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神様の名前
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ユアンの元に通うことを許されたリザは、それから仕事の合間を縫っては小屋に向かう日々を送った。
最初は怪訝な顔をしていた見張りや周囲の人間も、そのうち慣れたのか関わりたくないのか、今では特に気にする様子もない。
「こんにちは、ユアン君」
「あ、リザお姉ちゃん」
小屋の中に入ると、ユアンがリザに駆け寄る。
出会った頃よりも二人の距離は縮まり、ユアンもリザに心を開くようになっていた。
けれど、未だ彼の顔に笑顔はなく、瞳も暗いままだ。
それでも少しずつユアンはいい方向に行っているとリザは思っている。
自分に引っ付くユアンを抱きしめ返しながら、リザはベッドに向かう。
この部屋に椅子は一つしかないので、座る時はベッドに腰掛けているのだ。
とはいえ、なにか特別なことをするわけでもない。
せいぜいが持ってきた本を読むぐらいのことである。
そして、今日も代わり映え無く本を持ってきたのだ。
「今日はね、本を持ってきたの」
ユアンに見せたのは、古ぼけた一冊の本。
リザが幼い頃から何度も読んだお気に入りで、閉鎖することになった孤児院から持ち出した物だ。
「なあに、これ?」
「神様や英雄について書かれているのよ」
この本は神話が簡潔にまとめられ、挿絵も多いので子どもでも読める。
「今日はこれを読もうと思うの」
読み聞かせは孤児院でもよくやっていたから、これでもちょっとは自信があるのだ。
「……神様の本?」
「ええ、そうよ。たくさんの神様の話が載っているのよ」
リザの言葉にユアンは不思議そうな顔をする。
「たくさんの神様? ……神様は、エギヒデム様だけでしょう?」
「え?」
思わずリザはユアンの顔を見た。
「どうしてそう思うの?」
「だって、エギヒデム様だけが本当の神様で、他の神様はニセモノだって……」
ユアンの言う、エギヒデムという名の神は存在する。しかし、一般的には数多くいる神の一柱であるはずだ。
「ユアン君、それは誰から聞いたの?」
だから疑問に感じ問いかけたのだが、それが失敗だった。
「え、あ……」
ユアンの顔色が悪くなる。
それを察知したリザが反応するよりも前に、ユアンは泥を吐く。
「げほっ、ごほ……ごほっ」
「ユアン君! ごめんね、しっかりして!」
リザはユアンの背中を擦って、彼が落ち着くのを待つ。
「大丈夫……?」
「……うん」
落ち着いたユアンはリザにより掛かる。
泥の片付けは後回しにし、リザはユアンの小さな体を抱きしめ、少しでも彼が楽になるように頭をなでた。
ユアンは一日に数度、このように泥を吐く。
その量は毎回尋常ではなく、泥を吐いている時のユアンはとても苦しそうだ。
一見、何の前触れもなく泥を吐いているようだが、ともに過ごしているうちにリザの中である推測が生まれた。
泥は、ユアンの精神が不安定な時に吐き出されるのではないだろうか。
あくまで可能性の話だ。だが、信憑性はあると考えている。
まず、リザと普通に過ごしている時には泥を吐かない。
だがリザがいない時、つまりは一人で過ごしている時にはよく吐いているようだし、そして過去を想起させてしまった時にも吐いてしまうのだ。
幼いユアンにはこのような場所で一人夜を過ごすのは、やはり不安や恐怖を掻き立てられるのだろう。
そして、どうして彼がこのような体になったのかはわからないが、その原因となった出来事やそれによって変化したであろう周囲の環境がユアンの精神に大きな影を落としているのは想像に難くない。
(それなのに、過去を詮索するようなことを聞いてしまうなんて……私ったらなんて間抜けなのかしら)
リザが自責の念を抱きながら泥を掃除していると、ユアンが申し訳無さげに言う。
「リザお姉ちゃん、ごめんなさい……」
彼の言葉にリザは首を横にふった。
「謝らなくて大丈夫よ。気にしないで」
少しでもユアンが負担を感じないように、笑顔を浮かべる。
「よいっしょ」
泥の入ったズタ袋を部屋の片隅に置いて、リザはユアンの横に戻った。
するとユアンは彼女に本を差し出す。
「リザお姉ちゃん、ご本を読んで?」
「それはいいけれど、大丈夫? 無理はしていない?」
「うん……ぼく、リザお姉ちゃんのお話、聞きたい」
「……ええ、わかったわ。具合が悪くなったら言ってね?」
「うん」
ユアンの様子に注視しつつ、リザは本を開いて読み始めた。
本の内容はまず、世界の仕組みが記されていた。
まず、この世界は神々が住む『輝く大地』と人間が暮らす『影の大地』が、鏡合わせのように存在している。
二つの大地は本来、交わることがないのだが『門』を通じて干渉することがあるのだ。
