16 / 26
16.布団に入れてほしいと言ってみた!
しおりを挟む
意外と早く、6時前にはマンションに帰ってこられて良かった。金沢で買ってきたお弁当を二人で夕食に食べた。
いつものように食事を終えてから、亮さんがコーヒーを入れてくれた。私はずっと考え事をしていた。どうしたら亮さんが喜んでくれるだろうかと。結論は分かっているが、まだ前に進めない。その勇気がない。
亮さんは私が考え事をしているのに気が付いたみたいだったけど何も言わなかった。でも不安な様子が見て取れる。
今日は新幹線に揺られて疲れたから、早めに休むことにした。亮さんに先にお風呂に入ってくれるように頼んだ。
その後に私が入った。私がお風呂から上がったら、亮さんが冷たいお茶の入ったコップを渡してくれた。気を遣ってくれている。
私が飲み終えるのを待って、亮さんがハグしようとする。とっさに私から亮さんに抱きついていつもよりしっかりハグして「おやすみ」と言った。思いがけないことだったのか、亮さんは嬉しそうに部屋に入っていった。
そのあと、どうしようかしばらく迷ったが、私は亮さんの部屋のドアをノックした。
「入ってもいいですか?」
「いいけど、どうかした?」
私はドアを開けて中に入った。亮さんの匂いが部屋いっぱいに満ちている。以前だったら不快に思えたかもしれないけど、今日は何とも思わなかった。どちらかというと懐かしい匂いだ。
「布団に入りますから、抱いて寝てください。ただ、軽く抱くだけでお願いします」
「言うとおりにする。喜んで」
私は恐る恐る亮さんの布団に入った。まともに亮さんの顔を見られないので、自然と目を閉じている。亮さんの手が伸びてきて私を抱き締めようとする。緊張してドキドキする。
「理奈さん、身体がガチガチだ。無理することはありません。部屋に戻ったらどうですか」
「すみません。緊張してしまって、これじゃあ、亮さんに悪いですね」
「その気持ちだけで十分嬉しい。どうするこのままここにいる?」
「はい、迷惑でなければ居させてください」
「迷惑なはずがない。それじゃ、向きを変えて後ろを向いてくれる」
私は素直に向きを変えた。
「後ろから軽く抱いてあげる。それなら緊張しないと思う」
「それでよければそうして下さい」
亮さんの右手と左手が私をそっと包み込んだ。私はとっさに亮さんの両手を掴んでいた。私がそうしたことで亮さんは動きが取れなくなった。我ながら良い判断だと思った。
でも、手を握っているので亮さんはまんざらでもなさそうで、動こうとはしなかった。私はこれで安心だ。後ろの亮さんは落ち着いていて、黙ってそのままにしていてくれる。良い感じだ。
亮さんは何を考えているんだろう。このまま無理やりにということも考えているかもしれない。でもきっと亮さんは何もしてこない。そう信じることができた。
確かに亮さんは何もしてこなかった。手を握ったことでそれが抑えられたのかもしれない。背中が温かい。いつの間にか眠ってしまった。
朝、目が覚めたら、まだ暗かった。5時を少し過ぎたところだった。握っていたはずの手は離れて私の背中にあった。
亮さんが起きないようにそっと部屋を離れた。幸せな気持ちでいっぱいだった。抱いて寝てもらってよかった。
いつものように食事を終えてから、亮さんがコーヒーを入れてくれた。私はずっと考え事をしていた。どうしたら亮さんが喜んでくれるだろうかと。結論は分かっているが、まだ前に進めない。その勇気がない。
亮さんは私が考え事をしているのに気が付いたみたいだったけど何も言わなかった。でも不安な様子が見て取れる。
今日は新幹線に揺られて疲れたから、早めに休むことにした。亮さんに先にお風呂に入ってくれるように頼んだ。
その後に私が入った。私がお風呂から上がったら、亮さんが冷たいお茶の入ったコップを渡してくれた。気を遣ってくれている。
私が飲み終えるのを待って、亮さんがハグしようとする。とっさに私から亮さんに抱きついていつもよりしっかりハグして「おやすみ」と言った。思いがけないことだったのか、亮さんは嬉しそうに部屋に入っていった。
そのあと、どうしようかしばらく迷ったが、私は亮さんの部屋のドアをノックした。
「入ってもいいですか?」
「いいけど、どうかした?」
私はドアを開けて中に入った。亮さんの匂いが部屋いっぱいに満ちている。以前だったら不快に思えたかもしれないけど、今日は何とも思わなかった。どちらかというと懐かしい匂いだ。
「布団に入りますから、抱いて寝てください。ただ、軽く抱くだけでお願いします」
「言うとおりにする。喜んで」
私は恐る恐る亮さんの布団に入った。まともに亮さんの顔を見られないので、自然と目を閉じている。亮さんの手が伸びてきて私を抱き締めようとする。緊張してドキドキする。
「理奈さん、身体がガチガチだ。無理することはありません。部屋に戻ったらどうですか」
「すみません。緊張してしまって、これじゃあ、亮さんに悪いですね」
