8 / 21
8.新学期が始まって同居生活が楽しい!
しおりを挟む
【4月8日(水)】
新しい学校での3年生の新学期が始まった。始業式が6日で7日が入学式だったので、転校してきた私は今日8日からすぐに授業ということになった。せっかく圭さんが高校へ通わせてくれたのだから、一生懸命に勉強すると決めた。
一日目の授業を終えて帰宅した。圭さんが帰宅すると、すぐに学校の報告をする。
クラスは3年1組でほぼ男女半々、担任は佐藤先生になって、急に家庭の事情で転校してきたこと、制服はしばらく前の学校のものを着ていることなどを教室の皆に話してくれたこと、また、困ったことがあったら何でも相談するように言われたことなどを話した。
「担任が佐藤先生でよかった。事情をよく分かっていてくれるから」
「また、学校に行けるとは思っていませんでした。ありがとうございました」
「勉強頑張ってね。進学のことも考えてみて、大丈夫だから」
「明日から、お弁当を作って行きますけど、圭さんの分も作って良いですか」
「お弁当か。お願いします。楽しみだ」
「気に入ってもらえると良いけど食べてみてください」
「それから、僕が少し前まで使っていたパソコンがあるけど使ってみないか? この前、新しいのに買い替えたところなので、中古だけど最新のWindows10が入っているよ」
「パソコンを使ってみたいと思っていたので是非使わせて下さい。でも使い方が分からないので教えてもらえますか?」
「もちろん、教えてあげる。ここのマンションには光ケーブルが入っていて、各部屋には、ネット接続用の端子があるけど、僕はそれを部屋のどこで使っても無線で繋がるようにしているから便利だよ。ネットの料金は家賃に含まれているから、使い放題で心配しなくてもよい。寝室のプリンターにも無線で繋がるから、プリンターも自由に使って良いよ」
「すごいですね。今まで知らなかったわ」
「じぁや、折角だから、夕食の後に使い方を教えてあげる。僕の書棚に定期購読しているパソコンの雑誌が1年分ある。初心者向けの使い方の記事もあるからそれを読むと勉強になるよ」
圭さんは、パソコンの使い方を教えてくれた。私は教えて貰うのが1回で済むように、メモを取ったり、分からないところは遠慮なく質問した。
大体の操作方法はすぐに分かった。本棚の雑誌の場所も教えてもらったので、あとは何とか一人でやれる。後から役に立つと思うので、早くマスターしたい。
それから圭さんは生活費として3万円が入った財布を渡してくれた。
「これは、当面の二人の生活費として使って下さい。食べ物や洗剤などを買ってくれれば良い。残りが1万円になったら補充するから、言ってほしい。万一の時のために、最低1万円はいつも財布に入れておくこと」
「すごく慎重なんですね」
「万一の時はお金が一番頼りになる。その時は遠慮なくその1万円を使っていい。それから、これは当面の美香ちゃんのお小遣い2万円。足りなくなったら遠慮しないで言ってほしい」
「こんなに必要ないです」
「とりあえず持っていて、学校で必要になったものを自由に買って良いから。まず、通学定期3か月分を買って下さい。家事をしてもらうのだから、もっとお手当を払わなければいけないけど、もう少し様子を見させてくれる」
「分かりました。何から何までありがとうございます」
圭さんは結構細かいところまで考えてくれている。信頼できる人だ。
【4月9日(木)】
9日の朝、私は張り切ってお弁当を作った。圭さんはお昼に開けたら後輩の山本君にまるで愛妻弁当ですねとからかわれたけど悪い気がしなかったと言ってくれた。とてもおいしかった、毎日こんな弁当が食べられるなんて、美香ちゃんと同居してよかったとも。
私は、それからしばらくは、帰宅すると家事の合間にパソコンを練習した。雑誌を見ながら練習をしたけど、1週間もするとなんとか使いこなせるようになった。
ネットでいろんなことが調べられることが分かったし、最新のニュースも読めるし、天気予報も。世界が広がった。圭さんに感謝。