空にある太陽も『門』の一つであり、あの強烈なまでの光は『輝く大地』の光なのだという。
人の魂は死後、太陽を通じて『輝く大地』に行き、そこで生前の行いを裁判の神によって裁定され、祝福あるいは懲罰を受ける。
その後、また『影の大地』に落とされた魂は、雲として空を泳ぎ、雨として降り注ぐ。
人の生命はそうやって巡回していくのだ。
時に、『門』を通して神々が『影の大地』に降り立ったり、神託を授けることもある。
多くの英雄譚でも『門』は登場し、人と神を繋げる役割を果たす。
だからこそ、この『門』を悪用しようとする者がいて、ある神話では邪神が『門』を通じて『影の大地』に災いを起こしたし、『輝く大地』に向かう為の『門』を巡って人間が争う話もある。
今、リザが読み終わった話もその類であった。
「こうして、英雄たちの活躍により『門』は閉ざされ、世界は救われましたとさ。おしまい」
この話は本の前半に記されていて、まだ話は載っているのだが、もうそろそろ仕事の時間なのだ。
名残惜しいが、今日はここまでである。
「もう仕事に戻らなくちゃいけないから、また明日ね?」
「……うん」
本を読み終えたリザが部屋から出ようとすると、ユアンが頷きながらも彼女の服を掴む。
「……ねえ、明日はいつ来てくれるの?」
その表情には寂しさが隠しきれておらず、行ってほしくないと訴えていた。
それはリザにも伝わっている。
けれど、仕事をこなさねばリザはここにいることはできない。
「……そうね、はっきりとは言えないけれど、なるべく早く来るわ」
「本当?」
「ええ、約束」
「うん、約束。かならず来てね。絶対だよ?」
ユアンは何度も念押しして、リザの服から手を離す。
本当は嫌だったろうに。
行かないでと泣いて、もっと一緒にいてとわめきたいはずだ。
リザが育った孤児院にいたユアンと同じぐらいの子は、それぐらい素直に自分の我がままを言えた。
けれど、ユアンはそんなことをしない。
あんなに小さいのに、すでに大人から嫌われぬように振る舞う姿が、幼気で憐れだった。
溜まった食器を一人で洗いながら、リザはユアンのことを考える。
(もっとユアン君にできることはないかしら……)
そもそも、どうしてあんな小さな子があんなところに閉じ込められているのかわからない。
しかもそれは、公で認められていることだという。
なのに、誰もその理由を知らず、ユアンを腫れ物に触るように扱って、無関心を貫く。
リザだって、きっとそうなっていた可能性が高い。
偉い人の命令だし、他のみんなだってそうしているのだから、それでいいんだと言い訳をして、見てみぬふりをしていただろう。
けれど、もうユアンと目が合い、言葉を交わした今ではそんな選択肢はとれなかった。
だから少しでも、ユアンの状況を良くしたいのだが、そうするのに必要な権力も人脈も、リザにはないのだ。
(それにしても、あの子の親はどうしているんだろう。もしかして、いないの……?)
ユアンと共に過ごすようになってから、一言も親についての言及がない。
会いたいと願うことも、どこにいるのかと問いかけることもしないのである。
そして、両親とどのように過ごしていたかのかも言わない。
リザにはこの反応にいくつか心当たりがあった。
まずは、両親の記憶がない。物心つく前に死に別れたか、捨てられたかして一緒に過ごした経験がないのであれば、特に何も言わないのは当然の反応である。
けれど、もう一つの可能性の方がリザには気がかりだった。
親、そしてその人達と過ごした日々を思い出したくない場合だ。
前者はいい。
リザもそうだが、本人としてはそれが当たり前なので、特に心の傷になっているということや、何か問題を抱えていることは少ない。もちろん、人それぞれ事情があるだろうから、一概には言えないが。
しかし、もし後者だった場合、うかつには触れられない。
忘れることで、あるいは気にしないフリをすることで自分を守っているとしたら、リザには極力その話題に触れないことでした対処できない。
できれば、記憶がない方であればいいと思うが、今日の出来事を思うと、そうでない可能性のほうが高いような気がしてならなかった。
(……もしかしたら、何かひどい仕打ちを受けていたかもしれないわね)
ふと、リザは周囲が騒がしいことに気づく。
皿を洗っていた手を休め、近くにいた同僚に問いかける。
「あの、何かあったんですか?」
「あんた知らないの? 騎士団の偉い人たちが来たんだって」
「騎士団の……」
「ほら、ぼんやりしないで! 早く仕事して!」
「あ、はいっ」
リザは大急ぎで仕事に取り掛かった。
見れば使用人頭や他の人も忙しそうに走り回っている。
恐らく、予定のない訪問だったのだろう。
(騎士団の偉い人ってことは……もしかして、ユアンを連れてきた人?)
