お見合い結婚します―でもしばらくはセックスレスでお願いします!

登夢

文字の大きさ
14 / 26

14.ひょっとして風俗に行った?

しおりを挟む
(11月第1月曜日)
同居生活を始めてからもう2週間ほどになっている。ようやく生活にリズムができてきた。私も家事に慣れてきてゆとりが出てきた。ただ、相変わらず夜は別々に休ませてもらっている。

お風呂はどちらが先に入るかは決まっていない。でも、どちらもソファーで上がって来るのを待っている。最初の晩に私がお風呂で寝込みそうになったことがあったから、意識してそうしている。

亮さんは私が寝込んだら、これ幸いと鍵を開けて助けに行くと言っている。だからお風呂では絶対に眠らないように気を付けている。

二人の入浴が終わると、おやすみのハグをするようになっている。今はこれが私の受容限度だと亮さんも思っている。

亮さんは今のところこれ以上のことは期待していないみたい。少し申し訳ないような気がしているが、ここまでが精一杯だ。おやすみなさい。

***************************************
(11月第1木曜日)
週の半ばの今日は朝から亮さんがそわそわしている。何となくだけどそう思う。朝食を食べながら、亮さんが今日の予定を話してくれた。

「今日は同期との懇親会があるので、夕食はパスします。2次会まで行くかもしれないので、帰りは11時過ぎになるかもしれません。先に休んでいてください」

「分かりました。飲み過ぎに気を付けて無事に帰って下さい」

飲み会は同居を始めてから今回が初めてだ。久しぶりの同期会で亮さんも気持ちが弾んでいるみたい。いつものように亮さんは軽くハグして先に出かけた。

今日の帰りは久しぶりに品川の駅ビルの中をウインドウショッピングして回った。ここのところ毎日夕食の用意をしなければならなかったので、必要なもの買うとすぐに帰宅していた。久しぶりにのんびりした気分になれた。

結婚すると生活が安定するけど、引き換えに自由な時間も少なくなる。分かっていることだったがすこし窮屈だ。それに何となく心が晴れない。

きっと亮さんとまだ十分に気心を通じ合えていないからだと思う。でも精一杯やっているけど、今一歩がやはり踏み出せていない。

今日は一人だけの夕食だから気に入ったお弁当を買って帰ることにした。やはり一人分を作る気にはなれない。

マンションに着くとまだ7時前だった。お湯を沸かしてお茶を入れてお弁当を食べる。なかなかおいしい味付けだ。遅くなったら二人分買ってきて食べても良いと思えるほどおいしいお弁当だった。

9時になったので、お風呂に入った。独身時代に戻ったような気分だ。ゆっくりお湯につかる。眠っても亮さんが入って来る心配もない。ゆっくり入る。でも眠ったらだめだ。

上がってから飲む冷たい牛乳がおいしい。まだ、10時前だ。やっぱり亮さんの帰りは11時ごろになるのだろう。無事に帰ってほしい。テレビを見ていたら、うとうとしてしまった。

ドアの鍵を開ける音で目が覚めた。亮さんが帰ってきた。すぐに玄関まで迎えに行く。

「ただいま」

「おかえりなさい。遅かったので無事か心配していました」

亮さんはいつもならするハグを今日はしなかった。

「ありがとう、大丈夫だ、そんなに飲んでいないし、すぐにお風呂に入るから」

「上がるまで起きています。その間に着ていたものを洗濯機にかけておきます」

そういうと亮さんがワイシャツの匂いを嗅いだ。なぜ? いままでそんな素振りはしたことがなかったので気になった。

私がそれを見ていたのに気がついたようで、目が合ったら亮さんは目線をはずした。何か後ろめたいことでもあるのかな?

亮さんが匂いを嗅いでいたので私も洗濯を始める前に匂いを嗅いでみた。居酒屋のような匂いがする。でもそんなに気にすることはないのに、なぜ?

もう一度匂いを嗅いでみる。居酒屋の匂いとは違ったかすかな香水のような甘い匂いがする。これだ!

亮さんとの約束を思い出した。でもまさか? 言っているだけでそれを実際にするような人ではないと思っていた。

それもまだ同居を始めてから2週間しか経っていないのに、本当ならショックだ。明日、それとなく聞いてみよう。

亮さんがお風呂から上がってきた。「お洗濯をしておきました。おやすみなさい」とだけ言って自分の部屋にすぐに入った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

薫る袖の追憶を捨て、月光の君に溺愛される

あとりえむ
恋愛
名門の姫君・茜は、夫の高彬に蔑まれ、寂れた離れで孤独な死を迎えた…… けれど意識が途切れた瞬間、視界を埋め尽くしたのは命を削って輝く緋色の夕映え。 目が覚めると、そこは高彬との婚約が決まったばかりの十五歳の春に戻っていた。 「二度目の人生では、誰のことも愛さず、ただあの方の幸せだけを願おう」 茜は、かつて自身の孤独を救ってくれた「最推し」の東宮・暁を、未来の知識で密かに支えることを決意する。 執着を捨て、元夫に無関心を貫く茜。 一方、高彬は自分に興味を失った茜の価値に気づき、今更遅い後悔に狂い始めるが……。 「見つけた。お前は俺の、運命の番だ」 正体を隠して東宮を支えていたはずが、冷徹な暁に見出され、逃げ場のないほどの執着と溺愛を注がれることに。 平安の雅な風情の中で描かれる、逆転と救済の物語。 最後は、二人が永遠の契りを交わす和歌で幕を閉じます。

『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』

鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、 仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。 厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議―― 最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。 だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、 結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。 そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、 次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。 同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。 数々の試練が二人を襲うが―― 蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、 結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。 そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、 秘書と社長の関係を静かに越えていく。 「これからの人生も、そばで支えてほしい。」 それは、彼が初めて見せた弱さであり、 結衣だけに向けた真剣な想いだった。 秘書として。 一人の女性として。 結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。 仕事も恋も全力で駆け抜ける、 “冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。

夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU
恋愛
彼氏ナシ・子供ナシ・仕事ナシ……、ないない尽くしで人生に焦りを感じているアラフォー女性の前に、ある日突然、白馬の王子様が現れた! ピュアな主人公が待ちに待った〝白馬の王子様"の正体は、若くしてホストクラブを経営するカリスマNO.1ホスト。「俺と一緒に暮らさないか」突然のプロポーズと思いきや、契約結婚の申し出だった。 ところが、イケメンホスト麻生凌はたっぷりの愛情を濯ぐ。 翻弄される結城あゆみ。 そんな凌には誰にも言えない秘密があった。 あゆみの運命は……

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

ハメられ婚〜最低な元彼とでき婚しますか?〜

鳴宮鶉子
恋愛
久しぶりに会った元彼のアイツと一夜の過ちで赤ちゃんができてしまった。どうしよう……。

カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~

伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華 結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空 幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。 割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。 思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。 二人の結婚生活は一体どうなる?

同期に恋して

美希みなみ
恋愛
近藤 千夏 27歳 STI株式会社 国内営業部事務  高遠 涼真 27歳 STI株式会社 国内営業部 同期入社の2人。 千夏はもう何年も同期の涼真に片思いをしている。しかし今の仲の良い同期の関係を壊せずにいて。 平凡な千夏と、いつも女の子に囲まれている涼真。 千夏は同期の関係を壊せるの? 「甘い罠に溺れたら」の登場人物が少しだけでてきます。全くストーリには影響がないのでこちらのお話だけでも読んで頂けるとうれしいです。

処理中です...