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神を裏切り貴方と繋ぐ
Sー41、それぞれの覚悟
しおりを挟む「いや、良くないって」
そんなん出来るか、と徹さんを押し退けようとするのに、ぐりぐりと窄まりの中を掻き回されれば力が入らなくなってしまう。
「ちょ……、ずるい、って」
「ちゃんとそっちも舐めてやれよ」
奥のイイ所まで、あと少しで指が届いてこなくてむず痒い。堪えきれず太腿を擦り合わせる俺の唇に、志摩宮の陰茎が乗ったので舌を出してそれを舐めた。
「こっち見ろ、静汰」
徹さんに呼ばれて視線を彼に向けると、目を細めた彼はニヤニヤと唇を歪ませる。
「すげーいい眺め」
「……へ、変態……」
自分以外のを舐めているのを見て喜ぶなんて、想像以上の変態だ。知ってたけど。
ドン引きする俺から指を抜いて、徹さんは自分の股間を寛げて勃起した陰茎を取り出した。もどかしさに閉じていた脚を開かされ、狭間にそれが押し付けられる。
「そのままこっち見てろよ」
ガチガチに硬くて熱い肉が、頭を入れてくる。ゆっくり窄まりを押し開いて挿入ってくるその感覚は久々で、中を押される懐かしい角度を思い出して早々に前から精を吐いた。
「う……ぁ、あっ」
「相変わらず早ぇな」
「な、ナカ……奥、欲し……」
「分かってるっての」
奥に挿れて揺す振られてぇんだよな、と徹さんは上機嫌で根本まで俺に埋め込んで、そのまま小刻みに腰を振ってくる。奥まで肉に埋められたまま俺の中のイイ所をゴリゴリ押し潰されて、充足感と目の眩むような快感に高い声を上げて鳴いた。
「ひっ、あ、イイ、それ、好き、徹さん、それ好きぃ」
「静かにね、静汰」
「んぐ」
ぐい、と額と顎を掴まれたと思ったら、顔の横にあった志摩宮の陰茎の方を向かされて、それが口腔内に差し込まれてくる。力は入っていない。あくまで声を抑えさせる為みたいに、志摩宮は優しく俺の口に差して、すぐ抜いていく。
「ん……ん」
半分も俺の口に入らないそれに吸い付いて、下から睾丸を揉んだら志摩宮が低く呻いた。見下ろしてくる目が嬉しそうだから、俺も嬉しくなって茎を握って擦ってやる。
「んッ」
口の方に集中していたら急に抽挿が始まって、噛みそうになって慌てて口から力を抜いた。唇の端から涎が垂れて首の方まで流れていく。
「ん、ふ、……んん、ぅう」
中を掻き回されて喘ぐしか出来なくなった俺の口を、志摩宮が勝手に使って扱き始めてしまって、まるで俺が二人の性処理の玩具になったみたいな気分だ。二人から見た俺がどれだけ倒錯的な姿になっているか想像して、ぞくぞく、と背筋に震えが走る。
「なんだかんだ言いつつ、喜んでんじゃねぇか」
「気持ち良ければほんとなんでもいいんですねぇ」
呆れたみたいに感想を言う声が重なって降ってきて、こいつら気が合うなぁと笑いがこみ上げた。……いいか、こんな形でも。
「あ、かわいい。静汰の笑う顔ってなんでこんな可愛いんですかね」
志摩宮に頬を撫でられて、上がった口角の隙間から差し込まれてきた指も一緒に舐める。そろそろ限界が近いのか、加減を出来なくなった志摩宮の肉が時たま喉奥まで押し込まれてきて、抜かれていく時に粘膜を擦られる感覚がたまらない。
喉で気持ちよくなれるなんて知らなかった。それをされると徹さんの肉が埋まる窄まりの奥まで気持ちいい波が響いてきて、まるで上下に貫かれているみたいでおかしくなりそうだ。
「ん、ん、ぅ、んぐ」
「やべ……すげぇ奥の方が吸い付いてくる。お前が仕込んだのか、これ」
「は……、なんだか、分かんないスけど、こっちもいつもよりやばいですよ」
「あー、じゃあコレ、気に入ったな。なぁ静汰。お前の身体、ほんとエロさに限度が無ぇな」
腰を掴んで奥ばかり狙って穿たれて、目の前が真っ白になる。何度もイッてる気がするけれど、それが前なのか後ろでなのかすら分からない。
喉奥の粘膜を擦られているとそのまま気を失ってしまいそうで、もっとして欲しくて吸った瞬間に勢いよく抜かれてしまって、え、と驚いた顔に、熱い飛沫が掛けられた。
「う……」
精液が掛かって目を閉じた俺の頬を、志摩宮が撫でてそこに伸ばしていく。ベタベタして気持ち悪いけれど、嫌でも無いんだから俺もそこそこ変態かもしれない。
「おい顔にかけんなよ、キスしにくいだろ」
「口が俺のなら、あんたはキス無しでしょ」
「そ……れは、キツいだろ……」
「それより、さっきから何回中出ししてんですか。静汰が腹壊すんでやめて下さい」
「バレてたか」
「フツーに下に垂れまくってんですよ。何回出しても静汰は孕まないっスよ」
「分かんねーだろ」
「マジすか」
俺を犯しながら冗談を言い始めた二人に、気が散って気持ちいいのに集中できない。うー、と歯を噛み締めて唸ると、見下ろしてくる二対の目が俺を笑った。
「はいはい。満足するまで気持ちよくし続けてやるよ」
「二人がかりだったら、もうやめて、って泣かせられますかねぇ」
「……難しくねぇか、それは」
いいからさっさと続きに集中しろ、と踵で徹さんの腰を蹴って、それを合図みたいに二人はまた俺を貪った。
生で挿れたからと途中で徹さんが風呂に入りに行って、その間に今度は志摩宮に挿入された。志摩宮のが入ってくると徹さんのよりずっと奥まで犯されて、怖くて泣いてしまう。気持ちいいのより壊されるんじゃないかという恐怖の方が強くて啜り泣く俺を、志摩宮は宥めるようにゆっくりとしか動かない。
戻ってきた徹さんはそれを見て今度は俺の口に突っ込んできて、志摩宮より容赦なく喉まで使ってくるものだから、二度ほど吐きそうになった。二度共徹さんの陰茎で堰き止められて不発に終わったものの、それで完全に俺は喉奥まで犯される快感に目覚めてしまった。
口を犯されて恍惚とする俺を四つん這いにさせた徹さんは、見計ったように志摩宮を急かす。
「お前もいつまでも遠慮してねぇで、泣き喚くくれぇヤッてやれ」
「でも、すでに泣いてますし……」
後ろから奥を押されると、今までと違う所に当たって新鮮で、またそれもイイ。早々に俺の呼吸に合わせて喉奥を擦るコツを掴んだらしい徹さんの肉茎の刺激にめろめろの俺の頭を撫でながら、徹さんは志摩宮と話している。
「大丈夫だって。怖ぇならほら、こっち抜いててやっから。俺が静汰の顔色見ててやるから、本気ピストン見してみ」
どれだけ楽しんでるのか、徹さんは志摩宮を焚きつけて、言葉通り俺の口から
抜いた。呼吸を荒くして見上げた俺の顎を掴んで上向かせて、徹さんは志摩宮に目配せしている。
「……具合悪くなりそうなら、すぐ止めて下さいよ」
あくまで俺を気遣う志摩宮はなんて可愛いんだろう。自分の欲望を豪速球でぶつけてくるばかりの徹さんとは大違いだ。
油断していたら、ゆっくりと抜かれていった志摩宮のソレが、いきなり激しく出し入れされて目の前に星が散った。
「っ、……ぁ、ヒ……ッ」
悲鳴を上げる余裕もない。鳩尾あたりまで犯されているんじゃないかという衝撃に何も考える隙なんて無く、ただ腰に埋まる志摩宮の爪が痛い。
「……っ、~~、ぁ、あ、あ」
訳も分からず、犯してくる志摩宮の肉から受けるのを衝撃としか判断できないままに身体が勝手に先にイッた。細かく痙攣する俺の奥に志摩宮が腰を打ち付けて、数秒止まった後にまた動き出す。
「や、あ、奥……すぎ、怖いっ、志摩宮ぁ」
「ほんと……すご、静汰。奥、すごい吸ってくる……あれだけ中出しされて、まだ欲しいんですか、あんた」
「ちが、俺は……っ」
「な、平気だろ。静汰、俺の、こっちからも飲むよな?」
「んんんっ」
また口に徹さんのが捻じ込まれて、逃げ場もなく数擦りで喉奥に吐精された。直接注ぎ込まれて胃がひっくり返りそうな痛みに呻くのに、徹さんは俺の額の前髪を掴んで尚も揺す振ってくる。
「あ~……クソ、めちゃくちゃ興奮すっけど、すげぇ頭にクるな」
「……同感です」
やたら乱暴だと思ったら、ノリノリなくせに苛立ってもいるらしい。本当に勝手な人だ。
嫌ならやめたらいいのに、二人がその行為を終えてくれたのは翌日の明け方になってからだった。たぶん。カーテンの外が明るくなった頃、意識が朦朧としたまま風呂に連れて行かれたような気がするから、たぶんそれくらい。
死んだように眠って、目が覚めた時、部屋には徹さんしか居なかった。
ベッドで眠る俺にはきっちり布団が掛かっているけれど、徹さんは床にそのまま寝転がっている。体を痛めそうだけれど、志摩宮の部屋の志摩宮のベッドに勝手に上げるのもアレなので、俺が床に下りた。
「……生きてる」
眠る彼の頬を撫で、その肌が温かいのに安心する。
良かった、生きてる。それだけでいい。そのうち歪な関係に嫌気がさして俺の元を去ってしまうとしても、生きていてくれれば、それでいい。
「ん……」
そのまま頭を撫でた俺の手に、徹さんの手が重なってくる。寝ぼけ眼が薄く開いて、揺らいでから俺を見つけて薄く微笑んだ。
繋いだこの手が、また離れてしまう時がくるとしても。俺はきっと、自分の選択を後悔しない。
徹さんが好きだ。好きな人の為に俺が出来た唯一の選択を、絶対に後悔なんてするもんか。
「好きだよ、徹さん」
「……俺もだ、静汰」
伝えるというより呟いただけだったそれに、徹さんはすぐに応えてくれた。
俺の手の甲を撫で、指を絡めて、徹さんは嬉しそうに笑う。幸せなはずなのに、目の奥から溢れてくるものがあって、ぐっと堪えて歯を噛み締める。離したくないなぁ。二度と手放されたくなんてないなぁ。そうは思っても、それは俺だけの意思じゃどうしようもない。選ぶのは徹さんなんだから。
「二度と手放さねぇ」
彼が笑うのを、希望を込めてその指に口付けた。
そうだといい。そうなったら、とてもいい。
俺が寝ている隙に呼び出したシマミヤと契約して徹さんまでシマミヤの依代になっていたのを知るのは、遅い昼飯の材料を志摩宮が買って帰ってきて、それを徹さんが調理して三人で食べ始めてからだった。
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