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3章 いざ王都へ
お城へ行こう~初めての晩餐~
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◇
サーシャさんの話やあたしの戸籍について話していたら、結構な時間が経っていた。
戸籍については、サーシャさんが平民になっているものをそのまま使わせてもらうことにした。
すでに平民となっていたって自分の戸籍だもの、そのまま使いたい。
サーシャさんの記憶や感情に同調しすぎたのか、あたしと彼女が一緒になったのかわからないけど、あたしがそうしたいと思ったのだ。
名前はサーヤ=オオツキに変えてもらったけどね。
先ほど大きな魔力を放とうとしたミナトちゃんは、疲れていたのとおやつでお腹いっぱいになったことで、気がつけばあたしの腕の中で眠ってしまった。
セイルが連れ帰ろうとしたけど、あたしにしっかりしがみついて離れない。
なんて可愛いの、この天使!!
あたしも本調子ではないので、気を利かせた王様が、ユーリ殿下の行動のお詫びも兼ねて、今夜の晩餐と宿泊を提案してくれた。
お城にお泊まりという魅力的なお話にすぐ飛びつきそうになったが、エルが嫌な思いしないか心配になり決めかねていると
「初めての城だろう?一泊くらいはかまわん」
と、了承が出たのでお泊まりすることになった。
なんだかんだエルは優しいなぁ。・・・夜は鬼畜だけど。
晩餐まではミナトちゃんと一緒に休ませてもらったが、さすがお城のベッドは寝心地最高!
しかも天蓋付きで、なんだかお姫様みたい!隣にホントのお姫様みたいな天使がいるから尚更だね!!
◇
気がつけばぐっすり眠っていたあたしは、侍女の方が呼びにきた声で目が覚めた。
あ!そのまま寝ちゃったから服とか髪とか酷いことになってるんじゃ・・・?
「サーヤ様とミナト様はどうぞこちらへ。晩餐の前のお支度のため、湯あみをお手伝いさせていただきます」
「へ?支度?湯あみ?」
「んにゅ?」
寝起きのミナトちゃんが目を擦りながらぽやんとしている。ホント何してても可愛いな、うちの天使はっ!
部屋についていたお風呂は広々とした素敵なお風呂で、あたしとミナトちゃんが一緒に入っても余裕がある。
さすがお城のお風呂!
侍女の方々数名のてきぱきとしたお仕事で、あっという間に髪や身体をきれいに洗われ、お風呂を後にした。
着替えもすでに用意されていて、これまた手慣れた感じで着替えだけじゃなくお化粧までされてしまった。
お城ってやっぱりすごいっ!!
ミナトちゃんは水色の髪をツインテールにして、薄ピンクのフリルたっぷりのワンピースでまるで妖精のみたい!・・・いや、実際水の精霊さんなんだけどね。
あたしはシルバーブロンドの髪を片方にゆるく纏め、胸元と背中をがっつり見せた感じの自分の瞳と同じ深紅のワンピース・・・いや、イブニングドレスって言うのかな?所々に使われた黒いレースが大人っぽく上品なデザインになっているのでいやらしさはない。
黒いレースのオペラグローブや、ドレスに合わせた宝石のネックレスもつけているため、いつものネックレスを付けていない。・・・あれ?あたし、髪色や瞳ってこのままで良いの?!
「お、二人とも綺麗に着飾ってもらったんだね☆似合うよ♪」
「ありがと、セイ、ル・・・」
セイルにお礼を言ったとき、エルも同じ方向にいたので目に入る。
いや、いるのはおかしくないんだけど、その、なんていうか・・・恰好が・・・
「エル・・・その、服・・・」
「あぁ、晩餐だったら正装しろとレヴィンがうるさくてな」
な、なんてことっ!ナイスです!!レヴィンさんっ!!!
エルは濃紺の膝丈くらいまである中世貴族のような刺しゅう入りのディナージャケットに、黒い髪をゆるくまとめた正装姿だった!ナニコレ!!写真撮りたいっ!!カッコ良すぎでしょっ!!!
