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第四九話 冷蔵庫の設置
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「小僧、居るかーっ!?」
毎度のテンダーの呼び声である。
「おはようございます」
今日、テンダーが来る予定は無かった筈だったため、累造は少し首を傾げた
「注文の品を持ってきたぜ」
「あー、はい、ありがとうございます」
半ば忘れていた。
「運ぶのをちょっと手伝ってくれや」
「はい」
即答したものの、数秒後には若干後悔した。
「お、重っ」
「わはは、分厚い板を使ってるからな」
「む、無理! このまま台所は無理ですっ!」
既によろよろだ。
「なんだい、情けないねぇ」
様子を見に出てきていたルゼが呆れた声を出した。
「そうは言っても、重っ」
腕はもうぷるぷるし始めている。情けないと呆れるルゼの手も借りて二階の台所へと冷蔵庫と冷凍庫になる予定の箱を運んだ。
累造はぜいぜいと荒い呼吸になってへたり込んでしまった。この世界で身体を動かす事が多くなったは言え、インドア派なことに違いはないのだ。
「今日、一日分の体力を使い果たしてしまいました」
「小僧、それじゃ幾ら何でもひ弱すぎだ」
テンダーも呆れ声だ。
「あははは」
それには乾いた笑顔で答えた。
そんな累造には構わず、テンダーが疑問を口にする。
「それで、こいつはどうなるんだ?」
「このままでは使えないので、使えるようになるのが夕方くらいでしょうか」
「それまでお預けか」
テンダーは渋い顔だ。
「すいません、なに分、描くものが多いもんですから」
「ふぅん、そうか。じゃ、また夕方にでもまた来らぁな」
他の仕事が有るテンダーは、直ぐに見られないと判ると足早に帰っていった。
テンダーを見送った後、断熱の魔法陣を描く。冷蔵庫と冷凍庫で計一二個だ。各面の寸法を測り、魔法陣の位置も慎重に合わせる。そうしなければ、断熱面がずれて不具合の元になるのだ。結果、魔法陣の記述にかなり手間取ってしまった。
ルゼやチーナも最初はじっと見ていたが、作成が遅々として進まないため、それぞれ自分の仕事へと帰っていった。じっと見続けるのはニナーレのみである。
ニナーレはじっと累造の描いていく魔法陣を見る。幾ら見続けても判らない事が多い。
日頃から照明の魔法陣を模写して起動しようとしているのだが、全く魔力が通せない。累造の言う「コンセント」が何かさっぱり判らないため、魔力を通そうとしても出だしで躓くのだ。「コンセント」の説明を累造に聞けば、「デンキ」と言うまた判らないものが出てくる。この「デンキ」の説明を聞くと雷みたいなものだと言う。雷なんて当たれば死んでしまうような怖い物をどうやって使うというのだろうか。
だが、累造の説明から判った事もある。世界に揺蕩う魔力を取り出すのに「コンセント」である必要は無い。ならば、神官が使う魔法の印や呪文に置き換えれば良いのではないかと考えた。しかし今度は神官の魔法のどの部分が世界から魔力を取り出す部分なのかが判らなかった。そして、神官の魔法の分析をする羽目に陥っている。
結局、夕方までに描き上がったのは冷蔵庫の分だけだった。冷凍庫はまた明日である。
「やあ、ルゼ、今日も君は美しい!」
台所で作業をする累造の耳にそんな声が聞こえた。定休日であるため、ケメンは勝手口の方から訪問している。それ故に声が台所まで届いたのだ。
ケメンの訪問の目的は魔法陣やカレー粉の料金の支払いだった。五日は虹の橋雑貨店の定休日で、六日がゴッツイ商会の定休日である事から、七日に集金に行くのがルゼの予定だったのだが、先に持ってこられた形である。
