからだ。けれど、一度耳にした演奏の素晴らしさを忘れることなど出来そうにない。もう一度聞きたいと切望してしまう。
レナードは大人しくオーギュストに付き従った。その後、目にしたのは装飾の少ない簡素な馬車で、待機していた御者と従者らしき男が恭しく頭を垂れる。
「馬車の修理は終わったか?」
「滞りなく」
レナードはこの時、単純に馬車の故障だろうと思ったが違った。どうやら金目当てに彼の馬車を襲った連中がいたらしい。レナードは仮面を着けたオーギュストの顔を盗み見て、もうちょっと襲う相手を選べと、そう思った。この男が相手じゃ、ライオンの口に手を突っ込むようなものだろう。
辿り付いた先は、貴族街にある子爵邸である。何てことはない簡素な作りの邸宅だ。面白みも何もない平均的な貴族の邸宅だったが、平民であるレナードには豪勢な邸に見えた。ひゅうっと口笛を吹く。
「お帰りなさいませ、旦那様」
手を胸に当て、恭しく頭を下げたのは眼鏡をかけた銀髪の男、ザインだ。王家の影だった男である。
「ローザは?」
「もうお休みになっておられます」
「今日の様子はどうだった?」
そう問うたオーギュストの横顔を見て、レナードはおやっと思う。やけに眼差しが柔らかい、そう感じたのだ。表情なんて仮面をしているから分かりにくはずなのに。
気のせいだよな?
執事服のザインが困ったように笑った。
「それが……突如思いついたように畑を作るんだと張り切って、庭師と一緒になって土いじりを……淑女らしからぬ行動ですが、あのままでよろしいのですか?」
「いい、好きにさせてやれ」
「承知致しました」
ちらりとザインがレナードを見た。
「彼は客人だ。部屋を用意するように」
「かしこまりました」
レナードが面食らう。
え? 部屋? 部屋って……
「もしかして、俺を泊めてくれんの?」
「私の演奏を聴きたいんだろう?」
オーギュストが振り向かずにそう答えた。
「いや、まぁ、確かにそう言ったけど……俺平民だし、あんたにとっては不審者だし、いいのか?」
「構わない、ここにいろ。結果が出るまでは」
「結果? 結果って?」
それには答えず、オーギュストの命令で侍女に湯浴みをさせられ、食事を出され、深夜になって希望していた演奏を披露してくれた。いたれりつくせりで嬉しいけど、こんな夜中にか? レナードがつい、そう口にすれば忙しいという。
つまり、夜中以外時間が取れなかったって事か。
目にしたのは美しい装飾の施された鍵盤楽器だ。酒場のぼろい楽器とは雲泥の差である。耳にした演奏はやっぱり素晴らしく、込み上げてくるものを抑えるのに一苦労だ。
「あんた、プロの楽士になれそうだよな」
レナードがそう言えば、オーギュストに失笑された。
「……これくらいの弾き手なら掃いて捨てるほどいる」
「あー……技巧的にはそうかも? けど、あんたの場合、なんていうか……ここに響くんだよな。本格的に練習すればどんなプロも敵わないかも」
レナードが自分の胸をトントン叩く。だから、そう、あんたの音色が忘れられなかったんだと、レナードが吐露すると、オーギュストの手がぽろんと鍵盤を打つ。
「何が違うのか……」
「ん?」
「昔は逆を言われた。技巧は素晴らしい。けれど、何かが物足りない、と……」
「へえ? 心境の変化でも?」
「……もう寝ろ」
オーギュストはすいっと立ち上がり、その場を離れた。
その後しばらくの間、ドルシア子爵邸での悠々自適な生活が続いたかと思えば、仕事は何をしている? とオーギュストに問われ、レナードは面食らう。
働けって事か?
「あー、酒場の用心棒とかいろいろ?」
レナードは適当に答えて誤魔化した。
本職は詐欺師だ。適当なカモを見つけて、金を巻き上げている。これが一番儲かるが、カモがいない場合は用心棒をして日銭を稼いでいる。
「私の護衛をする気はあるか?」
オーギュストの申し出にレナードは目を丸くする。
「え……あんた、俺よりつえーじゃん。いらねーんじゃ……」
一度戦った感触はそうだった。どう見ても、こいつの方が俺より強い。自分が護衛をする必要性を全く感じなかったが、提示された給金が良かったので、レナードは二つ返事で引き受け、仮面を着けたオーギュストの後を付いて回った。
そして、レナードは忙しいと言ったオーギュストの言葉を理解した。
ほんっと、こいつ、一日中動き回ってやんの。なんだよ、これ。お貴族様なんて、えらそーに命令してふんぞり返っているだけだって思っていたけど、全然ちげー……
商談に次ぐ商談。邸に帰ったら帰ったで、オーギュストは執務室に閉じこもり、書類の整理だ。机の上の書類にはずらりと数字が並んでいる。
オーギュストが席を外した隙に、レナードが興味津々書類の束を手に取れば、給仕をしていたザインがまなじりを吊り上げた。
「勝手に見ないでください!」
レナードの手から書類をひったくったザインにじろりと睨まれ、レナードは降参というように両手を上げた。
「あー、すまない。つい興味が湧いて……けど、なんで全部自分でやるんだ? 貴族なら商人を顎でこき使えば良いと思うけどな」
お貴族様なんてそんなもんだろ?
レナードが告げた言葉にザインが反論する。
「ジャック様以上の手腕の方がいるのならそうしますとも!」
あー、つまり、ドルシア子爵以上の才の持ち主がいないと……。頭の回転がやたらと早いもんな、あいつ。けど行動が奇妙で、考えが全然読めない。
「それにしても、酔狂な奴だよなー……なんで俺みたいなのを用心棒に選ぶかね?」
言いつつ、机の上の小瓶から飴を一つ取り上げ、口に含み、べっと吐き出した。
にっが! なんだコレ? 飴じゃなくて薬か?
「あなたのせいでしょう!」
ガチャンとザインが片付けていた茶器を乱暴に置き、レナードは目を丸くした。
へ? 俺のせい?
「正確に言えばあなたの所業のせいです! イカサマで荒稼ぎしたでしょう? リオ・フェリペ、ジョニー・カルディロの双方から睨まれてましたよ。あのままだと消されていました。だからジャック様は、わざわざあなたを連れ歩いたんです。自分の子飼いだから手を出すなと、そういう意味ですよ! ジャック様に感謝なさい!」
え……
レナードは心底驚き、身を乗り出した。
「リオ・フェリペ、ジョニー・カルディロって……裏組織を牛耳ってる超大物じゃんか! え、何? あれに対抗出来んの? 仮面卿ってそこまで大物? あ、お貴族様だからか?」
ザインがはあっと息を吐く。
「そう思っていただいて結構です。とにかく、賭博場でのイカサマは騒動の元ですから、今後やらないように。どうしてもというのなら目立っては駄目です! いいですね?」
レナードに念押しし、ザインは片付けた茶器を持って退出した。入れ代わるようにオーギュストが執務室に姿を見せ、外出するという。
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