新学期が始まって、通学を始めてからは二人の生活にもリズムができてきた。朝は、私が5時30分に起床、朝食とお弁当を作る。同時に洗濯を開始。6時になると圭さんが起床して身支度を整えて、6時30分に二人で朝食を食べる。
7時過ぎにお弁当を持って、圭さんが出勤。その後、私が食事の後片付けと洗濯物を干して、8時前に登校して8時30分から授業が始まる。
3時ごろに授業が終わり、帰り道にスーパーで買い物をして、4時前には帰宅する。クラブ活動はしない。それから、洗濯物の取り込み、掃除、夕食の準備、予習復習。
圭さんの帰宅は8時ごろ、帰ると二人で食事。遅い時は食べていてと言ってくれるけど、一人じゃおいしくないので、よっぽど遅くならないかぎり待っている。そのせいか圭さんの帰宅時間が段々早くなってきた。
食事が終わると後片付けと同時にお風呂の用意。圭さんが先に入り、その後、私が入る。お風呂から上がると、二人それぞれ適当に時間を過ごして、11時までには就寝。
始めのころは要領がつかめなかった。圭さんが手伝おうと言ってくれたけど、私の仕事だからダメ、邪魔になるから休んでいて下さいと言って、きっぱり断った。しばらくすると、要領が分かってきたので、余裕をもってできるようになってきた。圭さんも安心して、見ているだけになった。
土曜日は原則、授業がなくお休み。それで土日は二人とも起床は7時か8時。朝食後は二人で部屋を整理・掃除して、それぞれ自由時間。二人の都合が合えば、外出・買い物といったところ。
生活にリズムができてくると、学校や家事に気がとられるのと疲れるので、悪い夢を見ることがなくなった。それに遠慮もあって、夜、圭さんのところへ行くことがなくなった。圭さんは入ってこないと何となく寂しいのか、遠慮しないで良いんだよと言ってくれた。
それで金曜日の夜は、悪い夢を見そうだからとか言って布団に入れてほしいと部屋に行く。圭さんは良いよといって迷惑そうな素振りも見せないで入れてくれるので、良いんだろう。後ろからそっと抱いて寝てくれるだけだけど、背中が温かくて、本当に安心して眠れる。
【4月17日(土)】
朝、横で寝ていた圭さんが私の身体が熱いことに気付いてくれた。「熱があるんじゃないか」と言われて、体温を計ったら38℃もある。常備してある解熱薬を飲ませてくれる。
そういえば、いつもなら圭さんとお話しするんだけど、昨晩布団の中に入れてもらったときは、身体がだるくてすぐに眠ってしまった。新学期の疲れが出たのかもしれない。今日は土曜日で明日も学校は休みだから良かった。
圭さんはこの2日間は自分が家事するから寝ていなさいといってくれた。いろいろなことがあったので疲れが溜まっているのかもしれないので、そうさせてもらうと素直に聞き入れた。
叔母さんの家では、体調が悪い時も家事をしなればならなかったので辛かったから、ありがたいと圭さんにいった。圭さんは黙って頷いていた。
それから近くの医院へ連れて行ってくれた。風邪の診断で風邪薬を処方してもらった。幸い私は2日間の休養で元気を取り戻した。土曜日の晩に再び37℃の熱が出たけど、日曜の夜には熱が出ることもなく回復した。
圭さんがそばにいてくれるので安心して休養できた。本当にありがとう。頼りになる人だ。
【4月20日(火)】
朝、圭さんが身体がだるくて熱っぽいというので、体温を計ったら39℃の熱があった。急ぎの仕事もないので今日は休暇を貰うといった。私が風邪をうつしてしまった、本当にごめんなさい、と何度も謝った。
今日は学校を休んで看病すると言ったけど、大丈夫だからといって聞き入れてくれない。しかたがないので、お昼用のお弁当を作って登校した。
圭さんは9時少し前に会社に電話を入れてから、近所の内科へ行って診てもらったとのことで、やはり風邪の診断で風邪薬を処方してもらっていた。3時過ぎに帰宅すると圭さんは眠っていた。
お昼のお弁当は食べてあった。私に気が付くと「大丈夫だよ」と言ってまた眠った。そして夕食を食べてからまた眠った。疲れているみたい。安心して寝ていてほしい。
夜遅くになって、また圭さんが発熱した。38℃ある。私は明日も休んだ方が良いといった。
