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第三〇話 泥まみれ
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累造は朝から泥と戯れている。傍からはそう見えるが、本人は真剣そのものである。
一昨日、北の草原から帰ってから、未使用の粘土板と追加で掘ってきていた粘土を水に浸けていた。丸一日経った今、粘土板は既にその形を無くし、ただの泥と成り果てている。
水に浸かってただの泥になっている粘土を盥で撹拌し、紛う事なき泥水になったら、それを目の細かい網で漉す。その漉した泥水は別の盥で沈殿を待つ。元の盥に残った粘土と網に残った粘土は、沈殿を待つ方の盥の上澄みを加え、再度撹拌して網で漉す。それを何度か繰り返し、取ってきた粘土をできるだけ利用すると共に砂を取り除くのである。
そうして漉した泥水が沈殿した後で上澄みを捨てれば、粘土のひとまずの完成なのだが、沈殿するには時間が掛かる。そのため、この日の作業はここまでである。
「泥だらけじゃないか」
「はい、作業が作業ですから」
しょうがない奴だとばかりのルゼの言葉に、疲労の混じる声で答えた。粘土を漉す作業は予想に違わず重労働だったのだ。
「お疲れみたいだね」
「はい、予想はしていましたが」
そんな累造にルゼがニヤニヤしながら言う。
「なんならあたしが身体を洗ってやろうか?」
「ええ!? 遠慮します!」
「つれないねぇ」
累造は逃げ出した。まだまだ自分の裸を見られる羞恥心の方が強い。
身体を洗うのは洗濯場も兼ねた洗い場でだ。浴槽は無く、盥に水やお湯を溜めておいて身体の汚れを洗い流すだけになる。このような洗い場は大抵の家に設けられているが、レザンタの住民の多くは水道の給水所傍にある洗濯場で洗濯している。水を運ぶより洗濯物を運んだ方が容易なのだから自然の成り行きである。
身体を洗い、続けて服を洗っていると、給湯器が欲しくなった。魔法陣から出る水は冷たくはないので、身体を流すだけなら我慢もできる。だが、続けて洗濯をしているとさすがに冷えてしまう。
魔法陣から出る水の温度を一五度程度上げてしまえば良い感じになるだろうと、加熱機能を組み込む事を考えた。そう考え始めると、今は初夏でこれから暑くなるのだから冷たい水も欲しい。冷たい水を出す魔法陣も描く事にした。
更に、洗濯機の必要性も感じた。洗濯は重労働だ。洗濯板で擦っていると、洗濯物を擦っているのか手を擦っているのか判らなくなる事すらあり、何より時間が掛かる。普段、チーナに任せっきりだったが、いざ自分で洗濯してみると、その大変さが骨身に沁みた。
そして、洗濯機について考察した。全自動洗濯機みたいなものは無理が有るので、基本は一槽式になる。洗濯槽と脱水槽を一つの筐体に入れるのも難しいため、二槽式にするのは今後の課題だ。洗濯槽を回すだけなら石臼を回すのと同じ方法で大丈夫だろう。
問題は排水である。可動式の排水口で水密性と耐久性が確保できるのかは未知数だ。確実な方法は、人の手で汲み出すか、排水口にコルク栓をして手探りで引き抜くことだろう。
「あら、累造君?」
あれこれ考えている最中にチーナに呼び掛けられた。振り向くと、洗濯物を抱えたチーナが立っている。
以前はチーナも給水所傍の洗濯場で洗濯していたが、最近になって事情が変わった。魔法陣にスイッチが加わって以降、雑貨店では水を使いたい時に使いたいだけ使えるため、洗濯場に出掛ける必要が無くなったのだ。
「あ、すいません、直ぐ終わらせます」
立ち上がって、既に洗い終えている服を絞り始めた。これにも割りと腕力が必要だ。
「あら? 結構、ご立派」
チーナの不穏な呟きに振り返ると、チーナはある一点を凝視している。その視線の先を追うと、自らの股間へと辿り着いた。
「わわわわわわ!」
そこに有るのは剥き出しの息子である。慌てて股間を隠すと、脇目も振らず遁走した。
そう、身体を洗った後、そのままの姿で洗濯をしながら洗濯機の事を考えていたのだ。
後ろでクスクスとチーナが笑う声に羞恥心が更に増す。そして思わず一瞬目を瞑ったのがいけなかった。ただでさえ少し前屈みになっていた事による前方不注意で、ぽよんと柔らかいものに顔をぶつけてしまう。
