扉の管理人 ~目覚めし者の人形達(puppets)~

眠れる紳士

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女の扉① ~秘匿の人妻 まつり~

壱:差し込まれた出会い(install)

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私の名前は「まつり」
28歳の女、、、
一昨年、今の旦那と結婚して、2人で幸せに過ごしている。
最近、家も新築しいよいよ、家庭の中に入った気分で日々、仕事と家事を両立させていた。
そんな中でもやっぱりストレスって溜まってて、、家事を手伝わない夫への不満、いつも酔って帰ってくる夫の行動、些細なことが蓄積して、どこかで、違う自分の思いが混ざり始めていた。
ううん、それでもこの人を選んだのは「私」、そう言い聞かせていたのかもしれない。。

毎日ではないけど、それでも月に数回は夜の営みもあるわけだし、まさか、私に限ってそんなこと、、最初はそう思っていた。
そう、「アレ」と出会うまでは。。

春のそよ風が吹き渡り、青空が綺麗な春の季節。
まつりは、仕事を午前中で終え、帰りに買い物をしていた。
いつも寄るチェーン店のスーパーだ。

いつも通り、夫の好きなソーセージと卵を買い、野菜を買おうとカゴに詰めていた時だった。

…ドン!

「あっ、、すみません!」
まつりは、思わず後ろを振り向いた。
キャベツを手に取り体を起こした時に買い物かごがその男性に当たったのだ。

「気づかなくて、すみません!」
まつりカゴを両手で前に持ち、丁寧にその男性に謝罪した。

「いえいえ、気になさらんでくれ」
初老の男性はそう言った。

「…。」
まつりは、何故か唾を飲み込んだ、、
…。何?この感覚、、
そう、その男性に違和感を感じたのだ。
電気が走るわけでもなく、その男性の目、いや、顔を見て、驚いたのだ。

「…。く…」
初老の銀髪のオールバック、その顔を見た途端、何か掴まれたような気分だったのだ。心の臓を掴まれる気分?いいえ、何か差し込まれたような、、、

「…。失礼します」
まつりは目を伏せ、もう一度、お辞儀をして、その男性から去った。

…変。。

まつりは会計後の袋詰めをしながら、そう感じた。
…何?何かされた?
…いや、そんなことないよね、、
…。
…。
大丈夫…よね。

そう心で言いながら、買い物袋を片手に帰路に着くのであった。

…。
ほぅ。
なかなか面白いのに会えたわぃ。
その初老の男性は少し下卑た顔でニヤついた。下唇には、ふたつのホクロがあり、少し舌なめずりしたような光沢を浮かべながら…。

まつりは、この違和感があんなことに繋がるとは思ってもいなかった。
自分の中に眠る扉に鍵を差し込まれたことに気づく余地もなかったのであった。
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