翌朝、37℃の熱があったので、もう1日休むことになった。圭さんも2日間の休養ですっかり元気を回復した。
圭さんは一人のころは風邪を引くと大変だったけど、私が身の回りの世話をしてくれたので助かったと言ってくれた。元気になってくれて本当によかった。
【4月30日(土)】
圭さんが部屋でパソコンを使って何か計算している。そして、月末に4月の収支をまとめたら、ほとんど一人のときの生活費と出費は同じくらいと教えてくれた。
私がお弁当や夕食を作るので、外食が少なくなったのと、私が夕食を食べずに待っていると思うと、同僚と飲んで帰ることも少なくなったからとのこと。それに私がやりくり上手と褒めてくれた。
これなら家事をまかせて安心とも言ってくれた。それを聞いて、圭さんのお荷物にならなくて良かったと安心した。
このごろ週末の金曜日と土曜日の夜は布団に入れてもらっている。ただ、うしろからそっと腕をまわして抱いて寝てくれるだけだけど、その腕も私に触れるか触れないくらい。私はその腕にしがみつくけどそれは良いみたい。圭さんの両手は私のお腹の前で恋人つなぎのように結んでいる。
私が腕の中から出ないようにしている? いや圭さんのことだから夜中に無意識に私に触れないようにと考えてのことだと思う。ほんとうに慎重と言うか真面目過ぎる。
私はいつでも何をされても良いと思っているのに。布団の中で私の身体には指一本触れてこない。頭をなでてくれることはあるけど、それは圭さんとしては許容範囲に入っているみたい。
うしろから抱いてもらっているので、お尻を突き出してみたことがあるけど、圭さんのあそこが固くなっているのが分かった。圭さんは慌ててすぐ腰を引いた。偶然と思ったみたい。
もう一度それとなくお尻を突き出すと、やっぱり腰を引く。私がわざとしているのに気付いたみたいで「おとなしく寝ていて、そうでないなら自分の布団で寝て」とやんわりとさとす。
「ごめんなさい。もうしませんから、このままでお願いします」というと「いいけど」とまんざらでもなさそうだった。相当に我慢している。私をだいじにしてくれていると思うと嬉しかった。
でも圭さんが私を後ろから腕をまわして組んでいるのは寝入る時だけで、寝入ってしまうと、あとは自然に手を放すみたい。それで夜中は二人離れたりくっついたりして寝ているみたい。
私は夜中に目が覚めると圭さんに抱きつくことにしている。それでも圭さんは無意識で私を抱きしめたりはしない。眠っている時でも真面目過ぎる。
一度だけだけど、夜中に仰向けに寝ている圭さんのお腹の上にうつ向けに抱きついてみた。圭さんの胸は意外と広くてお腹が柔らかくて温かい。あそこも柔らかいので全く気が付いていないみたい。落ちないようにしがみついていると心地よくて眠ってしまった。
圭さんのうめき声で目が覚めた。苦しそうにしているので、慌てて横に滑り降りた。そして、大丈夫と声をかけた。圭さんは怖い夢を見たといった。どんな夢と聞くと何かの下敷きになっているんだけど、苦しくてと言った。圭さんに悪いと思いそれからはしていない。
圭さんはいびきをかく。特に金曜日の夜。始めはなんだろうと驚いて目が覚めた。いびきだった。でも圭さんのいびきをうるさいとは思わなかった。疲れているんだ、私のために働いてくれて。そう思うと、規則正しい心地よい響きになって眠ってしまう。
朝、「圭さんっていびきかくのね、でもいやじゃない」と言ったら、「美香ちゃんもいびきかくことあるよ」と言われた。気が付かなかった。
そして、「美香ちゃんがいびきをかくと可愛くてしょうがない、それを聞いていると子守歌みたいですぐに眠ってしまうので、楽しみだ」と言われた。恥ずかしかったけど、私と同じ思いをしてくれていて嬉しかった。
圭さんは寝言もいう。夜中に「だめだ、だめ」というので目が覚めた。私は何もしていないのにと思って圭さんを見ると、顔をゆがませて眠っている。私が抱いて下さいと迫っている夢でも見ているのかもしれない。
それで約束した18歳になるまでは絶対に言うのはやめようと思った。寝言の話をいって、謝ると、私も「いや、いや」と顔をゆがませて寝言を言うことがあると教えてくれた。そのときは、そっと頭をなでていると言われた。ありがとう。
一緒に寝ていると思いがけないこともある。圭さんは結構寝相が悪い。特に疲れていていびきをかく時。手が私の胸に乗ったことがあったし、私の大事なところに膝が当ったことも手が当ったこともあった。
驚いて目が覚めて圭さんの顔を見たけど、絶対にわざとじゃない、偶然だった。でもそんなことはめったにないし、まして起きている時は絶対にないので、そのままにして眠った。ただ、朝になって目が覚めると跡形もなかった。圭さんは気が付いたのかすぐに離したのだと思う。
夜中に一度だけ抱きしめられたことがあった。うれしかったのでそのまま抱かれていた。朝になると、圭さんは背中を向けて、布団を抱いていた。あれは夢だったかもしれないけど。
それから、私も寝相が良い方ではないみたい。明け方、寒いので目が覚めたら、布団からはみ出ていて、しかもあられもない姿で寝ているのに気が付いた。脚を広げて、トレーナーの上が捲れてお臍が出ている。よだれをたらしている。
ほとんど同時に圭さんも目が覚めたみたいで、私の寝相を直してくれた。私は恥ずかしいので眠ったふりをしていた。捲れあがったトレーナーを下げてくれて、広げた脚を揃えて布団をかけてくれた。脚を布団の中に入れるためなら触って良いみたい。まるで父親が幼い娘の寝相を直すみたいで分かりやすい。
それから、しばらく座っているみたいだったので、目をあけると私を覗き込んでいる圭さんと目が合った。その眼差しが忘れられない。とっても優しい目だった。あんなに優しい目を見たのは初めてだった。
圭さんは私が突然目を開けたので驚いて「ごめん、可愛くて見とれていた」といって寝転んで背を向けた。圭さんにあんな目で見つめられていたと思うと、それだけで私は十分幸せだった。
圭さんに抱いてもらったら幸せ過ぎてきっと大声で泣いてしまうだろう。いまでもこうなのだから。
新しい学校での3年生の新学期が始まった。始業式が6日で7日が入学式だったので、転校してきた私は今日8日からすぐに授業ということになった。せっかく圭さんが高校へ通わせてくれたのだから、一生懸命に勉強すると決めた。
一日目の授業を終えて帰宅した。圭さんが帰宅すると、すぐに学校の報告をする。
クラスは3年1組でほぼ男女半々、担任は佐藤先生になって、急に家庭の事情で転校してきたこと、制服はしばらく前の学校のものを着ていることなどを教室の皆に話してくれたこと、また、困ったことがあったら何でも相談するように言われたことなどを話した。
「担任が佐藤先生でよかった。事情をよく分かっていてくれるから」
「また、学校に行けるとは思っていませんでした。ありがとうございました」
「勉強頑張ってね。進学のことも考えてみて、大丈夫だから」
「明日から、お弁当を作って行きますけど、圭さんの分も作って良いですか」
「お弁当か。お願いします。楽しみだ」
「気に入ってもらえると良いけど食べてみてください」
「それから、僕が少し前まで使っていたパソコンがあるけど使ってみないか? この前、新しいのに買い替えたところなので、中古だけど最新のWindows10が入っているよ」
「パソコンを使ってみたいと思っていたので是非使わせて下さい。でも使い方が分からないので教えてもらえますか?」
「もちろん、教えてあげる。ここのマンションには光ケーブルが入っていて、各部屋には、ネット接続用の端子があるけど、僕はそれを部屋のどこで使っても無線で繋がるようにしているから便利だよ。ネットの料金は家賃に含まれているから、使い放題で心配しなくてもよい。寝室のプリンターにも無線で繋がるから、プリンターも自由に使って良いよ」
「すごいですね。今まで知らなかったわ」
「じぁや、折角だから、夕食の後に使い方を教えてあげる。僕の書棚に定期購読しているパソコンの雑誌が1年分ある。初心者向けの使い方の記事もあるからそれを読むと勉強になるよ」
圭さんは、パソコンの使い方を教えてくれた。私は教えて貰うのが1回で済むように、メモを取ったり、分からないところは遠慮なく質問した。
大体の操作方法はすぐに分かった。本棚の雑誌の場所も教えてもらったので、あとは何とか一人でやれる。後から役に立つと思うので、早くマスターしたい。
それから圭さんは生活費として3万円が入った財布を渡してくれた。
「これは、当面の二人の生活費として使って下さい。食べ物や洗剤などを買ってくれれば良い。残りが1万円になったら補充するから、言ってほしい。万一の時のために、最低1万円はいつも財布に入れておくこと」
「すごく慎重なんですね」
「万一の時はお金が一番頼りになる。その時は遠慮なくその1万円を使っていい。それから、これは当面の美香ちゃんのお小遣い2万円。足りなくなったら遠慮しないで言ってほしい」
「こんなに必要ないです」
「とりあえず持っていて、学校で必要になったものを自由に買って良いから。まず、通学定期3か月分を買って下さい。家事をしてもらうのだから、もっとお手当を払わなければいけないけど、もう少し様子を見させてくれる」
「分かりました。何から何までありがとうございます」
圭さんは結構細かいところまで考えてくれている。信頼できる人だ。
【4月9日(木)】
9日の朝、私は張り切ってお弁当を作った。圭さんはお昼に開けたら後輩の山本君にまるで愛妻弁当ですねとからかわれたけど悪い気がしなかったと言ってくれた。とてもおいしかった、毎日こんな弁当が食べられるなんて、美香ちゃんと同居してよかったとも。
私は、それからしばらくは、帰宅すると家事の合間にパソコンを練習した。雑誌を見ながら練習をしたけど、1週間もするとなんとか使いこなせるようになった。
ネットでいろんなことが調べられることが分かったし、最新のニュースも読めるし、天気予報も。世界が広がった。圭さんに感謝。
新学期が始まって、通学を始めてからは二人の生活にもリズムができてきた。朝は、私が5時30分に起床、朝食とお弁当を作る。同時に洗濯を開始。6時になると圭さんが起床して身支度を整えて、6時30分に二人で朝食を食べる。
7時過ぎにお弁当を持って、圭さんが出勤。その後、私が食事の後片付けと洗濯物を干して、8時前に登校して8時30分から授業が始まる。
3時ごろに授業が終わり、帰り道にスーパーで買い物をして、4時前には帰宅する。クラブ活動はしない。それから、洗濯物の取り込み、掃除、夕食の準備、予習復習。
圭さんの帰宅は8時ごろ、帰ると二人で食事。遅い時は食べていてと言ってくれるけど、一人じゃおいしくないので、よっぽど遅くならないかぎり待っている。そのせいか圭さんの帰宅時間が段々早くなってきた。
食事が終わると後片付けと同時にお風呂の用意。圭さんが先に入り、その後、私が入る。お風呂から上がると、二人それぞれ適当に時間を過ごして、11時までには就寝。
始めのころは要領がつかめなかった。圭さんが手伝おうと言ってくれたけど、私の仕事だからダメ、邪魔になるから休んでいて下さいと言って、きっぱり断った。しばらくすると、要領が分かってきたので、余裕をもってできるようになってきた。圭さんも安心して、見ているだけになった。
土曜日は原則、授業がなくお休み。それで土日は二人とも起床は7時か8時。朝食後は二人で部屋を整理・掃除して、それぞれ自由時間。二人の都合が合えば、外出・買い物といったところ。
生活にリズムができてくると、学校や家事に気がとられるのと疲れるので、悪い夢を見ることがなくなった。それに遠慮もあって、夜、圭さんのところへ行くことがなくなった。圭さんは入ってこないと何となく寂しいのか、遠慮しないで良いんだよと言ってくれた。
それで金曜日の夜は、悪い夢を見そうだからとか言って布団に入れてほしいと部屋に行く。圭さんは良いよといって迷惑そうな素振りも見せないで入れてくれるので、良いんだろう。後ろからそっと抱いて寝てくれるだけだけど、背中が温かくて、本当に安心して眠れる。
【4月17日(土)】