ダメだ、あたしの顔絶対赤いっ、熱いっ!エルの顔が直視できなくて顔を手で覆ってしまう。
「くくっ、何で顔を隠す?」
「ヤメテ、ミナイデクダサイ・・・」
悔しい、カッコ良すぎて見れないぃぃ。絶対楽しんでるよ、この鬼畜エルフっ!
「その服はマゼンダの店で、俺が見立てたドレスだ。男がドレスを贈る意味・・・わかるな」
「え・・・ひゃっ」
エルはあたしの耳元でそう囁いた後、うなじをひと舐めして晩餐の用意された部屋へと先に向かってしまった。
「あらら☆今夜はエリュシオンが寝かせてくれないかもね~」
「!!」
「大丈夫だよ☆夜はミナト連れて森へ帰るから♪ごゆっくり~」
「ちょっ、セイル!!」
あたしをからかったセイルは、エルに続いて部屋を後にした。
男の人がドレスや服を贈る理由・・・知ってるけど、いや、泊まる部屋ならそーゆーことしても問題ないのかもしれないけど、いざあんな事言われると意識しちゃうじゃないかっ!!・・・エルのバカっ
不意にくいっとドレスの裾を掴まれた。
「サーヤまま、行かないの?」
「あ、ごめんね。あたし達も行こう!」
おっと、ミナトちゃんを待たせちゃいけない。あたしもだけど、すっかりお腹も空いてるはずだ。
お城の晩餐、どんな料理なんだろうな・・・
「サーヤまま、すっごく、きれい♡」
「きゃ~♡もうっミナトちゃんだってものすご~く可愛いんだからっ大好き!!!」
「あたしも、サーヤまま、だいすき♡ぎゅ~♡」
あぁ、うちの天使がどんどん可愛くなっていく・・・尊い・・・
二人でキャッキャ言いながらぎゅうっと抱き合ってたら、あまりにも到着が遅いからと侍女の方が迎えにきてしまった。申し訳ない。
お昼寝もして、おしゃれもして、かなり上機嫌なあたしとミナトちゃんは、初めてのお城で初めての晩餐へと仲良く向かいました。
サーシャさんの話やあたしの戸籍について話していたら、結構な時間が経っていた。
戸籍については、サーシャさんが平民になっているものをそのまま使わせてもらうことにした。
すでに平民となっていたって自分の戸籍だもの、そのまま使いたい。
サーシャさんの記憶や感情に同調しすぎたのか、あたしと彼女が一緒になったのかわからないけど、あたしがそうしたいと思ったのだ。
名前はサーヤ=オオツキに変えてもらったけどね。
先ほど大きな魔力を放とうとしたミナトちゃんは、疲れていたのとおやつでお腹いっぱいになったことで、気がつけばあたしの腕の中で眠ってしまった。
セイルが連れ帰ろうとしたけど、あたしにしっかりしがみついて離れない。
なんて可愛いの、この天使!!
あたしも本調子ではないので、気を利かせた王様が、ユーリ殿下の行動のお詫びも兼ねて、今夜の晩餐と宿泊を提案してくれた。
お城にお泊まりという魅力的なお話にすぐ飛びつきそうになったが、エルが嫌な思いしないか心配になり決めかねていると
「初めての城だろう?一泊くらいはかまわん」
と、了承が出たのでお泊まりすることになった。
なんだかんだエルは優しいなぁ。・・・夜は鬼畜だけど。
晩餐まではミナトちゃんと一緒に休ませてもらったが、さすがお城のベッドは寝心地最高!
しかも天蓋付きで、なんだかお姫様みたい!隣にホントのお姫様みたいな天使がいるから尚更だね!!
◇
気がつけばぐっすり眠っていたあたしは、侍女の方が呼びにきた声で目が覚めた。
あ!そのまま寝ちゃったから服とか髪とか酷いことになってるんじゃ・・・?
「サーヤ様とミナト様はどうぞこちらへ。晩餐の前のお支度のため、湯あみをお手伝いさせていただきます」
「へ?支度?湯あみ?」
「んにゅ?」
寝起きのミナトちゃんが目を擦りながらぽやんとしている。ホント何してても可愛いな、うちの天使はっ!
部屋についていたお風呂は広々とした素敵なお風呂で、あたしとミナトちゃんが一緒に入っても余裕がある。
さすがお城のお風呂!
侍女の方々数名のてきぱきとしたお仕事で、あっという間に髪や身体をきれいに洗われ、お風呂を後にした。
着替えもすでに用意されていて、これまた手慣れた感じで着替えだけじゃなくお化粧までされてしまった。
お城ってやっぱりすごいっ!!
ミナトちゃんは水色の髪をツインテールにして、薄ピンクのフリルたっぷりのワンピースでまるで妖精のみたい!・・・いや、実際水の精霊さんなんだけどね。
あたしはシルバーブロンドの髪を片方にゆるく纏め、胸元と背中をがっつり見せた感じの自分の瞳と同じ深紅のワンピース・・・いや、イブニングドレスって言うのかな?所々に使われた黒いレースが大人っぽく上品なデザインになっているのでいやらしさはない。
黒いレースのオペラグローブや、ドレスに合わせた宝石のネックレスもつけているため、いつものネックレスを付けていない。・・・あれ?あたし、髪色や瞳ってこのままで良いの?!
「お、二人とも綺麗に着飾ってもらったんだね☆似合うよ♪」
「ありがと、セイ、ル・・・」
セイルにお礼を言ったとき、エルも同じ方向にいたので目に入る。
いや、いるのはおかしくないんだけど、その、なんていうか・・・恰好が・・・
「エル・・・その、服・・・」
「あぁ、晩餐だったら正装しろとレヴィンがうるさくてな」
な、なんてことっ!ナイスです!!レヴィンさんっ!!!
エルは濃紺の膝丈くらいまである中世貴族のような刺しゅう入りのディナージャケットに、黒い髪をゆるくまとめた正装姿だった!ナニコレ!!写真撮りたいっ!!カッコ良すぎでしょっ!!!
ダメだ、あたしの顔絶対赤いっ、熱いっ!エルの顔が直視できなくて顔を手で覆ってしまう。
「くくっ、何で顔を隠す?」
「ヤメテ、ミナイデクダサイ・・・」
悔しい、カッコ良すぎて見れないぃぃ。絶対楽しんでるよ、この鬼畜エルフっ!
「その服はマゼンダの店で、俺が見立てたドレスだ。男がドレスを贈る意味・・・わかるな」
「え・・・ひゃっ」
エルはあたしの耳元でそう囁いた後、うなじをひと舐めして晩餐の用意された部屋へと先に向かってしまった。
「あらら☆今夜はエリュシオンが寝かせてくれないかもね~」
「!!」
「大丈夫だよ☆夜はミナト連れて森へ帰るから♪ごゆっくり~」
「ちょっ、セイル!!」
あたしをからかったセイルは、エルに続いて部屋を後にした。
男の人がドレスや服を贈る理由・・・知ってるけど、いや、泊まる部屋ならそーゆーことしても問題ないのかもしれないけど、いざあんな事言われると意識しちゃうじゃないかっ!!・・・エルのバカっ
不意にくいっとドレスの裾を掴まれた。
「サーヤまま、行かないの?」
「あ、ごめんね。あたし達も行こう!」
おっと、ミナトちゃんを待たせちゃいけない。あたしもだけど、すっかりお腹も空いてるはずだ。
お城の晩餐、どんな料理なんだろうな・・・
「サーヤまま、すっごく、きれい♡」
「きゃ~♡もうっミナトちゃんだってものすご~く可愛いんだからっ大好き!!!」
「あたしも、サーヤまま、だいすき♡ぎゅ~♡」
あぁ、うちの天使がどんどん可愛くなっていく・・・尊い・・・
二人でキャッキャ言いながらぎゅうっと抱き合ってたら、あまりにも到着が遅いからと侍女の方が迎えにきてしまった。申し訳ない。
お昼寝もして、おしゃれもして、かなり上機嫌なあたしとミナトちゃんは、初めてのお城で初めての晩餐へと仲良く向かいました。
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