生活魔法は万能です

浜柔

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63 買取所

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 ガノス達が倒したオークはダンジョンタワーの職員の手によって買取所まで運ばれた。ダンジョン内からなら探索者自身が持ち帰らなければならないが、ダンジョンの外ともなると放置する訳にも行かないので職員が出張るのだ。
 ルキアスはガノス達と一緒に買取所を訪れた。階段を降りた程近い場所。元々来る予定のあった場所だ。股下くらいの高さで広々とした台と腰くらいの高さのカウンターが互い違いに並んでいる。最も奥には一際大きな台が在り、オークはそこに運ばれている。

「ついでだから買取所の説明をするぞ。見ての通りここが買取所だ。
 ダンジョンで得た物を売る時はここに持ち込んだ方がいい。ここなら税金分が天引きされるから脱税に問われることが無い。
 他で売った方が実入りが良かったりはするが、後になって脱税の嫌疑でも掛けられたら目も当てられないぞ。
 売り方は整理券を貰って、券に書かれた番号を呼ばれたら獲物を出せばいい。後は職員がやってくれる」

 ルキアスは頷いた。
 それから暫くして査定が終わり、オーク一頭当たり約二万ダールが支払われた。ガノスが約四万ダール、リュミアが約二万ダールの取り分だ。何もしなかったルキアスは勿論、オークに歯が立たなかったザネクの取り分は無い。これが四人のパーティーであれば均等割するところだが、生憎と今はパーティーではないので成果主義にした。

「オークだからこんなものでしかないが、第二階層の魔物なら肉が食えて皮も使えるオークが一番実入りがいいだろうな」

 ガノスは手間の割には実入りが少ないとぼやくが、ルキアスにとってはそこそこの金額だ。取り敢えずの目標に定めた。

「余計な事で時間が取られたが、講習の続き、行くぞ」
「はい」
「と言っても、残るは簡単な約束事と宿泊施設や訓練施設の案内くらいだ。で、約束事なんだが……」

 ここでガノスは顔付きを厳しくする。

「ダンジョンの中では誰かが助けてくれるなんて期待するな。むしろ他の探索者は警戒しろ。
 勿論盗みや殺しは御法度だが、ダンジョンの中まで誰かが監視している訳じゃない。殺されたって誰にも判らないからな。
 だからと言って無闇に敵対はするな。探索者内にもそれなりの秩序がある。変にはみ出したら生きていけないぞ」

 殺しをするような者は他の探索者に討伐されるのが常と言う。
 ルキアスは一つ気になった。

「……あの、盗みや殺しって多いんでしょうか?」
「判らん。判らんが疑わしい事はある。さっきのオークみたいなのも含めてな」
「ありがとうございます」

(故意だけじゃなく不注意にも気を付けないといけないのか……。いやむしろ不注意の方をより気を付けるべきか……)

 思い違いで討伐されるようなことになったら死んでも死にきれないだろう。思わず周囲を警戒してしまうルキアスである。
 ガノスはそんなルキアスに対して肩を竦めるが、特に取り合おうとはしない。自分の仕事をこなす方を優先させる。

「それじゃ、地下二階に行くぞ」
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