「その気持ちだけで十分嬉しい。どうするこのままここにいる?」
「はい、迷惑でなければ居させてください」
「迷惑なはずがない。それじゃ、向きを変えて後ろを向いてくれる」
私は素直に向きを変えた。
「後ろから軽く抱いてあげる。それなら緊張しないと思う」
「それでよければそうして下さい」
亮さんの右手と左手が私をそっと包み込んだ。私はとっさに亮さんの両手を掴んでいた。私がそうしたことで亮さんは動きが取れなくなった。我ながら良い判断だと思った。
でも、手を握っているので亮さんはまんざらでもなさそうで、動こうとはしなかった。私はこれで安心だ。後ろの亮さんは落ち着いていて、黙ってそのままにしていてくれる。良い感じだ。
亮さんは何を考えているんだろう。このまま無理やりにということも考えているかもしれない。でもきっと亮さんは何もしてこない。そう信じることができた。
確かに亮さんは何もしてこなかった。手を握ったことでそれが抑えられたのかもしれない。背中が温かい。いつの間にか眠ってしまった。
朝、目が覚めたら、まだ暗かった。5時を少し過ぎたところだった。握っていたはずの手は離れて私の背中にあった。
亮さんが起きないようにそっと部屋を離れた。幸せな気持ちでいっぱいだった。抱いて寝てもらってよかった。
0
あなたにおすすめの小説
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~
ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。
彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。
――死んだはずの彼女が、生きている?
同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。
「今さら、逃げ道があると思うなよ」
瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。
秘された皇子と、選び直した愛。
三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?
* * *
後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。
夜の帝王の一途な愛
ラヴ KAZU
恋愛
彼氏ナシ・子供ナシ・仕事ナシ……、ないない尽くしで人生に焦りを感じているアラフォー女性の前に、ある日突然、白馬の王子様が現れた! ピュアな主人公が待ちに待った〝白馬の王子様"の正体は、若くしてホストクラブを経営するカリスマNO.1ホスト。「俺と一緒に暮らさないか」突然のプロポーズと思いきや、契約結婚の申し出だった。
ところが、イケメンホスト麻生凌はたっぷりの愛情を濯ぐ。
翻弄される結城あゆみ。
そんな凌には誰にも言えない秘密があった。
あゆみの運命は……
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。
同期に恋して
美希みなみ
恋愛
近藤 千夏 27歳 STI株式会社 国内営業部事務
高遠 涼真 27歳 STI株式会社 国内営業部
同期入社の2人。
千夏はもう何年も同期の涼真に片思いをしている。しかし今の仲の良い同期の関係を壊せずにいて。
平凡な千夏と、いつも女の子に囲まれている涼真。
千夏は同期の関係を壊せるの?
「甘い罠に溺れたら」の登場人物が少しだけでてきます。全くストーリには影響がないのでこちらのお話だけでも読んで頂けるとうれしいです。
結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「結婚したらこっちのもんだ。
絶対に離婚届に判なんて押さないからな」
既婚マウントにキレて勢いで同期の紘希と結婚した純華。
まあ、悪い人ではないし、などと脳天気にかまえていたが。
紘希が我が社の御曹司だと知って、事態は一転!
純華の誰にも言えない事情で、紘希は絶対に結婚してはいけない相手だった。
離婚を申し出るが、紘希は取り合ってくれない。
それどころか紘希に溺愛され、惹かれていく。
このままでは紘希の弱点になる。
わかっているけれど……。
瑞木純華
みずきすみか
28
イベントデザイン部係長
姉御肌で面倒見がいいのが、長所であり弱点
おかげで、いつも多数の仕事を抱えがち
後輩女子からは慕われるが、男性とは縁がない
恋に関しては夢見がち
×
矢崎紘希
やざきひろき
28
営業部課長
一般社員に擬態してるが、会長は母方の祖父で次期社長
サバサバした爽やかくん
実体は押しが強くて粘着質
秘密を抱えたまま、あなたを好きになっていいですか……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる