魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１２３２．お疲れさまです

　自分の恰好を思い出した女将は板前の目を避けるべく調理室をそそくさと後にする。
　ところが出て直ぐに番頭と出会した。

「あ、女将さん、お疲れさまです」
「お、お疲れさまっ！」
「え!?　あれ？」

　思わず声を裏返させながら跳ねた女将の胸が跳ねた。
　このイレギュラーな動きでポリゴンから女将の乳首がはみ出してしまい、目撃した番頭は驚きの声を上げた。
　だが直ぐに乳首がポリゴンに消えたため、見間違えだったかと首を捻る。
　女将は両腕で胸を押さえながら問い掛けた。

「ど、どうかしましたか？」
「いえ、何でも。今日はお客さんがいらっしゃらないようですから、先に賄いをいただこうと思います」
「そ、そうですね！　早上がりして貰っても大丈夫ですよ！」
「はい。じゃあ、そうさせていただきます」

　番頭は何事も無かったように去り、女将は安堵しながらもバクバク激しく脈打つ心臓は暫く収らなかった。