神は絶対に手放さない

wannai

文字の大きさ
77 / 86
神と貴方と巡る綾

13

しおりを挟む

「嫌わない、ですか……?」
「ないない。徹さんなんてもっと酷いこと散々してんだぞ」
「……」

 な? と徹さんを見るが、彼はあらぬ方向を見て素知らぬフリだ。
 この人の変態プレイに比べれば、香で惑って平手打ちされたくらい、気にするほどのことじゃない。俺からも志摩宮を抱き締めて背中を撫でてやると、ゆっくりと志摩宮の身体から力が抜けた。

「ごめん、静汰」
「いいって。今この部屋に充満してるお香な、さっき言った通り素直になり過ぎちゃう感じだから。俺に嫌がられたと思ってカッとなったんだろ?」
「……ごめん……」

 しょうがないしょうがない、と呪文のように繰り返して、志摩宮を安心させるようにその背を撫で続ける。ああ、可愛い。志摩宮は本当に可愛い。庇護欲が刺激されるって、こういうのを言うんだろうな。
 しょげる志摩宮を慰めるのに夢中になっていたら、じっとりとした恨みがましい視線が向けられているのに気付いて顔が引き攣った。

「…………ほんと、お前は志摩宮には激甘だよな」
「ハハ……いやほら、なんか仔犬みたいで可愛いじゃん、志摩宮って」
「犬とヤんのかテメエは」

 言ってから、しかし徹さんは目と唇を弧にして押し黙った。何を想像してるか分かってるからな、このド変態。

「志摩宮、落ち着いたんなら車の方に……」
「嫌です」

 するならここじゃない方がいいだろう、と誘導しようとするのに、キッパリ拒否されて、え、と呆けた。その隙に、志摩宮にジャージをがばっと引き下ろされて、下半身が丸裸になって悲鳴を上げた。

「ひゃあっ、ちょ、志摩宮っ! け、蛍吾! 蛍吾居るからそっち!!」
「知ってます」
「やだやだやだっ、蛍吾の前とか死んでも無理!」
「大丈夫です、気持ち良くしてあげますから」
「おまっ……!」

 絶対嫌だ、と暴れる俺を軽々組み敷いて、志摩宮が舌舐めずりして俺に顔を寄せてくる。

「ん……、う、ぅ」

 合わせた唇の隙間から舌を吸われ、陰茎が輪にした指で擦られる。腰に熱が集まって堪らなく、それだけで脱力した俺を横の徹さんが低く笑った。

「チョロかわい」
「っスね」

 うるさい、と文句を言いたくても、人質みたいに中心の肉を擦られていてそれだけで身体に力が入らない。甘い痺れと天辺を欲しがる腹の奥の欲望に煽られて、されるがままに喘ぐしかない。

「と……る、さん。止めろよ……」
「俺、あっち先に処理してくっから頼んだぞ。……それに、そっちの二人は興味あるみてぇだしな」

 徹さんは立ち上がりざまにヤモリさんへ素早く紋を飛ばした。「ん?」と首を傾げたヤモリさんが、煙草を吸おうとして、数度瞬きしてから、ゆっくりと体を崩していった。ヤモリさんへ近寄った徹さんは彼の手から火のついたままの煙草を取り上げると、ひたひたと頬を叩いてからその体を横たえた。
 どうやら、紋で強制的に寝かせてしまったらしい。
 志摩宮と徹さんならともかく、それ以外に自分の痴態を見られるのはいい気分じゃない。残りの二人は、と蛍吾と洲月さんの方へ顔を向けると、べったりとくっついたままの彼らは俺と志摩宮を凝視していた。