なんだか少しだけ、嫌な予感を覚えた。
最初は怪訝な顔をしていた見張りや周囲の人間も、そのうち慣れたのか関わりたくないのか、今では特に気にする様子もない。
「こんにちは、ユアン君」
「あ、リザお姉ちゃん」
小屋の中に入ると、ユアンがリザに駆け寄る。
出会った頃よりも二人の距離は縮まり、ユアンもリザに心を開くようになっていた。
けれど、未だ彼の顔に笑顔はなく、瞳も暗いままだ。
それでも少しずつユアンはいい方向に行っているとリザは思っている。
自分に引っ付くユアンを抱きしめ返しながら、リザはベッドに向かう。
この部屋に椅子は一つしかないので、座る時はベッドに腰掛けているのだ。
とはいえ、なにか特別なことをするわけでもない。
せいぜいが持ってきた本を読むぐらいのことである。
そして、今日も代わり映え無く本を持ってきたのだ。
「今日はね、本を持ってきたの」
ユアンに見せたのは、古ぼけた一冊の本。
リザが幼い頃から何度も読んだお気に入りで、閉鎖することになった孤児院から持ち出した物だ。
「なあに、これ?」
「神様や英雄について書かれているのよ」
この本は神話が簡潔にまとめられ、挿絵も多いので子どもでも読める。
「今日はこれを読もうと思うの」
読み聞かせは孤児院でもよくやっていたから、これでもちょっとは自信があるのだ。
「……神様の本?」
「ええ、そうよ。たくさんの神様の話が載っているのよ」
リザの言葉にユアンは不思議そうな顔をする。
「たくさんの神様? ……神様は、エギヒデム様だけでしょう?」
「え?」
思わずリザはユアンの顔を見た。
「どうしてそう思うの?」
「だって、エギヒデム様だけが本当の神様で、他の神様はニセモノだって……」
ユアンの言う、エギヒデムという名の神は存在する。しかし、一般的には数多くいる神の一柱であるはずだ。
「ユアン君、それは誰から聞いたの?」
だから疑問に感じ問いかけたのだが、それが失敗だった。
「え、あ……」
ユアンの顔色が悪くなる。
それを察知したリザが反応するよりも前に、ユアンは泥を吐く。
「げほっ、ごほ……ごほっ」
「ユアン君! ごめんね、しっかりして!」
リザはユアンの背中を擦って、彼が落ち着くのを待つ。
「大丈夫……?」
「……うん」
落ち着いたユアンはリザにより掛かる。
泥の片付けは後回しにし、リザはユアンの小さな体を抱きしめ、少しでも彼が楽になるように頭をなでた。
ユアンは一日に数度、このように泥を吐く。
その量は毎回尋常ではなく、泥を吐いている時のユアンはとても苦しそうだ。
一見、何の前触れもなく泥を吐いているようだが、ともに過ごしているうちにリザの中である推測が生まれた。
泥は、ユアンの精神が不安定な時に吐き出されるのではないだろうか。
あくまで可能性の話だ。だが、信憑性はあると考えている。
まず、リザと普通に過ごしている時には泥を吐かない。
だがリザがいない時、つまりは一人で過ごしている時にはよく吐いているようだし、そして過去を想起させてしまった時にも吐いてしまうのだ。
幼いユアンにはこのような場所で一人夜を過ごすのは、やはり不安や恐怖を掻き立てられるのだろう。
そして、どうして彼がこのような体になったのかはわからないが、その原因となった出来事やそれによって変化したであろう周囲の環境がユアンの精神に大きな影を落としているのは想像に難くない。
(それなのに、過去を詮索するようなことを聞いてしまうなんて……私ったらなんて間抜けなのかしら)
リザが自責の念を抱きながら泥を掃除していると、ユアンが申し訳無さげに言う。
「リザお姉ちゃん、ごめんなさい……」
彼の言葉にリザは首を横にふった。
「謝らなくて大丈夫よ。気にしないで」
少しでもユアンが負担を感じないように、笑顔を浮かべる。
「よいっしょ」
泥の入ったズタ袋を部屋の片隅に置いて、リザはユアンの横に戻った。
するとユアンは彼女に本を差し出す。
「リザお姉ちゃん、ご本を読んで?」
「それはいいけれど、大丈夫? 無理はしていない?」
「うん……ぼく、リザお姉ちゃんのお話、聞きたい」
「……ええ、わかったわ。具合が悪くなったら言ってね?」
「うん」
ユアンの様子に注視しつつ、リザは本を開いて読み始めた。
本の内容はまず、世界の仕組みが記されていた。
まず、この世界は神々が住む『輝く大地』と人間が暮らす『影の大地』が、鏡合わせのように存在している。
二つの大地は本来、交わることがないのだが『門』を通じて干渉することがあるのだ。
空にある太陽も『門』の一つであり、あの強烈なまでの光は『輝く大地』の光なのだという。