「おっと」
そんな声と共に抱き留められた。柔らかさに一瞬幸せを感じたが、今はまずい。
「ルゼさん!?」
「なんだ、累造。やっぱり身体を洗って欲しいのか?」
「違います!」
思わず一歩跳び退り、わたわたと手を振り回して弁明しようとした。
「ほお、これはこれは」
ルゼの視線が一点に集中する。
「あ!」
手を離してしまっている事に気付いて脱兎の如く逃げ出した。
「あははははは」
ルゼの笑いが木霊した。
昼食時は累造にとって針の筵だった。ルゼとチーナが二人してニヤニヤと笑うのだ。
「もう、忘れてください!」
「いやいや、しっかり憶えさせて貰った」
「だーっ!」
頭を掻き毟るが、ルゼとチーナのケタケタと笑う声がただただ頭に響き続けた。
◆
「火打ち石での火を点け方を教えて貰えないでしょうか?」
「いいですよ」
火打ち石の魔法陣を描くための前準備として、累造はチーナに火打ち石の使い方を習う。
硬い石に鉄を打ち付けて火花を散らし、火口に火を点けて火種にする。その後は、枯れ草などに火を移し、更に薪や石炭へと火を移していく。
教えて貰った後、何度か火口に火を移す練習をして、累造は火打ち石を使えるようになった。熟練には程遠いが、火花を散らす分には問題ない。
そして、その火打ち石のイメージで魔法陣を描いてみる。これにはコンセントのイメージで世界に揺蕩う魔力を取り出す部分は描いていない。使う者が魔法陣に込めた魔力を使って動かすのだ。
描き上がったものは、魔法陣と言っても円で囲んでいない図形だけのものである。
改めて描いた図形を見てみると、火打ち石のイメージとは直接関係ない図形を無意識に描いているのに気が付いた。それが魔法の図形である印となっているのは判るが、法則までは判らない。その点は理屈では無く、そう描くべきだと判るだけなのである。それでもこの事は人に教える時の一助にはなる筈だ。
そして、火打ち石の魔法陣をチーナに試して貰う事にした。図形の意味を説明し、その意味を念じつつ魔法陣に魔力を流すイメージで使うように説明する。
チーナが説明された通りに魔法陣に指を乗せて念じ始める。パチンと言う音と共に火花が散った。
「きゃっ」
チーナが小さな悲鳴を上げて、目を丸くした。
魔法陣を見ると、微かに焦げた跡が付いていた。
一昨日、北の草原から帰ってから、未使用の粘土板と追加で掘ってきていた粘土を水に浸けていた。丸一日経った今、粘土板は既にその形を無くし、ただの泥と成り果てている。
水に浸かってただの泥になっている粘土を盥で撹拌し、紛う事なき泥水になったら、それを目の細かい網で漉す。その漉した泥水は別の盥で沈殿を待つ。元の盥に残った粘土と網に残った粘土は、沈殿を待つ方の盥の上澄みを加え、再度撹拌して網で漉す。それを何度か繰り返し、取ってきた粘土をできるだけ利用すると共に砂を取り除くのである。
そうして漉した泥水が沈殿した後で上澄みを捨てれば、粘土のひとまずの完成なのだが、沈殿するには時間が掛かる。そのため、この日の作業はここまでである。
「泥だらけじゃないか」
「はい、作業が作業ですから」
しょうがない奴だとばかりのルゼの言葉に、疲労の混じる声で答えた。粘土を漉す作業は予想に違わず重労働だったのだ。
「お疲れみたいだね」
「はい、予想はしていましたが」
そんな累造にルゼがニヤニヤしながら言う。
「なんならあたしが身体を洗ってやろうか?」
「ええ!? 遠慮します!」
「つれないねぇ」
累造は逃げ出した。まだまだ自分の裸を見られる羞恥心の方が強い。
身体を洗うのは洗濯場も兼ねた洗い場でだ。浴槽は無く、盥に水やお湯を溜めておいて身体の汚れを洗い流すだけになる。このような洗い場は大抵の家に設けられているが、レザンタの住民の多くは水道の給水所傍にある洗濯場で洗濯している。水を運ぶより洗濯物を運んだ方が容易なのだから自然の成り行きである。
身体を洗い、続けて服を洗っていると、給湯器が欲しくなった。魔法陣から出る水は冷たくはないので、身体を流すだけなら我慢もできる。だが、続けて洗濯をしているとさすがに冷えてしまう。
魔法陣から出る水の温度を一五度程度上げてしまえば良い感じになるだろうと、加熱機能を組み込む事を考えた。そう考え始めると、今は初夏でこれから暑くなるのだから冷たい水も欲しい。冷たい水を出す魔法陣も描く事にした。
更に、洗濯機の必要性も感じた。洗濯は重労働だ。洗濯板で擦っていると、洗濯物を擦っているのか手を擦っているのか判らなくなる事すらあり、何より時間が掛かる。普段、チーナに任せっきりだったが、いざ自分で洗濯してみると、その大変さが骨身に沁みた。
そして、洗濯機について考察した。全自動洗濯機みたいなものは無理が有るので、基本は一槽式になる。洗濯槽と脱水槽を一つの筐体に入れるのも難しいため、二槽式にするのは今後の課題だ。洗濯槽を回すだけなら石臼を回すのと同じ方法で大丈夫だろう。
問題は排水である。可動式の排水口で水密性と耐久性が確保できるのかは未知数だ。確実な方法は、人の手で汲み出すか、排水口にコルク栓をして手探りで引き抜くことだろう。
「あら、累造君?」
あれこれ考えている最中にチーナに呼び掛けられた。振り向くと、洗濯物を抱えたチーナが立っている。
以前はチーナも給水所傍の洗濯場で洗濯していたが、最近になって事情が変わった。魔法陣にスイッチが加わって以降、雑貨店では水を使いたい時に使いたいだけ使えるため、洗濯場に出掛ける必要が無くなったのだ。
「あ、すいません、直ぐ終わらせます」
立ち上がって、既に洗い終えている服を絞り始めた。これにも割りと腕力が必要だ。
「あら? 結構、ご立派」
チーナの不穏な呟きに振り返ると、チーナはある一点を凝視している。その視線の先を追うと、自らの股間へと辿り着いた。
「わわわわわわ!」
そこに有るのは剥き出しの息子である。慌てて股間を隠すと、脇目も振らず遁走した。
そう、身体を洗った後、そのままの姿で洗濯をしながら洗濯機の事を考えていたのだ。
後ろでクスクスとチーナが笑う声に羞恥心が更に増す。そして思わず一瞬目を瞑ったのがいけなかった。ただでさえ少し前屈みになっていた事による前方不注意で、ぽよんと柔らかいものに顔をぶつけてしまう。
「おっと」
そんな声と共に抱き留められた。柔らかさに一瞬幸せを感じたが、今はまずい。
「ルゼさん!?」
「なんだ、累造。やっぱり身体を洗って欲しいのか?」
「違います!」
思わず一歩跳び退り、わたわたと手を振り回して弁明しようとした。
「ほお、これはこれは」
ルゼの視線が一点に集中する。
「あ!」
手を離してしまっている事に気付いて脱兎の如く逃げ出した。
「あははははは」
ルゼの笑いが木霊した。
昼食時は累造にとって針の筵だった。ルゼとチーナが二人してニヤニヤと笑うのだ。
「もう、忘れてください!」
「いやいや、しっかり憶えさせて貰った」
「だーっ!」
頭を掻き毟るが、ルゼとチーナのケタケタと笑う声がただただ頭に響き続けた。
◆
「火打ち石での火を点け方を教えて貰えないでしょうか?」
「いいですよ」
火打ち石の魔法陣を描くための前準備として、累造はチーナに火打ち石の使い方を習う。
硬い石に鉄を打ち付けて火花を散らし、火口に火を点けて火種にする。その後は、枯れ草などに火を移し、更に薪や石炭へと火を移していく。
教えて貰った後、何度か火口に火を移す練習をして、累造は火打ち石を使えるようになった。熟練には程遠いが、火花を散らす分には問題ない。
そして、その火打ち石のイメージで魔法陣を描いてみる。これにはコンセントのイメージで世界に揺蕩う魔力を取り出す部分は描いていない。使う者が魔法陣に込めた魔力を使って動かすのだ。
描き上がったものは、魔法陣と言っても円で囲んでいない図形だけのものである。
改めて描いた図形を見てみると、火打ち石のイメージとは直接関係ない図形を無意識に描いているのに気が付いた。それが魔法の図形である印となっているのは判るが、法則までは判らない。その点は理屈では無く、そう描くべきだと判るだけなのである。それでもこの事は人に教える時の一助にはなる筈だ。
そして、火打ち石の魔法陣をチーナに試して貰う事にした。図形の意味を説明し、その意味を念じつつ魔法陣に魔力を流すイメージで使うように説明する。
チーナが説明された通りに魔法陣に指を乗せて念じ始める。パチンと言う音と共に火花が散った。
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