「まっ……、うわ、やめろ蛍吾っ、そんな目で見んな! 志摩宮もマジでやめろよッ」

 半裸で手コキされている姿を興味深げに見られ、半泣きで志摩宮をどつく。が、志摩宮は「いや」と小首を傾げて蛍吾たちへ話し掛けた。

「もしかしなくても、たぶんあんたら、やり方知らないんでしょ」

 志摩宮の言葉に、二人が揃って顔を赤くする。耳まで赤くした成人男性二人に、いやいやまさか、と半笑いで俺が志摩宮を嗜めるのに、志摩宮は俺の身体をひょいと持ち上げて二人の方に俺の尻を向けた。

「ここに挿入れるんスよ」

 がば、と両手で尻たぶを掴んで開かれて、声にならない悲鳴を上げた。

「~~っ!!!!!」
「いてて、痛い、静汰」
「──っ、う」

 さすがに我慢ならん、とぶん殴ってやろうと暴れたのに、濡らされてもいない指を捻じ込まれて鋭い痛みに呻いた。ぐぐぐ、とそのまま押し挿れられて首を振る。

「し、志摩み、む、り」
「ヤり慣れてるこの人ですら無理やり突っ込むとこんな感じに痛がるんで、初心者は無理しない方がいいですよ。ローションとか無いでしょ?」

 どうやら志摩宮は親切にも蛍吾たちに指南してやるつもりらしい。いや、俺をお手本みたいに扱わないでくれ。教材じゃねーんだぞ。

「こんなことになるなんて……想定してなくて……」

 か細い声で応える洲月さんの返事に、志摩宮は頷いてから「代用出来ないこともないですけど」と殊更手荒く俺の陰茎を扱き出した。

「や……、し、ま」
「ケツ揺れてますよ」

 蛍吾たちに見られるのは嫌な筈なのに、彼らにみっともなく尻の狭間を晒した格好で敏感な肉を擦られて、志摩宮に胸元に縋り付く。四つん這いで志摩宮に抱き着く俺は、蛍吾たちからはまるでせがんでいるみたいに見えるだろう。
 数十秒で俺の肉の先から白濁が飛んで、それを掌で受け止めた志摩宮は窄まりの周辺と指をそれで濡らしてから、またゆっくりと指を挿入れてきた。

「ふ……ぅ、っん」
「この人はマジでアナル狂いの変態なんで指でもよがってますけど、普通の人はまず気持ち良くなりませんから。どうしても挿入までしたい、っていうならこうやって精液で代用出来ますけど、オススメはしませんよ」

 一本入れば、二本目はその横から滑るように入ってくる。ぐちゅ、ぐちゅ、と抜き挿しされて粘ついた音が響き、内部を擦られて脳髄が痺れる。なんか酷いこと言われる気がするけど、今はどうでもいい。指、気持ちいい。もっと奥まで欲しい。

「ど……どうしましょうか」
「俺は……洲月さんがしたいなら……」

 俺の背後で遠慮がちに蛍吾たちが話し合っているのが聞こえる。あ、指が三本になった。開かれる。俺の中に志摩宮の指が埋まって、敏感な部分を擦っていく。「あっ」と小さく鳴いて身震いして、肉の先から精を吐きながら痙攣した。びく、びく、と大きく震える俺の頭を撫でて、志摩宮が苦笑と共に溜め息を吐いた。

「後ろに蛍先輩たちが居るの、忘れてます?」
「んん……っ、だ、だって……、指、きもちぃ……」
「ほんと、スイッチ入るとエロさに際限ないですねアンタは」

 俺に呆れたみたいなことを言うくせに、志摩宮は俺の中に指三本を根本までずっぽり捻じ込んだまま中を指の腹でトントン叩いてきている。感じるなっていう方が無理で、指をぎゅうぎゅうに締め付けながら耐え切れず高い声で鳴いた。

「しまみやぁ……、もっと……、もっと奥、叩いてぇ」
「指じゃこれが限界ですよ」
「おいアバズレ、中に欲しいのは俺だけじゃなかったんか」
「んっ」

 バチ、と尻を叩かれたと思ったら、ヤモリさんの処理を終えた徹さんが戻ってきていた。にぎにぎと指が埋まるくらい強く尻たぶを揉まれて、痛いけれど期待に身震いして尻を振る。