代金は、光の魔法陣一〇〇枚分の五〇〇〇万ツウカ、カレー粉販売分の五〇〇万ツウカ、水道の一〇〇万ツウカだ。
カレー粉の分が変に多い事に気が付いた。カレー粉のみの値段であれば一瓶一万ツウカであるため、一万個を売った事になる。レザンタには一万人ほどが暮らすが、とてもそこまでの数が売れる筈もない。
「カレー粉の分が多くないですか?」
「カレー粉には何も隠すものが無いからね、全ての支店で売っているんだよ。売れ行きは僕の予想を超えていたよ」
ゴッツイ商会の支店はレザンタよりも大きな町にも有り、そんな支店の売り上げは本店を上回っていると言う。
「それは凄いですね」
感心するのみだ。ゴッツイ商会の規模にである。
「ああ、累造君のお陰だ。お陰ついでで何だけどね、今日伺ったのは累造君にお礼を言いたかったからでもあるんだ」
「お礼ですか?」
「鉱山の話さ。累造君の話を聞いた後、早速、労働者に塩を飲ませるようにしたら、体調不良を訴える者が激減したんだ」
「お役に立ったようで何よりです」
笑顔で相づちを打った。
「本当にありがとう」
ケメンが累造の手を取り、強く握手を交わした。
「それでだけどね、塩を飲めばいいと言うのは公表してもいいかな?」
「え? 勿論です」
「それと、この事についての情報料なのだけど、一〇〇〇万ツウカ程でいいだろうか?」
「はい?」
何故お金の話になるのかよく判らなかった。
「実は幾らがいいのかよく判らなくてね、何も知らないまま夏を過ごしていたら出ていただろう損失分くらいにしてみたんだ」
それを聞いて、ゆっくりと首を横に振る。
「こんな事でお金は取れません」
ケメンは暫く間、累憎の言葉を反芻するように目をぱちぱちさせた。そして一度頷く。
「判った。僕も只で情報を公表する事にしよう」
「お金を取るつもりだったんですか?」
その事にびっくりだった。
「商人だからね」
ケメンが肩を竦めた。
「小僧、居るかーっ!?」
今日、二度目のテンダーの呼び声である。
「おや? テンダー親方が来ることになっていたのかい?」
「はい、まあ……」
累造は言葉を濁した。何かタイミングが悪い気がしている。
累造の戸惑いを余所に、応対したチーナがテンダーを食堂へと上げてしまった。
「小僧、ものは出来たか?」
「ええ、まあ」
嫌な予感しかしない。
「ほお、また何かを作ったんだね?」
また、ケメンの五割り増しの爽やかな笑顔だ。嫌な予感は高まるばかりであるが、致し方ないと台所へと向かった。そこには稼働したばかりの冷蔵庫が有る。
「なんだ? この魔法陣は」
冷蔵庫を見た途端、テンダーが一つの魔法陣に言及した。扉の真ん中に描いているので目立っている。
「それは、断熱の魔法陣です」
「断熱?」
「それは、開けて貰えば判ります」
テンダーが素直に冷蔵庫の扉を開ける。
「うおっ!」
流れ出す冷気にびっくりしたのだ。そして、冷蔵庫の中を見回す。
「なんだ? 中は冷たいぞ?」
「冷蔵庫と言うものです」
「冷蔵庫?」
ケメンの目が光る。累造はますます嫌な予感が強くなる中、ケメンとテンダーに冷蔵庫の説明をした。
「なるほど、これは是非とも商品化したいものだね」
「その前に、我が家に欲しいもんだな」
ケメンとテンダーが口々に言った。更に目敏くもケメンが稼働前の冷凍庫に目を付ける。
「こっちな何だい?」
「冷凍庫になる予定です」
隠すのは諦めて冷凍庫の試作品を見せた。
「なんと、氷が出来るのかい!?」
ケメンの顔に驚愕が貼り付く。テンダーは言葉も出ないらしい。
そんな二人の様子に、思わず渋面になる。
『働きたくないでござる!』
突然叫んだせいか、一同がビクッとなった。
「どうした? 累造?」
ルゼが恐る恐る尋ねた。日本語だったために何が何やらなのだ。