朝、横で寝ていた圭さんが私の身体が熱いことに気付いてくれた。「熱があるんじゃないか」と言われて、体温を計ったら38℃もある。常備してある解熱薬を飲ませてくれる。
そういえば、いつもなら圭さんとお話しするんだけど、昨晩布団の中に入れてもらったときは、身体がだるくてすぐに眠ってしまった。新学期の疲れが出たのかもしれない。今日は土曜日で明日も学校は休みだから良かった。
圭さんはこの2日間は自分が家事するから寝ていなさいといってくれた。いろいろなことがあったので疲れが溜まっているのかもしれないので、そうさせてもらうと素直に聞き入れた。
叔母さんの家では、体調が悪い時も家事をしなればならなかったので辛かったから、ありがたいと圭さんにいった。圭さんは黙って頷いていた。
それから近くの医院へ連れて行ってくれた。風邪の診断で風邪薬を処方してもらった。幸い私は2日間の休養で元気を取り戻した。土曜日の晩に再び37℃の熱が出たけど、日曜の夜には熱が出ることもなく回復した。
圭さんがそばにいてくれるので安心して休養できた。本当にありがとう。頼りになる人だ。
【4月20日(火)】
朝、圭さんが身体がだるくて熱っぽいというので、体温を計ったら39℃の熱があった。急ぎの仕事もないので今日は休暇を貰うといった。私が風邪をうつしてしまった、本当にごめんなさい、と何度も謝った。
今日は学校を休んで看病すると言ったけど、大丈夫だからといって聞き入れてくれない。しかたがないので、お昼用のお弁当を作って登校した。
圭さんは9時少し前に会社に電話を入れてから、近所の内科へ行って診てもらったとのことで、やはり風邪の診断で風邪薬を処方してもらっていた。3時過ぎに帰宅すると圭さんは眠っていた。
お昼のお弁当は食べてあった。私に気が付くと「大丈夫だよ」と言ってまた眠った。そして夕食を食べてからまた眠った。疲れているみたい。安心して寝ていてほしい。
夜遅くになって、また圭さんが発熱した。38℃ある。私は明日も休んだ方が良いといった。
翌朝、37℃の熱があったので、もう1日休むことになった。圭さんも2日間の休養ですっかり元気を回復した。
圭さんは一人のころは風邪を引くと大変だったけど、私が身の回りの世話をしてくれたので助かったと言ってくれた。元気になってくれて本当によかった。
【4月30日(土)】
圭さんが部屋でパソコンを使って何か計算している。そして、月末に4月の収支をまとめたら、ほとんど一人のときの生活費と出費は同じくらいと教えてくれた。
私がお弁当や夕食を作るので、外食が少なくなったのと、私が夕食を食べずに待っていると思うと、同僚と飲んで帰ることも少なくなったからとのこと。それに私がやりくり上手と褒めてくれた。
これなら家事をまかせて安心とも言ってくれた。それを聞いて、圭さんのお荷物にならなくて良かったと安心した。
このごろ週末の金曜日と土曜日の夜は布団に入れてもらっている。ただ、うしろからそっと腕をまわして抱いて寝てくれるだけだけど、その腕も私に触れるか触れないくらい。私はその腕にしがみつくけどそれは良いみたい。圭さんの両手は私のお腹の前で恋人つなぎのように結んでいる。
私が腕の中から出ないようにしている? いや圭さんのことだから夜中に無意識に私に触れないようにと考えてのことだと思う。ほんとうに慎重と言うか真面目過ぎる。
私はいつでも何をされても良いと思っているのに。布団の中で私の身体には指一本触れてこない。頭をなでてくれることはあるけど、それは圭さんとしては許容範囲に入っているみたい。
うしろから抱いてもらっているので、お尻を突き出してみたことがあるけど、圭さんのあそこが固くなっているのが分かった。圭さんは慌ててすぐ腰を引いた。偶然と思ったみたい。
もう一度それとなくお尻を突き出すと、やっぱり腰を引く。私がわざとしているのに気付いたみたいで「おとなしく寝ていて、そうでないなら自分の布団で寝て」とやんわりとさとす。
「ごめんなさい。もうしませんから、このままでお願いします」というと「いいけど」とまんざらでもなさそうだった。相当に我慢している。私をだいじにしてくれていると思うと嬉しかった。