人の魂は死後、太陽を通じて『輝く大地』に行き、そこで生前の行いを裁判の神によって裁定され、祝福あるいは懲罰を受ける。
その後、また『影の大地』に落とされた魂は、雲として空を泳ぎ、雨として降り注ぐ。
人の生命はそうやって巡回していくのだ。
時に、『門』を通して神々が『影の大地』に降り立ったり、神託を授けることもある。
多くの英雄譚でも『門』は登場し、人と神を繋げる役割を果たす。
だからこそ、この『門』を悪用しようとする者がいて、ある神話では邪神が『門』を通じて『影の大地』に災いを起こしたし、『輝く大地』に向かう為の『門』を巡って人間が争う話もある。
今、リザが読み終わった話もその類であった。
「こうして、英雄たちの活躍により『門』は閉ざされ、世界は救われましたとさ。おしまい」
この話は本の前半に記されていて、まだ話は載っているのだが、もうそろそろ仕事の時間なのだ。
名残惜しいが、今日はここまでである。
「もう仕事に戻らなくちゃいけないから、また明日ね?」
「……うん」
本を読み終えたリザが部屋から出ようとすると、ユアンが頷きながらも彼女の服を掴む。
「……ねえ、明日はいつ来てくれるの?」
その表情には寂しさが隠しきれておらず、行ってほしくないと訴えていた。
それはリザにも伝わっている。
けれど、仕事をこなさねばリザはここにいることはできない。
「……そうね、はっきりとは言えないけれど、なるべく早く来るわ」
「本当?」
「ええ、約束」
「うん、約束。かならず来てね。絶対だよ?」
ユアンは何度も念押しして、リザの服から手を離す。
本当は嫌だったろうに。
行かないでと泣いて、もっと一緒にいてとわめきたいはずだ。
リザが育った孤児院にいたユアンと同じぐらいの子は、それぐらい素直に自分の我がままを言えた。
けれど、ユアンはそんなことをしない。
あんなに小さいのに、すでに大人から嫌われぬように振る舞う姿が、幼気で憐れだった。
溜まった食器を一人で洗いながら、リザはユアンのことを考える。
(もっとユアン君にできることはないかしら……)
そもそも、どうしてあんな小さな子があんなところに閉じ込められているのかわからない。
しかもそれは、公で認められていることだという。
なのに、誰もその理由を知らず、ユアンを腫れ物に触るように扱って、無関心を貫く。
リザだって、きっとそうなっていた可能性が高い。
偉い人の命令だし、他のみんなだってそうしているのだから、それでいいんだと言い訳をして、見てみぬふりをしていただろう。
けれど、もうユアンと目が合い、言葉を交わした今ではそんな選択肢はとれなかった。
だから少しでも、ユアンの状況を良くしたいのだが、そうするのに必要な権力も人脈も、リザにはないのだ。
(それにしても、あの子の親はどうしているんだろう。もしかして、いないの……?)
ユアンと共に過ごすようになってから、一言も親についての言及がない。
会いたいと願うことも、どこにいるのかと問いかけることもしないのである。
そして、両親とどのように過ごしていたかのかも言わない。
リザにはこの反応にいくつか心当たりがあった。
まずは、両親の記憶がない。物心つく前に死に別れたか、捨てられたかして一緒に過ごした経験がないのであれば、特に何も言わないのは当然の反応である。
けれど、もう一つの可能性の方がリザには気がかりだった。
親、そしてその人達と過ごした日々を思い出したくない場合だ。
前者はいい。
リザもそうだが、本人としてはそれが当たり前なので、特に心の傷になっているということや、何か問題を抱えていることは少ない。もちろん、人それぞれ事情があるだろうから、一概には言えないが。
しかし、もし後者だった場合、うかつには触れられない。
忘れることで、あるいは気にしないフリをすることで自分を守っているとしたら、リザには極力その話題に触れないことでした対処できない。
できれば、記憶がない方であればいいと思うが、今日の出来事を思うと、そうでない可能性のほうが高いような気がしてならなかった。
(……もしかしたら、何かひどい仕打ちを受けていたかもしれないわね)
ふと、リザは周囲が騒がしいことに気づく。
皿を洗っていた手を休め、近くにいた同僚に問いかける。
「あの、何かあったんですか?」
「あんた知らないの? 騎士団の偉い人たちが来たんだって」
「騎士団の……」
「ほら、ぼんやりしないで! 早く仕事して!」
「あ、はいっ」
リザは大急ぎで仕事に取り掛かった。
見れば使用人頭や他の人も忙しそうに走り回っている。
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