「すいません、少し取り乱しました。もう大丈夫です」
「そ、そうか」
一同の疑問が解決された訳ではなかったが、その場は流された。
「累造君、どうせなのでかき氷も食べていって貰えば良いんじゃないでしょうか?」
「そうですね……」
チーナの提案に力なく同意した。どうにも働き詰めの未来ばかりが見えて、若干鬱が入ってしまう累造である。
「それは?」
「かき氷器です」
彫刻刀で彫った一対の魔法陣は、一方の上に氷を乗せると、粉砕されてもう一方からかき氷となって出てくる。
「累造君の魔法はそんな事もできるのか」
ケメンは感心した。
「それは、何でも削れるのかい?」
「そう出来なくはないんですが、危険なので、これは氷限定です」
累造が安全を第一に考えているのだと得心した。
そうしている間にかき氷が出来上がった。
おもむろに口に運ぶ。ひんやりとして柔らかな口当たりが心地良い。
隣ではテンダーが一口食べた途端に勢いよく掻き込み始めた。そして、こめかみを押さえて顔を顰めるのだった。
◆
就寝前、累造はチーナに呼び止められた。
「累造君って働くのが嫌いでしょ?」
「どうして、それを!?」
慄いた。
その様子にチーナが苦笑いをする。
「見ていれば判りますよ。まさか、最初に本音を言ってたとは思いませんでしたけど」
チーナは雑貨店に来て早々に累造が店を手伝えないと言っていたのを思い出していたのだ。
「それは、まあ、なんと言うか……」
どうにもバツが悪く頭を掻いていると、チーナの口角が徐々に上がっていく。
「ふふふ、でも、なんだかんだで働いてますよね?」
「はあ、不本意ながら……」
「そしてまた大変になりますね」
クスクスとチーナが笑う。結局、ケメンに押し切られる形で冷蔵庫と冷凍庫も商品化が決まってしまったのだ。
累造としては石臼の方を早くなんとかしたいのだが、ままならないでいる。
◆
そして翌日、ゴッツイ商会から熱中症対策が公表された。
毎度のテンダーの呼び声である。
「おはようございます」
今日、テンダーが来る予定は無かった筈だったため、累造は少し首を傾げた
「注文の品を持ってきたぜ」
「あー、はい、ありがとうございます」
半ば忘れていた。
「運ぶのをちょっと手伝ってくれや」
「はい」
即答したものの、数秒後には若干後悔した。
「お、重っ」
「わはは、分厚い板を使ってるからな」
「む、無理! このまま台所は無理ですっ!」
既によろよろだ。
「なんだい、情けないねぇ」
様子を見に出てきていたルゼが呆れた声を出した。
「そうは言っても、重っ」
腕はもうぷるぷるし始めている。情けないと呆れるルゼの手も借りて二階の台所へと冷蔵庫と冷凍庫になる予定の箱を運んだ。
累造はぜいぜいと荒い呼吸になってへたり込んでしまった。この世界で身体を動かす事が多くなったは言え、インドア派なことに違いはないのだ。
「今日、一日分の体力を使い果たしてしまいました」
「小僧、それじゃ幾ら何でもひ弱すぎだ」
テンダーも呆れ声だ。
「あははは」
それには乾いた笑顔で答えた。
そんな累造には構わず、テンダーが疑問を口にする。
「それで、こいつはどうなるんだ?」
「このままでは使えないので、使えるようになるのが夕方くらいでしょうか」
「それまでお預けか」
テンダーは渋い顔だ。
「すいません、なに分、描くものが多いもんですから」
「ふぅん、そうか。じゃ、また夕方にでもまた来らぁな」
他の仕事が有るテンダーは、直ぐに見られないと判ると足早に帰っていった。
テンダーを見送った後、断熱の魔法陣を描く。冷蔵庫と冷凍庫で計一二個だ。各面の寸法を測り、魔法陣の位置も慎重に合わせる。そうしなければ、断熱面がずれて不具合の元になるのだ。結果、魔法陣の記述にかなり手間取ってしまった。