「徹さ……、欲しい、はやく」
「……あっち、硬直したまま凝視してんだけど」
「奥、お願……っ、また、志摩宮の指で、イッちゃ……」

 言うが早いか、また陰茎の先から白濁が流れた。あ、今日もう、三回目。久しぶりだから少し辛い。これ、挿入れてもらってからイけるだろうか。
 奥歯を噛んで目眩に耐える俺の尻を撫でて、徹さんが後ろに回ってきた気配がした。カチャカチャと金属音がして、ベルトのバックルを外して股間を寛げたのだと知る。
 志摩宮の指が抜かれていって、ぽっかりと開いたような気持ちのするソコが切なくて力を入れて締めると、「うわ……」と小さな蛍吾の声がした。引かれただろうか。だろうな、当然だ。頭の中の冷静な部分がそう断じて、しかし熱に浮かされた身体はそれでも尚火照って、背後に押し当てられた徹さんの肉の先端を飲み込んで悦んだ。

「喜んで見学しといて、うわー、は無ぇだろ」

 俺の身体の強張りを悟ってフォローしてくれた徹さんの言葉に、蛍吾が慌てたように震えた声で言う。

「あ、いや……、他人の、っていうか自分のも見たこと無かったんだけど、尻の穴ってそんな形してたんだ……と思って……」
「あ、それ、俺も思った……。なんかもっと、アスタリスクみたいなのを想像してたというか……」
「ふはっ」

 蛍吾の戸惑う声に、洲月さんのそれも重なる。それを聞いて、俺の頭上で徹さんと志摩宮が見つめ合ってから噴き出して笑い始めた。

「あ~……、そりゃ、確かに」
「初見で静汰のケツは、そりゃビビりますね」

 なんだよそれ。そんなに変な形なのかと、不安になって志摩宮を見上げると、視線の先の緑の目は細く歪んで俺を映した。

「静汰のケツ穴はね、ヤリまくって緩んで、縦長に伸びちゃってんです」

 楽しそうに告げられ、顔が引き攣る。え、なにそれ。初耳なんですけど。
 自分のソコをわざわざ見ることも無いので知らなかったけれど、再三アンド長期間酷使され続けてきたのは事実で、変形してしまっていると言われて困惑した。それって大丈夫なんだろうか、と不安がる俺の後ろから、構わず腰を押し進めてきた徹さんが窄まりの縁を指でなぞって楽しそうな声で揶揄ってくる。

「チンポ挿入れる為の穴、って形してんだよなぁ。見る度ヨダレ出そーになるわ」
「舌入れてもイイ反応しますしね」
「おい、後ろは俺のだって約束じゃなかったのかよ」
「あんただってしゃぶらせてんだから文句は言いっこ無しでしょ」

 また仲良く軽口の応酬を始めた二人に、ソコの変形で彼らの興が削がれる心配は無さそうだとそこだけはホッとした。
 けれど、蛍吾に見られたのは……やっぱり、気まずい。
 ううぅ、と唸る俺に志摩宮がキスしてきて、顔を掴んで蛍吾の方に向けさせられた。

「大丈夫です、静汰。二人ともフツーに興奮してます」
「え……」
「ち、ちがっ」
「いや、目の前でセックスしてて興奮するなって方が無理じゃっ」

 慌てる二人の表情は、確かにドン引きのそれでは無さそうだ。それでもやっぱり気まずいのには違いない、と思っていたら、気を逸らす俺を咎めるみたいに、徹さんが奥を突いてきた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

【BL】捨てられたSubが甘やかされる話

橘スミレ
BL
 渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。  もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。  オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。  ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。  特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。  でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。  理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。  そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!  アルファポリス限定で連載中

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない

タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。 対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──

処理中です...