でも圭さんが私を後ろから腕をまわして組んでいるのは寝入る時だけで、寝入ってしまうと、あとは自然に手を放すみたい。それで夜中は二人離れたりくっついたりして寝ているみたい。
私は夜中に目が覚めると圭さんに抱きつくことにしている。それでも圭さんは無意識で私を抱きしめたりはしない。眠っている時でも真面目過ぎる。
一度だけだけど、夜中に仰向けに寝ている圭さんのお腹の上にうつ向けに抱きついてみた。圭さんの胸は意外と広くてお腹が柔らかくて温かい。あそこも柔らかいので全く気が付いていないみたい。落ちないようにしがみついていると心地よくて眠ってしまった。
圭さんのうめき声で目が覚めた。苦しそうにしているので、慌てて横に滑り降りた。そして、大丈夫と声をかけた。圭さんは怖い夢を見たといった。どんな夢と聞くと何かの下敷きになっているんだけど、苦しくてと言った。圭さんに悪いと思いそれからはしていない。
圭さんはいびきをかく。特に金曜日の夜。始めはなんだろうと驚いて目が覚めた。いびきだった。でも圭さんのいびきをうるさいとは思わなかった。疲れているんだ、私のために働いてくれて。そう思うと、規則正しい心地よい響きになって眠ってしまう。
朝、「圭さんっていびきかくのね、でもいやじゃない」と言ったら、「美香ちゃんもいびきかくことあるよ」と言われた。気が付かなかった。
そして、「美香ちゃんがいびきをかくと可愛くてしょうがない、それを聞いていると子守歌みたいですぐに眠ってしまうので、楽しみだ」と言われた。恥ずかしかったけど、私と同じ思いをしてくれていて嬉しかった。
圭さんは寝言もいう。夜中に「だめだ、だめ」というので目が覚めた。私は何もしていないのにと思って圭さんを見ると、顔をゆがませて眠っている。私が抱いて下さいと迫っている夢でも見ているのかもしれない。
それで約束した18歳になるまでは絶対に言うのはやめようと思った。寝言の話をいって、謝ると、私も「いや、いや」と顔をゆがませて寝言を言うことがあると教えてくれた。そのときは、そっと頭をなでていると言われた。ありがとう。
一緒に寝ていると思いがけないこともある。圭さんは結構寝相が悪い。特に疲れていていびきをかく時。手が私の胸に乗ったことがあったし、私の大事なところに膝が当ったことも手が当ったこともあった。
驚いて目が覚めて圭さんの顔を見たけど、絶対にわざとじゃない、偶然だった。でもそんなことはめったにないし、まして起きている時は絶対にないので、そのままにして眠った。ただ、朝になって目が覚めると跡形もなかった。圭さんは気が付いたのかすぐに離したのだと思う。
夜中に一度だけ抱きしめられたことがあった。うれしかったのでそのまま抱かれていた。朝になると、圭さんは背中を向けて、布団を抱いていた。あれは夢だったかもしれないけど。
それから、私も寝相が良い方ではないみたい。明け方、寒いので目が覚めたら、布団からはみ出ていて、しかもあられもない姿で寝ているのに気が付いた。脚を広げて、トレーナーの上が捲れてお臍が出ている。よだれをたらしている。
ほとんど同時に圭さんも目が覚めたみたいで、私の寝相を直してくれた。私は恥ずかしいので眠ったふりをしていた。捲れあがったトレーナーを下げてくれて、広げた脚を揃えて布団をかけてくれた。脚を布団の中に入れるためなら触って良いみたい。まるで父親が幼い娘の寝相を直すみたいで分かりやすい。
それから、しばらく座っているみたいだったので、目をあけると私を覗き込んでいる圭さんと目が合った。その眼差しが忘れられない。とっても優しい目だった。あんなに優しい目を見たのは初めてだった。
圭さんは私が突然目を開けたので驚いて「ごめん、可愛くて見とれていた」といって寝転んで背を向けた。圭さんにあんな目で見つめられていたと思うと、それだけで私は十分幸せだった。
圭さんに抱いてもらったら幸せ過ぎてきっと大声で泣いてしまうだろう。いまでもこうなのだから。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる