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第五章 コウノトリと受胎告知
第百八十八話 サマンサの言い訳
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そう、竜王国ドルトランに、ドラゴンである彼女がいても何ら不思議はない。セレスティナは狼狽えるも、ピクシー達が周囲をぶんぶん飛び回っていて、竜王アルゴンも一緒だ。何よりシャーロットが一緒にいる。
大丈夫よ、大丈夫。ここへ来るとは限らないし……
セレスティナの思いとは裏腹に、赤いドラゴンがセレスティナに向かって急降下してきたではないか。その勢いのままかぎ爪のある手でセレスティナを引っ掴み、あっという間に飛び去った。
シャーロットの驚くまいことか。
ティナ! というシャーロットの叫びを置き去りにし、ドラゴンのサマンサは風を切って空を飛び、人気のない岩山の上でようやく下ろされる。人型に変わったサマンサは相変わらず綺麗な赤毛の女性だ。シリウスと並んで立っても見劣りのしない大人の女性である。
セレスティナを見下ろすサマンサがぽつりと言う。
「寂しくて苦しいの……」
「え?」
「どうしたらいい?」
こちらを見るサマンサの眼差しは縋るよう。何と答えて良いか分からず、セレスティナが困っていると、サマンサは先を続けた。答えを期待していた訳ではないらしい。
「シリウスは許してくれると思ったのよ。だってだって、私のお願いは何でも聞いてくれたから、離れて暮らせばシリウスは私を恋しがって折れると思ったの。ローレンツも一緒に三人で暮らそう、そう言ってくれると思ったのに……」
それはちょっと……
サマンサの琥珀色の瞳がセレスティナを捉える。
「十二年間離れて、シリウスはあなたを選んじゃった。こんな筈じゃなかったのに」
「人間にとって十二年は長いわ?」
「そのようね?」
そう答えて、サマンサが肩を落とす。
「嫌われるなんて思ってもみなかった」
それに関しては答えようがない。
ずっと袖にされ続けても、無償の愛を注ぎ続けられる人なんて、いるのかしら?
シリウスに袖にされたら、と考えるだけで苦しくなるから、セレスティナとしてはその可能性を思い浮かべたくもなかったけれど。
「ローレンツさんはサマンサさんを愛しているわ?」
「でも彼はシリウスじゃない」
拗ねたサマンサは、まるで駄々っ子のよう。
祖父のアルゴンさんはサマンサさんをまだまだ子供だと言っていたわ。このことかしら? 精神が未熟なの? 気持ちは分かるけれど……。私だって、他の人を勧められたら、シリウスではないと言ってしまいそうだもの。
セレスティナがおずおずと言った。
「恋人を探すのはシリウスが亡くなってからでは駄目だったの?」
サマンサが拗ねたように言う。
「だから、その……三人で暮らせば楽しいじゃない?」
セレスティナは目を見開いた。
えぇ? それって、シリウスとサマンサさんとサマンサさんの恋人と三人で? それは酷いわ。
「それって、楽しいのはサマンサさんだけよ。シリウスは楽しくないと思うわ? 人一倍焼きもち焼きだから、サマンサさんを独り占めしたいと思ったはずだもの。いいえ、誰でもそうよ。恋人だったら自分だけを見て欲しいって思うのが自然だわ。サマンサさんは違うの? シリウスが他の女性を見ても焼きもちは焼かない?」
「シリウスは私にぞっこんだったから……」
他の女に現を抜かすことはないと思い込んでいたらしい。
流石にため息だ。シリウスに聞かれなくて良かったと思う。
「シリウスの気持ちを蔑ろにしすぎじゃないかしら」
「謝れば……」
よりを戻そうとするサマンサにセレスティナは危機感を覚える。
駄目よ、それは!
「ごめんなさい、私もシリウスを愛しているの」
「わたしの方がずっとずっと愛しているわ!」
サマンサの必死の訴えに、セレスティナは言葉に詰まった。
シリウスを捨てたのはあなたよ、それが事実でも口に出来ない。サマンサの辛い気持ちが分からないわけではなかったから……愛する人と引き離されるのはとてもとても辛い。
セレスティナはきゅっと唇を噛み、下を向く。
でも、彼は譲れないの、ごめんなさい。
「……愛の重さは量れないわ。だから比べることは出来ないけれど、シリウスは私を選んでくれたの。私はその思いを踏みにじったりしない」
私は彼の手を放したりしない。決して……
「あなたがいなくなれば……」
サマンサの言葉にセレスティナはひやりとなる。こちらを見つめる琥珀色の瞳に危機感を覚える。サマンサはドラゴンだ。炎のひと吹きで自分を消し炭に出来る。セレスティナはそろりと後退しかけるも、そこに響いたのはシャーロットの怒声だった。
「ママの馬鹿ーーーーーーーー!」
大空を飛んできた銀竜が人型に変化し、そのままダイレクトキックだ。もんどりうって転がったサマンサが涙目で叫び返す。
「シャルちゃん! ママになんてことするの!」
シャーロットは憤怒の形相で仁王立ちである。
「それはこっちの台詞よ! ティナに何かしたら承知しないんだから!」
「実の母親と、この子とどっちが大事なのよ!」
「ティナよ!」
即答されて、サマンサは口をパクパクさせる。
シャーロットがまなじりを吊り上げた。
「とにかくティナから離れて! パパに言いつけてやる! 嫌い嫌いって言われればいいのよ!」
「シャルちゃああああああん!」
「泣いても駄目!」
「サマンサ、いい加減にせい。ほら、ローレンツが迎えに来たぞ? 大人しく帰るんじゃ」
父親のアルゴンに促され、サマンサは渋々それに従った。
「……チョコレートをありがとうって、シリウスに言っておいて」
そう告げ、赤竜の姿になると、緑竜のローレンツと一緒に飛び去った。空の彼方に消えていく二体のドラゴンを眺めつつ、シャーロットが呆れたように言う。
「やあだ。あの緑竜、パパからのチョコレートだってわざわざ言ったの?」
「というか、もっと欲しいと強請られて、真実を言うしかなくなったようじゃよ」
アルゴンの返答に、シャーロットの目が半眼だ。
「……なる。自分で手に入れるのが無理で、本当の事をゲロッたのね。と、それより、ティナ! 大丈夫? 何にもされなかった?」
「え、ええ、大丈夫よ?」
「よかった……もう帰ろう。パパに内緒で来たのが仇になったわ」
銀竜に変化したシャーロットは、セレスティナを背に乗せ、飛び立った。とんだケチが付いちゃったわとぶつぶつ言いながら。
王都の傍まで来ると、銀竜となったシャーロットの周囲を銀色の球体、恐らくシリウスの防衛球だろう、手のひらにスッポリ収まるくらいの銀色の球体がぶんぶん飛び回り、「セレスティナ様発見」「セレスティナ様発見」と告げ、シャーロットと一緒になって飛び始める。
「うっわ。もしかして、パパってばティナを探し回った?」
「黙って出て来ちゃったから」
セレスティナが申し訳なさそうに身を縮める。
「……行き先を誤魔化したのがばれたのね。もう、パパったら過保護すぎ」
オルモード公爵邸に到着すれば、邸の外でシリウスが待ち構えていた。
両手を背で組み、空を心配そうに見上げている。白銀の髪が風に靡き、大きな体躯は相変わらず目立つ。どんな遠くでも見つけられる自信がセレスティナにはあった。
白銀の天使様……
そう呟いてしまうほど。
無事、銀竜の背に乗ったセレスティナがオルモード公爵邸の庭に降り立つと、ほっとしたように近寄ったシリウスに抱きしめられる。
「心配した」
「ご、ごめんなさい」
「外出する際はハロルドを連れて行くようにと言ったはずだぞ?」
行動を咎められ、セレスティナが「ごめんなさい」と再度謝ったところで、シャーロットが割り込んだ。
「あのね、ハルを連れて行くとティナの行動がパパに筒抜けになっちゃうじゃない。今回は秘密にする必要があったのよ。初めての結婚記念日が近いんだから、それくらい察して?」
口を閉じたシリウスにシャーロットがたたみかける。
「ティナを叱っちゃ駄目よ?」
「……そうだな」
シリウスはそう告げ、セレスティナの額に優しいキスをした。
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「人間にとって十二年は長いわ?」
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そう答えて、サマンサが肩を落とす。
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シリウスに袖にされたら、と考えるだけで苦しくなるから、セレスティナとしてはその可能性を思い浮かべたくもなかったけれど。
「ローレンツさんはサマンサさんを愛しているわ?」
「でも彼はシリウスじゃない」
拗ねたサマンサは、まるで駄々っ子のよう。
祖父のアルゴンさんはサマンサさんをまだまだ子供だと言っていたわ。このことかしら? 精神が未熟なの? 気持ちは分かるけれど……。私だって、他の人を勧められたら、シリウスではないと言ってしまいそうだもの。
セレスティナがおずおずと言った。
「恋人を探すのはシリウスが亡くなってからでは駄目だったの?」
サマンサが拗ねたように言う。
「だから、その……三人で暮らせば楽しいじゃない?」
セレスティナは目を見開いた。
えぇ? それって、シリウスとサマンサさんとサマンサさんの恋人と三人で? それは酷いわ。
「それって、楽しいのはサマンサさんだけよ。シリウスは楽しくないと思うわ? 人一倍焼きもち焼きだから、サマンサさんを独り占めしたいと思ったはずだもの。いいえ、誰でもそうよ。恋人だったら自分だけを見て欲しいって思うのが自然だわ。サマンサさんは違うの? シリウスが他の女性を見ても焼きもちは焼かない?」
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「シリウスの気持ちを蔑ろにしすぎじゃないかしら」
「謝れば……」
よりを戻そうとするサマンサにセレスティナは危機感を覚える。
駄目よ、それは!
「ごめんなさい、私もシリウスを愛しているの」
「わたしの方がずっとずっと愛しているわ!」
サマンサの必死の訴えに、セレスティナは言葉に詰まった。
シリウスを捨てたのはあなたよ、それが事実でも口に出来ない。サマンサの辛い気持ちが分からないわけではなかったから……愛する人と引き離されるのはとてもとても辛い。
セレスティナはきゅっと唇を噛み、下を向く。
でも、彼は譲れないの、ごめんなさい。
「……愛の重さは量れないわ。だから比べることは出来ないけれど、シリウスは私を選んでくれたの。私はその思いを踏みにじったりしない」
私は彼の手を放したりしない。決して……
「あなたがいなくなれば……」
サマンサの言葉にセレスティナはひやりとなる。こちらを見つめる琥珀色の瞳に危機感を覚える。サマンサはドラゴンだ。炎のひと吹きで自分を消し炭に出来る。セレスティナはそろりと後退しかけるも、そこに響いたのはシャーロットの怒声だった。
「ママの馬鹿ーーーーーーーー!」
大空を飛んできた銀竜が人型に変化し、そのままダイレクトキックだ。もんどりうって転がったサマンサが涙目で叫び返す。
「シャルちゃん! ママになんてことするの!」
シャーロットは憤怒の形相で仁王立ちである。
「それはこっちの台詞よ! ティナに何かしたら承知しないんだから!」
「実の母親と、この子とどっちが大事なのよ!」
「ティナよ!」
即答されて、サマンサは口をパクパクさせる。
シャーロットがまなじりを吊り上げた。
「とにかくティナから離れて! パパに言いつけてやる! 嫌い嫌いって言われればいいのよ!」
「シャルちゃああああああん!」
「泣いても駄目!」
「サマンサ、いい加減にせい。ほら、ローレンツが迎えに来たぞ? 大人しく帰るんじゃ」
父親のアルゴンに促され、サマンサは渋々それに従った。
「……チョコレートをありがとうって、シリウスに言っておいて」
そう告げ、赤竜の姿になると、緑竜のローレンツと一緒に飛び去った。空の彼方に消えていく二体のドラゴンを眺めつつ、シャーロットが呆れたように言う。
「やあだ。あの緑竜、パパからのチョコレートだってわざわざ言ったの?」
「というか、もっと欲しいと強請られて、真実を言うしかなくなったようじゃよ」
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「え、ええ、大丈夫よ?」
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両手を背で組み、空を心配そうに見上げている。白銀の髪が風に靡き、大きな体躯は相変わらず目立つ。どんな遠くでも見つけられる自信がセレスティナにはあった。
白銀の天使様……
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「心配した」
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「あのね、ハルを連れて行くとティナの行動がパパに筒抜けになっちゃうじゃない。今回は秘密にする必要があったのよ。初めての結婚記念日が近いんだから、それくらい察して?」
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