ルゼやチーナも最初はじっと見ていたが、作成が遅々として進まないため、それぞれ自分の仕事へと帰っていった。じっと見続けるのはニナーレのみである。
ニナーレはじっと累造の描いていく魔法陣を見る。幾ら見続けても判らない事が多い。
日頃から照明の魔法陣を模写して起動しようとしているのだが、全く魔力が通せない。累造の言う「コンセント」が何かさっぱり判らないため、魔力を通そうとしても出だしで躓くのだ。「コンセント」の説明を累造に聞けば、「デンキ」と言うまた判らないものが出てくる。この「デンキ」の説明を聞くと雷みたいなものだと言う。雷なんて当たれば死んでしまうような怖い物をどうやって使うというのだろうか。
だが、累造の説明から判った事もある。世界に揺蕩う魔力を取り出すのに「コンセント」である必要は無い。ならば、神官が使う魔法の印や呪文に置き換えれば良いのではないかと考えた。しかし今度は神官の魔法のどの部分が世界から魔力を取り出す部分なのかが判らなかった。そして、神官の魔法の分析をする羽目に陥っている。
結局、夕方までに描き上がったのは冷蔵庫の分だけだった。冷凍庫はまた明日である。
「やあ、ルゼ、今日も君は美しい!」
台所で作業をする累造の耳にそんな声が聞こえた。定休日であるため、ケメンは勝手口の方から訪問している。それ故に声が台所まで届いたのだ。
ケメンの訪問の目的は魔法陣やカレー粉の料金の支払いだった。五日は虹の橋雑貨店の定休日で、六日がゴッツイ商会の定休日である事から、七日に集金に行くのがルゼの予定だったのだが、先に持ってこられた形である。
代金は、光の魔法陣一〇〇枚分の五〇〇〇万ツウカ、カレー粉販売分の五〇〇万ツウカ、水道の一〇〇万ツウカだ。
カレー粉の分が変に多い事に気が付いた。カレー粉のみの値段であれば一瓶一万ツウカであるため、一万個を売った事になる。レザンタには一万人ほどが暮らすが、とてもそこまでの数が売れる筈もない。
「カレー粉の分が多くないですか?」
「カレー粉には何も隠すものが無いからね、全ての支店で売っているんだよ。売れ行きは僕の予想を超えていたよ」
ゴッツイ商会の支店はレザンタよりも大きな町にも有り、そんな支店の売り上げは本店を上回っていると言う。
「それは凄いですね」
感心するのみだ。ゴッツイ商会の規模にである。
「ああ、累造君のお陰だ。お陰ついでで何だけどね、今日伺ったのは累造君にお礼を言いたかったからでもあるんだ」
「お礼ですか?」
「鉱山の話さ。累造君の話を聞いた後、早速、労働者に塩を飲ませるようにしたら、体調不良を訴える者が激減したんだ」
「お役に立ったようで何よりです」
笑顔で相づちを打った。
「本当にありがとう」
ケメンが累造の手を取り、強く握手を交わした。
「それでだけどね、塩を飲めばいいと言うのは公表してもいいかな?」
「え? 勿論です」
「それと、この事についての情報料なのだけど、一〇〇〇万ツウカ程でいいだろうか?」
「はい?」
何故お金の話になるのかよく判らなかった。
「実は幾らがいいのかよく判らなくてね、何も知らないまま夏を過ごしていたら出ていただろう損失分くらいにしてみたんだ」
それを聞いて、ゆっくりと首を横に振る。
「こんな事でお金は取れません」
ケメンは暫く間、累憎の言葉を反芻するように目をぱちぱちさせた。そして一度頷く。
「判った。僕も只で情報を公表する事にしよう」
「お金を取るつもりだったんですか?」
その事にびっくりだった。
「商人だからね」
ケメンが肩を竦めた。
「小僧、居るかーっ!?」
今日、二度目のテンダーの呼び声である。
「おや? テンダー親方が来ることになっていたのかい?」
「はい、まあ……」
累造は言葉を濁した。何かタイミングが悪い気がしている。
累造の戸惑いを余所に、応対したチーナがテンダーを食堂へと上げてしまった。
「小僧、ものは出来たか?」
「ええ、まあ」
嫌な予感しかしない。
「ほお、また何かを作ったんだね?」
また、ケメンの五割り増しの爽やかな笑顔だ。嫌な予感は高まるばかりであるが、致し方ないと台所へと向かった。そこには稼働したばかりの冷蔵庫が有る。
「なんだ? この魔法陣は」
冷蔵庫を見た途端、テンダーが一つの魔法陣に言及した。扉の真ん中に描いているので目立っている。
「それは、断熱の魔法陣です」
「断熱?」
「それは、開けて貰えば判ります」
テンダーが素直に冷蔵庫の扉を開ける。
「うおっ!」
流れ出す冷気にびっくりしたのだ。そして、冷蔵庫の中を見回す。
「なんだ? 中は冷たいぞ?」
「冷蔵庫と言うものです」
「冷蔵庫?」
ケメンの目が光る。累造はますます嫌な予感が強くなる中、ケメンとテンダーに冷蔵庫の説明をした。
「なるほど、これは是非とも商品化したいものだね」
「その前に、我が家に欲しいもんだな」
ケメンとテンダーが口々に言った。更に目敏くもケメンが稼働前の冷凍庫に目を付ける。
「こっちな何だい?」
「冷凍庫になる予定です」
隠すのは諦めて冷凍庫の試作品を見せた。
「なんと、氷が出来るのかい!?」
ケメンの顔に驚愕が貼り付く。テンダーは言葉も出ないらしい。
そんな二人の様子に、思わず渋面になる。
『働きたくないでござる!』
突然叫んだせいか、一同がビクッとなった。
「どうした? 累造?」
ルゼが恐る恐る尋ねた。日本語だったために何が何やらなのだ。
「すいません、少し取り乱しました。もう大丈夫です」
「そ、そうか」
一同の疑問が解決された訳ではなかったが、その場は流された。
「累造君、どうせなのでかき氷も食べていって貰えば良いんじゃないでしょうか?」
「そうですね……」
チーナの提案に力なく同意した。どうにも働き詰めの未来ばかりが見えて、若干鬱が入ってしまう累造である。
「それは?」
「かき氷器です」
彫刻刀で彫った一対の魔法陣は、一方の上に氷を乗せると、粉砕されてもう一方からかき氷となって出てくる。
「累造君の魔法はそんな事もできるのか」
ケメンは感心した。
「それは、何でも削れるのかい?」
「そう出来なくはないんですが、危険なので、これは氷限定です」
累造が安全を第一に考えているのだと得心した。
そうしている間にかき氷が出来上がった。
おもむろに口に運ぶ。ひんやりとして柔らかな口当たりが心地良い。
隣ではテンダーが一口食べた途端に勢いよく掻き込み始めた。そして、こめかみを押さえて顔を顰めるのだった。
◆
就寝前、累造はチーナに呼び止められた。
「累造君って働くのが嫌いでしょ?」
「どうして、それを!?」
慄いた。
その様子にチーナが苦笑いをする。
「見ていれば判りますよ。まさか、最初に本音を言ってたとは思いませんでしたけど」
チーナは雑貨店に来て早々に累造が店を手伝えないと言っていたのを思い出していたのだ。
「それは、まあ、なんと言うか……」
どうにもバツが悪く頭を掻いていると、チーナの口角が徐々に上がっていく。
「ふふふ、でも、なんだかんだで働いてますよね?」
「はあ、不本意ながら……」
「そしてまた大変になりますね」
クスクスとチーナが笑う。結局、ケメンに押し切られる形で冷蔵庫と冷凍庫も商品化が決まってしまったのだ。
累造としては石臼の方を早くなんとかしたいのだが、ままならないでいる。
◆
そして翌日、ゴッツイ商会から熱中症対策が公表された。
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